著者
舞草 伯秀 八木 有毅 深見 忠典 柳田 裕隆 赤塚 孝雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.579, pp.67-72, 2005-01-14

高品質の超音波画像を得る手法として、第2高調波を用いたハーモニックイメージングや、マイクロバブルの崩壊現象とそれにともなう高調波成分を利用したイメージング法などが考えられている。一方、散乱波に含まれるサブハーモニックは、生体組識からの発生がほとんどないことから、第2高調波によるイメージング法よりもさらによい生体組識-血流間のコントラストが得られるものとして注目されている。しかしながら、サブハーモニック生成のメカニズムはマイクロバブルの共振や崩壊現象となんらかの関連があると考えられているものの、充分に解明されていない。ここでは、この解明のために、超音波パルス照射毎のマイクロバブルの振る舞いと、超音波エコーの各周波数成分の経時変化について光学的・音響的同時計測を行った。得られた動画像からバブル径を求め、そのときのバブルからの音圧スペクトルをRPNNPモデルにより算出し, 各周波数成分の経時変化に着目して, 実験値との比較検討を行なった。結果、理論値と実験値には類似性がみられ、サブハーモニック発生とバブル径の変化について考察する。
著者
安田 知未 小野 智司 中山 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.470, pp.91-96, 2010-03-08

通信販売で衣服を購入する場合,試着が困難であるため,計算機上で試着を仮想的に実現する技術やシステムの研究が行われている.3次元空間上で人物の動きに応じた衣服の変形が研究されているが,試着者の体型データの取得に高価な装置が必要となるなどの問題がある.本研究では,試着者の画像から衣服の変形を近似的に取得することで,高価な装置を用いずに簡便に体型を考慮した仮想試着を実現するシステムを開発する.
著者
山口 純平 嶋田 和孝 榎田 修一 江島 俊朗 遠藤 勉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.470, pp.25-30, 2010-03-08

本稿では,隠れに頑健な人物識別手法として,顔特徴とコンテキスト情報を用いた手法について報告する.本手法では,顔特徴として正面顔と目,鼻などの顔部品を用い,CLAFIC法により類似度を求める.またコンテキスト情報には衣服の情報を使用し,衣服特徴として4つの特徴を用い,それぞれ類似度を求める.これらの特徴から得られた類似度を統合し,人物識別を行う.顔の一部が隠れた画像に対して,顔特徴のみで識別を行った場合の結果と本手法で識別を行った場合の結果を比べることで,コンテキスト情報として衣服特徴を用いることの有効性を確認した.
著者
加井 謙二郎 土居 清之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.456, pp.37-44, 2001-11-15

テレビ画面上で時間の経過とともに位置を変える人や物などの対象物に関連する情報を対話的に提供するデータ放送サービスの実現方法を検討した。対象物を選択するためのヒューマンインターフェイスとして矩形のフォーカス表示を使い、フォーカス位置などの動的リンク情報伝送にデータ放送ARIB規格のイベントメッセージを利用する。動的な提示処理にはあらかじめ受信機に伝送したBMLのスクリプトを用いる。位置情報データ制作から伝送、受信までの実験システムを構築し、本方式の有効性を確認したので報告する。
著者
磯谷 泰知 村谷 博文 古田 憲一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.235, pp.9-14, 2006-09-06
被引用文献数
4

予めデジタルコンテンツに対してIDを埋め込んでおき,コンテンツが不正に流出した際に,IDから不正者を追跡するフィンガープリンティングという技術がある.フィンガープリンティングにおいては異なるIDの埋め込まれた複数のコンテンツを用いてIDを改ざんする結託攻撃への対策が必要であるが,結託攻撃に対して耐性を持つ結託耐性符号は符号長が長く,実用化に向けてはできるだけ短い符号長での構成法が求められる.結託耐性符号の一つとしてTardosが符号の構成法と符号長を与えているが,しかし,この構成法はパラメータをアドホックに決めている部分があり,符号長の観点からは最適なものとはなっていない.そこで,これらのパラメータを変数とみなし,符号長を決定付ける評価式を一般化することとTardosの与えた符号が結託攻撃耐性を有するであることの証明過程において用いられている不等式を厳密に評価することで符号長の短縮を図ることを試みる.またこれらの解析に加え,数式の評価が困難な部分に関しては数値解析を用いることにより,結託者数が多い場面においてはTardosの構成法の1/4以下の符号長で符号が構成できることを確認した.
著者
近藤 彰則 鎌田 紗由美 藤川 真樹 古澤 健治 西垣 正勝 吉沢 昌純
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.466, pp.37-40, 2009-02-27

