著者
岩田 健太郎
出版者
医学書院
雑誌
公衆衛生 (ISSN:03685187)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.867-870, 2003-11
著者
中林 章
出版者
医学書院
雑誌
臨床婦人科産科 (ISSN:03869865)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.92-94, 2019-04-20

当直医へのコール 「腟の中に入れたものが取れません」 「陰部が傷ついて出血しています」 このような問い合わせにときどき遭遇する.前者は「腟異物」,後者は「性器外傷・出血」であり,本稿ではその対応につき述べていく.
著者
青木 正志
出版者
医学書院
雑誌
神経研究の進歩 (ISSN:00018724)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.204-211, 2000-04-10

遠位型筋ジストロフィー(三好型)は常染色体劣性遺伝形式をとる青年期発症の筋ジストロフィーであり,わが国の三好らの記載によりその臨床型が確立された。遺伝子座は2番染色体短腕2p13に存在するが,今回ポジショナルクローニングによりその原因遺伝子が同定され,dysferlinと名づけられた。Dysferlin遺伝子は6.9kbのcDNAからなり,2,080アミノ酸からなる蛋白質をコードする。Dysferlinは筋細胞膜に存在することも明らかになった。Dysferlinは遠位型筋ジストロフィー(三好型)のみならず,一部の肢帯型筋ジストロフィーならびにdiatal myopathy withanterior tibial onsetの原因遺伝子であることが判明し,dysferlin異常に伴う筋ジストロフィー群,いわゆる“dysferlinopathy”という疾患概念の提唱が必要となってきた。

1 0 0 0 仮面症候群

著者
岩田 大樹 北市 伸義 石田 晋 大野 重昭
出版者
医学書院
雑誌
臨床眼科 (ISSN:03705579)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.1650-1655, 2010-10-15

はじめに 仮面症候群(masquerade syndrome)とは,原疾患の症状・所見が他の疾患に類似している場合に用いられる一般的な名称で,原疾患が仮面の下に隠されているという意味である。非炎症性疾患が続発性に炎症症状を引き起こし,あたかも原発性眼炎症性疾患であるかのような所見を示す場合や,非炎症性疾患の臨床像が炎症性疾患に類似している場合に用いられる。本稿では外眼部の仮面症候群には触れず,眼内の仮面症候群について記載する。 ぶどう膜炎様症状は軽度の虹彩毛様体炎から汎ぶどう膜炎までさまざまである。原疾患の頻度としては悪性腫瘍が多い。悪性腫瘍(癌)は死亡原因として最も多く,診断の遅れは重篤な結果となることがある。 今日,癌研究は大きな進歩を遂げているが,その最大の契機となったのはわが国の山際勝三郎・東京帝国大学教授と当時研究生であった市川厚一(のち北海道帝国大学教授)による人工タール癌の作製である。両氏は1914(大正3)年にウサギ(家兎)の耳にコールタールを塗布して皮膚癌を発生させることに成功した(図1)。これは世界初の人工癌であり(「山際・市川のタール癌モデル」),煙突の石炭灰掃除夫に皮膚癌や陰囊癌が多発する臨床的事実を裏付けるものでもあった。発癌契機として化学物質説を主張する両氏と,寄生虫説を主張するデンマークのFibiger教授との間の論争は,Fibigerが1926年にノーベル賞を受賞するという決着になった。しかし,現在ではFibigerのモデルは癌ではなかったことが明らかになっており,山際・市川のタール癌モデルが初の人工癌として世界中の教科書に必ず記載されている。 仮面症候群の原因疾患の頻度は成人では悪性リンパ腫と転移性腫瘍が多く,小児では網膜芽細胞腫と白血病が多い。眼症状が初発症状となることも多いが,悪性腫瘍は診断が遅れることで生命予後に重大な影響を及ぼす。鑑別診断は非常に重要である。
著者
堀内 圭輔 千葉 一裕
出版者
医学書院
雑誌
臨床整形外科 (ISSN:05570433)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.182-185, 2020-02-25

論文作成には,文章執筆はもちろん,データ集計,グラフ作成,写真編集,Figure編集,文献リスト作成など,さまざまな作業をこなす必要があります.それぞれ,多少の知識と経験を要求されますが,適切なソフトを用意し,それらを使いこなすことで負担を減らすことができます.長年研究に携わっている指導医・principal investigatorであれば,使い慣れたソフトをそろえているものです.今回は,若手の医師・研究者が対象に,論文作成に先立って用意すべきソフトをご紹介いたします.
著者
竹内 久弥
出版者
医学書院
雑誌
臨床婦人科産科 (ISSN:03869865)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.522, 1972-06-10

