著者
齋藤彰一 泉 裕 上原 哲太郎 國枝 義敏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.3478-3488, 2002-11-15
被引用文献数
3

VPN(Virtual Private Network)は,エクストラネットの構築のため,あるいはユーザがインターネットから安全にリモートシステムにアクセスするため広く用いられている.ある組織において,管理を部署ごとに分散させる必要からLAN内にファイアウォールが階層的に構成される場合がある.このような場合,あるユーザが組織外から自分の所属部署にアクセスするには,複数のVPNゲートウェイを経由する必要がある.しかし,一部のオペレーティングシステムに,同時に複数のVPN接続を構成できないものがある.そこで我々は,単一のVPN接続を用いて,複数のVPNゲートウェイを介して目的のVPNサーバに接続可能なVPN中継システムを提案する.本論文では,既存のVPNクライアントとVPNサーバにいっさいの変更を加えずに,PPTPを用いて中継システムを実現する方法について述べる.本システムの性能評価において,イーサネットによる4段中継の場合で,約10Mbpsの転送性能を示した.VPN (Virtual Private Network) is commonly used to build extranets and to allow users to access from the Internet toremote systems securely. There are some organizations of whichLAN is constructed with layered firewall systems to deploy thenetwork administration to each division. In such organizations,when a member wants to access to his division's network fromthe outside of the organization, he needs to connect the VPN server via multiple VPN gateways. Unfortunately, there are some major operating systems which cannot establish multipleVPN connections at the same time. Therefore, we propose a VPN relay system which can connect a VPNserver via multiple VPN gateways with single VPN connection.This paper describes an implementation of the VPN relay systemusing PPTP without any modifications to VPN client systems and VPN servers. According to the performance evaluation, when data were transferedvia 4 VPN gateways, the system achieved a throughput of about 10Mbps.
著者
新見雄亮 狩野 均
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.46, no.17, pp.122-130, 2005-12-15

本論文では,筑波大学学園祭の人員配置問題を例にあげ,ウイルス感染を用いた進化戦略による解法を紹介する.対象問題では,複数の学園祭実行委員に仕事を割り当てることが問題となるが,この割当ては強い制約を必ず満たす範囲内で弱い制約をできうる限り満たすことが重要となる.弱い制約を制約条件と部分解列挙型の制約に分類し,前者で仕事を多くの人に分散させ,後者で特定の人に仕事を集中させる.本論文は部分解列挙型の制約をウイルスとして定義し,進化戦略と組み合わせることで従来手法と比べて高速に実用的なスケジールが編成できることを示す.This paper discusses a solution to a personnel timetabling problem of campus festival of University of Tsukuba. This problem is a search problem to assign jobs to members of the executive committee of the festival so as to minimize the total penalty for constraint violation. The constraints treated are classified as general constraints or partial solutions. The farmer decentralizes jobs to many persons and the later centralizes jobs on the particular parsons. The proposed method uses an evolution strategy adopting viral infection. The method aims to improve the rate of search by giving the direction to evolution using infection of partial solutions as viruses. Experiments prove that the present method is more effective than conventional techniques.
著者
加藤丈和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.1, pp.161-168, 2007-01-12
被引用文献数
37

本稿では,非線形,非ガウス型の時系列フィルタリング法である,パーティクルフィルタについて,特にIsardらのCondensation法に代表されるコンピュータビジョンにおける対象追跡への応用に焦点を当て,理論と実装法を概説する.時系列フィルタリングに関する基本的な考えからから,カルマンフィルタなどの線形,ガウス型のフィルタリング手法,パーティクルフィルタによる非線形,非ガウス型への拡張について説明し,具体的な実装例を紹介する.This article introduces the theory and the implementation of Particle Filter that is one of non-liner and non-gaussian filter. This paper explains the basic idea of Filtering of time series, Kalman-Filter that is liner and gaussian filter and Particle Filter. We introduces the implementation of Paticle filter.
著者
白土慧吉井伸一郎古川正志 吉井 伸一郎 古川 正志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.84, pp.15-20, 2006-07-28
参考文献数
3
被引用文献数
1

