著者
板倉 陽一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.28, pp.1-8, 2013-09-04

復興庁職員によるツイッターでの不適切発言事案が発生したことから,総務省は,同様の事案の再発防止を期する観点から、各府省庁等に対して職員の服務規律の徹底を求めるとともに、「国家公務員のソーシャルメディアの私的利用に当たっての留意点」 を取りまとめ、各府省庁等に対して、これを参考に職員への周知徹底を行うほか、必要に応じて、内規の制定、研修の実施等を行うよう求めている。本発表では,同取りまとめの意義を,具体的事例を交えて解説するとともに,その影響等につき考察する。Followed by the careless tweet case by the official of Reconstruction Agency, Government of Japan, Ministry of Internal Affairs and Communications, Government of Japan (MIC) announced government agencies for the compliance of rules for officials and published "Points for attention for personal use of social media by government officials". MIC required government agencies to refer this "Points", set internal rules and have in-house trainings. This paper examines the "Points" with cases and considers the impact of it.
著者
横山 正典 鈴木 啓太 木下 由貴 望月 崇由 山田 智広 櫻井 翔 鳴海 拓志 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.4, pp.1-5, 2015-05-07

異なる場所にいる人同士が同じ場所で対話しているかのような体験を実現する技術であるテレプレゼンスの研究が進められている.本稿では,人の非言語メディアを拡張することで F2F では生じ得ない心理効果を伴う遠隔コミュニケーションを実現する "超現実テレプレゼンス" を提案する.超現実テレプレゼンスの具体例として,視線の指向性の制御,Social Touch の心理効果の制御,Proxemics に基づく対面距離の制御を行うテレプレゼンスインタフェースを示し,今後の課題,想定される適用例,今後の展望について述べる.
著者
相原 龍 滝口 哲也 有木 康雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.15, pp.1-6, 2014-12-08

本報告では,非負値行列因子分解 (NMF) を拡張したMultiple Non-negative Matrix Factorization (Multi-NMF) を提案し,任意話者の発話を特定話者の発話へと変換する多対一声質変換を行う.従来,声質変換は入力話者の声質を出力話者のものへ変換する話者変換を目的として広く研究されてきた.声質変換において最も一般的な手法は混合正規分布モデル (GMM) を用いた統計的手法であり,統計的声質変換の枠組みは複数の事前収録話者から構成されるパラレルデータセットを用いて,任意の話者から他の任意の話者への変換へと拡張されている.一方,統計的声質変換に代わる手法として NMF を用いた Exemplar-based 声質変換がある.この手法は,NMF が有する雑音除去機能と,Exemplar-based 手法がもつ変換音声の自然性保持という利点から研究が進められている.しかしながら,NMF 声質変換においては入力話者と出力話者のパラレルデータの存在が前提であり,これまでは任意話者からの声質変換は不可能であった.そこで本報告では,Multi-NMF による,入力話者の発話データを学習せずども変換できる多対一声質変換を提案する.入力話者の発話スペクトルは,事前に学習された複数の話者の発話スペクトルの線形和で表現され,その結合重み係数を用いて目標話者の発話スペクトルヘと変換される.この手法は,多対多声質変換や,話者性を制御可能な声質変換へと応用可能であると考えられる.Voice conversion (VC) is being widely researched in the field of speech processing because of increased interest in using such processing in applications such as personalized Text-To-Speech systems. Statistical approach using Gaussian Mixture Model (GMM) is widely researched in VC and eigen-voice GMM enables one-to-many and many-to-one VC from multiple training data sets. We present in this paper an exemplar-based VC method using Non-negative Matrix Factorization (NMF), which is different from conventional statistical VC. NMF-based VC has advantages of noise robustness and naturalness of converted voice compared to GMM-based VC. However, because NMF-based VC is based on parallel training data of source and target speaker, we cannot covert voice of arbitrary speakers in this framework. In this paper, we propose a many-to-one VC using Multiple Non-negative Matrix Factorization (Multi-NMF). By using Multi-NMF, arbitrary speaker's voice is converted to target speaker's voice without any training data of input speaker's. We assume that this method is flexible because we can adopt it to many-to-many VC or voice quality control.
著者
綿貫 啓子 外川 文雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.73, pp.79-84, 1995-07-20
参考文献数
8
被引用文献数
9

