著者
石田 香織 井面 仁志 今井 慈郎 堀 幸雄 白木 渡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.470, pp.135-138, 2009-02-28

耐震改修の急務が報道されつつも,防災教育の整備はその緒に就いたばかりである.防災教育の扱う範囲・対象は多岐にわたるものの,多くの危機管理マニュアルは抽象的で学習者にとって,理解が進まない現状も指摘されることが多い.大学など教育機関でも効果的な教材開発や効率的な実施手法が望まれている.本報告では,学生の観点から,危機管理マニュアルをより効率よく説明できるよう,マルチメディア化し,クラス単位での評価を行い,専用のWebサーバを立ち上げて公開すると共に,オンライン・アンケートによるフィードバックにより,定期的改良や年代や立場に対応した防災教育のための教材作成のアイデア収集もできる教材開発および実施手法の一例について述べる.
著者
小原 仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.154, pp.49-52, 2006-07-06

インターネットのトラヒック増大,特にストリーミング映像やグリッドなどの高速サービスの増大によりコアネットワークにおけるトラヒック変動が発生し,その結果として回線容量のボトルネックが原因となってサービス品質に大きな影響を与える問題が指摘されている.これに対処するため,トラヒックに応じてネットワーク構成を動的に再構築するための各種の技術開発および標準化作業が進んでいる.すでに光アクセス網(PON)では,ユーザに割り当てる帯域を動的に制御するDBA (Dynamic Bandwidth Assignment)技術が実用化されている.一方,コアネットワークにおいては,ネットワークの動的な再構築のための技術が盛んに研究されている.ノードに配置される光アッド・ドップ装置や光クロスコネクト装置などのハードウェアは,外部からの制御により波長信号の接続を高速に切り替えられることが必要である.また,ネットワークの管理・運用の面からは,従来のオフライン的な管理システムに加えて,トラヒックをリアルタイムでモニタし,あるポリシーに基づいて判断し,高速に回線リソースの発見とルート探索,および切り替え制御を行う制御プレーンが新たに必要となる.制御プレーンの具体的な例としては,従来のインターネット向けのルーチング制御技術であるGMPLSにトラヒックエンジニアリング機能(TE)を配備したGMPLS-TEが知られている.この技術を採用した波長多重光ネットワークのいくつかのテストベッドも試作されており,実際に動作デモが行われている.また,ITU-Tでは特定のプロトコルに依存しないASON (Automatic Switched Optical Network)アーキテクチャの標準化が進められている.本報告では,波長多重技術を用いた光ネットワークを対象に,主にネットワーク制御の観点から,最近の再構築制御技術の概要を紹介する.
著者
吉岡 泰智 渡辺 俊典 古賀 久志 横山 貴紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.1, pp.83-93, 2007-01-01
被引用文献数
1

ビデオの内容を自動認識する技術は,監視,圧縮,要約など応用範囲が広い.認識対象を想定してそのモデルを人手や学習によって事前準備しておくというのが伝統的画像認識手法であるが,事前に想定できない多様な内容を含み,かつデータ量も膨大なビデオには十分対応できない.対策として,事前のモデル設定なしにビデオを観測しながらモデルの獲得と認識とを行う機構が望まれる.更にリプレイ時間や記憶のコストを削減するためにはワンパスで実時間性を備えたオンラインリアルタイム処理が理想である.本論文では,このような機能を備えたビデオ内動作オブジェクト自動認識システムを提案する.人の行動を撮影したビデオのみを与えて,歩く,座る,などの基本動作の獲得と認識とが完全自動で行えることを示す.
著者
小川 貴弘 長谷山 美紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.488, pp.67-72, 2008-02-11

本文では,画像内容に基づく類似画像検索を実現するため,カーネル主成分分析を用いた画像の意味的特徴量の推定手法を提案する.提案手法では,あらかじめキーワードが付与されているデータベース中の画像をクラスタリングし,各クラスタから得られる画像特徴量および意味的特徴量の非線形固有空間を用いて,新たな写像を導出する.このとき得られる写像は,同一のクラスタに属する画像に対して,その画像特徴量から意味的特徴量を高精度に推定する.そこで,提案手法ではキーワードが未知のクエリ画像に対して,その意味的特徴量を推定する際に画像特徴量で生じる誤差に注目することで,属するクラスタの適応的選択を行う.これにより,クエリ画像の意味的特徴量は最適なクラスタによって精度良く推定されるため,その結果から画像内容に基づいた類似画像検索を行うことが可能となる.
著者
今井 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, pp.411-412, 1995-03-27

