著者
田中 夏樹 岡西 尚人 稲葉 将史 山本 紘之 川本 鮎美 早川 智広 加藤 哲弘 山本 昌樹
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第24回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.O032, 2008 (Released:2008-12-09)

【はじめに】 母趾種子骨(以下、種子骨)障害に対しては、保存療法が第一選択となるが、そのほとんどが足底挿板による免荷の有効性を報告するものである。今回、足底挿板が処方できない状況であった症例の理学療法を経験した。Dynamic Alignmentを変化させるべく運動療法を行うことで種子骨周囲の運動時痛が消失した。本症例におけるDynamic Alignmentの特徴と理学所見、荷重時における種子骨の疼痛との関係について考察を踏まえ報告する。 【症例紹介】 症例は野球、空手を行っている中学1年の男性である。2年前から両側種子骨周囲に運動時痛を訴え、本年5月に歩行時痛が憎悪したため当院を受診し、理学療法開始となった。 【初診時理学所見】 両側とも種子骨を中心に圧痛を認め、歩行時痛(右>左)を訴えた。歩行時footprintにて両側ともに凹足傾向であった。また、Thomas testが陽性/陽性(右/左)、SLRが50°/50°、大腿直筋短縮テストが10横指/5横指(殿踵部間距離)と股関節周囲筋に伸張性の低下を認めた。足関節背屈可動域は25°/25°であり、両足をそろえたしゃがみ込みでは後方に倒れる状態であった。歩容はmid stance以降、支持脚方向への骨盤回旋が過度に認められた。 【治療内容および経過】 腸腰筋、大腿直筋、hamstringsを中心にstretchingおよびself stretchingの指導を行い、距骨を押し込むためのTapingを指導した。また、3週後からはショパール関節のmobilizationを行った。5週後にはThomas testが両側とも陰性化、SLRが80°/80°、大腿直筋短縮テストが0横指/0横指と改善を認め、歩行時、ランニング時の疼痛が消失し、全力疾走時の疼痛程度が右2/10、左1/10と改善した。 【考察】 hamstringsのtightnessによる易骨盤後傾、重心の後方化に拮抗するため、股関節屈筋群の活動量が増加し、腸腰筋、大腿直筋のtightnessが出現したと推察された。そのため、股関節伸展可動域の低下が生じ、歩行ではmid stance以降に骨盤の支持脚方向への過回旋による代償動作による足角の増加に加え、凹足傾向と足関節背屈可動域の低下によりmid stance~toe offにかけて荷重が足部内側へ急激に移動することで母趾球への荷重が過剰となり歩行時痛が出現していると推察された。そのため、股関節周囲筋のtightnessを除去するとともにショパール関節のmobilization、足関節背屈可動域増加を目的としたtapingを行い、toe off時における母趾球への過剰な荷重を回避することで種子骨への荷重による機械的ストレスの減少を図ることが可能となり、運動時痛が軽減、消失したと考えた。有痛性足部障害といえども、全身の機能障害が関与しているケースもあると考えられ、足底挿板療法以外にも症状改善に足部以外の部位に対するアプローチの有効性が示唆されたものと考える。
著者
加藤 哲弘 Tetsuhiro Kato
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.64/65, no.4/1, pp.119-139, 2015-05-20
著者
金田 千秋 加藤 哲弘 島本 浣 山田 俊幸 及川 智早 佐藤 守弘 石田 あゆう 岸 文和 前川 修 中谷 伸生 橋爪 節也 鈴木 廣之 太田 孝彦 石田 美紀