対話の進行とともに、人の感情は、気分が乗ってきたり退屈したりとさまざまに変化し、その感情が表情や音声に表われる。このような感情の変化をとらえることを目的に、本稿では、二人の対話過程で、いわゆる話が乗ってきて気分が高まる様子を、マルチモーダル対話データベースを基に解析した。その結果、気分の高まりとともに、音声や動作に以下の変化が現われることを確認した:)二人の発話量(時間)が等しくなってくる、)二人の発話の重複が多くなり、一方、沈黙の時間が減少してくる、)音声の平均ピッチが上昇する、)頭の縦振りとアイコンタクトが相補って現われる、)まばたきの間隔が長くなる。また、二人の感情の度合が同期し、協調しながら対話が進んでいくことが確かめられた。When communicating with computers, users may display a variety of emotions in faces and voices. Thus, in realizing more flexible and natural communications between humans and computers, we consider that computers need to know about their user's emotional state: whether the user is interested or not. In this paper, we describe some features which would convey the level of interest in the process of conversations: 1) the proportion of speaking time becomes nearly equal; 2) the proportion of time for utterance overlap increases, whereas the proportion of time for non-speaking (silence) becomes lower; 3) the mean F0 increases; 4) nodding and eyecontact serve to acknowledge the partner in a complementary way; and 5) the time intervals between blinks become longer. Further, we describe that there seems to be a shared level of interest between the two subjects in order to perform coordination.
著者
浜中 雅俊 後藤 真孝 麻生 英樹 大津展之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.100, pp.71-78, 2002-10-25
被引用文献数
5

本稿では、実在する人間の演奏者固有のフレーズを模倣するためには、ジャムセッションの演奏記録から、フレーズを再利用可能な形で切り出し、フレーズデータベース上に蓄積する必要がある.本研究では、自動でフレーズデータベースを作成するための手法として、(1)確率モデルに基づいた発音時刻のクォンタイズとそのモデルパラメータの教師なし推定法、(2)ボロノイ線図を用いたグルーピング手法によるフレーズ分割、(3)局所自己相関関数を用いたフレーズからの特徴抽出法とフレーズの空間配置法、を提案する.This paper describes a jam session system that enables a human player to interplay with virtual players, each of which imitates musical phrases of a human player. In order to imitate musical phrases of a human player, it is necessary to build a database of phrases extracted from session recording. We propose the following three methods for creating a database automatically:(1) a probabilistic-model-based quantization method for estimating the positions of onset times in a score and an unsupervised estimating method for the model parameters, (2) a phrase dividing method using the Voronoi diagram, and (3) a method of extracting the phrase characteristics by using autocorrelations and a method of locating phrases in a space.
著者
庄司裕子 堀 浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.1387-1400, 2001-06-15
被引用文献数
9

実購買行動で生じる消費者と店員との対話を分析した結果,購買時の意思決定プロセスにおいては,適切なタイミングで適切な情報が付与されることによって注目点が変化し,結果として意思決定がなされる場合が少なくないことが見い出された.このような「思考のジャンプ」ともいえる現象は,設計などの創造的活動や概念形成において観察される現象と共通するものである.したがって,創造性支援システムにおいて得られる効果は,オンラインショッピングシステムのインタフェースでも同様な役割を果たすと期待できる.欲しいもののイメージが曖昧なユーザの購買時の意思決定を支援する機能を付加することによって,このような(曖昧な要求しか持たない)消費者層に対して効果的なオンラインショッピングシステムのインタフェースを実現できるのではないか.本稿では,これらの仮説と,それを検証するための実験の試みについて述べる.Analyzing protocol of communication between customers and salesclerks in actual purchase activities, we have found that appropriate information given by the clerk in a timely manner often causes the customer's focus to be changed to lead him/her to make a decision on what to buy.This, so to speak, ``leap in thought'' phenomenon is similar to one often observed in creative activities such as designing or concept formation.Therefore, the effect provided by the creativity support systems can be expected to play a similar role also in online-shopping system interfaces.Features for assisting customers' decision making may enable the construction of online-shopping system interfaces which are useful for customers without clear image of what they want.This paper will describe these hypotheses and an attempt of experiment to verify them.
著者
田中 哲朗 岩崎 英哉 長橋 賢児 和田 英一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.2122-2131, 1995-09-15
被引用文献数
7

