著者
片桐 滋 渡辺 秀行 中村 篤 松田 繁樹 堀 貴明 渡部 晋治
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

最小分類誤り学習法のこれまでの性能限界を突破することを目指して,特に,平滑化分類誤り数損失の平滑性が持つ未知標本耐性向上の機構を解明し,その平滑度の自動的最適設定法を開発,さらにカーネル法を組み込んだカーネル型最小分類誤り学習法を開発することで,本学習法の一層の識別力向上を実現した.また,ラウンドロビンデュエル識別法を開発することで,大規模かつ複雑な分類器のための高効率な識別学習法を実現した.
著者
上田 慧
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

NAFTA国境地帯に広がる北米市場向け輸出加工工場に着目し、米国・カナダ間の北米最大の自動車工業地帯と、メキシコにおけるマキラドーラ(保税加工工場)の新しい展開を現地調査し、国際輸出加工戦略の実態を解明した。第一に、メキシコと中国の国境経済圏における輸出加工貿易モデルの比較を行った。第二に、デトロイトとカナダのオンタリオ州との間の国境経済圏が輸出加工貿易モデルの一つであることを立証した。第三に、メキシコ中部高原地域に日系企業進出ブームによる新興自動車クラスターが形成されており、国境マキラにたいして内陸マキラの発展が顕著であることを考察し、その問題点と課題を提起した。
著者
北尾 謙治 北尾 S.キャスリーン
出版者
同志社大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

24年には私たちは米国のテレビコメディーの「モダーンファミリー」の最初の3シーズンを使用した。謝罪によく使用される“sorry,” “excuse,” “apologize,” “forgive,” と“pardon”の5キーワードを使用して、コーパス内の謝罪を特定して、分析した。25年度はこの研究の吟味をして、謝罪に対して応じる言い方を研究した。まず以前の研究で謝罪にどのように応じたかや発話行為のデータを集める種々の問題を吟味する。米国のシチュエーション・コメディの「モダーン・ファミリー」の72エピソードの字幕のコーパスから抽出した320の謝罪を分析した。謝罪の応答を9つのカテゴリーに分類した。それらは、応答なし、相手のしたことを最小限にすること、したことに焦点をしぼること、謝罪の説明や理由に答えること、明らかにすることを求めること、謝罪で返答すこと、音の発生、不信感を示すこととその他。私たちはそのどのカテゴリーの返答が使用されるか、それらはどの様な状況で使用されるかを研究した。謝罪の9つの応答は私どものオリジナルのカテゴリーである。私どもは、コーパスから謝罪の仕方の例を収集して、データドリブンの教材を試しに作成した。私どもは謝罪のスピーチアクトで、謝罪以外の意味に使用される場合の分析もしたが、これをした例は今までに見当たらない。
著者
二宮 浩彰 工藤 康宏 石澤 伸弘
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、北海道のスポーツ・ツーリズム動態を把握した上で、外国人旅行者を魅了するスポーツ・ツーリズムの観光資源を探るための調査研究を実施することを目的とした。北海道におけるスポーツ・ツーリズムの観光資源を目当てに訪日しているヨーロッパ、北米、アジア、オセアニアからのインバウンド外国人旅行者に焦点を当てることにした。北海道ニセコ地域の訪日外国人スポーツ・ツーリストを調査対象として、スキー/スノーボードの参加と経験、技能と知識、用具と投資、ライフスタイル、スキー/スノーボード旅行の選好、ニセコリゾートへの地域愛着、個人属性について、英語/中国語による質問紙調査を実施してデータを収集した。結果として、外国人スキーヤー & スノーボーダーのスポーツ・ツーリスト行動の実態を明らかにすることができた。そして、ニセコ地域の現状についての聞き取り調査を行い、外国人スキーヤー & スノーボーダーの来訪動向と現地調査の研究成果との検証を行った。
著者
川嶋 四郎 上田 竹志 園田 賢治
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

世界および日本社会における高度情報化の進展につれて、現在、司法の領域とりわけ民事訴訟・民事手続の世界でもICT 化が急速に進展しつつある。しかし、行政・医療等の領域でICT 化が加速度的に進行しているのに比べ、司法領域では、「民事訴訟・ADR 手続のICT 化」はほとんど進捗していなかった。そこで、本研究では、研究者のこれまでの研究成果を踏まえて、法的救済システムとICTシステムとを総合し、統合的な新システムの構築に努めた。2001年の『司法制度改革審議会意見書』での提言の具体化であり、その研究成果は、理論的実践的な評価を加えつつ逐次公表を行ってきた(後掲・論文、著作、学会等の報告を参照)。
著者
田畑 忍
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.1-26, 1967-01-31

