著者
松村 常夫 遠藤 乾市 木村 秀明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.91, pp.35-40, 1999-05-27

市販単四電池1本で停電時に5時間の通話が可能なISDN用のカードサイズONU(世界最小電力&電カサイズ)のプロトクイプを開発した。本ONUは50Mbit/s STM-PDS システムに適用するもので、最先端の1V級動作モジュール/デバイスを搭載している。これらモジュール/デバイスの搭載と共に、サービス対応部をプラグ形式で共通処理部と接続する構成法, 高精度モジュール設計法の適用により、本ONUは3.3V版の従来型ONUに比べ、1/8の低電力化(150mW), 1/6の小型化(59cc;カード搭載対象部)が可能であることが確認された。
著者
関 和広 上原 邦昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.42, pp.1-6, 2010-05-13

ブログやマイクロブログ(Twitterなど)といったソーシャルメディアの利用者の増加に従い,これら新しいメディアからの情報の抽出・利用についての研究が盛んに行われている.本研究では,ソーシャルメディアを実世界のオブジェクトのメタデータと捉え,これが従来の情報検索に及ぼす影響について議論する.特に本稿では,ソーシャルブックマークに注目し,熟練者による従来の統制語彙に基づく索引との比較を通して,情報検索におけるその有用性を検証する.より具体的には,生物医学分野の文献を題材とし,各論文に付与されたMeSH索引語(統制語彙に基づく索引)とソーシャルブックマークサービスの1つであるCiteULikeを利用して付与されたソーシャルタグを比較し,その特徴と有用性を様々な観点から実験的に調査する.実験の結果,情報検索においてソーシャルタグはMeSHと相補的に機能し,ソーシャルタグの網羅性が高まるほど検索精度が向上することが示された.
著者
平田 晃正 塩沢 俊之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.97, no.497, pp.7-12, 1998-01-22

解析のモデルとして, 方形導波管の下部導体に誘電体薄膜を装荷し, そこから一定距離離れたところを有限幅の電子ビームがドリフトしているチェレンコフレーザの3次元モデルを考える. 粒子シミュレーションの手法を用いて, 電子ビームの非線形性を考慮に入れ, 上記モデルにおける電磁波の増幅特性および電子ビームの運動エネルギーから電磁波へのエネルギー変換効率について論じている. 更に, 2次元モデルのチェレンコフレーザにおける解析結果と比較し, その相違について検討している.
著者
加藤 隼也 川端 亮 伊藤 潔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.384, pp.19-24, 2009-01-12

ドメインと複数のドメインに共通なオントロジの構成法を,コンポーネントの観点とタスクの観点から考察し,オントロジの再利用可能な記述法と記述したオントロジの再利用方法を検討する.オントロジの記述の例として仕事の受託について記述した.タスクオントロジを格文法とコミットメントネットワークに沿って記述し,タスクオントロジからコンポーネントオントロジを抽出しコンポーネント同士の関係を記述する.この記述法と再利用法を,Excel VBAで実装した.
著者
宮本 貴宣 浜本 義彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎
巻号頁・発行日
vol.98, no.208, pp.71-78, 1998-07-24

統計的パターン認識の特徴抽出系の一つに, 正規直交判別ベクトル法がある.次元数に対する訓練サンプル数の比が小さいという現実的状況下では, クラス内共分散行列の推定誤差が大きくなり, 場合によっては逆行列が存在しないこともありえる.そこで, 本論文では, テプリッツ法, 正則化法という二種類のクラス内共分散行列の推定法を用いることで, 正規直交判別ベクトル法の改善を試みる.
著者
尾知 博 金城 繁徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.801-809, 1993-06-25

本論文は,FIR適応フィルタの係数更新ベクトルとして,離散コンサイン変換(DTC)の基底ベクトルを使用した新しい適応アルゴリズムを提案している.NタップFIR適応フィルタの平均2乗誤差曲面は,入力信号系列の自己相関行列と係数誤差ベクトルによる2次形式で表され,N次元超平面におけるだ円を表している.本論文では,まずこのだ円の主軸が,トプリッツ(Toeplitz)行列である自己相関行列Rの固有ベクトル方向と一致することを示す.ところで,トプリッツ行列Rの固有ベクトルはDTCの基底ベクトルで近似できることがよく知られている.そこで本論文では次に,この基底ベクトル方向に沿って係数更新を行う新しい適応アルゴリズムを提案する.提案算法は,原理的にN回の反復で適応フィルタの係数を収束させることができる.最後にシミュレーションにより,従来の学習同定法と比較して本論文で提案するアルゴリズムが高速に収束することを示す.また,付加雑音が存在する場合でも提案法が有効であることを示す.
著者
宮本 貴宣 浜本 義彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.98, no.206, pp.71-78, 1998-07-24