多くの漢字は偏や旁などの基本的な部品の組合せからできている。本論文では、このことを利用して、漢字を具体的な座標を含まない抽象的な組合せ情報で定義しておき、プログラムによって部品を組み合わせてフォントを生成する方法を提案する。各部品は組合せによって大きさが変化するので、通常は様々な大きさの部品を用意しないと組み合わせて使うことができない。しかし、線の太さを自由に変えることのできるスケルトンフォントを使えば、あるサイズでデザインした部品をサイズを変更して使うことができる。そこで、本研究では論文(1)で提案した複数書体に対応可能なスケルトンフォントの形式で部品のデザインを表現する。組合せの種類として、横方向、縦方向、片方の部品の空白部分に他方の部品を配置する嵌込みが考えられる。JIS X0208に含まれるすべての漢字をこの3種類の組合せで表現して、最初の2つの組合せを扱うだけでもある程度デザインコストを減らせるが、嵌込みを扱うと更に効果があることを確かめた。また、未知の漢字が現われた時に、既知の部品の組合せだけで表現できる可能性を、JIS X0212の漢字の何割がJIS X0208の漢字の部品で表現できるかによって見積もった。表現した漢字を表示、印刷するためには組合せアルゴリズムが重要である。そこで、一番容易な横方向の組合せを実現するために単純な方法をいくつか実装し、評価をおこなった。その中でもっとも良かった組合せアルゴリズムをもとに縦方向、嵌込みのプログラムを実装し、JIS X0208とJIS X0212のフォントセットを作成した。これが単純なアルゴリズムで作成されたものにもかかわらず、ある程度の品質に達していることを確かめた。
著者
岡田 陽介 高木 佐恵子 岩崎 慶 吉本 富士市
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.13, pp.103-108, 2007-02-20

本稿では、人間の顔の3次元形状データを、一般に美しいとされる顔がもつ特徴を有するように変形するシステムについて報告する。変形対象は、眉、目、鼻、口、輪郭とし、形状と配置の美化を行う。美化の程度は、入力パラメータによって制御可能であり、ユーザの好みに合わせた美化モデルを作成できる。提案システムおよび生成された顔モデルについて実験を行った結果、提案システムの有用性を確認した。We introduce a new system that transforms 3D facial data into beautified ones which have the features as beautiful faces in general. The targets of beautification are eyebrows, eyes, nose, mouth, and face contour. The operations for beautification are modifications of shapes and arrangement of the targets. The levels of the beautification can be controlled according to the parameter values input by a user, and the system can make beautified facial models matched to the user's favor. The effectiveness of the proposed system was confirmed from the experimental result on the proposed system and beautified facial models.
著者
山口 直人 塩見 彰睦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.103, pp.7-12, 2003-10-17
参考文献数
2

