著者
藤原 澄人 稲葉 直彦 関川 宗久 藤本 憲市 吉永 哲哉 遠藤 哲郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.487, pp.77-80, 2013-03-07

本研究では,delayed logistic写像の結合系を解析し,2-トーラスと3-トーラスの境界について調べた.2-トーラスと3-トーラスの境界については,リミットサイクルの2度のネイマルクサッカー分岐によって生じるという仮説があった.その仮説は多くの研究者を惑わせるシナリオであったに違いない.しかしながら,1世代前の計算機の計算機速度ではそのシナリオの可否を十分に検証することは難しかった.本研究では,3-トーラスを発生するdelayed logistic写像の結合系をリアプノフ解析することにより,その仮説が成り立たないことを明らかにする.
著者
関川 宗久 藤原 澄人 稲葉 直彦 遠藤 哲郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.15, pp.29-33, 2013-04-18

本研究では,delayed logistic写像の結合系を解析し,ICCと不変トーラスの関係を数値実験によって調べた.リアプノフ解析により,不変トーラスの発生パラメータ領域を調べたところ,縦横無尽に走るICC-アーノルドタングが観察された.同図において,準周期ネイマルク・サッカー分岐および準周期サドルノード分岐の発生を確認した.さらに,アーノルドタングがネイマルク・サッカー分岐によってICC-アーノルドタングに遷移するという極めて興味深い分岐構造を見出した.
著者
関川 宗久 稲葉 直彦 遠藤 哲郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.250, pp.129-132, 2014-10-09

本研究では, delayed logistic写像の2個の結合系である離散時間力学系を解析する.単体のdelayed logistic写像は不変1次元トーラス(invariant one-torus: IT_1)を発生するため, 2個のdelayed logistic写像の結合系は不変2次元トーラス(invariant two-torus: IT_2)を発生しうる. IT_2を発生する力学系では, IT_2を発生するパラメータ領域内部でIT_1を発生する部分同期引込領域(IT_1-Arno1'd tongues)が縦横無尽に交錯する.このような蜘蛛の巣状のIT_1部分同期引き込み領域はArnol'd resonance webと呼ばれている. 2つのIT_1-Arnol'd tonguesの交点ではChenciner bubblesと呼ばれる完全同期引き込み現象が生じ,周期解が発生する.本研究では,このChenciner bubblesの分岐構造を解析し,この同期引き込み領域がサドル・ノード分岐とネイマルク・サッカー分岐によって囲まれていることを明らかにする.
著者
王 俊義 藍 洲 表 昌佑 サム チンシャン ベイカス トンジュール 高 菁 ラハマン アジイズル 船田 龍平 児島 史秀 原田 博司 加藤 修三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.445, pp.437-442, 2009-02-25

本稿では広帯域ミリ波無線通信システムである60GHz WPAN(wireless personal area network)におけるビームフォーミングを実現するため,ビームコードブックの基礎設計と性能評価を行っている.提案コードブックは,広帯域通信システムにおいて異なる周波数の波長の違いに起因するビームの変移を軽減するために設計され,振幅を変化させず4種類のフェーズシフト(0,90,180,270度)のみで構成され,特に60GHz帯無線通信システムにおいて電力損失を最小化しながら高速,高性能のデータ通信を可能にする.また提案したコードブックはアンテナ構成と独立しているため,単一アンテナ素子,セクタアンテナ,スイッチドアンテナ,および1次元,2次元などの線形アンテナ配列に対応している.本稿では60GHz WPANのような広帯域無線通信システムに対応できるビームコードブックの設計方式を明らかにしている.
著者
福田 豊 鈴木 孝一 矢嶋 崇志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.656, pp.19-24, 2003-02-14

地域情報化基本計画策定の市民・自治体・大学による新協働方式について
著者
松原 裕之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.355, pp.75-78, 2013-12-07

福岡工業大学では学生が修得すべき就業力を4つの要素「試行する力」「協働する力」「解決する力」「実践する力」に分けて身につけていくカリキュラムを「就業力育成プログラム」として全学的に体系化した.本発表では「解決する力」の育成のための討論を取り入れた技術者倫理教育の試みを報告する.
著者
アルボレス メヒア 鍬塚 治彦 金子 俊光 上坂 勝己 小路 元 石川 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.356, pp.51-54, 2012-12-06

高出力、低位相雑音等の優れた特性を有する、単一ストライプ構造のフルバンド波長可変レーザであるCSG-DR-LDの注入同期特性について、評価した結果を報告する.1524nmから1566nmの広い波長範囲で、2.5GHzの注入同期幅が得られることが確認できた.注入同期を用いた新しいコヒーレント光源を実現する上で、CSG-DR-LDが有望であることが分かった.
著者
瀬戸口 善則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.314-317, 1993-04-25