胎児の副腎が陣痛発来になんらかの関係を持つているらしいことは,すでに幾つかの動物実験結果から類推されていた。たとえばホルスタイン種の牛で劣性常染色体遺伝子の異常による過熱産がおこり,その子牛の副腎は小さく,下垂体は正常の2分の1であるという(Holmら)。また,羊を使つた実験では,下垂体を破壊された胎仔の在胎期間が異常に延長し,成長も遅れるが,ACTHをその胎仔の腹腔内に注射すると陣痛が発来することから,陣痛に対する副腎の2次的効果が推測され(Lig—ginsら),副腎剔除胎仔でやはり,有意に在胎期間の延長が見られた(Drostら)という。 ヒトでも同様に下垂体一副腎系の機能低下が予定日超過を起こすことは,たとえば無脳児や先天性副腎発育不全の児の例で知られていることである。

1 0 0 0 麻酔と眼科

著者
山本 亨 北野 周作 山下 竜雄
出版者
医学書院
雑誌
臨床眼科 (ISSN:03705579)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.7-15, 1968-01-15

北野きようは「臨床眼科」に連載している境界領域対談というので,麻酔科の山本教授においで願つて,麻酔科と眼科との関連した問題について,いろいろお話をうかがいたいと思います。 麻酔というと,15年ぐらいまえ医局にはいつたころはいわゆる「げんこつ麻酔」というのがあつて,泣く子を「げんこつ」でだまらせて手術をしたなどということがありましたが,最近は麻酔科が独立し,完全な麻酔をやつていただけるようになりました。それで麻酔科の方に始めからおねがいしつぱなしで,むしろ麻酔という学問が私どもの手から遠くへいつてしまつた,というような感じがしないでもありません。そこで,本日はこの10年のあいだにいちじるしい発達を遂げた麻酔学の動向やら,そして私どもの眼科の領域に関係深い二,三の事柄などを,山本先生にお話していただきたいと思います。
著者
三澤 弘道
出版者
医学書院
雑誌
臨床整形外科 (ISSN:05570433)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.480-481, 2008-05-25

第5回International Society of Orthopaedic Surgery and Traumatology(SICOT) Annual International Conference(AIC)が,2007年8月29日から9月1日にかけて,北アフリカ,モロッコ王国のマラケシュで開催されました.SICOTはTriennial World Congressが3年に1回,それ以外の年にはAICが世界各地で行われています.2006年の第4回AICは南米のアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開催され,President's dinnerの会場で,SICOT日本代表である清水克時先生(岐阜大学)から,マラケシュがすばらしいとのお話を伺って,abstractを送り参加させていただきました.またScoliosis Research Society(SRS)も8月30日の午前中にspinal deformity sessionsとして行われ,Société Marocaine de Chirurgie Orthopédique et Traumatlogique(SMACOT),International Federation of Pediatric Orthopaedic Societies(IFPOS)などのsocietyも学会の一部となっていました. 学会はDr. Thami Benzakour会長(Zerktouni Orthopaedic Clinic)のもと,国王Mohammed Ⅵの多大な後援で,マラケシュのfive-star garden hotelである“Hotel Mansour Eddahbi”(図1)で開催されました.学会場は旧市街であるred cityの中にあり,周囲は高い城壁で囲まれ,市内観光には都合の良い場所にありました.Red cityの外のモロッコは,最近話題になった映画『BABEL』でブラッド・ピットやケイト・ブランシェットが観光した場面と同じで,どこまで行っても原野で同じ景色,川の周囲だけに緑がある世界でした.8月のモロッコは朝夜は涼しいのですが,日中は想像を絶するほどの暑さでした.
著者
河田 健二 和田 聡朗 岡田 倫明 出口 靖記 大嶋 野歩 水野 礼 板谷 喜朗 肥田 侯矢 坂井 義治
出版者
医学書院
雑誌
臨床外科 (ISSN:03869857)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.145-149, 2020-02-20

【ポイント】◆ICG蛍光法は,術中の再建腸管血流をリアルタイムに評価する客観的手法として注目されている.◆直腸癌術後の縫合不全を減らすのに有効な可能性が示唆されている.*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間2023年2月末まで)。
著者
中川 国利
出版者
医学書院
雑誌
臨床外科 (ISSN:03869857)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.185, 2020-02-20

急性胆囊炎例に対して即手術をすべきか否か,外科医によって治療方針は異なる. 初期研修時代のボスは痛いと訴えている患者には,「即しかも根治手術をしてあげるのが外科医の責務である」との信念を持っていた.そこで急性虫垂炎例を始め,急性胆囊炎例に対しても手術を即施行した.そこで初期研修後に入局した母校医局で「急性胆囊炎例でも即手術をすべきです」と発言したら大いにしらけ,教授からも非難を受けた.当時の医局は,急性胆囊炎例に対しては保存的治療を行うことが掟であった.
著者
佐藤 賢一郎 水内 英充
出版者
医学書院
雑誌
臨床婦人科産科 (ISSN:03869865)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.79-87, 2006-01-10