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、大正期に流通していた大衆的な視覚表象に関する2つの課題を、豊かな対話関係において、遂行するものである。すなわち、第1の課題は、大衆的な視覚表象が果たしていたメディア的な機能の多様性を、可能な限り広範な資料に基づいて、美術史学的に明らかにすることである。第2の課題は、「文化遺産」の概念を鍛え上げることによって、何らかの大衆的イメージが後世に継承される/るべきさいの条件・方法などを、美学的に考察することである。
著者
加藤 哲弘 Tetsuhiro Kato
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.57-71, 2006-05-25
著者
宇佐美 文理 秋庭 史典 岩城 見一 上村 博 魚住 洋一 碓井 みちこ 加藤 哲弘 篠原 資明 長野 順子 根立 研介 岸 文和 島本 浣 西 欣也
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、〈醜〉という〈否定美〉に注目した。それは広い意味でのアートを、社会的、政治的文脈に戻して捉え直すことが、今日の大切な課題だと考えられるからである。〈醜〉の判定と、それを〈排除〉しようとする感情とは、人々の倫理観や宗教観と深く関わっている。また政治イデオロギーや、宗教的信念は、人間の感情の奥底にまで染み込み、美や醜の判断はそれに結びついている。〈醜〉に考察を加えることは、単に非歴史的な美的カテゴリー論にとどまるものではなく、きわめて歴史的社会的、そして政治的な文脈の中で知らないうちに形作られる、私たちの感情の文化的枠組みに光を当て、そこに隠れている力学を批判的に考察する文化研究的作業になる。古今東西の〈醜〉現象(判定)と、〈排除〉の感情の構造を考察し、現在の、私たち自身の経験のあり方に反省を加えること、これが本研究の主な課題となる。特に「醜」が主題にされたのは、このような否定美への感情こそが、人間の美意識の変遷のありようをむしろ鮮明に示すと思われるからであるし、また同時に、美的カテゴリーと政治的感情、人間経験におけるイメージと言語、感情とイデオロギーとの切り離せない関係を灸り出す重要なヒントになると思われるからである。本研究は、平成17、18年度は各年4、5回の公開研究会を開き、ゲストをも迎えて、課題遂行のための議論の場を設けた。最終年度は、これらの成果に基づく報告書作成に当て、分担者から寄せられた諸論考において、多様な切り口で醜の問題が論じられている。この報告書は、「醜の国」が「美の国」以上に豊穣な国であること多様な角度から照らし出すであろう。
著者
岡西 尚人 上川 慎太郎 加藤 哲弘
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.405-409, 2019-04-15

要旨 膝関節周辺には,大腿前脂肪体,膝蓋上脂肪体,膝蓋下脂肪体などがあり,膝関節運動時における筋腱と周囲組織との摩擦の緩衝に寄与している.膝蓋上脂肪体の動態については,屈曲時に関しての報告はあるが伸展時に関しては散見されない.今回われわれは,外側半月板損傷後の膝関節可動域練習中における最終伸展時に,膝蓋骨上部に疼痛が出現した症例を治療した.超音波画像診断装置を用いて観察すると,健側の膝関節最終伸展時では,四頭筋腱下縁と膝蓋骨底の間が広がり,生じた隙間に膝蓋上脂肪体が移動していた.一方患側は,四頭筋腱下縁と膝蓋骨底の拡がりが乏しい状態で膝蓋上脂肪体が移動しようとしていた.運動療法として,四頭筋腱の持ち上げ操作を実施し,疼痛は消失して完全伸展が可能となった.本症例の治療経過を通じて,膝蓋上脂肪体の動態異常による膝伸展時痛と伸展可動域制限の可能性について言及した.