討論者は,「磁荷を用いるモデルは"artificial method"で"old theory"である」とするMaxwellの意見に賛成である.分極あるいは磁化について討論者が与えた正しい式は,細野氏の方法では決して与えることはできない.なぜなら,原子の数を失念しているとも原子の体積の評価が間違っているとも判断できるからである.
著者
横山 尚志 福島 荘之介 田嶋 裕久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.94, no.264, pp.1-8, 1994-09-30
被引用文献数
1

わが国において,ILSのCAT-III化が進められている.今回,ILSをCAT-IIIにする空港は,霧等により就航率の低下が著しい釧路空港,熊本空港および新東京国際空港である.CAT-IIIの特徴は,一定の基準の信頼性が問われ,且つそのレベルを維持しなければならないことである.本報告は,CAT-IIIの運航と地上システムの概要,信頼性の評価方法ならびにCAT-I ILSの障害データを用いて評価方法の妥当性を示す.
著者
井下 亨 大信田 直人 松澤 佳彦 植松 智則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.95, no.281, pp.41-48, 1995-09-29
被引用文献数
1

霧等により視界が悪化すると就航率が低下することのあった釧路空港、熊本空港及び新東京国際空港の3空港でカテゴリーIIIの運航が開始されようとしている。ILSはカテゴリーIII運航を実施する上で最も重要な構成要素であり、誘導精度のみならず信頼性の面でも従来のカテゴリーI対応のILSにも増した性能を持つよう設計されている。本報告は我が国初のカテゴリーIII運航に供すべく開発された新型ILS装置のシステム概要につき紹介する。
著者
吉田 典可 相原 玲二 前田 香織
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク
巻号頁・発行日
vol.95, no.391, pp.49-54, 1995-11-27
参考文献数
12
被引用文献数
1

中国地域におけるインターネットへの取り組みについて経過と現状を報告するとともに今後の展望について述べる.最初に中国地域における広域学術・研究ネットワーク(JUNET, JAIN, WIDE, SINET)の変遷について述べる.次に地域ネットワークの誕生の経緯,現状を報告し,特に最近の活動報告として広島における被爆50周年平和記念式典のインターネット上のMboneと呼ばれる仮想的な国際実験ネットワーク上での中継実験に関する報告,高速通信回線を利用したマルチメディア実験などの現状を述べる.最後に,地域における自治体のインターネットへの取り組みや商用プロバイダの現状について述べ,今後の地域でのインターネットへの取り組みに関する必要なことをまとめる.
著者
郡 武治 服部 武
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.240, pp.13-18, 2005-08-18
被引用文献数
2

アドホック無線ネットワークにおいて、事前に伝送ルートを確定することなく、情報を決められた方向に群的に伝達する新たなマルチホップ伝送を提案する。本方法を群伝送アドホック通信と定義する。提案方法では、1つのノードより発せられたパケット信号は、周辺の複数のノードで同時受信され、1つの方向にバケツリレーしながら伝送される。途中、中継ノードは同一情報を有するパケット信号を受信すると、合成が行われ、回線品質が改善される。このように、情報が群的に伝送されるため、中継ノードの故障、中継経路の急激な品質劣化により、特定パスの中継が完全に途絶えたとしても、周辺ノードによる迂回中継と合成により、復旧することができる。また、再送制御のないことから、伝送遅延は最小になる。提案方法を用いることにより、従来の1ルートによる中継では、6パスで7.8dB低下する伝送路において、同じ情報を群伝送すると、√<2>倍伝送距離が長いにも関わらず4.3dBの低下で伝送することが可能であることが分かった。本文では、提案する群伝送アドホック通信の動作原理を述べ、特徴と応用例を示す。次に実現するために必要な尤度関数の算出方法を理論的に明らかにし、計算機シミュレーションにより、その効果を検証する。
著者
草場 律 鵜澤 寛之 川村 智明 川合 健治 有川 勇輝 重松 智志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EST, エレクトロニクスシミュレーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.143, pp.39-44, 2013-07-11

本稿では通信処理SoCの消費電力推定手法を提案する.提案手法は次の3つのステップから構成される.第1は消費電力に影響するビットレート,フレームレートおよび機能モードのようなパワーパラメータの抽出である.第2はいくつかの点でシミュレーションで求めた消費電力からパワーパラメータと1フレームあたりのエネルギーの関係の近似式(電力モデル)を作成することである.第3は近似式を用いて1フレームごとにエネルギーを加算することで消費電力を計算する.抽出した各パワーパラメータが消費電力にどの程度影響するかを実測で確認した.本手法とフル論理シミュレーションによる従来手法と比較を行い誤差±5%以内で計算速度は26,000倍になることを確認した.
著者
塩見 英久 岡村 康行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.114, no.142, pp.133-136, 2014-07-10

