著者
河崎 靖 松尾 哲 鈴木 克己 金山 喜則 金濱 耕基
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.322-327, 2013 (Released:2013-11-16)
参考文献数
25
被引用文献数
11 13

トマト施設生産において高温障害を緩和する低コストな冷却技術が求められている.本研究では根域冷却の生理学的・形態学的知見を得ることを目的に,養液栽培されたトマトの培養液を最適温度と考えられるおよそ 25°Cに冷却して 2 週間栽培し,生育,養分吸収,根の活性としての出液速度および根呼吸速度,根の IAA 濃度および根の内部形態について調査した.高気温条件下で根域を最適な温度に冷却することで,根の RGR が増加し,その後地上部の RGR も増加した.根の IAA 含量は根の RGR と高い正の相関が認められた.根域冷却により出液速度,根呼吸速度が増加し,同様に Ca および Mg 吸収が促進された.また,根先端付近の木部発達も認められた.以上のことから,高温期の根域冷却は,根の活性および IAA 濃度を増加させることで,根の生育および木部発達を介した養分吸収を促進し,遅れて地上部の生育を促進することが示唆された.
著者
中野 明正 鈴木 克己
出版者
根研究学会
雑誌
根の研究 (ISSN:09192182)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.141-143, 2013 (Released:2014-12-20)
参考文献数
1

中学生でも,安全で,簡易に薄層切片が調製できる道具を工夫し作成した.今回作成した簡易ミクロトームは,費用も数百円であり継続使用も可能である.植物サンプルの調製にはシードバッグ等を使用することにより,調製の時間が短縮され廃棄も容易となるメリットがある.このような一連の実験を通じて,植物の根がより身近なものとなり,植物科学への関心も高まるものと期待される.
著者
岡 真理 宮下 遼 山本 薫 石川 清子 藤元 優子 福田 義昭 鵜戸 聡 田浪 亜央江 中村 菜穂 前田 君江 鈴木 珠里 石井 啓一郎 徳原 靖浩 細田 和江 磯部 加代子 岡崎 弘樹 鈴木 克己 栗原 俊秀 竹田 敏之
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

アラビア語、ペルシア語、トルコ語、ヘブライ語など中東の諸言語で、中東地域で生産される作品のみならず、中東に歴史的出自を持つ者によって、欧米など地理的中東世界を超えた地域で、英語、仏語、独語、伊語などの西洋の諸言語で生み出される作品をも対象に、文学や映画などさまざまなテクストに現れた「ワタン(祖国)」表象の超域的な分析を通して、「ワタン」を軸に、近現代中東世界の社会的・歴史的ありようとそのダイナミズムの一端と、国民国家や言語文化の境界を越えた共通性および各国・各地域の固有性を明らかにすると同時に、近現代中東の人々の経験を、人間にとって祖国とは何かという普遍的問いに対する一つの応答として提示した。
著者
岡 真理 宮下 遼 新城 郁夫 山本 薫 藤井 光 石川 清子 岡崎 弘樹 藤元 優子 福田 義昭 久野 量一 鵜戸 聡 田浪 亜央江 細田 和江 鵜飼 哲 細見 和之 阿部 賢一 呉 世宗 鈴木 克己
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

難民や移民など人間の生の経験が地球規模で国境横断的に生起する今日、人間は「祖国」なるものと様々に、痛みに満ちた関係を切り結んでいる。ネイションを所与と見なし、その同一性に収まらぬ者たちを排除する「対テロ戦争パラダイム」が世界を席巻するなか、本研究は、中東を中心に世界の諸地域を専門とする人文学研究者が協働し、文学をはじめとする文化表象における多様な「祖国」表象を通して、人文学的視点から、現代世界において人間が「祖国」をいかなるものとして生き、ネイションや地域を超えて、人間の経験をグローバルに貫く普遍的な課題とは何かを明らかにし、新たな解放の思想を創出するための基盤づくりを目指す。
著者
鈴木 克己
出版者
一般社団法人 日本時計学会
雑誌
マイクロメカトロニクス (ISSN:13438565)
巻号頁・発行日
vol.62, no.219, pp.13-22, 2018-12-10 (Released:2020-12-15)
参考文献数
5

By applying anti-reflection coating on both sides (front and back) of the sapphire windshield of the wristwatch, we prevent degradation of visibility, color tone and contrast of the dial and hand due to reflection. However, in achieving this coating, there were some problems, especially on the front side coating of the windshield. In this thesis, we will introduce what we have done to solve this problem.
著者
河崎 靖 鈴木 克己 安場 健一郎 高市 益行
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.395-400, 2011 (Released:2011-08-23)
参考文献数
20
被引用文献数
3 11

トマトの冬季施設生産における燃料費の削減のため,通常地面に配置する温風ダクトを,栽培ベッド上に吊り下げ,温風が生長点―開花花房付近に直接当たるように配置して局部加温を実施し,夜間の垂直温度分布,収量および消費燃料を慣行の暖房法と比較した.局部加温によって,群落上部で慣行より夜間の気温および植物体表面温度は高く推移したが,群落下部は慣行より低温となった.局部加温区における上物果率および果重は慣行区より大となり,品種により程度に差はあるものの,上物収量が多くなる可能性が示された.また,果実はゼリー部の比率が高くなった.面積当たりの燃料消費量は,局部加温区で慣行と比較して26.2%の削減効果が見られ,ダクト吊り下げによる局部加温法が実用的に実施可能であることが示された.
著者
東出 忠桐 後藤 一郎 鈴木 克己 安場 健一郎 塚澤 和憲 安 東赫 岩崎 泰永
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.523-529, 2012-10-15