近年,盗難や持ち出しなどにより公務員や企業の制服が流出している.このような流出した制服や,偽造された制服を利用して警察官や宅配業者などを装うなりすまし犯罪が増加している.そこで,不正に制服を用いた犯罪を防止することを目的として,制服にコンピュータを組み込むことにより制服自身が着用状態を識別し,周囲に着用者の正当性を示すシステムを開発している。今回は,同一の人間が継続して制服を着用していることを識別するために,人体通信を利用した脱衣検知システムについて述べる.
著者
軸屋 和明 横平 徳美 岡本 卓爾 赤石 謙
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.98, no.174, pp.7-14, 1998-07-14

筆者らのペンドラムテストモデル(PTM)は脊髄の機能を備え、その入力は上位からα運動細胞に至る基準化した刺激の頻度Fe、上位からシナプス前抑制に至る基準化した刺激の頻度Fiおよび上位からγ運動細胞に至る基準化した刺激の頻度Fγである。本論文では、筋紡錘の感度特性に非線形性を導入してPTMを改良し、これにより従来困難であったFeとFγの一意決定について検討している。まず、筋紡錘の収縮要素に生じる増強力およびcrossーbridge部分の固定とゆるみに関する諸仮定を導入し、これにもとづいて筋紡錘モデルを導出している。次に、これを組み込んでPTMを改良し、実測結果に極力一致するようにシミュレーションを行って入力値を決めている。最後に、この結果からFeとFγを一意に決定できうることを示している。
著者
川村 正樹 岡田 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.10, pp.2302-2311, 2001-10-01
被引用文献数
8

系列想起モデルにおける想起過程の厳密解を議論する.連想記憶モデルの想起過程を解析するための理論として, 経路積分法や統計神経力学が提案されている.経路積分法は厳密解を与える理論であるが, 系列想起モデルでは, 定常状態しか議論されていない.我々は想起過程を議論するために, クロストークノイズの時間相関に注目し, 過渡状態を含むすべての場合に適応可能な厳密解を求めた.驚くべきことに, クロストークノイズがガウス分布に従うと仮定した統計神経力学の結果とこの厳密解は一致する.クロストークノイズの正規性を調べるために, クロストークノイズ分布のキュムラントの時間発展を調べた.その結果, パターンを想起することに失敗した場合においても, 3次と4次のキュムラントは0になっており, クロストークノイズが常にガウス分布に従っていることを確認した.また, 理論と計算機シミュレーションより得られる想起過程の結果は一致している.更に, 巨視的な不安定定常状態がセパラトリックスに完全に一致していることがわかった.
著者
松井 充
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ
巻号頁・発行日
vol.96, no.167, pp.35-48, 1996-07-22
被引用文献数
26

新しい秘密鍵暗号アルゴリズムMISTY1および、MISTY2を提案する。MISTY1およびMISTY2は128ビットの暗号化鍵をもつ64ビットプロック暗号であり、安全性の点では差分解読法と線形解読法に対する証明可能安全性を実現している点が大きな特長である。またソフトウエア・ハードウエアを問わず高速な暗号化処理が実現できるよう設計されており、例えば8段のMISTY1はソフトウエアではPentium 100MHzで20Mbps, PA7200 120MHzでは40Mbpsの暗号化速度を達成している。本稿ではこれら暗号アルゴリズムの設計原理および詳細仕様、ならびにサンプルプログラムを記載する。
著者
大塚 卓哉 小野澤 晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.162, pp.13-16, 2006-07-07