本稿では,最適化アリゴリズムの研究動向について,まず伝統的なものと相対的に新しいものを簡潔にまとめる.そして,その中の厳密解法である分技限定法・動的計画法に関連するもので,VLSIの論理設計の分野から実用性が注目されてきた2分決定グラフ(BDD)の最適化問題への応用について触れる.また,モダンヒューリステックでの近傍探索に関連した話題として,局所情報のみを用いて全域情報を列挙する逆探索手法について述べる.分量の制限のため,このように具体的に紹介するのは筆者の興味からこの2つに限るが,もちろん最適化は広範な分野であり,本稿を元に他の研究動向についても興味をもって頂けると幸いである.
著者
内田 貴司 矢崎 天一 安岡 義純 鈴木 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.275, pp.41-46, 2000-08-22

94GHzミリ波用の薄膜スロットアンテナを結合させたYBCOホットエレクトロンボロメータ(HEB)を製作し、ミリ波検出特性について検討した。まず、ビデオ検波特性から製作した素子のミリ波検出機構について検討した。遷移領域から常抵抗状態の温度領域ではボロメトリックな検出機構が支配的であった。しかし、超電導遷移温度(T_C)近傍では磁束クリープ運動に起因すると思われる非ボロメトリックな検出機構が支配的であり、印加電流を増加するに従いこの機構が顕著に現れた。次に、ボロメータとしての動作が支配的な素子を用いてミクシング特性を検討した。94GHzでのヘテロダインミクシングにおいて約0.65×10^<-9>[s]のフォノン緩和時間をもつボロメータミクサが実現でき、3.0GHzまでのIF信号を観測した。
著者
内田 貴司 矢崎 天一 安岡 義純 鈴木 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SCE, 超伝導エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.274, pp.41-46, 2000-08-22

94GHzミリ波用の薄膜スロットアンテナを結合させたYBCOホットエレクトロンボロメータ(HEB)を製作し、ミリ波検出特性について検討した。まず、ビデオ検波特性から製作した素子のミリ波検出機構について検討した。遷移領域から常抵抗状態の温度領域ではボロメトリックな検出機構が支配的であった。しかし、超電導遷移温度(T_c)近傍では磁束クリープ運動に起因すると思われる非ボロメトリックな検出機構が支配的であり、印加電流を増加するに従いこの機構が顕著に現れた。次に、ボロメータとしての動作が支配的な素子を用いてミクシング特性を検討した。94GHzでのヘテロダインミクシングにおいて約0.65×10~<-9>[s]のフォノン緩和時間をもつボロメータミクサが実現でき、3.0GHzまでのIF信号を観測した。
著者
釜森 勇樹 川村 新 飯國 洋二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.57, pp.35-38, 2009-05-21

本論文では,ゼロ位相信号解析による広帯域雑音の除去について検討する.ゼロ位相信号とは,全周波数成分の位相をゼロに変換した信号であり,観測信号の振幅スペクトルの逆フーリエ変換として定義される.ゼロ位相信号へ変換することにより,振幅スペクトルの周波数軸方向の周期性を解析し利用することが可能となる.筆者らは,ゼロ位相信号解析の応用例として,白色雑音およびインパルス雑音に対する雑音除去法を提案してきた.本論文では,ゼロ位相信号解析によって,より一般的な広帯域雑音の除去が可能になることを示す.
著者
Wang Kedian Xu Haibo Chen Zhonghuai
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.356, pp.485-490, 2000-10-13

