著者
矢向 正人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.103, pp.43-48, 2001-10-26
参考文献数
11
被引用文献数
1

計算機に楽譜情報を入力し分析するためには、楽譜情報を記述するためのデータ形式が定義されている必要がある。これまでにもさまざまなデータ形式が考案されているが、それぞれに一長一短で研究目的には不十分であった。本研究では、長唄譜である小十郎譜と三味線文化譜の持つ楽譜情報をXMLを用いて記述するためのデータ形式を定義した。このデータ形式では、まず、長唄譜のように三味線と唄との同期がとりにくい楽譜をうまく記述することができる。また、一曲についての複数のヴァリアンテをうまく記述できる。口頭伝承によるところが大きく、多くのヴァリアンテが存在する楽曲の記述にはこの工夫は有効である。In order to encode notational information information into a computer database and analyze it, it is necessary to define the data format for describing it. Up to the present, a lot of notational data formats have been designed and used. However, since all previous attempts have both advantages and disadvantages, they have been inadequate for musicological research. In this study, a notational data format for typical Nagauta music notations, that is, Kojuro notation and Shamisen-Bunka notation is defined by using XML. In the data format presented in this paper, a device is first designed suitable for the nagauta notation in which the synchronism between the song part part and the shamisen part is difficult to recognize. Then a device for rationally describing multiple variants in a piece is designed. These devices are available for describing pieces that depend mostly on oral transmission and a lot of variants are found in them.
著者
宇野 毅明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.93, pp.33-40, 2001-09-25
参考文献数
7
被引用文献数
1

議会においては 各党が保有する議席数 法案決定に必要な賛成の票数によって 各党の発言力は変化する. その発言力を数理的なモデルを用いて表現したものが投票力指数である. いくつかのモデルが提案されており それぞれについて その指数を計算するアルゴリズムが研究されている. 本稿では これらのアルゴリズムの改良方法を示し 1つの党の指数計算と同じ計算量で すべての党の指数を計算するアルゴリズムを提案する.In a council, the power of parties changes as the number of persons in the parties, and the number of votes to win. Power indices are indices representing power of parties in the mathematical way by using mathematical models. There proposed several models, and algorithms for computing indices for these models. In this paper, we propose an improvement for these algorithms, and propose improved algorithms for computing indices of all parties running in the time for computing indices of constant number of parties.
著者
木村 文則 前田 亮 波多野 賢治 宮崎 純 植村 俊亮
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.59-71, 2008-03-15
参考文献数
18
被引用文献数
1

本論文では,Web 文書の言語横断情報検索において,Web ディレクトリの階層構造を利用して問合せの検索対象分野の推定に基づいた検索手法を提案する.提案手法では,Yahoo! カテゴリのような複数の言語版を持つWeb ディレクトリを問合せ翻訳における訳語の曖昧性解消のための言語資源として利用し,Web ディレクトリの下層のカテゴリを上位のカテゴリに統合したうえで,利用者が入力した問合せ語群から検索対象分野の範囲を推定することで,問合せ語群の最適な訳語に翻訳することにより,言語横断情報検索を行う.評価実験では,Web 文書の言語横断情報検索に適切なカテゴリ統合度がどの程度であるのか検証し,提案した検索対象分野の推定の有効性を検証した.In this paper, we propose a cross-language information retrieval (CLIR) method based on an estimate of query domain related with search results using hierarchic structures of Web directories. To get the most appropriate translation of the queries, we utilize the Web directories written in many different languages as multilingual corpus for disambiguating translation of the query and estimate a domain of search results using hierarchical structures of Web directories. Experimental evaluations showed that we could have an advantage in retrieval accuracy using our proposal for disambiguating translation in CLIR system.
著者
山内結子 加藤大一郎 野口 英男 阿部 一雄 榎並 和雅
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.63, pp.31-36, 1995-07-14
被引用文献数
4

スポーツなどの生中継において、カメラの映像だけではわかりにくいボールなどの対象物の3次元位置を正確に伝えるために、三角測量の原理を用いて軌跡表示システム「ショットビュー」を開発した。操作する2台のカメラの角度と、カメラ間の距離から位置計算を行なう手法を取っており、システムに必要なカメラ角度の粘度を求めて、ゴルフボールの弾道を可視化する実験を行なった。その結果、カメラの設置位置と、表示に制限を加えることにより、ゴルフ中継への適用を可能にしたので報告する。また、放送用にリアルタイムのシステムを構築し、実験機を使用して放送した例について紹介する。This paper describes a newly developed real time locus indication system for golf ball in flight. The system, named "Shot View", detects the three dimensional position of the ball according to triangulation principles using the motion angle of two cameras to track the ball, and indicates the locus on a course layout background. The experiments conducted to ascertain its applicability to golf, and the system has been applied to long drives shots at a distant hole during several golf broadcasts.
著者
平櫛貴章 高橋大介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.12, pp.1-6, 2013-05-22

