著者
細谷 英一 橋本 佐由理 原田 育生 小野澤 晃 上田 繁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.2742-2756, 2008-08-15
被引用文献数
1

本文では,客観視点型遠隔講義システムを提案するとともに,被験者実験を通じてその有効性を評価した結果について報告する.提案システムは,遠隔地で撮影された映像に透明度を与え,実時間で半透明重畳した映像を合成するミラーインタフェースと,仮想的に同一の共有空間にいるユーザを客観視点から撮影したような映像を提供する共有空間設計を組み合わせることにより,ユーザに同一空間で対話しているような印象を提供して自然な対話を誘発することができる.この結果,グループ演習をタスクとする実験を通じて,視線理解容易性,対話容易性,同室感などにおいて,テレビ会議を用いた演習より高い評価を得た.また,提案システムは,市民サービス講座の場を利用した実証的実験においても有効性を示し,講座として直接対面方式の講座に匹敵する効果があったことも確認できた.A remote lecturing system that creates transparent remote images and superimposes them on each other using a mirror interface is proposed. This system allows a lecturer and his or her students to view their own appearance in a virtual shared space from an objective viewpoint. Experimental results from social skill lectures with exercises requiring student involvement showed that the proposed system made it easier to recognize gazings between individuals compared with conventional videoconferencing systems. It also improved communication between the remote lecturer and the local students. Another verification experiment performed as a public service trial also gave consistent results, proving that the lectures using the proposed system were equally as effective as ones held in the same real space.
著者
菅原 清文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.1456-1464, 2008-12-15
参考文献数
6
著者
山本 剛 坂根 裕 竹林 洋一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI, ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.105, pp.13-20, 2003-09-26
参考文献数
17
被引用文献数
5

カメラ,マイク,モーションセンサを搭載したマルチモーダルヘッドセットを装着することで,話者が会話中に行う非意図的な「うなずき」動作を検出し,会話中の重要箇所をマルチモーダルセンサデータから知識コンテンツとして抽出するシステムを実装した.本稿では,会話の重要箇所を把握する手段としてのうなずきの有効性を実験を通して述べ,状況や個人差を考慮したうなずきの検出方法とその応用について論じる.
著者
白鳥 則郎 木下 哲男 菅原 研次
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.639-644, 2002-06-15
参考文献数
11
被引用文献数
12

著者らが推進している次・次世代ネットワークに関する研究プロジェクトの概要と現状を述べる.具体的には,本プロジェクトの基盤である「やわらかいネットワーク」のコンセプトや研究経緯などについて説明する.次に,やわらかいネットワークの実現法の1つとして,現在,日本学術振興会・未来開拓プロジェクトの一環として進めている「動的ネットワーキング」に関する研究開発の現状を紹介する.
著者
伊福部 達
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. コンピュータビジョン研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.95, no.68, 1995-07-20

感覚代行とは失われたり損なわれた感覚機能を補助代行するために,残された感覚や神経系を通じて情報を中枢へ伝達し本来の正常な感覚に近いイメージや概念を惹起させることを目的としている.一方,人工現実感は周知のように人工的に作った情報でより現実に近い感覚を惹起させることを追究する技術であり,感覚代行が障害者を対象としている点を除けば方法論は同じである.筆者は25年間にわたり感覚代行の研究に従事してきており,その間,聴覚障害者のための指先で音声を聴く触知ボコーダ,一音一音話した言葉を文字にする音声タイプライタ,聴神経を電気刺激して音声情報を伝える人工内耳と埋め込み型耳鳴り治療器,老人性難聴者のための音声をゆっくり聴くディジタル補聴器,喉頭摘出者のためのイントネーションを表出できる人工喉頭,気配として捉える盲人の障害物知覚の解析と超音波メガネなどの開発を行ってきた.その基礎研究としては九官鳥が声を出す仕組みやコーモリが障害物や餌を見つけるために出す超音波の解析などヒトばかりでなく特殊な能力を持つ動物達の研究もあった.そして,失われたり損なわれた感覚を補助代行する研究から大脳における感覚統合,概念形成,感覚運動連合などについて多くの知見が得られてきている.それらの知見や技術は,仮想障害物の聴覚による知覚方式,仮想物体知覚のための触覚ディスプレイ,仮想重量感の呈示装置,知覚運動協応の特性に基づく仮想空間知覚,遠周辺視をカバーするHMDによる仮想平衡感,移動音源と平衡機能との相互干渉に基づく仮想空間の呈示方式など人工現実感に関する技術に結びついてきた.現在のコンピュータやロボットは見たり聴いたり触ったりあるいは平衡を保ったりする機能では障害を持っていると考えることができるので,障害者のための補助代行研究はそのままコンピュータのための人工知覚技術などへ応用されるのである.そして,人工現実感で生まれた種々の技術は再び感覚代行の研究にフィードバックされ,実際に障害者に装置を適用して不十分なところがあれば再び基礎となる心理学や生理学に戻るという方法論をとることができる.このような方法論に従って研究を進める分野を福祉工学といい今後大きく発展することが期待されている.いうまでもなく,福祉工学を社会に還元するために一番重要なのは,障害者達の協力や医療関係者との共同研究であり,現場からの発想である.幸い,今年の4月から電子情報通信学会では,筆者が委員長となって,福祉を強く意識したヒューマンコミュニケーション基礎研究会を発足させることができ,また,文部省科研では「人工現実感の基礎的研究」という重点領域研究が認められ,筆者の班長のもとで,人工現実感を評価し福祉へ活かす研究が開始することになっている.このように学問的な立場からもこの分野を推進する基盤ができつつあり,25年にわたって一つの方法論に従って続けてきた福祉工学にやっと一筋の光が当たるようになってきた.講演では,筆者が進めてきた研究を中心に感覚代行研究が必然的に人工現実感技術に結びつくことを話したい.*本論文原稿は次号掲載
著者
長谷川 武光 鳥居 達生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.985-993, 1985-11-15
被引用文献数
1

