著者
飯野 雄一郎 荒川 涼 長岡 弘祥 中田 充 葛 崎偉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MSS, システム数理と応用 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.466, pp.69-72, 2014-02-27

本稿では,翻刻・本文校訂が行われていない手書きの和文歴史資料を対象とした古文書画像検索システムについて述べる.このシステムでは,画像データは古文書の各行に書かれた文字の形状を表現する特徴グラフ(文書グラフ)と共に格納される.利用者は,所望する文字列の形状を特徴グラフ(検索グラフ)で指定する.システムは,検索グラフに類似した部分グラフを含む文書グラフを検索することで,所望された文字列に類似した部分領域を含む古文書画像を得る.文書グラフの検索において,利用者は検索グラフに加えて検索結果に必ず含まれなければならない必須構造を指定する.
著者
長谷川 忍 鈴木 亮一 相原 昭博 豊田 順一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.41, pp.33-40, 2001-05-04

ハイパー空間における探究学習は, 学習者が主体的かつ構成的に探究することができるため, 高い学習効果が期待できる. その反面, 探究可能な経路が複数存在するため, どの経路を探究すればよいかについてあらかじめ見通すことができず, しばしば探究学習に行き詰まる. このような問題を解決するために本研究では, 学習者自身が「どのような経路(バス)で探究を進めるか」についてプラニングすることによって, 探究に先立ってバスの見通しをつかむことを可能にする適応的パスプレビューを提案する. 本支援手法の特徴は, プラニング時の文脈を反映したページの概要情報を比較・参照しながらプラニングする環境を提供する点にある.
著者
立野 広樹 萩野 達也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.86, pp.99-106, 2000-05-18

本研究では、JavaによるTCP / IPプロトコルスタックの設計と実装を行う。Javaでシステムモジュールを記述した場合、Java仮想機械が搭載されているすべてのOSにおいて、即時に実行可能なOSを実現する事ができる。この手法は、プロトコルスタックに限定する必要はなく、その他のシステムモジュールにも適用する事ができる。しかし、この手法には様々な問題点が存在する。まず、Javaはハードウェアへの直接的なアクセス方法を提供していない。また、JavaはC言語の持つ高度なシステムプログラム記述力を持っていない。そのため、制限された記述でどのようにシステムモジュールの設計実装を行うかという点も問題となる。本研究では、これらの問題に対する解決策を提案し、Javaで記述されたプロトコルスタックの設計と実装を行った。また、Javaによるプロトコルスタックの実現可能性と利点、性能の評価を行った。性能を評価した結果、JRE1.2.2上でpingレーテンシ0.62msec.、UDPスループット521KB / sec.といった測定結果を得た。以上の結果により、Javaを用いたシステムモジュールの十分な実現性を示した。
著者
尾形 努 高野 和夫 河野 勝 吉田 一樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.76, no.10, pp.719-726, 1993-10-25
被引用文献数
3

通信用電源システムには,バックアップ用として鉛蓄電池が使用されている.鉛蓄電池は,通常は維持充電が行われ,停電発生時に放電し,通信機器への電力供給を継続する.停電発生時に,鉛蓄電池から電力を供給できなければ,社会に及ぼす影響ははかりしれないものがあるため,NTTの各事業所は,鉛蓄電池の容量試験を行って,規定の容量以下のものは,取替えを実施している.現在の容量試験法は,作業時間が20時間以上と長時間に及ぶため,保守者の負担が大きく,簡便に行える劣化判定法の確立が強く望まれるようになった.本論文では,鉛蓄電池の劣化のメカニズムを整理し,内部抵抗と劣化,すなわち容量減退が極めて相関性が強いことを説明している.次に,この内部抵抗を求める手段として,極めて短時間の充放電特性測定が有効であることを述べ,500μs以下の充放電特性測定から求めた内部抵抗と容量の相関性が極めて強いことを明らかにし,これらの相関図より劣化判定が可能であることを述べている.
著者
真田 篤志 佐薙 稔 野木 茂次 山根 國義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波
巻号頁・発行日
vol.97, no.93, pp.43-48, 1997-06-12
参考文献数
10
被引用文献数
10

導波管に挿入した単一のあるいは対を構成する同軸プローブに対し, プロープの径や挿入長が大きい場合をも含めて, 3次元のFD-TD法を用いて解析を行った. 導波管内および同軸線路内の電磁界成分を求め導波管からみた同軸プローブの反射係数および等価アドミタンスを算出し, 実験結果と対照することにより解析手法の有効性を検討すると同時に回路設計に有効なデータとして示した. 解析値と実験値との一致は良好で, このような解析法の有効性が示された. さらに界分布から大電力動作時に問題となる電界集中についても考察を加えた.
著者
時永 祥三 譚 康融
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.267, pp.31-33, 2007-10-12

近年、提案された粒子フィルター(モンテカルロフィルター)は、航空管制や、車両追跡など、多くの分野で応用されている。その特徴としては、ノイズの分布は正規に限定されず、いろなタイプのノイズに対応できるという点である。本報告は、粒子フィルターにおいて、仮にノイズの分布が分らない場合において、遺伝的アルゴリズムを用いて、そのノイズの分布を推定する手法を提案し、特に、混合分布を用いたノイズの分布の推定の手法について報告する。
著者
安田 洋史 須田 宏一 臼井 幸弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.406, pp.31-36, 1996-12-13