近年,様々な分野で巨大なグラフが出現しており,そのようなグラフを高速に処理する方法が必要となりつつある.また,GPU を搭載したクラスタシステムの台頭も著しく,Top500 ランキングにおいても複数の GPU クラスタが上位にランクインしている.しかし,LINPACK ベンチマークで示された性能に対して GPU クラスタのグラフ処理能力はあまり高いものとなっておらず,アルゴリズムの改善によるさらなる高速化が必要であると考えられる.そこで,本稿では GPU クラスタにおいて大規模なグラフの幅優先探索を高速化する手法を提案し,実装および評価を行った.その結果,GPU を利用することで CPU のみを用いた場合に比べてより高速に幅優先探索を行うことができることが分かった.
著者
鷹野 芙美代 関根 敦史 佐田 宏史 前川 仁孝 六沢 一昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌. コンピューティングシステム (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.280-289, 2004-10-15
参考文献数
17
被引用文献数
2

本論文では階層的挟み撃ち探索を用いたAND/OR木の並列探索手法について提案する.証明数の小さい節点は解である可能性が高い.そのため,証明数を用いるAND/OR木の並列探索の多くは証明数の小さい節点から探索する.しかし証明数の大きい節点が解である場合は,解を見つけるのに多くの時間を必要とする.そこで,証明数の小さい節点と証明数の大きい節点の探索を並列に行い,さらに証明数の小さい節点に多くのプロセッサを割り当てる並列探索手法を提案する.このように複数プロセッサで探索することにより,従来の探索法では解を見つけるまでに時間がかかる証明数の大きい節点が解である場合にも,探索時間を短縮することができる.提案手法を共有メモリ型並列計算機に実装して評価した.評価の結果,逐次探索では時間のかかる問題に対し,スーパリニアスピードアップが確認された.
著者
佐藤 進也 風間 一洋 福田 健介 村上 健一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌. データベース (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.26-36, 2005-06-15
参考文献数
13
被引用文献数
4

巨大なデータベースであるWebから知識を抽出する一手法として実世界指向Webマイニングを提案する.従来のマイニングでは主に統計的な処理によりデータの特徴が抽出されていた.これに対し, 実世界指向マイニングでは, 実世界を意識したデータの解釈, 具体的には, 実世界のエンティティがデータの中にどのように現れ, 相互にどういう関係を形成しているかを調べる.この考え方をWebにおける人物の識別に適用し, 同姓同名人物の分離を行った.これは, 与えられた人名が出現するWebページを同一人物ごとにグループ分けするタスクで, 本手法を用いた場合, 平均9割以上の高い率で正しく処理できることを確認した.
著者
石橋 勇人 山井 成良 安倍 広多 大西 克実 松浦 敏雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.4353-4361, 1999-12-15
被引用文献数
10 7

計算機の小型軽量化にともなって,モバイルコンピューティングが急速に普及してきている.大学などの教育機関においては,これらの計算機に対してネットワークサービスを提供するために,図書館などのパブリックスペースに情報コンセントを設置するところが増えている.しかしながら,このような環境下では,利用者の計算機の設定を限定することは事実上不可能であるため,ネットワークの不正利用を防止することが困難であった.本論文では,事前に登録された正規利用者のみが情報コンセントを利用することができ,かつ,IPアドレスやMACアドレスを偽造することによる不正なネットワークアクセスを防止する方法を提案する.本方式では,利用者が登録されていればIPアドレスやMACアドレスの事前登録は不要である.本論文で提案した方式を実装し実験を行った結果,利用者認証なしにネットワークにアクセスすることやMACアドレスやIPアドレスを偽って不正にネットワークにアクセスすることは不可能であり,安全な情報コンセントの構築に役立つことが確認された.Personal computers are getting much smaller and easier to carry about in these days.LAN sockets providing network accessibilityfor those mobile computers are often set in public places like libraries, computer centers, and so on.However, it is difficult to prevent illegal access to networks in such cases.In this paper, we propose a protection method to cope with illegalaccess.Our method provides the following functions: (1) only validusers can access to the network, (2) preventing malicious users frominvalid use of the network by IP and/or MAC address spoofing, and(3) no need for pre-registration of IP and/or MAC addresses.We have implemeted this method as a system named LANA.The design and implementation of LANA are also discussed.
著者
北田 純弥 萩原 将文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.1232-1241, 2001-05-15
参考文献数
20
被引用文献数
8