緩減少かつ定符号の関数にf(x)に対する無限援動積分J(a ∞)=∫^^∞__af(x) cosωx dx (∫^^∞__af(x) sinωx dx)に対する自動積分法を示す.この積分は符号が交代する無限級数の形で表されるが その収束が非常に遅いので困難な問題とされている.収束を速めるため Sidiの一般化リチャードソン補外法を加速法として適用する.カロ速の入力数列は関数f(x)のチェビシェフ展開を利用して不定積分J(a x)を求めておくことにより能率的に計算されるこのとき3項漸化式の最小解を安定に求める算法が効果的に利用される.数値例によって本自動積分法が能率の高い方法であることが示される.
著者
井口 幸洋 向殿 政男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.27, no.12, pp.1155-1161, 1986-12-15
被引用文献数
1

PLAの面積削減法に 隙間を利用してPLAの行や列を畳み込む方法がある.その一つに 畳み込みにおいて切断点を縦1列にそろえたワンカット行畳み込みがある.畳み込みは 従来よりマスクPLAを対象としていたが 本論文では このワンカット行畳み込みをフィールドでも可能にしたFPLA(Field PLA)の構造を提案する.また そのための畳み込みアルゴリズムを示す.さらに これに関して簡単な実験を行ったので その結果についても述べる.この畳み込みアルゴリズムは 従来の発見的手法に基づくアルゴリズムより良い解を出している.
著者
大座畑 重光
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI, ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.52, pp.17-24, 2005-05-27
参考文献数
14

SqueakにおけるMorphicプログラミングはダイナミックで柔軟性がある。たとえば、プログラム実行中のプログラム変更など、ユーザの頻繁な試行錯誤に耐えられる。本稿では、それが特に子どもたちの学習に重要なこと、さらに、「本物の数学や科学」の指導のためのカリキュラムを作成するためのツール・メディアとしても重要であることを論ずる。最後にMorphicとSqueakプログラミング環境に関していくつかの提案をする。
著者
藤本 敬介 守屋 俊夫 中山 泰一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.1031-1040, 2008-02-15
参考文献数
10
被引用文献数
1

