著者
山下 勤
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1998-03-23

本文データは平成22年度国立国会図書館の学位論文(博士)のデジタル化実施により作成された画像ファイルを基にpdf変換したものである
著者
稲森 公嘉
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

フランスの社会保障制度は、国民連帯の理念に基づき、社会保険を基軸に据え、社会扶助及び社会事業により補完する体制をとっている。社会保険と社会扶助はかつて明確に区別されていたが、今日では区別の相対化が見られる。医療・介護サービス保障におけるCMUとAPAは、それぞれ固有の課題はいろいろあるが、社会扶助と社会保険の組み合わせ、あるいは扶助的な要素と非扶助的な要素が混在したハイブリッドな性格の給付として、今後の展開も含め注目に値する。
著者
松本 崇
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2003-03-24

新制・課程博士
著者
柳田 充弘 武田 俊一 竹安 邦夫 石川 冬木 松本 智裕 西田 栄介
出版者
京都大学
雑誌
特別推進研究(COE)
巻号頁・発行日
2001

我々の研究目的は、多様な生命体の維持・継承の根幹である、染色体のダイナミックスの精密な制御と染色体構造維持との理解である。これらの機構には、DNA複製と修復、複製の結果生じた2本の姉妹染色分体間の合着(コヒーシン)、細胞分裂M期での染色体凝縮(コンデンシン)、染色体と細胞骨格(紡錘体)との接点(動原体)の形成、すべての動原体に紡錘体が結合していることをチェックする機構(紡錘体チェックポイント)、末端(テロメア)の形成が含まれる。柳田グループは、分裂酵母とヒト細胞両方で、動原体で働く相同分子を複数種類、遺伝学とマススペクトロメーターによる解析とを併用して同定し、その機能解析のデータを発表した。またコヒーシンとコンデンシンは、M期以外では、DNA修復にも関与することを証明した。他のグループは以下のテーマで成果をあげた:Atomic force microscopyを使って水溶液のなかのテロメアやコンデンシンを電顕レベルの分解能で観察(竹安)、紡錘体が正常に結合した後にチェックポイントが解除される機構(松本)、Polo like kinaseによるG2→M期移行の誘導機構(西田)、カエル卵抽出液による試験管内テロメア複製の成功(石川)、ニワトリ体細胞株(DT40)の遺伝子破壊による相同組み換え分子群の機能解析(武田)。以上に説明したように、本COEグループでは、酵母、カエル卵(in vitro)、ニワトリ体細胞株、ヒト細胞を用いて、染色体に関連する各生化学反応と各反応間の密接な相互作用とを統合的に解明できた。また、Atomic force microscopyを使った新しい染色体解析方法の開発(竹安)、およびメダカの遺伝子石壊の実験系を樹立する(武田)ことに成功した。
著者
橋口 浩之 山本 真之 森 修一 高橋 幸弘
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

降水メカニズムの解明には、降水量だけでなく、雨滴粒径分布(DSD)の計測による降水物理量の定量的把握が重要である。東西5000kmにわたり多様な地形を持つインドネシア海洋大陸では、インドネシア全体に跨る観測網が不可欠である。本研究では、コトタバン(スマトラ島)・ポンティアナ(カリマンタン島)・マナド(スラウェシ島)・ビアク(ニューギニア島近傍の小島)にディスドロメータを整備し、DSDの連続観測を実施した。経度・降水雲タイプ・MJO・雷活動などとDSD特性との関連について明らかにした。
著者
尾関 宗孝
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

