著者
TIAN Cheng AYAKI Ryota SHIMADA Hideki Sato Kenya
出版者
同志社大学
雑誌
同志社大学理工学研究報告 (ISSN:00368172)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.101-109, 2013-07

近年,インターネット,ウェブサービス,ネットワークアプリケーションの流行,さらにパソコンに加えて携帯電話やスマートフォンからのインターネット接続により,一般的な利用者が爆発的に普及している.そこで,ウェブサーバが同時に多くの利用者のリクエストを受信すると,ウェブサーバの負荷が高くなり,その結果として,レスポンスの遅延が大きくなる.高負荷によるウェブサーバのパフォーマンス低下との問題点を回避するために,現在,様々なシステムが提案されている.しかし,その中にあるシステムは高い性能を持つが,コストが高く,あるシステムは実装などが簡単であるが,機能は少なく,必ずしも問題をうまく解決することはできない.そこで,本研究において,ウェブサーバの負荷が高い時に,そのウェブサーバへのリクエストを動的に他に用意したアイドルアシスタントサーバに転送することによって,より高速アクセスすることができるウェブアクセス分散システムを提案した.提案システムをPlanetLab上で評価し,ウェブサーバの負荷が高い時にもユーザが受信したレスポンスの遅延が短縮できた.そして既存方式との比較を用いて,提案システムの目的を達成し,有用性を確認した.The Internet increases its popularity and evolves largely. The lack of a central coordination is a critically important problem to the rapid growth and evolution of the Internet. The lack of management makes it very difficult to guarantee the web servers keep proper performance and to deal systematically with performance problems. Meanwhile, the available network bandwidth and server capacity continue to be overwhelmed by the accelerating growth of the Internet utilization. When a web server is under a heavy load, its performance suffers, and it may even crash, which caused customers feel largely inconvenient and unsatisfactory. To avoid the web server performance problems caused by high load, a few methods and systems have been proposed. But, some of them are commercial, and some of them cannot solve the problem well. We think that distributing its load to other servers that are not busy is a solution for the problem. In this research, we propose a web load distribution system made by a network technology that can distribute the web load from the web server to other servers automatically, when the web server is in high loads. We implement the system on PlanetLab, which is a free global research network that supports the development of new network services. Then we evaluate the system in two cases. Based on the evaluation results, we have learned that the HTTP response delay was reduced. So we verified that this technology can distribute the web server load so that users can access their web servers faster during high load time.
著者
佐伯 彰洋
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.46-96, 1991-03-31

論説
著者
山本 陽大
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.1285-1380, 2010-11

研究ノート(Note)本稿は、我が国における解雇の金銭解決制度をめぐる議論に示唆を得るために、ドイツ解雇制限法における解消判決・補償金制度(9条、10条)の分析・検討を行うものである。検討順序としては、我が国における解雇の金銭解決制度を巡る議論を紹介したのち、ドイツ解消判決・補償金制度の歴史的形成過程から、連邦労働裁判所の判例および学説による要件・効果論の展開をフォローした。結論においては、我が国において解雇の金銭解決制度を考察するには、その基本理念を明確にする必要があり、憲法規範との関係で規範的正当化を検討すべきことを論じている。
著者
金 春陽
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.104-155, 2002-05-31

研究ノート
著者
青木 保憲
出版者
同志社大学
雑誌
基督教研究 (ISSN:03873080)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.113-130, 2009-06

1940年代から始まった「新しい福音主義」は、ビリーグラハムの活躍と相俟って発展していく。しかし彼らに分裂をもたらしたのが「聖書理解」の問題であった。「新しい福音主義」を立ち上げたH.オッケンガやH.リンゼルは、「聖書は無謬である」という主張に基づいて、聖書が真実を語っているとする世界を生み出そうとした。しかし次の世代であるD.ハバード、ダニエル・フラー、そしてP.ジェウェットは、聖書の権威を守りつつも、社会に適応する神学を構築するために高等批評を受け入れていくのであった。前者は「新しい福音主義」の第一世代であり、社会に「歩み寄ろう」とした世代である。そして後者は、実際に一歩「歩み寄った」世代ということになる。当時は、この両方が混在していたのである。
著者
勝 国興
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