陰関数表現から三角形メッシュを生成する手法としてMarching Cubes 法(MC 法)がよく知られているが,本論文ではその改良手法について述べる.従来のMC 法は,等間隔にグリッドを設定し,格子点に対して境界面との内外判定を行うことでメッシュを生成するため,(1) 格子に対して細い物体が存在するときにそれが欠損してしまう可能性がある,(2) 物体の鋭角部が鈍った形状に変換されてしまう,といった問題が発生していた.本論文では,これらの問題に対し各格子点の位置を物体の形状に対して適応的に移動させ各格子の形状を変形させるDeformed Marching Cubes 法(DMC法)を提案する.DMC 法では,各格子点の周辺を探索して重心点を求め,また格子と等値面の関係から鋭角の頂点座標を求め,それぞれ求めた座標に最も近い格子点を移動させる.これにより,少なくとも格子内に物体が1 つしか存在しない場合においては,(1) 探索精度以上の細い物体の非欠損性の保証,および(2) 鋭角部の再現,を同時に実現した.実験により,MC 法における格子の1 辺の長さに対し1/5 以上の幅を持つ物体の非欠損性を保証する場合でも,従来に対し約25%の計算時間増だけで処理されることを確認した.We describe an algorithm that improves the ability of detailed expression of the Marching-Cubes (MC) method. The MC method is a technique for generating triangular meshes from implicit function. It sets the uniform grid, and generates mesh with the judgment whether the lattice point is on the inside to the boundary. Therefore, it has two problems. First, there is a possibility that the thin part of the object is lost. Second, the sharp part is converted into the smooth shape. In this paper we present a Deformed-Marching-Cubes (DMC) method that changes the shape of the grid form by moving lattice points. The steps of the DMC method are: 1) detecting a thin part by searching for surroundings of each lattice point, 2) calculating coordinates of the sharp part, 3) moving a lattice point that is nearest from each calculated point. As a result, when only one object exists for the grid interval, this method realized guaranteeing the non-loss of an object that is bigger than the search accuracy, and reproducting the sharp part. Consequently, we proved that the method guarantee non-loss of the object of the width of 1/5 compared with the grid size only by the overhead of only about 25%.
著者
荒屋 真二 百原 武敏 田町 常夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.768-775, 1987-07-15
被引用文献数
3

純粋なプロダクションシステムではパターン照合が推論コストの大部分を占める.この照合コストを削減するために Reteアルゴリズムはプロダクション間の類似性に関する知識と 各プロダクションが作業記億の内容によって現在どの程度満足されているかについての知識をうまく活用している.本論文は上記2種類の知識に加えて プロタクション間の排他性に関する知識と 照合成功確率に関する知識を利用した より強力なパターン照合アルゴリズムを提案し Reteアルゴリズムにはかなり無駄な照合が残されていることを明らかにする.また OPS5と同様の文法をもつプロダクションシステム記述言語を16ビットパーソナノレコンピュータ上に実現し 三つのサンプルプログラムによって提案アルゴリズムの有効性を実験的に示す.
著者
折田 三弥彦 長谷川 純一 鳥脇 純一郎 金崎 守男 高藤 政雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.105-113, 1988-02-15
被引用文献数
2

処理手法に関する知識だけを用いて手順を推論する画像処理手順のプロタ"クションシステムを提案する.すなわち 画像の特徴を大局的データベース 処理手法に関する知識をプロタゥクションルールとして各々対応付けるものであるまた 手順推論の高速化および柔軟性の向上を目的として 問い合せによる会話型評価と特徴例示による自動評価とを融合させる方式を採用した.実例を引用して本方法を考察したところ 知識ベースの簡単化 あるいは推論の柔軟化が図れるものと期待できる.さらに本方法に基づき 部分的ではあるがモデルシステムを試作 評価したところ 画像処理エキスパートをより実用レベルに近づけられることが確認できた.
著者
川口 喜三男 王 思鴻
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.521-530, 1983-07-15

漢字四角号碼が中国語漢字入力の有力な手段として利用し得ることに着目し はじめに 四角号碼の数学的構造を明確にするため 四角号碼を伴う漢字の抽象的モデルー字形モデルという-を導入する.この字形モデルは一種の代数系として取り扱うことができ そこでは あらゆる漢字の集合は14の字形類に類別され 2種の並置演算と6種の包摂演算に関して閉じた系をつくる.このため すべてのより複雑な漢字はより単純な字または部首からこれらの演算を施すことによって得られると同時に その四角号碼もこれに伴い代数演算によって機械的に求められる.さらに 四角号碼と耕音を組み合わせた中国語漢字入力法として'声形法'を提案する.この声形法によれば 最大4文字(4打鍵)からなる漠字コードの入力によって目的の漢字は90%以上の確率で正しく選択されることが実際例をもって示される.
著者
沼尾 正行 志村 正道
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.247-256, 1985-03-15