SEP-3は、静岡大学情報科学科の計算機教育用に開発されたマイクロプロセッサである。現在は回路図入力によるボトムアップ式で設計演習を行なっている。一方、実際の設計現場では言語ベースのトップダウン式設計手法へのシフトが起きようとしており、本学の設計演習もこのような変化に対応する必要がある。そこで本研究では、C言語を拡張したHDLであるHandel-Cを用いたトップダウン方式のSEP設計方法を提案し、その工数を評価した結果を報告する。実験の結果、目標工数36時間未満を達成することができ、回路規模も現行の実験ボードに実装可能な規模であることが確認できた。In our university, the design exercise of microprocessor SEP-3 for education using a schematic entry CAD is performed with bottom-up method. On the other hand, design site is try to change to top-down design method using C base hardware description language. We also have to apply to such change. In this paper, we propose the top-down design of SEP-3 using Handel-C, and describe the design effort. At the result, new design method needed 15 man-hour and required approximately 10,000 gates.
著者
村永哲郎 守安 隆 友田 一郎 水谷 博之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.1395-1405, 1993-06-15
被引用文献数
6

共同文書作成作業における複数ユーザ間の情報の共有と、コミュニケーションを支援する環境を提供するために、マルチユーザ・ハイパーメディアシステムMuHyme(Multi-User Hypermedia)を開発した。Mu-Hymeでは墓盤データベースとしてハイパーメディアを採用し、相互に関連するマルチメディア情報を長期間にわたって共有一元管理することを可能とした。またリンクづげ操作として、ノードヘのコメントづけを導入することにより、協調作業における基本的なコミュニケーション手段を提供している。これにより複数のユーザが文字や図形、静止画、音声を含むマルチメディア文書を共有して、その文書に非同期的にコメントづけを行って議論することを可能とした、MuHymeの特徴は、(1)ハイパーメディアのノード更新に、チェックイン・チェックアウト操作に墓づくデータ更新モデルを導入し、長時間セッションにおいて他のユーザの作業進行を妨げないようにした、(2)他のユーザの操作をメッセージにより通知し合うメカニズムを提供することにより,協調的なアクセスを可能とした、(3)文書のバージョン管理と議論の履歴管理とを統合し、議論の繰り返しを防ぐようにしたことにある。MuHymeは実験システムの開発を終了し、利用評価を行っている。本論文では、MuHymeの特徴的なグループウェア機能の設計と実現、利用評価について述べる。
著者
中屋 真紀 松島 俊明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.100, pp.7-12, 1997-10-18
被引用文献数
3

イメージスキャナで読み取った尺八譜画像から,譜字,拍子線など尺八譜記号を自動認識する研究を行っている.尺八譜に用いられる記号は手書き文字で構成され,また,記号同士の重なりが多いため,記号の切り出しと認識方法に工夫が必要である.都山流尺八譜を対象に研究を行っているが,認識アルゴリズムの改良により認識率が向上した.また,尺八には様々な流派があり,流派毎に使用する尺八譜は異なっているが,新たに竹保流尺八譜の認識を試みたので報告する.We are developing a system which recognizes Shakuhachi tablature image. Shakuhachi tablature mainly consists of handwritten characters and its symbols are frequently over lapped each other. It is required to design special algorithm for recognition of the Shakuhachi tablature, especially symbol separation. Although there are some styles in Shakuhachi tablature, our current target is Tozan-ryu style. With the modification for the recognition algorithm, we have achieved the higher recognition rate than the previous version. In addition, we have started to support the Chikuho-ryu style and got the appropriate results.
著者
松島 俊明 坪井 邦明 志村 哲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.74, pp.9-16, 1998-08-07
参考文献数
17
被引用文献数
6

尺八には様々な流派があり,尺八譜に用いられる譜字やその運指法/奏法は,流派毎に異なっている.尺八譜情報の計算機処理にとって,これらの違いがデータの共有化やシステム開発の効率化の妨げとなっている.この問題を解決するために,尺八譜のための標準データ形式COMSOを提案する.本報告では,全ての流派の全ての譜字に統一的な譜字コードを与える方法と,尺八譜のための記述言語の概要について述べる.There exist some Shakuhachi schools. Although Fuji (notation character in Shakuhachi tablature) represents fingering and blowing techniques, a set of Fuji used in each school is different among schools. These differences tend to be an obstacle for the computer processing of the Shakuhachi tablature. In order to solve this problem, we propose COMSO: COMmon representation language for Shakuhachi nOtation. This paper reports on the method to give the unique code for every Fuji and on the grammar for the Shakuhachi tablature description language.
著者
志村 哲 片寄 晴弘 金森 務 白壁 弘次 井口 征士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.124, pp.1-6, 1996-12-13
被引用文献数
1