介護施設や病院施設において、認知・理解力、及び、運動能力の低下が見られる高齢者が単独で寝具から離床を試み寝具から転落事故が問題となっている。本稿では、重量計を寝具の各脚下に配置する事で、寝具上の被介護者の重心位置を計測し、重心位置の時系列データから、離床につながる動作を認識する手法について述べる。本手法により、被介護者が単独で離床しようとする動作を検出し、被介護者を離床前に介助する事で転落事故を未然に防ぐことが可能となる。
著者
松崎 貴史 系 正義 小菅 義夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.536-551, 2003-03-01

不要信号環境下における目標追尾において,目標信号消滅後に,不要信号や他の目標信号に誤追尾してできる誤航跡を解除するための目標消滅判定が必要である。目標消滅の例として,突然の航空機の衝突,船舶の沈没,車が崖から転落した場合などが考えられる。本論文では,追尾目標以外からの不要信号(雲,波,地面からの反射信号)が存在環境下で,PDAで追尾維持を行っている場合のアルゴリズムであるPDA (Probabilistic Data Association)の信頼度を使用して,目標が存在する確率と目標が存在しない確率の比を求め,その確率の比を使用した目標消滅判定法の提案する。計算機シミュレーションによる検討を行った結果,目標が実際に存在するシナリオと目標が実際に消滅するシナリオの両シナリオに対し,提案法は,安定した目標消滅判定を行うことが確認された。
著者
兼子 佑樹 桧垣 博章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.191, pp.73-78, 2010-08-26

中継センサノード列による無線マルチホップ通信によってセンサデータをシンクノードへと配送するセンサネットワークでは、バースト的に発生するセンサデータを紛失することなく低遅延で配送することが求められる。しかし、シンクノードに近い中継センサノードでは、多数のセンサノードから配送されるセンサデータが集中するため、次ホップセンサノードへの転送を待つセンサデータが増加し、中継センサノードの通信バッファがオーバフローする。また、シンクノードから遠い中継センサノードにおいても、前ホップセンサノードが自身の晒し端末、自身が次ホップセンサノードの晒し端末になることに加え、自身と前々ホップセンサノードおよび次々ホップセンサノードが互いに隠れ端末になることから、無線LANプロトコルの衝突回避機能によって送信機会が減少し、バースト的に発生するセンサデータ配送が中継センサノードの通信バッファバッファオーバフローの原因となる。これらの問題を解決するために、本論文では、前ホップセンサノードからのセンサデータ転送要求に対して空き通信バッファが無いことを通知する機構と、次ホップセンサノードから空き通信バッファが無いことを通知されたセンサノードが無線マルチホップ配送経路に含まれないシンクノードにより近い隣接センサノードへとセンサデータを転送する機構を備えることで、センサデータの紛失と配送遅延の拡大を防止する手法を提案する。
著者
松下 哲也 西垣 正勝 曽我 正和 田窪 昭夫 中村 逸一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.211, pp.53-60, 2002-07-11

アルゴリズム公開型の電子透かしを利用して,一般ユーザが誰でも違法コンテンツを含むホームページを摘発することができる社会的機構を構築することを提案する.全てのユーザが不正者を摘発する賞金稼ぎとなり得る本方式によれば,不正者は誰に自分の犯罪を発見されるか分からず,不正者にとって大きな脅威になると思われる。また,世界中に無限のコンテンツが散在するインターネットにおいては,ホームページ上のディジタル著作物を一元管理することは事実上,不可能である.提案方式は全ての一般ユーザによる究極の分散チェック機構と位置付けることができ,インターネットにおけるディジタル著作物の管理方式に適していると言える.本稿では,本方式と関連方式を比較し,本方式の有効性を検討する.
著者
西山 禎彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

従来、通信網では、発信者向けのサービスが多く、キャッチホン、着信転送等の着信者向けサービスも一部見られたが、めいわく電話おことわりサービスのように、悪戯電話から着信者を保護するサービスが1994年開始された。また、着信者向けサービスは少ないため、今後、多く提供されるようになると予想される。
著者
安部 美緒子 大村 和典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.582, pp.65-70, 2000-01-21
被引用文献数
4