分散処理システムで グラフリタクション方式により関数型言語を評価するためには システムを構成する各プロセッサにグラフを分散して配置する必要がある.グラフが各プロセッサに分散していると リタクションを行うために他のプロセッサ内の記憶装置を参照したり 書き換えたりすることが必要となる.また 複数のプロセッサで一つのグラフを書き換えるため グラフのアクセスに対して危険領域を設定しなければならない.本論文では これらの煩雑な問題を解消するため ノード単位でリダクションを行う方法を述べる.この方法では プロセスがグラフの各ノードに割り当てられており アークを通して互いに通信し合う.これらのプロセスにより リタクションがノード単位で行われるので グラフを分割して各プロセッサに割り当てることが容易である.リタクションの基本操作はノードの消去とノードのコピーであり これらの二つの操作を組み合わせることにより リダクションが行われる.ノード単位でリダクションを行うことにより グラフを各プロセッサの共用データとする必要がなくなるため 共用データにアドレスを割りふったり アクセスを行うプログラムに危険領域を設けたりする必要がなくなる.このため 大規模で拡張性の高い分散リタクションシステムを構築することが可能となる.
著者
有馬 淳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.887-896, 1992-07-15
参考文献数
13
被引用文献数
7

2つの事柄がある共通の性質(S:類似性)を有している時 一方(B:ベース)の持つ性質(P:投射性)を他方(T:ターゲット)も持つと推定する類推について考察する本研究では類推の論理的な分析が行われ その結果に基づき 与えられた公理Aのもとで類推要素T B S P が満たすべき例証的基準と呼ぶ論理的関係が示される.ここで例証的基準は以下の2つの前提から得られる:"類推はベースが満たす何らかの性質をターゲットに対し投射することによってその推論が行われる一般的に非演繹的な推論である" "ターゲットは特殊な個体ではない"類推研究では 1)"あるターゲットに対し何をベースとするか"2)"どの性質をもって類似性というか"3)"ある類似性に対してどのような性質が投射されうるか"が長い間 本質的な問いであり続けている例証的基準は これら1) 2) 3)の問題に対する1つの解答になっており 類推研究の1つの一般的な足掛りとなることが期待されるまた この基準に関して これまでの研究のいくつかが実際にこの基準を満たしていることが示されるとともに 従来類推と独立に研究されてきた仮説推論 アブタクション EBG とも密接な関連があることが記される
著者
松山 隆司 尾崎 正治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.191-204, 1986-02-15
被引用文献数
26

本論文では 画像処理に関する知識を利用して画像のセグメンテーションを自動的に行うエキスパートシステムについて述べる.システムに対する要求は 画像から抽出すべき画像特徴(長方形 線など)とその属性(面積 長さなど)に対する制約条件によって表される.システムは 要求された画像特徴を検出するための最も有効な処理方針を推論し それに従って実際の画像処理を実行する.また 処理が途中で失敗した場合には 処理方針 処理アルゴリズム 処理パラメータを適宜変更し 処理をやりなおす.こうした推論 処理の過程は 画像処理に関するヒューリスティックスを表すプロタクション・ルールによって制御されており 試行錯誤的な解析など柔軟な解析が実現できる.
著者
川幡 太一 鈴木 俊哉 永崎 研宣 下田 正弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DD, [デジタル・ドキュメント]
巻号頁・発行日
vol.2013, no.7, pp.1-4, 2013-07-19

悉曇文字は日本において、仏典の研究や菩薩の種字等に用いられるインド系文字の一種である。本報告では、日本の悉曇文字の国際符号化文字集合 (UCS) への提案活動に関して、その概要・標準化の経緯・および標準化にあたっての技術的課題および今後の予定について述べる。
著者
三上 喜貴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.919-924, 2005-08-15
参考文献数
7
被引用文献数
3

本稿は,前編・後編の2回にわたり,世界の多様な文字の符号化の歩みを振り返り,その到達点としての国際符号化文字集合ISO/IEC 10646の意義となお残る課題について述べる.前編では世界の言語と文字体系を概観するとともに,ラテン文字に代表されるアルファベットとアラビア文字に代表される単子音文字について解説する.
著者
加藤常員 小林 博昭 小沢 一雅 今枝 国之助
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.418-428, 1988-04-15
被引用文献数
2

考古学へのコンピュータ・サイエンスの応用 とくに文化とその伝播に関するモデル化および計算機シミュレーションについて述べる.ある特定の文化に帰属する遺跡の集まりを取り上げ 遺跡間の文化の伝播のネットワークを求めるモデルを提案する伝播は 遺跡間の係わり合い(交流)が基本であり その大きな要因と考えられる空間的距離に着目する.距離についての伝播負担関数および伝播係数を導入する.伝播係数の特性である中継効果を明らかにする.中継効果を使い遺跡相互の伝播路のネットワークを求める.このネットワークを伝播路網と名付ける具体例として 後期旧石器時代・国府型ナイフ形石器文化の56か所の遺跡を対象にシミュレーションを行った結果を示す.また 弥生時代中期・畿内の拠点集落遺跡理か所について 考古学的手法による結果と比較・検討を行う.