本論文では,ユーザが編纂した情報に基づく`情報推薦システムの開発を目的とする.個人によって編纂された幅広い情報を用いた推薦を行うために,ソーシャルブックマークサーピスを対象とする.適切な情報を抽出するため,Web上から各ユーザのデータを収集,ユーザ関連度を解析するシノステムを構築したぶ興味の類似した複数のユーザが相互に関連する情報を持つと仮定し,ユーザ間の情報共参照性をネットワークとして表現する.ここから各ユーザを中心とする部分グラフを抽出することで情報を推奨する.さらに本論文では,指定ユーザと類似した嗜好を持つユーザの関連性をグラフとして表示し推薦情報を提示するWebシステムを構築し,提案手法の有効性について検討する.In this paper, we develop the interested information recommendation system based on the user's compiled information. This system targets Social Bookmarks Service(SBM). For finding appropriate interested information, we collected each use's bookmark entry on web, and developed system which analyze user's association. We assume that users to whom interest is similar have associated information and subgraph that conters on each user from this network. And we develop web service to recommend new interested information.That service has list of the user who has similar preference to specified user, subgraph to the user,System to present recommended information to user.
著者
西村 啓 鳥海 不二夫 浅野 千尋 村岡 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.26, pp.75-80, 2007-03-15
被引用文献数
2

本論文は,独自の投資手法を明確にまた容易に具現化することが可能な株式の自動売買プログラムである「カブロボ」,カブロボの作成を可能にするカブロボ開発キット,優秀なカブロボ開発者と資金運用者を結び付けるカブロボ・コンテスト,そしてこれらの実施を可能にするカブロボ・プラットフォームに関する[1].売買の成績を競うカブロボ・コンテストの第3回大会では,実運用を目標に6000人以上の人が参加し,その中からコンテストの実績だけではなく,長期のバックテストでも成績のよい実運用に優れたカブロボを輩出することができた.本論文では,株式自動売買プラットフォーム「カブロボ・プラットフォーム」の構成を説明し,カブロボ・コンテストの実績と合わせ,本プラットフォームの有効性を示す.This paper describes a "Kaburobo" that enables users to specifically and easily create an automated stock trading program, a Kaburobo development kit, a Kaburobo contest that combines high-grade Kaburobo creators and financiers, and a Kaburobo platform that can realize them. More than 6000 people participated in the third Kaburobo contest in 2006 with a goal of real trading and some highly capable Kaburobos that have good track records of the contest and long term backsets. This paper represents the structure of the Kaburobo platform, shows actual achievement of the Kaburobo contest, and demonstrates the effectiveness of the platform.
著者
大橋 力 仁科 エミ 不破本 義孝 河合 徳枝 森本 雅子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.18, pp.29-34, 1997-02-20
参考文献数
12
被引用文献数
1

26kHzをこえる高周波成分は、それ単独では人間に音としてきこえないにもかかわらず、それをふくんだ音は、それを除外した音にくらべて、脳波α波ポテンシャルを統計的に有意に増大させるとともに共存する可聴音をより快適に感受させる効果をもつことをみいだした。この高周波成分のもつ感性効果「ハイパーソニック・エフェクト」について、研究の経緯、使用したシステム、高周波成分の生理学的・心理学的効果などについて概観する。We have developed a new system for sound presentation and a novel technique to measure brain electric activity, and used them to determine if high frequency components above the audible range can influence sound perception in ways not discerned by the method of paired comparisons. We report that high frequency sound induces activation of α-EEG rhythms that persist in the absence of high frequency stimulation, and can affect perception of sound quality.
著者
天海良治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会プログラミング研究会
巻号頁・発行日
pp.25-30, 1998
被引用文献数
1

TAO/ELISは, いまから10年ほど前に作られた記号処理専用ワークステーションである. Lisp マシン ELIS とその上で動作するマルチパラダイム言語 TAO で構成されている. ELIS はマイクロプログラム制御のタグアーキテクチャマシンで, TAO のインタプリタは直接 ELIS のマイクロプログラムで実装されている. 今回, このマイクロプログラムをC言語に変換することで, TAO を UNIX 上に移植した. パーソナルコンピュータのオペレーティングシステム FreeBSD で稼働している. Pentium ll 300MHzの計算機の上で, オリジナルの TAO/ELIS の2.5倍以上の性能が得られた.
著者
佐藤 諒 西村 夏夫 保木 邦仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.11, pp.1-6, 2014-03-10