法医実務への応用を目的として、日内変動することが知られている生体時計遺伝子の発現量を測定することにより、死亡時刻が推定できるかどうか検討した。対象遺伝子としてArntl、Clock、Cry、Per2を選択し、6時間ごとに安楽死させたマウス諸臓器より得たmRNAについて、リアルタイムPCRを用いた定量を行った。いくつかの遺伝子は脳や腎臓において死亡時間に依存した異なる変動が認められ、本研究をヒトへ応用することにより有効な方法となりうるものと考えられた。
著者
ハフマン マイケル エー (2009) HUFFMAN M A LECA Jean-Baptiste
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本研究は計3年度(19~21年度)に渡る計画で、今回の実績概要は最終年度の21年度の8ヶ月に渡って行った研究である。本研究の目的に添って、ニホンザルの文化的行動の一つとして知られている石遊び行動を体系的に霊長類研究所の集団飼育ニホンザル群の個体追跡による詳細による分析や加齢による変化、数量的に行動の学習過程の評価,学習によって伝承される(文化的行動)という仮説を初めて行動実験によって検証出来るデータを採集した。複数の地域におけるSH行動の比較および横断的、実験的アプローチを組み合わせた結果、以下のことが明らかになった:1)ニホンザルのSH行動の総レパートリーは45種のパターンによって構成されていた2)それぞれの群れが持つSH行動レパートリーには変異があり、ある群れで顕著に観察されるSH行動が他の群れでは全く観察されないこともあった3)こうしたSH行動のレパートリーは地理的に近い群れ同士が明確なクラスタを形成しており、文化圏のようなものが観察された4)遺伝的要因と、いくつかの明白な環境要因がこうしたSH行動のレパートリーに影響を与えるという仮説は否定された5)群れサイズと性・年齢構成およびグループの凝集性はSHを行う群れ個体の割合に影響を与えることがあることが示唆された6)社会的要因は文化的行動としてのSHの獲得とその維持において重要な役割を果たす。SHの学習モデルとして幼児が母親の行動を観察することによって起こる直接的な効果と、他個体がSHを行ったことにより1箇所にまとめて石が残され、それが刺激となってSHが始まるという間接的な効果が観察された7)いくつかのグループではSHがすでにtransformation phaseに達していると思われた。ここではSHの行動パターンがより複雑に多様になっており、さらにSHが起こる文脈の拡大が認められた。
著者
塩原 佳典
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2013-03-25

新制・課程博士
著者
柴山 守 笠谷 和比古 加藤 寧 山田 奨治 川口 洋 原 正一郎 並木 美太郎 柴山 守 石谷 康人 梅田 三千雄
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は、古文書翻刻支援システム開発プロジェクト(HCRプロジェクト)において、手書き文字OCR技術などを発展的に応用して、古文書文字認識システムの高精度化に関する研究を行うことである。平成14-16年度の研究期間において、主に古文書文字データベースを構築すること、及び日本語文字認識アルゴリズムの適用可能な範囲と問題点を洗い直し、以下の検討課題での研究をすすめ、成果を挙げた。(1)文字切り出し法、及び正規化法について:射影ヒストグラム、文字外形の曲率などの手法を検討し、レイアウト認識では、Hough変換による行抽出方式を提案し、文字データベースの基づく実験を進めた。(2)オフライン文字認識手法について:古文書文字認識に有効と考えられる文字切り出しと文字認識を連携処理させる方法について検討した。非線形正規化手法の研究及び実験を行った。(3)オンライン文字認識手法について:くずし字検索等に適用可能なタブレット入力によるオンライン古文書文字認識手法について検討した。また、『くずし字解読辞典』の文字画像から筆順を推定する手法の研究を行った。本成果は、電子くずし字辞典として平成17年度中に刊行する予定である。(4)東京堂出版『漢字くずし方辞典』の文字パターンを入力し、オンライン検索ソフトウェアの開発を行った。これも上記の(3)に含め、刊行予定である。(5)文字認識用文字パターン辞書として、9種類の古文書文字データベースを公開した。すべてがHCRプロジェクトのホームページは,http//www.nichibun.ac.jp/shoji/hcr/からダウンロード可能である。また、公開したソフトウェアは、2種類GetAMojiマクロ(古文書翻刻中に遭遇する不明文字(ゲタ文字)の正解候補を提示する機能)、及びWeb版GetAMoji(古文書翻刻中に遭遇する不明文字(ゲタ文字)の正解候補を提示する機能のWeb版)である。
著者
植田 和弘 森 晶寿 高田 光雄 浅野 耕太 諸富 徹 足立 幸男 新澤 秀則 室田 武 新澤 秀則 足立 幸男
出版者
京都大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