論説
著者
吉海 直人
出版者
同志社大学
雑誌
新島研究 (ISSN:02875020)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.1-8, 2012-02

資料紹介(Historical Document)表紙の英文タイトルに誤りあり (誤)Llife → (正)lifeページは巻末一-八
著者
内田 智雄
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-22, 1950-11-20

論説
著者
太田 雅夫
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.12, no.6, pp.104-119, 1961-03-30

資料
著者
古賀 智之
出版者
同志社大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、スパイダーシルクの有する優れた力学特性とその分子構造特性に着目し、人工ペプチドの自己組織化概念を合成高分子システムとハイブリッド化させるという新しい発想のもと、スパイダーシルク様ナノ構造を有する様々な新規ペプチドーポリマー・ハイブリッドを合成した。水溶液系やフィルム系での自己組織化挙動や高次構造特性,力学物性等を総合的に評価し、高機能ソフトナノマテリアル設計の新たな指針を得ることに成功した。
著者
青木 康容 中道 実
出版者
同志社大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1992

以下のような点を明らかにした。1.初期の帝国議会において多数を占めたと言われる地主階層はさまざまな産業、すなわち農業、林業、牧畜業、養蚕業、酒造業などを営み、さらに他のビジネスにおいても投資し、活発なビジネス活動をしていた。かれらの企業経営は実に多様であるが、特に銀行業を営むことが注目される。2.戦前政党と戦後政党との間には、政党内職階制に極端に大きな相違が見られる。戦前政党組織が極めて単純であるのに対し、戦後政党は複雑な役職構成をなしている。これは戦後の政党が政治制度の変化の下に果たすべき大きな役割を担ったことを示し、本格的な政党政治の現われと見ることが出来る。3.戦前議員たちの利益団体との帰属関係を見ると、特に産業団体との関わりが深く、自らがそうした団体の出身者であること、すなわち出身職業がそのような産業であり、その意味で団体利益を挺した議員であること、しかしそれが次第に出身の職業とは関係なくそうした団体の役員を引き受ける議員が1936年の第19回総選挙あたりから出でくる。これは職業政治家の本格的な現われであろうと考えられる。4.戦前議員と地方団体との関わりを分析すると、かれらが如何に地域社会と深い繋がりがあったかが判明した。地方団体とは、地域社会固有の団体で、おそらくは地方名望家が担うことが期待された団体である。衛生委員、地方衛生会、学区取締、学務委員、教育会、連合町村会、町村組合会、林業組合、森林組合、山林会、水利組合、水利土功会、耕地整理組合、勧業委員、所得税調査委員、鉄道会議、調停委員、徴兵参事委員、徴兵議員などがこうした団体と役員である。全体として、職業的背景を見ると、戦前から戦後にかけて実に大きな相違を見ることが出来る。「政治によって生きる」職業としての政治家の本格的な出現はやはり戦後に求められる。
著者
岡本 勝
出版者
同志社大学
雑誌
同志社アメリカ研究 (ISSN:04200918)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.57-70, 1991-03-25

論説, Article
著者
竹内 孝之
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.331-346, 2003-03

研究ノート香港の返還に伴う80 年代から今日までの香港政治経済の変化を、財界内部の変化と政府の関係から分析した。香港は自由放任経済といわれるが、実際はサービス産業には独占やカルテルが政府によって認めらている。また、末端の行政においても、各種委員会を設け、関連する企業の意向が反映される制度になっている。そのため、(返還前)香港政庁と英資財閥との関係は植民地体制下の癒着関係に見える。だが、1970年代より華資財閥が規模を拡大し、英資財閥の企業や財閥そのものを買収する例も見られた。その背景には、英資を支えていた香港上海銀行が華資財閥に買収資金を貸与した他、所有株式を譲渡するなどの支援を与えたことがある。また、香港政庁も華資財閥による英資企業・財閥の買収を妨害しなかった。つまり、英資財閥と香港政庁は互いの利益を守るために、癒着関係を形成してはいたが、必ずしも華資財閥を政治的に排除するものではなかった。そのため、中国政府は、中資企業を通して香港経済の脱植民地化(英資の特権排除と華資との協力)を試みるが、必ずしも華資財閥の利益には結びつかず、単に中資企業が利権を獲得しただけに終わる場合もあった。返還後は海運会社会長だった董建華が行政長官に就任し、華資財閥が香港の政治経済を掌握した。さらに、官僚の権限を財界人へ移すための閣僚制度の導入も検討されている。だが、政策の公平性や整合性に欠けるなど問題も出始めている。
著者
辻内 伸好 井上 喜雄 伊藤 彰人
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