統計的パターン認識の特徴抽出系の一つに, 正規直交判別ベクトル法がある.次元数に対する訓練サンプル数の比が小さいという現実的状況下では, クラス内共分散行列の推定誤差が大きくなり, 場合によっては逆行列が存在しないこともありえる.そこで, 本論文では, テプリッツ法, 正則化法という二種類のクラス内共分散行列の推定法を用いることで, 正規直交判別ベクトル法の改善を試みる.
著者
上山 博也 前野 剛 平田 晃正 王 建青 藤原 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.371, pp.1-6, 2007-11-30
被引用文献数
21

車載電子機器のプリント回路基板(PCB)からワイヤハーネスへ流出する伝導雑音電流は,車載ラジオの妨害源となる.ワイヤハーネスへの伝導雑音電流を流出させにくいPCBグラウンド層のスリット効果の解明を目的として,スリットの入ったグラウンド層を共通とする直交配線パターンの簡易PCBを作成し,配線パターン間のクロストークのFDTD計算と測定を,FM周波数帯を含む300kHz〜1GHzの周波数範囲でスリット数との関係において行った.その結果,計算結果は測定結果を概ね表すこと,2スリットのクロメトークレベルは1スリットのそれに比して必ずしも大きいわけではなく,スリットの配置によってはクロストークレベルを低減し得ること,などが確認できた.
著者
馬場 健介 古原 和邦 岩村 恵市 鄭 玉良 今井 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ
巻号頁・発行日
vol.98, no.48, pp.61-69, 1998-05-15

ディジタルコンテンツの著作権保護システムを実現する手段として、電子透かし技術が数多く研究されている。一般に、画像の販売者のみが購入者情報を生成し、電子透かしを用いてその埋め込みを行なうようなシステムでは、流出画像が購入者が流出させたものか、販売者から流出されたものかを厳密に区別することはできず、何らかの方法で販売者のコンピュータから、ある購入者情報が埋め込まれた画像が漏洩されれば、不正行為を行なっていない購入者が不正であるとみなされる可能性がある。そこで本稿では、購入者情報の埋め込みに購入者自身が参加し、販売者側から購入者情報が漏洩しても購入者が不正とみなされないプロトコルを提案する。このプロトコルはディジタル画像だけでなく、音声や動画像といったディジタルコンテンツにも応用できる。
著者
野川 裕記 足立 史宜 辻野 泰充 守屋 誠司 齋藤 和典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.85, pp.7-12, 2009-06-11
被引用文献数
3

シェルコードは、遠隔からの攻撃に使用される小さな機械語のプログラムである。シェルコード分析およびシェルコード検知に関する研究は行われているが、十分な正確性とスループットを備えたシェルコード検知システムは報告されていない。本論文において、我々は、ネットワーク上を流れるシェルコードを分析し、検知する手法を提案する。まず最初に、シェルコードについて説明し、遠隔からの攻撃を判別するときのシェルコード検知の重要性について述べる。次に、従来研究について簡単に述べ、シェルコードの構造分析を用いた我々の手法を示す。最後に、本手法をC言語で実装し評価した結果について述べ、我々の手法で検知した興味深い例を報告する。
著者
早坂 昇 和田 直哉 宮永 喜一 畑岡 信夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.146, pp.31-36, 2003-06-19
被引用文献数
1

実環境で音声認識を使用する際,雑音が大きな問題となる.本報告では,ランニングスペクトルにフィルタリングを施し雑音の影響を低減する手法を提案する.ランニングスペクトルとは短時間スペクトルの時間軌跡のことで,音声認識において重要な特徴であることが知られている.提案手法は,パワースペクトルの時間軌跡にローパスフィルタを,対数パワースペクトルの時間軌跡にバンドパスフィルタをかけるというものである.4種類の雑音を人工的に付加した孤立単語認識実験の結果,特に低SNRにおいて現在広く用いられているRASTA法, CMS法に比べ高い認識率を得た.
著者
飯田 誠 荒川 忠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.266, pp.17-20, 2003-08-19
被引用文献数
1