本論文では, 大規模な知識を有する電子辞書を利用し, 認知心理学に基づく比喩による文章作成支援システムを提案する. 比喩は, 言語による情報伝達のみでなく, 我々の思考や概念化, 記憶などの認知過程にも深くかかわっていることが広く認識されている. また, 自然言語処理の観点から, 比喩研究の成果から反映できる技術やモデルは, 応用範囲が広いと考えられている. 一方, 従来のコンピュータを利用した比喩研究は比喩理解に関する研究が多く, 使用する知識ベースの獲得にも大きな問題があった. 認知心理学においては, 比喩の処理過程には情緒・感覚的類似性やカテゴリ的類似性, 修飾語との共起関係の強さが比喩の生成に大きな影響を与えるといわれている. そこで, 本論文ではこれらの概念が工学的に導入された, 電子辞書を用いた比喩による文章作成支援システムを提案する. 提案システムでは, 情緒・感覚的類似度, カテゴリ的類似度, 共起度の3点を満たした比喩度と呼ばれる概念を導入し, 柔軟な比喩の計算を行う. また, 知識ベースとして大規模な知識を有するEDR電子化辞書を利用している. さらに, 発散的思考支援ツールとしての立場に立ち, 文章作成支援システムという形で, 実際にユーザが使用できるシステムを実装している. 詳細な評価実験により, 提案システムの有効性が確認されている.
著者
鈴木 栄幸 加藤 浩 佐々木 真理
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.93, pp.33-40, 1996-09-20
被引用文献数
1

本報告では、プログラミング協同学習ソフトウェア「あるごありーな」を利用した実験授業のインタラクション分析結果について述べる。「あるごありーな」は、プログラミングを含むソフトウェア作成技術育成を目的とした対戦型相撲シミュレータである。学習者は、力士の動きをプログラム言語を使ってプログラムし、他人の力士と対戦させる。対戦を活動の中心におくことは、強い力士を作ることを共通に志向する実践共同体の形成を支援する。この共同体の中で生徒らは自分の位置、すなわちアイデンティティを確立するともに、ソフトウェア作成技術を身につけていくのである。ビデオ分析結果により、「あるごありーな」が生徒らによるプログラミングの実践共同体の形成・維持を支援すること、学習はその共同体内でのアイデンティティの変容過程として捉えられることが示された。In this paper, AlgoArena system and results of an ethnographic study in an AlgoArena classroom are described. AlgoArena is a Sumo simulator software with which learners can program their own Sumo wrestlers with LOGO-based programming language and can have bouts with the others' wrestlers. The goal of this software is to foster programming ability. AlgoArena supports forming community of learners upon which the collaborative programming learning can be occurred by providing shared place for bouts, shared terms and artifacts to talk about their activities, and shared goal. An ethnographic investigation in the AlgoArena classroom revealed that: AlgoArena supports students to form their community as programmers; students learn programming skills through participating in the community; the process of identity formation in the community is inseparable from the learning process.
著者
秋山 康智 田中 功一 笠井 則充
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. マルチメディア通信と分散処理研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.99, no.4, pp.1-6, 1999-01-21
参考文献数
2
被引用文献数
4

情報共有型サービスにおける情報の効率的な配布を目的として、通信衛星利用データ配信システムの設計、実装を行った。今回、従来のUNIXマシン、衛星受信装置、ルータの構成であった受信装置を、PC及び衛星受信ボードに変更し、Windowsへの移植のため、制御ブログラムの再設計を行った。また従来の機能に加え、新たにIPマルチキャスト機能を採用し、実装した。また本システムでは、蓄積交換を行うことによってファイル転送を実現している。従ってファイル転送のスループットは、転送するデータサイズ、蓄積交換時のオーバーヘッド及び衛星伝達遅延に影響される。本稿では、転送するデータのサイズと転送レートの関係を評価することによって、600KB以上のデータでは、理論値の90%以上の性能が出るという、本システムの特性を明確にした。
著者
寺田 真敏 永井 康彦 倉田 盛彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CSEC, [コンピュータセキュリティ] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.68, pp.89-96, 2002-07-18
参考文献数
4