Stereo display is one of the key technologies of virtuaI Reality(VR), and is a basic requirement of a VR system. VR is a kind of hi-tech in Computer Science, which combines the most preeminent new results of several technologies such as CG, multimedia, display and computer simulation technology. This paper researches stereo displaying system on PC platform. On study of the mechanism of stereo vision, the importance of binocular parallax to generate stereo vision is explained, and different vision effects due to different types of binocular parallax are also analyzed and compared. A binocular-intersected projection model is proposed to generate stereo pairs, and this model is introduced into the popular 3D modeling system 3DS MAX to implement stereo displaying in one of the system windows. By using the LCD shutter glasses, the stereo displaying of static BMP pairs and bi-sequece AVI files generated using the binocular-intersected projection model can be observed. The shift from bi-sequnce AVI to mono-sequence AVI and stereo displaying of monosequence AVI are also expatiated. A real time stereo displaying system depending on hardware capabilities of display card is also realized in this paper. Through transforming.3ds files exported by 3DS MAX to loaded and Illumination, provided, and .x files, 3D models in .x files can be stereo-displayed by the system. textures and material functions are mutual controls such as pinning and rotation of models are also supplied. Predefined Awl can be played. The advantage of this stereo displaying system to common 3D-display system is that the depth of the image can be felt. A very good stereo vision effect can be obtained ; the program's execution is fast. The system is cheap and can be applied in products exhibition, CAT and entertainment.
著者
武藤 一利 大西 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.647, pp.25-28, 2005-01-28

2輪の乗り物であるセグウェイに、放送用ワイヤレスカメラを搭載してリモートコントロールできる装置を開発した。
著者
武藤 一利 大西 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.104, no.649, pp.25-28, 2005-01-28

2輪の乗り物であるセグウェイに、放送用ワイヤレスカメラを搭載してリモートコントロールできる装置を開発した。
著者
恩田 和樹 奥田 隆史 井手口 哲夫 田 学軍
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.220, pp.29-34, 2009-10-01
被引用文献数
1

電子メールシステムの構成要素は,メールサーバ,LAN同士やMAN同士を接続する基幹回線等である.電子メールシステムが正常に稼働するためには,これらの構成要素の全てが正常に機能することが必要である.しかしながら,社会インフラとして利用するためには,一部の構成要素が機能しない場合でも,全体としては機能しているというパフォーマビリティを向上させることが重要である.本稿では,基幹回線が正常に機能していない状況においても,電子メールシステムが稼働するために,徒歩や自転車,セグウェイなどの機動性に優れた低速移動体を利用し,電子メールシステムのパフォーマビリティを向上する手法を提案する.具体的には,低速移動体を用いて,相互に接続されていないネットワーク間でメールを収集,配達する手法を提案する.また,本提案手法を適用した電子メールシステムの性能評価を行う.
著者
佐藤 知正 内野 宏人 辰川 肇 朝木 克利 野口 博史 松信 嘉範 森下 広 森 武俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.443, pp.21-27, 2000-11-10
被引用文献数
3

本稿では、ロボット化された人間支援ルーム「ロボティックルーム3」を提案し、その基本的な考え方を述べる。ルームが豊かな個性を持った"個人"に適合した支援を実施するためには、個人の行動を認識・蓄積する機能と、その情報を踏まえて個人適合した支援を計画・実行する機能が核となることを指摘する。そのうえで、ロボティックルーム3においてこれまでに実現された行動認識機能として、床センサと視覚センサを統合して、部屋に入ってくる人を発見・追跡する機能について述べる。これはロボティックルーム3の基盤機能として、部屋に分散させた感覚行動ネットワーク系によって部屋内で生活する人の日常生活行動を認識する機能実現につながっていくものである。
著者
岡野 翔 面谷 信 中田 将裕 前田 秀一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.666, pp.13-16, 2005-02-17
被引用文献数
3

現在、紙とディスプレイの長所を併せ持った新しい表示媒体として電子ペーパーの開発が行われている。本研究は紙の利点である読みやすさの要因を明確にすることで、電子ペーパーのめざすべき読みやすさの条件を明確にしようとするものである。本研究では、媒体の呈示条件を読みやすさの重要な要因候補として考え、最新の電子書籍端末2種(Librie, Σbook)と紙を用いて、3通りの媒体呈示条件(立掛け, 水平置き, 手持ち)における読書作業性の比較評価を行った。両電子書籍媒体においては「手持ち」条件が顕著に高い評価結果となり、電子表示媒体を手持ち可能な形状等にすることで読書性が向上することが示唆された。