1508年に竣工したヴェネツィアの「ドイツ人商館」(現中央郵便局)の外壁には、1507年から1510年までに制作されたと考えられるフレスコ画があったが、僅かな断片を除いて消滅してしまった。これを断片の様式や後世の模刻版画、そして文献史料等を加えて推測すると、概ね次のようになるだろう。大運河側壁面(西壁)=ジョルジョーネ制作:《裸婦立像》(ヴェネツィア、アカデミア美術館)、《翼をつけたプットー》(ソルトウッド城)、《裸婦立像》等のザネッティ版画、《天使にかしずく女性》(ヴァザーリ)、《戦利品》(リドルフィ)等々。メルチェリーア側(南壁)=ティツィアーノ制作:《ユディト》(ヴェネツィア、フランケッティ美術館)、《ギガンテス怪獣の闘い》等の断片(同)、《カルツァ・クラブ会員》等のザネット版画等々。しかし配置すべき壁面や壁面内の位置には不明な点が多い。今回の調査によって《ユディト》断片と南玄関壁をつぶさに観察し、両者の合成写真を作成することができたのは大きな収穫だった。そしてとの図像は《ユスティツィア》(正義)とする解釈の方がより適切であることも確認できた。またこの人物像は、ジョルジョーネの《裸婦立像》(西壁)がそうであるように、画家ティツィアーノの絵画様式を典型的に示している。同時にそれはティツィアーノ芸術その後の発展への出発点ともなるもので、この研究課題をさらにヴェネツィア絵画の発展史の研究へ向けさせることともなった。
著者
廣田 收
出版者
同志社大学
雑誌
人文學 (ISSN:04477340)
巻号頁・発行日
vol.191, pp.143-186, 2013-03
著者
中村 艶子
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

アメリカの先進的ワーク・ライフ・バランス企業や国内の「ファミリー・フレンドリー企業」、女子学生のキャリア、働き方について論文、共著、共訳の形でまとめた。また、日米のワーク・ライフ・バランス動向を追い、企業内保育所を類型化し、その内容・成果について国内外の学術交流(講演)や学会においてこの課題について発信を行った。
著者
井ヶ田 良治 山岡 高志
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.139-164, 2006

山岡中尉の日清戦争従軍日誌の続編である。1894年10月22日から同年12月4日までの記述を含む。山岡中尉の部隊は、10月23日には義州に進み、同地に駐屯し、24日には鴨緑江を渡りはじめ、中州へいたった。25日に渡江し、虎山附近で激戦。清国軍はようやく退却をはじめ、それを追撃した。中隊長が負傷したので、山岡中尉が中隊長を代理した。10月26日に清国軍が撤退したが、抵抗する清国兵には、非文明といえる虐殺を行った。11月18日に岫巖城に入城し、しばらく駐屯する。This is the sequel of Lieutenant Yamaoka's diary in the Sino-Japanese War of 1894-95.This paper contains the diary from 22 October to 4 December. His troop advanced on Yi zhou on the 23d October and was encamped in this city. On the 24th his troop began to wade across the Yalu Jiang , on the 25th got across the river. and engaged with Chinese troops. Afterthen the Chinese troops began to retreat ,the Jppanese troops chased them. Then the chief of his company was wounded, Yamaoka acted for the chief of the company. On the 26th October the Chinese troops retreated, Japanese troops chased and slaughtered them. On the 18th Novenber Japanese troops occupyed to stay in Xiu yan chang.
著者
山村 りつ
出版者
同志社大学
雑誌
評論・社会科学 (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
vol.93, pp.81-96, 2010-09