歩行訓練に関してはトレッドミルが用いられるが,運動解析に基づく歩行評価指標の欠如から,運動学習効率を定量的に評価することができない.そこで,速度制御による負荷変化が可能な左右分離型トレッドミルを開発し,有効な歩行評価指標を用いて,指標と実際の歩行との相違点を視覚的に提示することによって,歩行障害者のバイオフィードバックを促進し,リハビリテーション効率を向上した.
著者
山本 睦
出版者
同志社大学
雑誌
言語文化 (ISSN:13441418)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.73-100, 2007-08

本稿の主人公は日本のために造られた、19世紀末から20世紀初頭にかけて当時世界最強或いは最速を誇った英国製大型艦船-具体的には軍艦-である。日英関係の産物である、これらの船たちをある社会通念に基づき象徴的機能を持つ「記号」として解釈すれば、或いは複数の記号性の束としての有機的な「テクスト」として解釈すれば、この時代の日英両国間の政治的通商的関係はどのように切り取ることが出来るだろうか。古代ヘルメス思想においても現代の記号論においても共通して、テクストは「開かれた世界」であり、「それを解釈する者は無限の相互関係を発見することが出来る」(エーコ、1993)のであるが、本稿の目的は最終的に「開かれた世界」としての船たちが日英両国にとって持っていた存在の意味を比較的自由に解釈することである。そのためにはある一定の歴史的事実の再検証が必要となり、第1節と第2節はそのために割かれることとなる。第3節はそれにのっとった記号論的考察である。
著者
廣安 知之 真島 希実 山本 詩子
出版者
同志社大学
雑誌
同志社大学理工学研究報告 (ISSN:00368172)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.240-247, 2013-10

本稿では,言語性ワーキングメモリ課題であるリーディングスパンテストを用いて,ワーキングメモリ容量と脳血流の関係の検討を行った.脳血流量変化は脳活動を評価する指標の一つである.機能的近赤外分光法(fNIRS)は,脳血流の変化を検出するための非侵襲装置である.そのため,脳活動の活性化領域を把握することができる.本稿では,前頭前野背外側部(DLPFC)と左下前頭回(LIFG)を関心領域(ROI)として着目した.これらの関心領域の機能的な活性化はfNIRSを用いて検討した.DLPFCは注意の維持を行い,LIFGは言語処理を司るとされている.実験により以下の3点が得られた.まず,DLPFCとRSTの間で機能的な関係がみられた.被験者を高成績群と低成績群の二つのグループに分類したところ,低成績群の脳血流量変化は高成績群の脳血流量変化に比べて活性が大きかった.次に,両群においてLIFGでは活性パターンに違いがみられた.高成績群では活性が持続していたのに対し,低成績群では活性が低下した.最後に,低成績群のみにおいてDLPFCの活性が上昇した.In this paper, the relationship between a working memory capacity and a brain activity were evaluated using the results of a Reading Span Test (RST), which is a language working memory task. A cerebral blood flow change is one of the indexes of evaluating brain activities. functional Near-infrared Spectroscopy (fNIRS) is a non-invaded device to detect a cerebral blood flow change, so that it can be used to figure out the activated area of brain activities. In this paper, we focus on dorsolateral prefrontal cortex (DLPFC) and the left inferior frontal gyrus (LIFG) as regions of interests (ROI). Functional activation of these ROIs was examined using fNIRS. It has been reported that DLPFC is responsible for continuing cautions, while LIFG manages language processing. Through the experiments, the following three points were observed. First, the functional relation between DLPFC and RST was observed. The subjects were classified into two groups; a high score and a low score groups. The cerebral blood flow changes in of the subjects in the low score group were greater than that of the subjects in the high score group. Second, in the both groups, LIFG was activated with the different active patterns; In LIFG, the brain activity was constant for in the high score group, while it was declining in the low score group. Lastly, the brain activity in the DLPFC region for the low score group increased.