プライベートネットワークのマルチメディア化および大規模化に伴い,バックホーンネットワークへのATM交換機の適用が有望視されている.プライベート系バックボーン交換機に対する要求条件はパブリック系交換機との共通性があり,今後,両ネットワークへの適用を視野に入れたシステム開発が進むものと想定される.本稿は,ネットワーク管理の観点から両ネットワークの特徴を比較し,パブリック系交換機をプライベートバックボーンに適用する場合の課題と解決策を示す.
著者
中村 和弘 原田 淳子 塩田 茂雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.92, no.9, pp.604-612, 2009-09-01
被引用文献数
4

数列がグラフ的であるための必要十分条件を与える「Havel-Hakimiの定理」を用いて,与えられた次数列を再現するネットワークを構成できることが知られている.本論文ではHavel-Hakimiの定理を利用して次数列を再現するネットワークを構成したとき,構成されたネットワークと現実のネットワークとの間に,2点間距離,クラスタ係数,周辺ノードの平均次数等の特徴量の点でどのような違いが存在するかを分析する.Havel-Hakimiの定理によるネットワーク構成には様々なバリエーションが存在するが,バリエーションの違いが構成されるネットワークに与える影響についても調査する.
著者
小澤 誠一 竹内 洋平 阿部 重夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.826-836, 2010-06-01
被引用文献数
2

本論文では,初期データにのみ教師情報が与えられる「準教師付き学習タスク」において,ストリーミングデータからオンラインで非線形な特徴を抽出できる追加学習型カーネル主成分分析(IKPCA)を提案する.提案するIKPCAでは,学習データが入力されるたびにカーネル主成分分析の固有値問題を更新し,それを解くことで固有ベクトルの更新を行う.特徴固有空間で一次独立なデータを選択して固有ベクトルを表現するため,データの一次独立性を判定する必要がなく,追加学習時に保持するデータ数が少なくなって学習が高速化される.ベンチマークデータを用いた評価実験において,主成分分析(PCA)と追加学習型主成分分析(IPCA),更にカーネル主成分分析(KPCA)と比較し,IKPCAで得られる特徴量の評価を行った.その結果,IKPCAによってバッチ学習のKPCAと同等の認識性能が得られ,安定した追加学習が行われることを示した.このことは,IKPCAとKPCAにおいて,固有ベクトルや固有値の一致度を調べた実験からも確認された.また,多くの評価データでPCAやIPCAよりも,認識性能の優れた特徴が得られることを示した.
著者
三浦 菊佳 山田 一郎 小早川 健 松井 淳 後藤 淳 住吉 英樹 柴田 正啓
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.408, pp.53-58, 2009-01-19

大量に蓄積されている放送番組から目的の映像を検索する際、細かいシーン単位で取り出せればより有効に映像を二次活用することができる。本稿では、レギュラー番組におけるクローズドキャプションから、あるコーナーを特徴づけたり、場面転換を表したりする繰り返し出現する表現(反復句)を教師なしで自動獲得することで、番組を分割する手がかり語を捉える。生物の進化をモデルに、番組中に毎回偏って繰り返し出現する語に着目し、Fisherの正確確率検定を利用したセグメントアラインメント、スクリーニングを行い反復句を抽出する手法を提案する。情報番組を対象とした実験を行った結果を評価し、提案手法の有効性を確認した。
著者
プラスティョ ボウォ プラムディオノ イコ 喜連川 優
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.172, pp.49-54, 2005-07-07

H-mineはスパースなデータセットに対して高性能と知られているメモリベースマイニングアルゴリズムであるが, 動的H-structリンク調整というH-mine特有の処理は並列化を困難にする.本論文ではH-structリンク調整を一切必要としない改善されたアルゴリズムを提案する.提案アルゴリズムは, オリジナルバージョンと匹敵する性能を持ちながら, 並列処理に容易に拡張することが可能となる.
著者
ZHANIKEEV Marat
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.8, pp.19-24, 2013-04-11

WiFi Hotspot and WiFi P2P specifications are used by manufacturers of devices with wireless access. WiFi Hotspot is used to provide access to 3G (or LAN) over WiFi, and is better known as wireless hotspot. WiFi P2P is hidden behind the WiFi Direct functionality found in many modern devices. This paper considers these technologies within a practical application scenario where several people are having a meeting in the same room and use Google Drive to share files.
著者
大崎 正雄 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OQE, 光・量子エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.93, no.22, pp.25-30, 1993-04-27

本稿では計測や通信における合波、減衰過程のモデルであるビームスプリッタの量子力学的記述において従来のユニタリー過程に変わる作用素表現を導入する。なぜならビームスプリッタはそれ全体をとらえるとユニタリーであるがある一つのモードのみに注目した場合、その量子状態変換過程に非ユニタリーである。しかしその変換過程を条件付ユニタリー過程としてとらえると、非常に簡潔にビームスプリッタの量子状態変換過程が記述できる。その例として線形減衰モデルとしてビームスプリッタをとらえ、代表的な入力量子状態としてコヒーレンント状態、光子数状態、そしてスクィズド状態について条件付ユニタリー作用素を求める。
著者
高橋 篤夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.112, pp.37-44, 2001-06-08