本研究では,シャンテン数が下がるような牌を有効牌とし,数手先の有効牌を数え上げることによって牌効率を向上させた麻雀 AI の性能を評価することを目的とした.簡単のために副露や降りをしない面前全ツッパに麻雀AIの戦略を制限した.性能評価は,インターネット雀荘 「東風荘」 で人間のプレイヤーと対局させ,安定レートや他の統計情報を利用して行った.In this work, we analyze the performance of Mahjong AI programs that count the number of effective legal moves. Here, an effective legal move decreases Shanten numbers (the number of tiles away from tempai). For the sake of simplicity, we limit the strategy of AI programs to Menzen-Zentsupa strategy (no open melds by calling and no defense by discarding safe tiles). The performance is measured in the internet Mahjong server, Tonpu-So, with human players and it is analyzed in terms of rating and other statistic information.
著者
大附 辰夫 佐藤政生 橘 昌良 鳥居 司郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.647-653, 1983-09-15
被引用文献数
1

複合長方形領域を重複なく最小個の長方形に分割する問題を扱う.ここでは 複合長方形領域が中空部分(窓)を含んだり 複数個の連結成分から成っているような一般的な場合を考察する.分割手順は二つのアルゴリズムから成っている.1番目のアルゴリズムは 縮退していない複合長方形領域を最小個の長方形に分割するものである.同じXまたはY座標上の二つの凹点間が領域内であるとき 複合長方形領域は縮退しているといい そうでない場合には縮退していないという.2番目のアルゴリズムは 与えられた(縮退している)複合長方形領域を最適にいくつかの縮退していない複合長方形領域に分解するものである.複合長方形領域の頂点の数をnとすると 1番目のアルゴリズムの計算複雑度はO(n log n)となり 2番目のアルゴリズムはO(n^5/2)となることを報告する.ここで扱う問題は LSI のアートワーク処理 画像処理 図形データベースなどにおける基本的問題の一つである.
著者
佐々木渉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50, pp.57-60, 2008-05-21
被引用文献数
1

ヤマハ株式会社開発の音声合成ソフトウェア VOCALOID2 をエンジンとして初音ミクを代表とする DB (音声サンプル・データベース)を制作しはじめてから 1 年弱が経過致しました。その間 VOCALOID2 は、音楽制作やマルチメディアコンテンツにて積極的に活用され、動画投稿サイトを介して多くの人々に認識されていきました。本稿は、この一年間に於いての、初音ミクの規格開発者としての雑念からの考え、方向性を書き留めます。
著者
望月 朝香 鈴木 泰博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MPS, 数理モデル化と問題解決研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.179-182, 2007-12-20
参考文献数
6

文章を読んだ後に「著者らしい雰囲気のする文章だった」と感じる経験はよくある。この目に見えない「雰囲気」、即ち作者特有の文体印象について、小説のテキストデータを数量化し分析することで考える。文体印象を醸し出す要素は様々考えられるが、本研究では(1)「句読点の分布」(2)「読みでの文字数」(3)「文章表現方法・多頻出言語」の3項目に着目する。句読点の使い方に著者特有の文構造が、読みでの文字数では頭の中のリズム、文章表現方法・多頻出言語から著者の愛用語や単語使用方法の癖が現れ、文体印象の要素となるためである。本論文では作者の特徴の抽出に相当する(1)と(2)について行う。かかる特徴付けを行い文体や作家の雰囲気を数量化することで、雰囲気を用いた文献検索を可能にし、また作者不詳の歴史文献の作者特定へ応用することが可能である。
著者
樋口 拓志 柳田 益造
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.127, pp.47-52, 2008-12-12

任意の楽曲をコード (和音),リズムの観点からギター伴奏用としてボサ・ノヴァ風に編曲するシステムについて述べている.「シンコペーションとアンティシペーション」 というボサ・ノヴァ特有のリズムを用い,ジャズ理論から借用したコード・コード進行を元の楽曲に適用させることによって,完全自動でボサ・ノヴァ風に編曲するシステムを構築している.ボサ・ノヴァでない 3 曲に対する編曲出力を試験的に聴取した結果,一応の効果が得られていることを確認しているが,音楽としての品質向上が望まれる.Presented is a proto-type system that arranges a given set of melody and its corresponding chord name sequence into a guitar accompaniment score in a bossa nova style. The system consists of subsystems: one that generates the bossa nova rhythm featured with "syncopation" and "anticipation", and the other that gives chord progressions characteristic to jazz. Preliminary evaluation is conducted on system outputs for three non-bossa nova pieces, showing a taste of the genre requiring further improvements in musical quality.
著者
剣持 秀紀 大下 隼人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MUS,[音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.25-28, 2007-10-11
参考文献数
7
被引用文献数
9