本研究領域は、持続可能な発展論と環境ガバナンス論を重層性に着目して統合的に再構成し、持続可能な社会を実現するための理論的基礎と実践的指針を確立するという極めて実践的な問題意識を持ってすすめた。個々の研究成果を理論的・実現的に蓄積させ有機的に結合することにより、従来にない先導的で基盤的な意義を有する研究成果としてまとめた。さらに、これまでに得られた学術的研究成果を基に、最終報告書として5巻にのぼる英文学術書を取りまとめた。そのうち2巻については出版し、残り3巻についても編集作業がほぼ完了した。留意した点はいかのとおりである。昨年度までに国内外で開催された国際会議や学会において研究成果を公表してきたが、そこで得られたコメント等は本領域研究の問題意識と方法等に対しておおむね好意的であった。さらに、本領域の学術的価値を適切に評価し、国際的な評価を受けるべく適宜アドバイスを求めてきた国内外の有力研究者からの指摘は本領域研究のオリジナリティに関して高い評価を得ており、その核心部分と改善に向けての示唆を最終報告書である英文学術書5巻に反映させた。国際学術誌や国内学会誌に掲載された研究成果も多数にのぼるが、それらのエッセンスに加えて中間報告書に対する論評も考慮して、本領域研究の成果を総体として持続可能な発展の重層的環境ガバナンスに関する理論的実証的体系としてまとめた。そして、その成果を国際的に発信すべく英文で出版した。また、領域研究全体としての成果を、速やかに社会に提供できる環境を構築するべく、インターネット・ウェブ・ページを開設し、外部から自由にアクセスできるようにした。これにより、国内外を問わず、この領域に関心を示す研究者とコミュニケーションに基づく批判的吟味を受け討議を行うことが可能となった。
著者
赤池 昭紀
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2002-03

平成12-13年度科学研究費補助金(基礎研究(B)(2))研究成果報告書 課題番号:12470524 研究代表者:赤池昭紀
著者
姜 晶哲
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2013-03-25

新制・課程博士
著者
坂内 千里
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2012-11-26

新制・論文博士
著者
長﨑 励朗
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2012-03-26

新制・課程博士
著者
吉田 敬 高村 明 梅田 秀之
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究ではr-processやνp-processなど重元素合成に関するネットワークの拡張やニュートリノ駆動風におけるこれら重元素合成の計算を行い,r-processのベータ崩壊率に対する依存性や極超新星のニュートリノ駆動風におけるνp-processについて調べた.しかしニュートリノ自己相互作用については動径方向近似での計算は可能となったが角度依存性の導入や最終的な定式化には至らなかった.そのため今後も研究を継続していきたい.超新星元素合成についてはニュートリノ元素合成で作られるフッ素の銀河化学進化や超巨大質量星を起源とする極超新星における元素合成の特徴を明らかにした.
著者
梅宮 典子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

気温30℃RH60%の条件に設定した人工気候室において、被験者前方2mの気流吹き出し壁床上1.5mに扇風機を顔面にむけて設置し、夏季の日中に、気候馴化が完了したと思われる時期の19名の大学生を対象に、1回の実験内において扇風機を運転⇔停止して気流条件を変更する実験をおこない、気流が変化する場合の局所発汗速度による発汗反応の変化と主観申告による熱的快適性について考察した。結果として、(1)被験者顔面近傍(前方30cm)における平均気流速度、変動係数は、運転時で0.71m/s,37.1%,停止時で0.043m/s,46.5%,(2)運転時、停止時とも、温冷感はNeutralより暑い側,発汗感は中立より「汗をかいていない」側,(3)停止時には気流が「弱すぎる」一方でその他の気流評価には左右に差がなく,運転時には「つめたい」,「さわやかな」,「涼しくなった」,「快適になった」側にある一方で「強さ」には左右に差がない,(4)室内雰囲気評価は「暑苦しい」以外で扇風機運転を経ることによって改善したが,「暑苦しい」は第二回停止時に最も評価が低くなる,(5)局所発汗速度は全実験を通じて0〜0.20(mg/cm2/分)の範囲にあったが,その経時変化特性は実験あるいは被験者によって異なる,(6)局所発汗量は、同一実験における運転時と停止時のあいだで、r=0.71〜0.96で相関が高い,(7)発汗申告は申告時の発汗速度を必ずしも反映しない,(8)温冷感申告と発汗速度とはほぼ関係がないが、発汗速度が大きい場合には、発汗速度が大きいほど暑い側の申告が得られる,(9)運転時には発汗速度が大きいほど快適側に申告する場合がある,(10)停止時には発汗速度が大きいほど不快側の申告が得られる場合がある,ことが明らかになった。一方,文献調査によって発汗申告評価の歴史的変遷を調べ,(11)温感研究の初期には発汗の主観申告が重視されていたことを確認した。