著者
加藤 哲弘 Tetsuhiro Kato
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.13-24, 1998-05-20
著者
加藤 哲弘
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1-12, 1983-06-30

In der hermeneutischen Asthetik Gadamers ist die Erfahrung der Kunst als die totale Vermittlung des Werksinns erfasst. Er kritisiert die vulgare Auffassung, Kunst unmittelbar und unbewusst zu erleben, und behauptet, dass diese Auffassung nichts anders als die Abstraktion von der Kunsterfahrung sei. In diesem Sinne kann man sagen, dass Gadamer die Asthetik gegen die Irrationalisierung schutzt. Aber Gadamers Hermeneutik hat auch ihre Grenze. Sie zeigt ihren parteilichen Charakter darin, dass sie durch die Rehabilitierung von Autoritat und Tradition die klassische Kunst privilegiert und damit die Moglichkeit schwerzuverstehender Kunst ausschliesst. In der Erfahrung der Kunst, wie Bubner in Bezug auf Kants Lehre von der asthetischen Idee erlautert, gibt es zwei konstitutive Momente, namlich die Herausforderung der Auslegung und die Ablehnung endgultigen Zugriffs. Daher reduziert Gadamer die Kunsterfahrung auf eines der beiden Momente, wobei notwendigerweise ein Moment auf Kosten der anderen geht. Es ist zwar richtig, die Kunsterfahrung als Vermittlung aufzufassen. Aber man darf nicht vergessen, dass diese Vermittlung unabschliessbar ist. Erst dadurch, dass man in diesen schwankenden Vermittlungsprozess der Kunst eintritt und darin bleibt, kann die reflektierende Bewusstmachung und Uberwindung der irrationalen Tradition in der Asthetik, die noch heute unsere Verfassung der Forschung bestimmt, erreicht werden.
著者
加藤 哲弘
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.25-35, 1992-09-30

Aby Warburg is well-known to us as the founder of modern iconology, but as a matter of fact, in contrast with Panofsky's authorized and internationalized version of iconology, his way of interpretation has been looked upon as rather idiosyncratic. It has not always been justly appreciated. In this paper, I try to make clear the hitherto unnoticed actuality of Warburg's hermeneutics of image by examining his famous concept of "Pathosformel". In connection with this, I emphasize the follwing three points : First, Warburg's original idea of iconology has a remarkably close relation to the standpoint of reception aesthetics. Warburg leaves to the contemporary public the casting vote for determining the meaning of this formula. Second, Warburg shares an interest in the social function of image with the "New Art Historians". They both try to get away from the influence of the aestheticism of mainstream autonomy aesthetics. Third, Warburg gives us some useful hints for overcoming the modern rationalism in interpretive methods. In his practice of the historical interpretation of imagery, a rare kind of coexistence between the irrational and the rational can be found.
著者
伊藤 博明 田中 純 加藤 哲弘 木村 三郎 上村 清雄 足達 薫
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ヴァールブルクが晩年に取り組んだ、未完の学問的プロジェクトである『ムネモシュネ・アトラス』に所蔵された全パネルについて共同して詳しく読み解き、その成果は図書として刊行するとともに、2回のシンポジウム「アビ・ヴァールブルクの宇宙」と「ムネモシュネ・アトラス展」において公表した。ヴァールブルクの研究を批判的に受け継ぎ、文化系統学、イメージ人類学、神話の構造分析、世俗世界のイコノロジーなどについて方法論的考察を深め、その成果は7名の外国人研究者を含んだ国際シンポジウム「思考手段と文化形象としてのイメージ――アビ・ヴァールブルクから技術的イメージ・図像行為まで――」において発表した。
著者
山野 英嗣 尾崎 正明 稲賀 繁美 川島 智生 加藤 哲弘 河上 繁樹 中川 理 並木 誠士 廣田 孝 前田 富士男 増田 聡 藪 亨 新見 隆 出川 哲朗 中川 克志 松原 龍一 池田 祐子 小倉 実子 牧口 千夏 中尾 優衣 河本 信治
出版者
独立行政法人国立美術館京都国立近代美術館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、日本近代における建築、デザイン、工芸を対象としながらも、ジャンルを超え、そして国境を超えた動向について総合的に検証したものである。研究成果は、最終的に一冊の図書としてまとめた他、研究代表者が所属する美術館においても展覧会やシンポジウムを開催し、研究成果を広く発信した。東西の文化交流、そしてジャンル間を交差する表現への注目など、時宜を得たテーマとして、建築、デザインそして工芸の各領域において、新たな視点が提言されたと思われる。