我々は、「ヴァーチャル・パフォーマー」プロジェクトの一環として、1993年から現在までに、芸術創作面からの要望と、感性情報処理・ヒューマンコミュニケーション技術の研究・開発面を対等な立場に置いて「Cyber尺八」の共同制作をおこなってきた。Cyber尺八は、日本の楽器・尺八とその奏者の身体の両方に取り付ける各種センサ、シグナルプロセッサを伴うパーソナルコンピュータによって構成されるハードウェアと、尺八の伝統的演奏技法および、MAXプログラミングによるソフトウェアによって実現される楽器システムである。また、マルチメディア環境においては、その演奏情報によってデジタル映像やCGのリアルタイム・コントロールをも可能にしている。本稿は、システムと作品「竹管の宇宙」の概要を音楽的側面を中心に解説し、楽器・作曲ツールとして広く公開し活用する方向性を探る。Since 1993, up to the present, the creation of "Cyber Syakuhati (Shakuhachi)" has been integral part of the Project "Virtual Performer", the collaboration in which we equally respect both the demands/desires from artists and the studies/developments for the technology of the KANSEI Information Processing and Human communication. The Cyber Syakuhati is a musical instrument system being realized by the followings: The hardware which consists of the various sensors attached both to the syakuhati, traditional Japanese musical instrument, and to the body of the performer who plays it, and the personal computers with signal processors; traditional performing techniques of the syakuhati; and the software system designed/written by the MAX programing. It also enables to conduct the real-time control of the digital pictures and the computer graphics through the information from the performances, when the system is situated in the multi-media circumstances. This paper illustrates the outline of the system as well as the piece tikukan no utyu [The cosmology of the bamboo pipes]" composed by the present authors, chiefly from the musical viewpoint, and investigates the ways how the system will be known to the public and used efficiently as an instrument and/or a tool of creating musical compositions.
著者
有元 慶太 吉川 茂
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.16, pp.5-11, 2001-02-22

エアリード楽器において、尺八、フルートを仮定した"short"とパイプオルガンやリコーダーを仮定した"long"の二つのフルー形状について流速分布を測定した。理論上は"long"の場合、ジェットはフルー内部ではPoiseuille分布、フルーから出た後はb=4h/5(ジェットの半幅をb,フルーの高さを2hとする)のBickley分布に従い、"short"の場合はフルー内部ではtop-hat分布、フルーから出た後はb=3h/2のBickley分布に従う。実験結果は、(a)"long"の場合、低速域(10?20m/s)ではb=4h/5のBickley分布に従う。(b)"short"の場合は20?50m/sでフルーからの距離Xが8mmの場合ジェットの流速分布はb=3h/2のBickley分布に従う。(c)"short"の場合は低速域(10?20m/s)ではフルーからの距離xが2mm<x<8mmの範囲ではジェットの流速分布はn=3のNolleに従う。これらより、結論として線形化した不安定性理論に基づくと、低速域ではジェットの擾乱波動の成長率は"short"よりも"long"の方が大きいと考えられる。It is empirically known that the geometry of the flue channel and the flue exit significantly affects the tone color in air-jet instruments. A precise correlation between this flue geometry and the resulting jet velocity profile was investigated experimentally. Two kinds of flue geometry, "long" and "short", are used. Theoretically, a "long" flue, which is a model of organ pipes or recorders, yields the Poiseuille profile for the channnel flow and the Bickley profile (with half width b=4h/5, where 2h defines the jet thickness at the flue exit) for the subsequent jet flow. A "short" flue, which is a model of the flute or shakuhachi, yields the top-hat profile for the channel flow and the Bickley profile(with b=3h/2) for the subsequent jet flow. Experimental results show the following: (a) A "long" flue gives the theoretical Bickley jet for 10m/s < V_<max> < 20m/s and for 2mm < x(distance from the flue) < 8mm. (b) A "short" flue gives the theoretical Bickley profile jet for 20m/s < V_<max> < 50m/s and for x=8mm, (c) A "short" flue gives the empirical Nolle profile for 10m/s < V_<max> < 20m/s and for 2mm < x < 8mm. Since the Bickley profile yields larger amplification factor of the jet-wave disturbance than the Nolle profile, we may consider that a "long" flue yields larger amplification factor than a "short" flue in the range of 10m/s < V_<max> < 20m/x and for 2mm < x < 8mm.
著者
片寄 晴弘 金森 務 白壁 弘次 井口 征士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.75, pp.47-50, 1996-07-27
被引用文献数
4