マルウェアの流布を含む不正アクセス活動は活発化しており、また、その被害も広範囲かつ多岐に渡るようになってきている。特に情報システムがWebサービス主体に構成されているイントラネットにおいては、Webサービスを対象とするワームの流布に伴う影響は甚大となる。本稿では、Webサービスを対象とするワームを抑止し、Webサービスの稼動継続性を確保するWebマッパ(Webサービスポート/ホストマッピングシステム)について述べる。Webマッパの特徴は、Webサーバ上のポート切替コンポーネントがWebサービスのポート番号を代替ポート番号にシフトさせることでワームの流布を抑止し、プロキシサーバ上のポート/ホスト変換コンポーネントが代替ポート番号へのシフトに伴うURL変更を隠蔽することでWebサービスの稼動継続性を確保することにある。
著者
百瀬 定靖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.18, no.10, pp.p1021-1024, 1977-10-15
被引用文献数
1
著者
中渡瀬 秀一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告
巻号頁・発行日
vol.96, no.70, pp.37-42, 1996-07-25
参考文献数
14

近年WWW上には多種多様な情報が存在している. そのためユーザ(検索者)にとって必要な情報はそこから入手できる場合が多い. しかしブラウジングによる検索には多大な手間を要する. 本稿では経済的効率を考慮したWWW検索のための情報発信者と検索者との協調について論じ, 協調事例を提案する.
著者
古市 昌一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.327-333, 2009-04-15
被引用文献数
1

米国ラスベガスで2009年1月に開催された2009CESの展示で,携帯端末やノートPCのモニタから大型の表示装置に至るまで,さまざまな機器で共通的に利用されて注目を集めていた技術の1つが,複数の接触点の位置を認識可能なマルチタッチ方式のタッチパネルであった.シングルタッチ方式のものは従来から列車の券売機等でおなじみであるが,携帯電話でマルチタッチ方式が最初に採用されたのは,2007年にApple社より発売されたiPhoneである.TVのCM等で,2本の指で巧みに画像を拡大・縮小し,指でなぞるジェスチャにより画像を動かす新しい操作法を初めて観たときの新鮮さを,多くの読者の皆さんは覚えているであろう.その後2008年から2009年にかけてはマルチタッチ方式のタッチパネルを採用したノート型PCの製品化が続いており,TV等を含む多くの表示装置がマルチタッチ方式のタッチパネルとなる日も遠くないと筆者は信じている. 今後さらにタッチパネルの大型化が進むと,会議のように多人数が協調作業する場でマルチタッチ方式が効果を発揮すると,読者の皆さんはお考えになるであろう.しかし,上述したマルチタッチ方式のタッチパネルはいずれもシングルユーザであり,大型化により多数の人が同時に操作できるようになったとしても,誰の指かをシステムが認識できないため,文字や図等を描く作業には適さないのである.会議等の協調作業の場で必須となる機能それは同時に触れている複数の指がそれぞれ誰のものであるかを認識するマルチユーザ機能である.本稿では,まずマルチタッチ方式を中心にタッチパネルによるヒューマンインタフェース研究の最前線を紹介した後マルチユーザ・マルチタッチ方式の技術紹介を通して今後の方向性と展望を紹介する.
著者
斎藤 伸雄 三田 虎史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.54, pp.15-22, 2005-05-27
被引用文献数
5

インターネットの隆盛や,XMLの普及,オフィス文書の電子化の促進など,近年,情報処理技術においてデジタルドキュメントを取り巻く環境は急速に変化してきた.当研究会でも,状況の変化に併せて様々な研究報告が行われており,研究報告対象の変化の流れは,デジタルドキュメント環境の変化に同調しているはずである.そこで,研究報告の流れを確認すべく,デジタルドキュメント研究会発足以来これまでの研究報告252件の抄録情報に出現してきた言葉について,データマイニングツールを用いて解析を行い,年代ごとに研究報告のトピックを俯瞰したので,それらの傾向について報告する.The Internet becomes popular, XML spreads, the office document is made electronic, and the environment that surrounds a digital document that relates to information processing technology has changed rapidly in recent years. Various research reports were done changing in the situation. The change to be researched is sure to be tuned to the change in the digital document environment.Then, to confirm the flow to be researched, the word included in 252 abstract information that had been reported in the digital document society was analyzed with a data mining tool. It takes a general view of the topic that appears every age, and it reports on those tendencies.
著者
松原 正樹 岡本 紘幸 佐野 智久 鈴木宏哉 延澤 志保 斎藤 博昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.127, pp.1-6, 2008-12-12
被引用文献数
1