コンタクト開離時アークのガス相移行と, それに関連するアークスペクトルの観測結果を, 3種のコンタクト材料について比較・検討した. Agではメタリック相継続時間の対電流増加率の急増が移行境界と密接に関連すること, Wでは低気圧を含めてパッシュン火花曲線の最小点の右側のギャップ長で安定なガス相が形成されるとともに, 移行境界付近でイオンの平均スペクトル強度が劇的に増大すること, Pdではイオンおよび励起原子のメタリック相内における平均スペクトル強度がそれぞれある臨界値を超えることが移行境界の決定条件と考えられることを述べ, 今後の課題を明らかにした.
著者
小川 聰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DC, ディペンダブルコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.250, pp.1-6, 2003-07-30

N+1予備は,N個の負荷分散に対して,1個の予備を持つ経済的な方式であり,広く実用化されている.予備は1以上でもよく,共通予備方式として一般化できる.モバイルエージェントの場合もこの方式が適用可能である.また,N重化システムの信頼性をさらに高めるために共通予備方式を用いることができる.モバイルエージェントは,ソフトウェアではあるが,ネットワーク環境における活動であることから,設計分散の多重化の他,オブジェクトレベルのクローンの作成でも,ある程度のフォールトトレランスは実現可能である.この場合の予備の生成は容易であり,かつ実行時にダイナミックに行うことができる.必要に応じてクローンを次々に生成すれば,死んでも生き返るゾンビのように,ほとんど故障しない信頼度が1になる方式も夢ではない.
著者
韓 青 稲垣 恵三 飯草 恭一 大平 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.50, pp.39-46, 2001-05-11
被引用文献数
10

エスパアンテナの極近傍界を測定するために必要な電波暗箱の最小寸法を見極めた。まず、シグナルフローグラフおよびアンテナの近傍に使うため光路差を考慮したレーダ方程式を用いたモデルを考案して、反射係数の理論式を導出した。次に、幾つかの電波吸収体について,エスパァンテナのReturn Lossを測定した。理論的及び実験的に厚いピラミッド型の吸収体を利用した場合はアンテナの極近傍に置いても吸収体からの反射量は低く抑えられており、アンテナと吸収体を1λまで近づけられることが分かった。さらに、導出した理論結果に基づいて小型暗箱を設計し、厚いピラミッド型の電波吸収体を使って、小型電波暗箱を試作した。最後に、試作した暗箱を検証した。約100MHzの帯域幅に約-40dBの反射係数が得られた。
著者
奥山 宏和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.519, pp.5-8, 2007-01-25
参考文献数
3
被引用文献数
3

大型トラック追突事故の事故件数と被害軽減を目的に、商用車の被害軽減ブレーキ「プリクラッシュセーフティ」を開発した。被害軽減ブレーキは、2003年に技術指針が策定され乗用車で商品化されてきた。大型車は車両の構造から積載状態により重量変化が大きく、正確な制動制御を行う事が技術課題であった。BBS(Electronic Brake System)に機能を追加する事で課題をクリアした。本システムの開発により、大型トラックの追突事故の被害軽減が期待される。
著者
福島 智恵 山岡 建夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.89, no.6, pp.999-1006, 2006-06-01
被引用文献数
10

地上を捜索するレーダにおいて,背景クラッタに埋もれた目標や小型目標をより高精度に探知するためには目標と背景クラッタの分離が必要であり,距離分解能や方位分解能を向上することが求められている.一般に距離分解能を向上する手段としては,送信パルスの狭パルス化や広帯域FMパルス化などが挙げられるが,これらの手段では広帯域の受信機が必要となり,ハードウェア構成が複雑でコスト増大を招く.これに対して,周波数ステップさせた複数の狭帯域パルスを周波数領域で合成して逆フーリエ変換(IFFT)を施すことで,時間領域での狭パルス化,すなわち距離分解能の向上を図る手法が提案されている.本論文では,この手法をもとに周波数ステップさせたパルスを高速に発生する高速広帯域エキサイタを用いて合成帯域レーダ(Synthetic Bandwidth Radar:SBR)を構成し,実環境下における実験的評価を行うことで,その有効性を確認した.
著者
横山 悟 マナロ エマニュエル 田中 エリス伸枝 高橋 慶 橋爪 寛 ジョン ヒョンジョン 川島 隆太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.145, pp.13-17, 2012-07-14

外国語の習熟度の一側面として、処理時間の速度という側面がある。本研究では、日本人英語学習者による英文理解の速度を計測し、その速度と英語の習熟度との関係性を探る。その目的のため、習熟度のバラつきがある日本人英語学習者群に対し、英語習熟度テストと英文のself-paced reading taskを課し、両者の関係性を探索的に探った。本論文では、その実験結果を報告する。