論文(Article)障害者自立支援法や障害者雇用率への算定など、精神障害者の就労と就労支援を取り巻く環境が大きく変化している。これらの制度上の改革は、多くの課題をもつ一方で、精神障害者の就労支援実践におけるさまざまな変化や活発化の一つのきっかけとなっている。それでは実際の精神障害者の就労・雇用の状況には、どのような変化が起きているのであろうか、実際に精神障害者の就労は増えているのか。本稿ではそれを明らかにするために政府統計を中心とした統計データの検討と考察を行っている。Employment of parson with psychiatric disabilities and its environment have changed recently, for example, the enforcement of "Services and Supports for Persons with Disabilities Act" or the start of applying the employment rate rule to person with psychiatric disabilities. Those changes have some problems, however, it trigger to gather attention for job support for person with disabilities, and to lead the changes and activation in that field. And then, what kinds of changes have been occurred in actual status of employment of person with psychiatric disabilities? As the most direct interest, have the number of employment of them increased? This question is the background of this study, and this article describes that investigation and consideration of government statistics about employment of parson with disabilities.
著者
真銅 正宏
出版者
同志社大学
雑誌
人文學 (ISSN:04477340)
巻号頁・発行日
vol.170, pp.155-170, 2001-12
著者
杉岡 秀紀 久保 友美
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.129-158, 2007

大学(学生)ボランティアセンター(以下、大学VC)が大学に出来たのは、1987年の大阪キリスト教短期大学がその起源とされているが、(1)「大学生への教育効果」、(2)「社会・地域とのインターミディアリ機能」、(3)「大学の社会貢献」の3つをその存在意義として、1995年の阪神・淡路大震災以降一気に増えた感がある。しかし、同時にここ数年で見ると,量質ともに少し伸び悩んでいる印象がぬぐいされない。そこで,本研究では,大学VCの意義・役割,類型,事業内容などの概要を整理する中で、昨今注目されつつあるサービス・ラーニング(「学生達が人々とコミュニティのニーズに対応した活動に従事する中で学ぶ、経験的学習のひとつの形のこと。以下、「SL」)という概念に注目し、その大学VCへの導入の可能性を、関西を中心とする大学VCからのヒアリングの中から探ってみた。結論から言えば、大学ごとに多少の差異はあるものの、今後の大学VCには、「SL」の視点を導入することが、センターの存続のためにも必要不可欠な視点であるという事である。なお、この視点というのは地域と大学との連携協働のまちづくりを進める上でも重要なファクターになると筆者らは考える。
著者
新井 みゆき
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.148-200, 2000-09-30

研究ノート
著者
緒方 あゆみ
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.283-296, 2003-03

研究ノート平成5年に制定された「障害者基本法」の第2条が、「この法律において『障害者』とは、身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう」と規定していることから、精神障害者も他の障害者と同等に扱われるようになった。次いで、平成 7年に制定された「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」(精神保健福祉法)により、精神障害者にも医療と福祉の両方のサービスが提供されるようになった。しかし、現状は、しばしば指摘されるように、精神保健福祉の歴史の浅さに加え、長年の精神障害(者)への偏見や差別から、精神障害者の社会復帰支援に関する施策は他の障害者のそれに比べて遅れているといわれる。では、その実態はどうか。本稿では、精神障害者の自立生活支援及び就労支援施策を含めた社会復帰支援施策について、わが国および地方自治体レベルではどのような施策が現在展開されているのかの問題に焦点を合わせ、わが国の精神医療の歴史、現行の精神保健福祉法の内容、地方自治体(京都市)が現在行っている施策等を研究し、最後に、京都市内の精神障害者共同作業所への実態調査の集計結果から、精神障害者の社会復帰支援の現状と課題について考えていきたい。
著者
下楠 昌哉
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の成果は、1)日本における、あざらし女を民話を基にした西洋の文芸作品の受容の過程と現状を海外に発信したこと、2)文学に現れた、ブリテン諸島における"mermaid"と日本における「人魚」の概念に関する比較研究を行ったこと、3)スコットランドのオークニー諸島と北アイルランドでフィールドワークによって実際に民話を収集したこと、4)松村みね子の翻訳作品を研究するにあたっての留意事項を明らかにしたこと、5)ジェイムズ・ジョイスの紀行文とアイルランドの民間伝承の関係性を検証したこと、6)日本、英国、アイルランドをつなぐ研究者間の連携を促進したこと、である。
著者
バゼル 山本 登紀子
出版者
同志社大学
雑誌
同志社大学図書館学年報 (ISSN:09168850)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.46-55, 2010

岐路に立つ米国の大学図書館事情