キュウリ短期栽培においてつる下ろし法および摘心法が乾物生産や収量に及ぼす影響を収量構成要素から解析した。太陽光利用型植物工場内で噴霧耕方式の養液栽培により,3品種のキュウリについて,4本の側枝を伸ばしてつる下ろしを行う場合と,主枝を第20節および側枝を第2節で摘心する場合とを比較した。2011年7~10月に比較実験を行ったところ,果実生体収量は,すべての品種でつる下ろし区に比べて摘心区の方が多かった。収量の多少の原因について収量構成要素から解析すると,果実生体収量が多かった摘心区および品種では果実乾物収量が多かった。果実乾物収量が多い理由は,果実への乾物分配率およびTDMがともに多いためであった。実験期間全体のTDMの違いは光利用効率の違いに関係していた。ただし,定植後40日までは積算受光量の違いがTDMや収量に影響していた。
著者
鈴木 克己 長谷川 典央 鈴木 武雄 榎本 陽一 田巻 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SCE, 超伝導エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.274, pp.67-74, 2000-08-22
被引用文献数
3

携帯電話で代表される移動体通信は来年から次世代IMT-2000へと発展している。移動体通信基地局に使用されるフロントエンドの性能向上の中で冷却技術を取り込んだ高温超電導フィルタの利用も、この急激変革を遂げている市場で出番が期待されている。従来材料に比べ、低損失かつ急峻な周波数特性を高温超電導フィルタで実現できるからである。チェビシェフ型と比較し、段数が少なくても急峻なバンドパス特性を実現できる楕円関数型にて高温超電導フィルタを設計製作し、その特性を評価したのでここに報告する。中心周波数は10.5GHz、段数は6段であり、非対称のヘアピン形状であることが特徴である。その結果、対称ヘアピン形状と比較し設計の自由度が増大した。
著者
山田 邦夫 乘越 亮 鈴木 克己 西島 隆明 今西 英雄 市村 一雄
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.356-362, 2009 (Released:2009-07-28)
参考文献数
38
被引用文献数
26 38

開花は園芸学的に重要な現象であるにもかかわらず,その形態学的研究に関する報告は限定されている.バラ花弁の成長発達において,いつ細胞分裂が停止し,また細胞の形態がどのように変化するのかなどは明らかとはなっていない.本研究では,バラ花弁の発達にともなう細胞形態の変化を詳細に明らかにすることを目的とした.バラ(Rosa hybrida L. ‘Sonia’)花弁を 6 つの開花ステージごとに採取した.細胞の形態の変化は,花弁横断切片を光学顕微鏡,透過型電子顕微鏡および走査型電子顕微鏡を用いて観察し,表皮細胞数はノマルスキー微分干渉顕微鏡を用いて測定した.表皮細胞の数は開花にともない増加したが,背軸側の表皮細胞数の増加速度は向軸側に比べより早い時期から緩やかとなった.表皮細胞の面積は,開花後期のステージで,細胞数の増加と比較して著しく急激に増大していた.これは,開花後期のステージでは花弁成長は主に細胞肥大によるものであることを示唆している.開花にともない,花弁における海綿状組織の細胞は独特の肥大成長によって多くの空隙を作りだしていた.また花弁頂部側の表皮細胞では水平方向への肥大成長が著しく,特に向軸側の表皮細胞では液胞の巨大化がともなう細胞肥大が観察された.細胞肥大のパターンが花弁内の組織によって異なっていることが,バラ花弁の開花に伴う反転に寄与していると思われる.
著者
内田 貴司 矢崎 天一 安岡 義純 鈴木 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.275, pp.41-46, 2000-08-22

94GHzミリ波用の薄膜スロットアンテナを結合させたYBCOホットエレクトロンボロメータ(HEB)を製作し、ミリ波検出特性について検討した。まず、ビデオ検波特性から製作した素子のミリ波検出機構について検討した。遷移領域から常抵抗状態の温度領域ではボロメトリックな検出機構が支配的であった。しかし、超電導遷移温度(T_C)近傍では磁束クリープ運動に起因すると思われる非ボロメトリックな検出機構が支配的であり、印加電流を増加するに従いこの機構が顕著に現れた。次に、ボロメータとしての動作が支配的な素子を用いてミクシング特性を検討した。94GHzでのヘテロダインミクシングにおいて約0.65×10^<-9>[s]のフォノン緩和時間をもつボロメータミクサが実現でき、3.0GHzまでのIF信号を観測した。
著者
内田 貴司 矢崎 天一 安岡 義純 鈴木 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SCE, 超伝導エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.274, pp.41-46, 2000-08-22

94GHzミリ波用の薄膜スロットアンテナを結合させたYBCOホットエレクトロンボロメータ(HEB)を製作し、ミリ波検出特性について検討した。まず、ビデオ検波特性から製作した素子のミリ波検出機構について検討した。遷移領域から常抵抗状態の温度領域ではボロメトリックな検出機構が支配的であった。しかし、超電導遷移温度(T_c)近傍では磁束クリープ運動に起因すると思われる非ボロメトリックな検出機構が支配的であり、印加電流を増加するに従いこの機構が顕著に現れた。次に、ボロメータとしての動作が支配的な素子を用いてミクシング特性を検討した。94GHzでのヘテロダインミクシングにおいて約0.65×10~<-9>[s]のフォノン緩和時間をもつボロメータミクサが実現でき、3.0GHzまでのIF信号を観測した。