"VOCALOID"とは、ヤマハが開発した素片連結型の歌声合成技術およびその応用商品の総称である。すでにソフトウェア応用商品として数本が国内外で実際に市販されている。本稿では、VOCALOIDの基本構成、合成アルゴリズム、実際の商品でのユーザインタフェースを現時点での商品ラインナップを交えながら紹介し、最後に本技術の今後の見通しについても述べる。
著者
原田 康徳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.114, pp.41-48, 2005-11-17
参考文献数
3
被引用文献数
4

子供でも簡単にプログラムを楽しむことができるViscuit(ビスケット)を紹介する.Viscuitは,柔らかい書き換えという原理に基づいて図形の配置を変更することで,アニメーションを生成する.プログラミングと実行のモードがない,エラーを出さずにとにかく実行する,など,それを使用する人にとって敷居ができるだけ低くなるように,設計をした.本稿では,これまでの使用経験を交えながら,特に子供向けとして注意して設計した部分を中心に,述べる.We introduce Viscuit, a visual programming language for kids. Fuzzy rewriting that executes programs softly is its main innovation. It is appropriate for kids because the programming mode and execution mode are unified such that no error is possible for any program or input. Typical programs produce animations by repetitive execution of rewrite rules. This article presents details of Viscuit's design considerations for kids and reports on several experiences.
著者
杉本元気
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.437-439, 2013-03-06

ソフトウェア開発において、コードの記述や修正は避けて通れない工程である。そのため、開発期間の短期間化に実装工程の短縮化が必要である。コーディングを効率化する機能を持つエディタに、VimやEmacsが挙げられる。しかし、これらのエディタの機能を有効活用するためには操作の習熟が必要であり、その学習を支援する仕組みが存在しない。そこで本論文では、ユーザによるVim上でのキー入力を解析し、Vimやそのプラグインが有する機能により入力を短縮化できる箇所を検出して、その情報をユーザに提示することで学習を促す仕組みを提案する。被験者実験を通して、提案手法によりVimの操作の学習を支援できることを示す。
著者
足澤憲 澤本潤 杉野栄二 瀬川典久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集, 2011-03-02
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.211-213, 2011
被引用文献数
1

本研究ではメール入力時の日本語入力システムとして携帯電話で取得した情報から予測単語リストの優先順位を変更するシステムを提案する.携帯電話で取得できるデータとして時間や場所などがあり,例えば「お」と入力すると,朝なら「おはよう」が,夜なら「おやすみ」が上位になるように予測候補の順番を変える.また,メール相手との上下関係や接点などをアドレス帳から調べ,口調や年齢に合わせた単語を上位に表示したり,今お互いがいる場所からよく入力される単語を調べて,優先順位に反映する.このようにTPO(時間・場所・場合)にあわせて優先順位を変更することで効率的な単語選択を可能とし,全体的な入力速度の高速化を実現する.
著者
崔雄 関口 博之 八村広三郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.100, pp.39-44, 2008-10-11
被引用文献数
5

本研究の目標は,モーションキャプチャによる身体動作データを用いて居合道の熟練度を定量的に分析することである.居合道の熟練度を比較するために,切りおろし動作を対象にして被験者の身体動作データを収録した.データ分析には多変量解析 (主成分分析,クラスター分析) を用いて身体動作データから抽出した身体の特徴量を定量化した.その結果,切りおろし動作に対する居合道の熟練度は身体重心と切り下ろしの速度,身体の安定性で分類できることがわかった.The purpose of this research is to make a quantitative analysis of laido (the Japanese martial art of using the Japanese sword) proficiency with multivariate data analysis. We carried out expenments of motion capture on Kirioroshi (a straight overhead slash) movement of Roppon-me (a sword thrust using two hands) in laido. We can analyze the proficiency of an laido practitioner by conducting PCA (Principal Components Analysis) and cluster analysis of parameters of body movement. In addition, it is expected that our research will help laido practitioners and masters with laido training through giving new information on laido movements.
著者
神戸 隆行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.78-96, 2005-01-15
参考文献数
17