イメージ情報科学研究所では,Virtual Performerという研究の一環として,インタラクティブマルチメディアアートの制作を行っている.それらのうち,本稿では,尺八を題材にしたコンピュータミュージック「竹管の宇宙」とダンスを題材にしたDMIプロジェクトの制作状況および技術的なトピックスを紹介する.This paper describes the current overview of the Virtual Performer which is designed to compose and perform interactive multimedia arts with it. The Virtual Performer consists of sensory facilities, presentation facilities and authoring facilities. As for sensory facilities, this paper focusses on a motion capture sensor based on image processing and ATOM which is designed for the smallest Analog/MIDI conversion. The paper also desciribes applications of the Virtual Performer to the Computer Music and the Stage arts.
著者
金森 務 片寄 晴弘 志村 哲 井口征士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.71, pp.45-48, 1994-08-06
被引用文献数
2

我々は,感性情報処理・ヒューマンコミュニケーションの研究の一貫として,Virtual Performerの開発を行なっている.Virtual Performerとは文字どおり仮想的なPerformer(演技者,演奏者,実行者)の作成を目指したものであり,特にリアルタイム芸術における感性コミュケーションをキーワードに掲げている.Virtual Performerの構成としては外界からの情報の入力処理,入力した情報の解析と応答処理,音響・映像の表現処理の大きく三つの処理群から成り立つ.これらの構成の仕方により様々なタイプの応用が考えられるが,本稿では,計算機音楽作品「竹管の宇宙II」を演奏するために開発したCyber尺八について紹介することにする.We have been developing the Virtual Performer as the study of KANSEI Information Processing and Human Communication. One of the objectives of the Virtual Performer is to study the model of "KANSEI" communication in real-time. The Virtual Performer is composed of the sensor module which acquire the information of the environment, the control module which analyzes the acquired data and plans how to respond to the environment, and performance module which express the response using Audio-visual equipment. This paper focuses on Cyber Shakuhati for "Tikukan no uchu", as the latter usage of the virtual performer.
著者
張 輝陽 星野 准一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.5, pp.1-4, 2014-03-10

ビデオゲームにおいて,AI キャラクタの行動がプレイヤのプレイ体験に大きい影響を与えるため,ゲーム AI の開発が非常に重要とされている.しかし,Multiplayer Online Battle Arena(MOBA) のようなゲームではチェスなどのボードゲームより複雑で,可能なゲーム場面数が厖大な故,ゲーム AI の開発コストも高くなると考えられる.ゲーム AI の開発コストを削減に関連する手法として,機械学習手法を用いた AI キャラクタの行動を自動的に生成する研究はあった.しかし,実際のゲームデータの中にあるプレイヤの行動には必要がない行動つまりノイズ行動も入っていると考えられる.本稿では MOBA ゲームにおいて自己増殖ニューラルネットワーク SOINN を用いた AI キャラクタの行動ルールの自動生成及びノイズ行動除去の効果について検討する.In video games, for AI characters' behavior will greatly impact on players' play experience, developers paid a lot of attention to the development of game AI. However, games like Multiplayer Online Battle Arena which are considered to be much more complex than board games such as chess have a great number of game situation and the development of game AI for these games is quite costly. Aimed saving cost of developing game AI, there are some researches on automatic generating behavior rules for AI characters by using machine learning. However, it is needed to take into account of players' behavior in real games' data that are not necessary. These behaviors are also called as noisy data. This paper will presents a method of automatic generating AI characters' behavior rules and discusses about the noisy excepting result of Self-Organizing Incremental Neural Network.
著者
松島 俊明 坪井 邦明 志村 哲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.16, pp.93-100, 2001-02-22
被引用文献数
4