本報告は、数式処理を援用したFDTDソルバの実装について詳細に述べたものである。前回の報告を元にして、電磁界の6成分に対する計算が可能なソルバを実装した。ソルバは、ソルバの実行環境を実装したクラス、与えられたsympy数式からnumpyコードへと変換する機能を実装したクラス、マクスウェル方程式を差分化して所望の漸化式を導出することを支援するクラス、の3要素から構成される。変換クラスには、実行時の計算速度向上を考慮して、時不変パラメータを自動的に抽出して、時間発展計算の事前に計算しておく機能も追加した。基礎的なダイポールアンテナの解析により、ソルバが所望の動作をしていることを確認したので報告する。
著者
西田 祐二 中尾 彰宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.463, pp.421-426, 2013-02-28

インターネット上で実施される従来のアドターゲティングには,(1)HTTPで送受信されるテキストデータの解析,(2)広告ネットワークに閉じたデータマイニング,(3)広告コンテンツのサイズが小さい,といった制限が問題として存在するため,我々は網内アドターゲティングによってそれらの問題を解決し,(1)プロトコルにとらわれないテキストデータの解析,(2)広告ネットワークを横断する統一的なデータマイニング,(3)精彩で魅力のある広告コンテンツの利用,といったことをWiFiアクセスポイントを用いることで実現可能にする.また,我々の提案方式では,WiFiアクセスポイントの仮想化により,複数のMVNOを同時に収容し,WiFiを対象としたあらゆるサービスや実験を同時に提供可能としている.本稿では,WiFiアクセスポイント上の計算資源が限られているため,推測処理プログラムを実環境や遠隔サーバで共有し,プロセス間通信を通して利用することで,消費リソースの軽減や計算時間の短縮を達成する手法を評価し,本提案による網内アドターゲティングが実用可能であることを示す.
著者
高橋 信 奥田 健太 杉本 直哉 狩川 大輔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.26, pp.143-148, 2008-05-05

This paper describes the two experimental studies on the cognitive issues concerning air traffic control (ATC). In the first experiment, the effectiveness of the communication style adopted in ATC has been confirmed through the communication experiments. In the second experiment, the possibility of controlling the cognitive control modes proposed by Hollnagel has been investigated based on the ATC simulation.
著者
今度 史昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.272, pp.55-61, 2001-08-24

超高速宇宙飛行物体の軌道推定の一手法を提案し, 研究を行った。この手法は3つの段階よりなる。第1段階は目標がロケットなどのようにエンジンを活動させて推進している段階で, この段階については目標に質点モデルを用いて, 拡張型カルマンフィルタにより推定を行う。第2段階は目標が宇宙空間に突入してしまっており, 基本的に観測できない場合で, この段階においてはやはり目標には質点モデルを用い, 共分散誤差伝播解析によりその存在する範囲の確率分布を計算する。目標が大気中に再突入した後は6自由度剛体モデルを用い, モンテカルロシミュレーションを用いてその軌道と誤差範囲を推定する。これら3つの段階を組み合わせることにより目標の軌道推定とその軌道からの分散の定量的推定, また目標の落下範囲に関する詳細な情報を得ることができる。
著者
岡崎 雅嗣 国本 利文 小林 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.329, pp.41-46, 2003-09-22

本稿では,非定常なオーディオ信号に重畳した雑音の除去に関して述べる.スペクトル減算法(SS法)は定常的な信号である場合に効率よく機能するが,元信号がピアノのアタック部分のようにパルス性の音など非定常な成分を含んでいる場合は十分な性能を得るのが難しいという問題があった.本研究では,そのような非定常な元信号に対して,SS法の窓長を適切に選ぶことが重要であることを示し,窓長を適応しながら多段接続したSS法を提案する.また,窓長を長くしたとき問題となるプリエコーを回避する方法についても検討する.4段の多段SS法によって4種類のオーディオ信号の雑音除去を行い主観評価を行なった結果,多段SS法は単一の窓長を用いたSS法より品質が良いことがわかった.
著者
岡本 和也 宮崎 修一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.325, pp.45-51, 2010-11-26

座席予約問題では駅s_1から駅s_kまでのk駅に停まるn席の座席を持った列車を考える.各乗客は出発駅s_iから到着駅s_j(1≦i≦j≦k)までのチケットを要求する.オンラインアルゴリズムは,未来の要求を知らずに各乗客をn席の座席の1つに割り当てる必要がある.座席予約問題の目的はチケットの売上合計額を最大化することである.チケットの価格設定により,座席予約問題には2つのモデルがある.一つは単一価格問題であり,もう一つは比例価格問題である.我々は,両方のモデルにおいて,競合比の上下限を改良した.単一価格問題に関しては,上限を8/(k+5)から4/(k-2√<k-1>+4)に改良した.また,Worst-Fitアルゴリズムの上限も4/(k-1)から2/(k-2√<k-1>+2)に改良した.さらに,比例価格問題に関しては,上限を(4+2√<13>)/(k+3+2√<13>)((&sime;11.2/(k+10.2))から(3+√<13>)/(k-1+√<13>)((&sime;6.6/(k+2.6))に改良し,下限を1/(k-1)から2/(k-1)に改良した.