東京湾で本格的な風力発電事業がはじまった.東京は風が弱く,風力発電は今まで難しいとされてきた.しかし,詳細な風況解析を行うことで東京湾内に商業ベースの風力エネルギーが存在することが明らかになった.本稿では,東京湾の風特性と現在稼動中の東京湾臨海風力発電所の概要,建設経緯に関して述べるとともに,東京湾で風力発電を行うことの意義,影響について述べる.
著者
中村 康久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.541, pp.1-6, 2004-01-06

ユビキタス社会の到来により、通信に対するニーズは、「人対人」から「人対機械」、「機械対機械」と急速に進化し、転換期を迎えている。象徴的な「機械」である自動車の情報化も実現フェーズヘと移行している。本項では、まず、ユビキタス化の方向性を明らかにした上で、「テレマティクス」の概要、ドコモの考える戦略といった基本的な考え方について解説する。そして、具体例について、車情報活用サービス、車情報配信サービス、ドコモの出資提携するサービスについて事例を交えて解説する。更に、標準化に向けた取り組みについて解説する。最後に、NTTドコモが取り組む「テレマティクスの取り組み」について総括を行う。
著者
丸山 珠美 長 敬三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.144, pp.101-106, 2007-07-12

近年、山岳部のエリアを確保し、また都市部の容量を増大するためドコモの3Gシステムでは800MHz,1.7GHz,2.0GHzの三つの周波数帯が用いられている。さらに、ダイバーシチ、MIMOに対応するためにはアンテナを端末に複数搭載するマルチアンテナが必須となる。携帯端末用のアンテナはデザイン性重視の観点から端末に内蔵されるのが望ましが、端末におけるアンテナ用の容積は限られており、マルチバンドアンテナを複数搭載するのは極めて困難となる。これに対し本稿では、小型マルチバンドアンテナとして提案してきたスクロール形状モノポールアンテナを、従来のアンテナ一つ分の容積に二つ搭載し、所望の三周波数帯で共振が得られ、かつ放射効率向上および相関係数低減を評価関数とする自動設計を遺伝的アルゴリズムを用いて行った。
著者
中村 康久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.543, pp.1-6, 2004-01-06
被引用文献数
2

ユビキタス社会の到来により、通信に対するニーズは、「人対人」から「人対機械」、「機械対機械」と急速に進化し、転換期を迎えている。象徴的な「機械」である自動車の情報化も実現フェーズヘと移行している。本項では、まず、ユビキタス化の方向性を明らかにした上で、「テレマティクス」の概要、ドコモの考える戦略といった基本的な考え方について解説する。そして、具体例について、車情報活用サービス、車情報配信サービス、ドコモの出資提携するサービスについて事例を交えて解説する。更に、標準化に向けた取り組みについて解説する。最後に、NTTドコモが取り組む「テレマティクスの取り組み」について総括を行う。
著者
石田 健一 山元 隆 宮地 博幸 榎本 康浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-09-05

近年、各種SCSI周辺機器の発展によってSCSIが標準インターフェースとして、急速に普及してきている。この様な背景の中、小型LSI化したターミネータの低入力容量化と高精度化が要求されている。これらの課題に対応し、SCSI-I/II仕様をサポートした不平衡型アクティブターミネータLSIを開発したので報告する。
著者
引地 謙治 森野 祐直 福田 一郎 松本 壮樹 瀬崎 薫 安田 靖彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.268-278, 2003-02-01
被引用文献数
18

現在,実時間メディアのネットワーク伝送において,ネットワークの状況に適応したサービス品質の提供が問題となっている.音声・動画像メディアにおいては,インターネットにおけるネットワークQoS(Quality of Service)の劣化に対する制御,また劣化がユーザに与える影響などの研究が多く行われている.一方,ネットワークを通じた仮想空間共有システムにおいて触覚をユーザに提示することが可能となっている.しかしながら,このような触覚を含む仮想空間共有システムにおいて,ネットワーク品質の劣化がユーザに与える影響についての検討はほとんど行われていなかった.そのため,本論文ではネットワークの状況に適応的制御が可能な触覚を含む仮想空間共有システムを提案する.本システムにおいては,ネットワークにおける遅延,パケット損失に対する対策を行い,量子化・符号化により伝送情報量を低減させる.また,触覚を含むシステムの評価手法を定め,それに基づいてネットワークにおける遅延,パケット損失,また量子化による情報損失に対する特性を測定することにより,システムに必要とされるQoSパラメータの導出を試みる.