本稿では,オーケストラスコアの自動色付け手法 Score Illuminator について述べる.オーケストラなど大編成用に作曲された楽曲のスコアは,パート数の多さから,一覧性に欠けるという問題点を持つ.本稿では,スコアの可読性の向上を目的として,パート間のクラスタリングを行い,色付けすることでこれを明示する手法を提案する.本稿の手法では,リズム,響き,メロディ,和声を考慮した 4 つの特徴量を用いてパート間の距離を定義し,k-means アルゴリズムを利用してクラスタリングを行う.本稿では,実際の譜面の色付けを行う実験により,提案手法によってパート間の役割の区別を自動的に行うことが可能であることを示した.Orchestra scores have many parts together and score reading skill should be required to understand such orchestra scores. Musicians often put colors on the scores for score reading. In this paper we propose a method to illuminate orchestra scores with colors automatically according to the similarity between parts. Our method introduces four feature values, concerning the rhythm, sonic richness, melody and harmony respectively. The part clustering phase is built on k-means algorism using these four feature values. Our empirical result showed that our method succeeded in illuminating scores automatically for readability improvement.
著者
君島 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.125, pp.55-64, 1997-12-19
被引用文献数
2

米国カリフォルニア州マリン郡のノバト高校のコンピュータ導入状況を見学したので報告する.地域主体でコンピュータを導入したこと,従来のカリキュラムをあまり変えずに道具としてコンピュータを導入したこと,そのために各科目の先生が努力してコンピュータを勉強したことなど,参考になる点が多い。1996年と1997年の2回,弊社主催の米国ツアーで訪問して得た情報と考察とを述べる.This paper reports on the introduction of computers to Novato High School, Marin county, California, U.S.. This case shows that ; 1) the community drives this program, 2) computers are introduced as tools for the existing curricula, 3) teachers of every subjects study computers. This paper reports on the visits at 1996 and 1997, and describes my consideration.
著者
黒瀬 浩 山田 茂樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-8, 2013-09-04

株式会社ドワンゴと国立情報学研究所によりニコニコ動画のメタデータがニコニコデータセットとして提供されている.そのデータセットの動画メタデータとタグ情報を解析し,タグをキーとした経路探索の影響について確認する.Viode meta-information of Nicovideo has provided by DWANGO Co., Ltd. and National Institute of Informatics (NII). This paper shows the analysis results of the statistical data of the meta-information of the videos and attached folksonomy tags on their video contents.
著者
新妻 弘崇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.38-38, 2014-06-10

本研究ではScheme言語(R4RS)の部分集合からC++言語へ変換する手法Scm2Cpp11の提案と実装を行う.Scm2Cpp11の生成するC++プログラムには編集が容易である点と,高速なプログラムであるという2つの特徴がある.Scm2Cpp11では型推論やalpha変換といった高度な操作を行わない.単純なプログラムコードの文字列置換のみでSchemeからC++への変換を行う.たとえば(car x)はcar(x)に変換される.単純な変換であるため,生成されたC++のプログラムは変換前のSchemeプログラムとの対応が容易に分かるようになっている.生成されたC++プログラムは編集が容易なため,OpenMPを使った並列化等も容易に行うことができる.またScm2Cpp11の生成するC++プログラムは他の良く知られた多くのScheme処理系より高速であるという特徴がある.高速となる理由は,単純な変換とするために,オブジェクトがデータ本体以外の型情報や環境情報などの付加情報を省かれて変換されるからである.たとえばSchemeの整数変数はC++のint型変数に変換される.int型変数に変換されるため,他の環境情報などを変換後のオブジェクトに格納しない.もう1つの理由は,Scm2Cpp11の変換はC++のtemplateやマクロの機能を使って,C++のコンパイル時の前処理として可能な限りの処理を行おうとする点である.このために,コンパイル時に前処理された後の実行プログラムが高速となる.We propose and implement a translation method Scm2Cpp11 that translates from the subset of the Scheme language (R4RS) into C++ Language. Scm2Cpp11 has two advantages. The first advantage is that Scm2Cpp11 generates an editable C++ code. The second advantage is that Scm2Cpp11 generates a quite fast C++ program. Actually Scm2Cpp11 is just string replacement operator for programming code. Scm2Cpp11 does not include other operations like type inference alpha-conversion and so on. For example, Scm2Cpp11 translates (car x) into car(x). Thus finding correspondence between original Scheme code and translated C++ code is quite easy. Adding well-known C++ library's function, for example OpenMP parallelization feature, to the editable translated C++ is also quite easy. A C++ program Scm2Cpp11 generates is faster than many other well-known Scheme implementations. Scm2Cpp11 translates a Scheme object into a C++ object which holds only data body. The translated C++ object does not have any additional environment information. For example, Scm2Cpp11 translates a Scheme integer variable into a C++ integer variable. The additional information are processed as a preprocess when C++ code compiled. The preprocess is described using C++ template and macro techniques. That is the reason why Scm2Cpp11 can generate efficient C++ programs.