筆者らは尺八譜の情報処理システムの研究の一環として尺八譜のための標準データ形式COMSOを提案し,これに基づいたシステムの開発を進めてきた.COMSOコードは,基本音階における各音は流派によらず同じ奏法によるものと仮定し,原則として音高,指遣いのみに基づいて機械的に決定できる譜字コード体系である.しかし,各流派の教授資料を詳細に比較した結果,指遣いも含めた演奏方法に相違があり,すべての音階音を各流派間で一意に対応付けることができないことが判明した.この問題を解決するためにCOMSOコードの全面的な改定を行い,併せて新しい音価表記法の提案および尺八譜処理システムのユーザインタフェースの見直しを行い,尺八譜の作成・出版業務の支援を可能とするシステムとして再構築を開始したので報告する.The authors have been developing Shakuhachi tablature information processing system. In order to handle multiple schools (ryu-ha) in Shakuhachi, we proposed COMSO: COMmon representation language for Shakuhachi nOtation. We designed COMSO on the assumption that basic notes of each school are the same fingerings. According to the recent researches, there exist some examples against above assumption. To resolve this problem, we renew COMSO and designed new time value representation method. In addition, we redesign user interface of the Shakuhachi tablature information processing system, and start to build the system applicable for Shakuhachi tablature production and publication.
著者
久保田晃弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.39, pp.45-46, 2006-05-04

既存の電子回路を改造することによって、新しい音や独自の楽器を創り出すサーキット・ペンディングは、21世紀のDJカルチャーである。そこにはモダニズムからポストモダンヘという直線史観も、レトロフューチャーな循環史観も通用しない。サーキット・ペンディングがもたらしたのは単なる手法や技術ではなく、ピットやアトム、バイオや量子が混在するヘテロでハイプリットな新世紀に相応しい、新たな文化や価値観の幕開けなのだ。Circuit Bending is based on the DJ culture of the 21st century. Neither a straight line historical view nor the circulation historical view can explain it. It brought the beginning of a new heterogeneous and hybrid culture or sense of values.
著者
有本 泰子 河津 宏美 大野 澄雄 飯田 仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.12, pp.133-138, 2008-02-09
参考文献数
8

音声に含まれる感情情報を自動認識することを目的に、オンラインゲーム中の自然な対話を収録し、感情音声のコーパスを構築した。感情の種類の分類としてプルチックの提案した感情立体モデルのうち、その一次的感情を取り上げ、収録した音声に付与した。また、収録した音声の高さ、長さ、強さ、声質に関わる11種の音響的特徴を抽出し、音響的特徴ごとに分散分析を行ない感情間の有意差を検証した。さらに、分散分析の結果に基づき、特定の感情と他の感情とを判別するための判別分析を行なった。その結果、驚きで79.12%、悲しみで70.11%と高い判別率が得られ、他の感情においてもほぼ60%以上の判別率となった。For a purpose of automatic emotion recognition by acoustic information, we recorded natural dialogues made by two or three online game players to construct an emotional speech corpus. Two evaluators categorized the recorded utterances in a certain emotion, which were defined with referenced to the eight primary emotion of Plutchik's three-dimensional circumplex model. Moreover, 11 acoustic features were extracted from the categorized utterances and analysis of variance(ANOVA) was conducted to verify significant differences between emotions. Based on the result of ANOVA, we conducted discriminant analysis to discriminate one emotion from the others. As a result, high correctness, 79.12% for surprise and 70.11% for sadness, were obtained and over 60% correctness were obtained for every emotions.