1はじめに 現在,産婦人科領域で日常診療で行われる超音波の走査法としては経腹と経腟によるアプローチがほとんどであるが,そのほかに経直腸,体腔式,および経会陰がある.経直腸超音波は,性交未経験者や閉経後で腟腔が狭小な場合について経腟超音波の代替として行われ,経腟超音波と同様な画像が得られる.体腔式超音波は専用の細径プローブを用いて,例えば子宮腔に挿入し子宮体癌などの筋層浸潤の評価に利用できる.経会陰超音波は,子宮体部の評価よりも外陰,腟,尿道,子宮頸部の観察に適しており,そのほかのアプローチとは目的が異なる. 以前われわれは,AFS class III子宮奇形・重複腟・片側腟不完全閉鎖・留膿症例の経会陰超音波所見1)や尿道憩室例に対する経会陰超音波の有用性2)を報告した.今回は,その後のわれわれの経験も踏まえ,本邦ではあまり紹介されることがない経会陰超音波について述べたい.なお,文献的にはtransperineal sonographyのほかにtranslabial sonography,transperineal─translabial ultrasonographyと呼称するものもあるが,transperineal sonographyという記載が多いため本稿では経会陰超音波と呼称することにする.
著者
宇賀 勇夫 真下 弘 中里 弘 西尾 友三郎 安藤 隆彦 大島 侑
出版者
医学書院
雑誌
病院 (ISSN:03852377)
巻号頁・発行日
vol.34, no.9, pp.59-68, 1975-09-01

精神病院にPSW (精神科ソーシャルワーカー),CP (臨床心理士)が登場してから幾多の歳月が流れた.しかし,業務の不明確さ,法的経済的裏づけの不備からか,依然として不安定な待遇にあるようである.今回は特に,「現場」での経験豊かな方々にお集まりいただき,日頃抱いている悩みや問題点を,ざっくばらんに語っていただいた.それは結局,精神病院のかかえる悩みや問題を明らかにすることになったが,「現場」で苦労を続ける多くの方々のご意見をいただき,新たな議論をまき起こす材料になれば幸いである.
著者
伊黒 浩二
出版者
医学書院
雑誌
理学療法ジャーナル (ISSN:09150552)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.261-265, 2016-03-15

はじめに 経皮的電気刺激治療(transcutaneous electrical nerve stimulation:TENS)は非侵襲的で副作用の少ない鎮痛手段であり,変形性膝関節症[膝osteoarthritis(OA)]の疼痛管理に推奨されている.しかしながら標準化されたプロトコルは存在せず,実施パラメーターについても一貫していない.TENSによって得られる鎮痛のメカニズムにはゲートコントロール理論や内因性オピオイドなどが複雑に関係していると考えられている.高い鎮痛効果を得るためには,こうした鎮痛メカニズムを考慮したパラメーター設定が重要である. 本稿ではTENSと膝OAとの関係と,ゲートコントロール理論を考慮した電極設置部位の有効性について述べる.
著者
岡西 尚人 上川 慎太郎 加藤 哲弘
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.405-409, 2019-04-15

要旨 膝関節周辺には,大腿前脂肪体,膝蓋上脂肪体,膝蓋下脂肪体などがあり,膝関節運動時における筋腱と周囲組織との摩擦の緩衝に寄与している.膝蓋上脂肪体の動態については,屈曲時に関しての報告はあるが伸展時に関しては散見されない.今回われわれは,外側半月板損傷後の膝関節可動域練習中における最終伸展時に,膝蓋骨上部に疼痛が出現した症例を治療した.超音波画像診断装置を用いて観察すると,健側の膝関節最終伸展時では,四頭筋腱下縁と膝蓋骨底の間が広がり,生じた隙間に膝蓋上脂肪体が移動していた.一方患側は,四頭筋腱下縁と膝蓋骨底の拡がりが乏しい状態で膝蓋上脂肪体が移動しようとしていた.運動療法として,四頭筋腱の持ち上げ操作を実施し,疼痛は消失して完全伸展が可能となった.本症例の治療経過を通じて,膝蓋上脂肪体の動態異常による膝伸展時痛と伸展可動域制限の可能性について言及した.
著者
角田 由佳
出版者
医学書院
雑誌
看護管理 (ISSN:09171355)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.370-374, 2019-04-10

本連載は経済学の視点から,看護サービスの特性や取引の規模,看護師の生産性や雇用環境,診療報酬や介護報酬が及ぼす影響などさまざまなデータを活用しながら解説します。 第4回では,経済学の視点から,「生産性」が「看護サービス」と「看護師のサービス」とでは異なること,そしてその違いを念頭に看護サービスを提供することの重要性について考察します。