現在,数多くの様々な最適化技術が研究されているが,そのすべての最適化技術,特に問題依存度の高い最適化を組み込むことは処理系の肥大化を招く.そこでこのような問題依存度の高い最適化は問題の解法とともに処理系ではなくプログラム部品としてライブラリ化することが考えられる.その手段の1 つとしてメタ・プログラミングがある.そしてこのように最適化をライブラリに組み込むにあたっては実行環境の違いをどう反映するかという問題がある.これについては最適化に適当なパラメータを導入し,実行環境で試行・計測してパラメータを求める実行時プロファイリングという方法がある.本発表ではFFT を例にとり,メモリ階層を意識した最適化をC++テンプレートの機能を用いたメタ・プログラミングで行うとともに,実行時プロファイリングに基づいて適応的な最適化を行ったので報告する.これは3 つの段階からなる.1) 核となる小さなサイズのデータに対するFFTコードをサイズごとに複数生成(ループの展開,三角関数値の静的計算).2) 前段で生成したサイズごとの核コードの実行時間計測.3) 計測結果に基づく核コードの選択・合成による最終的なFFT コードの生成.特にこのうち1) と3) でC++テンプレート・メタ・プログラミング技法を利用した.以上の実装と評価について報告を行う.Although much various optimization technologies are studied now, including all these optimization technologies, especially highly problem dependent optimizations bloats code size of compiler too much. One approach is the following: the optimizations build into a part of component library the solution instead of build into compiler itsself, which is able to realize with meta-programming technique. But including the optimizations in a library in this way, there is a problem how to reflect the difference in execution environment. This problem is dealt with introducing parameters for optimization, profiling trial execution in an execution environment, and looking for a suitable parameter value. In this presentation, FFT is taken for the example, and we describe memory hierarchy conscious optimization for FFT, which is implemented in meta-programming technique, and adaptive optimization based on execution time profiling. Our method consists of three steps. Step1: They are some FFT code generation (ex. unrolling of a loop, static evaluation of a trigonometric-functions value) for each small constant size data used as a kernel. Step2: Execution time measurement of the kernel for every size generated in the preceding step. Step3: Generation of the final FFT code by selection and composition of the kernel based on the measurement results. C++ template meta-programming technique was used in Step 1 and Step3. The above method and its evaluation are reported.
著者
佐藤 理史 加納 隼人 西村 翔平 駒谷 和範
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.5, pp.1-9, 2013-07-11

大学入試センター試験 『国語』 の現代文で出題される,いわゆる 「傍線部問題」 を解く方法を定式化し,実装した.実装した方法は,「評論」 の 「傍線部問題」 の半数を正しく解くことができた.We have formalized and implemented a method for solving questions about underlined segments in contemporary Japanese language, National Center Test for University Admissions. The method can solve a half of these questions in "critical essay" correctly.
著者
角 康之 伊藤禎宣 松口 哲也 シドニーフェルス 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2628-2637, 2003-11-15
参考文献数
19
被引用文献数
50

人と人のインタラクションにおける社会的プロトコルを分析・モデル化するために,開放的な空間における複数人のインタラクションを様々なセンサ群で記録し,蓄積された大量のデータに緩い構造を与えてインタラクションのコーパスを構築する手法を提案する.提案手法の特徴は,環境に遍在するカメラ/マイクなどのセンサ群に加えて,インタラクションの主体となるユーザが身につけるカメラ/マイク/生体センサを利用することで,同一イベントを複数のセンサ群が多角的に記録することである.また,赤外線IDタグシステムを利用して,各カメラの視野に入った人や物体のIDを自動認識することで,蓄積されるビデオデータに実時間でインデクスをつけることができる.本稿では,デモ展示会場における展示者と見学者のインタラクションを記録し,各人のビデオサマリを自動生成するシステムを紹介する.個人のビデオサマリを生成する際,本人のセンサデータだけでなく,インタラクションの相手のセンサデータも協調的に利用される.We are exploring a new medium in which our daily experiences arerecorded using various sensors and easily shared by the users, inorder to understand the verbal/non-verbal mechanism of humaninteractions. Our approach is to employ wearable sensors (camera,microphone, physiological sensors) as well as ubiquitous sensors(camera, microphone, etc.); and to capture events from multipleviewpoints simultaneously.This paper presents a prototype to capture and summarize interactionsamong exhibitors and visitors at an exhibition site.