握力インターフェースによる、遠隔地間での親しい人同士のインフォーマルコミュニケーションの研究 インフォーマルコミュニケーションにおいては、気持ちを伝えあうことによって対話を創り上げる過程を、対話の参加者は楽しんでいる。我々は、この対話を創るためのコミュニケーションシステムとして、握力インターフェースHearty Eggを試作し、ユーザ間のインタラクションを検討した。ユーザは独自のリズムの生成とその壊しのサイクルによって対話を創り上げる。このコミュニケーションモデルの紹介と、更にそのモデルのインターフェースへの応用として、コミュニケーションの痕跡の概念について考察する。
著者
黒岩 眞吾 酒寄 信一 山本 誠一 藤岡 雅宣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

KDDでは海外から日本のオペレータを直接呼びだし,国際オペレータ通話が可能な「KDDジャパンダイレクト^<SM>」という国際電話サービスを提供し,多くの日本人旅行者等の利用を得ている.しかし,特定の国からの呼については,現地の子供達等によるイタズラ電話が多く様々なトラブルを引き起こしている.そこで,オペレータに呼を接続する前に音声応答装置により対応しイタズラ呼の接続を排除するシステムを開発した.
著者
石丸 知之 植村 俊亮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.349-357, 1995-03-25
被引用文献数
9

本論文では,オブジェクト指向データモデルを拡張した「多態オブジェクト」データモデルを提案する.多態オブジェクトモデルの目的は,マルチメディアデータを自然にデータベース内に表現することである.マルチメディアデータの一つの特徴は,実世界の実体の多用な表現である.多態オブジェクトモデルでは,実体をオブジェクトとして理解し,そのオブジェクトに複数の完結した表現を与えることのできるモデルを提案する.このようなオブジェクトを多態オブジェクトと呼ぶ.多態オブジェクトモデルでは,一つのオブジェクトが複数のインスタンスを表現としてもち得る.クラスはインスタンスの形式を定義する.同じオブジェクトの複数のインスタンスはクラス名で識別する.複数のインスタンスの属性が同一のスーパクラスで定義されているときには,その属性は同一の意味をもつとみなし,インスタンスの間で値を共有し一貫性を達成する.多態オブジェクトの実現例として,現在試作中のデータベース管理システム「沙羅」のアーキテクチャについて述べる.
著者
加藤 潤 佐藤 正治 倉本 昇一 松岡 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会秋季大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1994, no.1, 1994-09-26
被引用文献数
1

アンテナ鉄塔のある無線中継所が直撃雷を受けると、雷サージ電流が導波管を通り無線装置に侵入し、無線装置が符号誤りなどの障害が発生することがある。このため装置には、コストと必要性のバランスを考えた耐雷性能が必要となる。耐雷性能の適当な目標値を設定するためには雷サージ電流の大きさとその発生頻度の関係が重要になるが、明確には示されていない。本報告は、通信装置に流入する雷サージ電流の発生頻度と電流波形を直撃雷の発生頻度や建物の伝達係数から推定方法を示した。
著者
加藤 治雄 中山 謙二 平野 晃宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.319, pp.91-96, 2006-10-20

信号源数がセンサ数より多いオーバーコンプリート形ブラインド信号源分離(BSS)で,信号源の完全分離は困難という問題に対して,我々はフィードバック形の回路構成と学習法を既に提案している.まず,1個の信号源が複数の出力に含まれないことを分離の条件として,1巡目の信号源分離を行ない,少なくとも1個の出力に単一信号源を分離する.この出力を観測信号にフィードバックして,観測信号から単一信号源をキャンセルすることにより,等価的に信号源数を低減する.単一信号源のキャンセル法として,当該出力と推定した混合過程の情報を使ってキャンセルする他,観測信号のヒストグラムを使ってキャンセルする方法を組み合わせる.本稿ではさらに,フィードバックにより生じる信号歪みの問題に対して,スペクトルサプレッション法を導入することにより,信号歪みを抑制する.2巡目の信号源分離では,観測信号に含まれる信号源が1個少ない状態で1巡目とは異なる学習法により処理を行なう.信号源として音声を用いたシミュレーションにより,提案方法の有効性を確認した.