著者
山田 礼子 木村 拓也 井ノ上 憲司 森 利枝 舘 昭 吉田 文 西郡 大 園月 勝博 相原 総一郎 沖 清豪 杉谷 祐美子 田中 正弘 安野 舞子 渡辺 達雄
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

本研究の成果は、(1)KCSS(韓国版大学生調査)を24年に実施し、日韓のデータ結合により分析、(2)日本では、平成25年まで、延べ866大学・短大から約14万人がJFS、JCSSとJJCSSに参加するなど標準的調査が根付いた。(3)24年には中国版CSSが試行され、25年には、上海市で中国版CSSの実施へと進展し日本発の標準的調査のアジアでの展開への基盤が形成されつつある。(4)2014年末までに、14万人のデータを格納し、参加大学が利用できるデータベースを開発、(5)日本のカレッジ・インパクト研究を下記で示す理論モデルにまとめたという5点が挙げられる。
著者
柳田 益造 武田 昌一 郡 史郎 桑原 尚夫 吉田 優子 力丸 裕
出版者
同志社大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2000

日本語の韻律について,現象面から見た多様性と歌唱における韻律制御の自由度,韻律の個人性,社会的要因の影響,感情との関係,韻律情報の脳内処理に関する神経科学的検討,一般言語学からの考察を行った.(1)特殊な状況での韻律についてのデータから音響的特徴の変動幅を調査した.特殊な発声例として,幼児の矯声における高F_0,高校野球の選手宣誓における平坦F_0,母語との近さや状況による平均F_0の違いなどを調べた.また,制約付きの韻律としての歌唱におけるF_0の特にビブラートについて邦楽と洋楽(ベルカント唱法)を比較した.(2)基本周波数、ホルマント周波数等の音響的特徴と個人性との関係を物理的および知覚的に分析した.同時に,発声速度の異なる音声や,訛りなどに現われる特徴の変化についても研究した.個別音に関する研究としては,連続音声中に現れる鼻音化された/g/について,音響的ならびに知覚的な面から検討した.(3)社会的要因に由来する韻律の多様性.およびアクセント型以外の韻律の地域的多様性について,社会言語学的観点を加えつつ音響音声学的な手法を用いて調査した.具体的には,共通の台詞を種々の方言話者が発声した音声データについての知覚的な印象について検討した.(4)発話に含まれる感情と韻律の関係を多変量解析等の手法を用いて規則として抽出し,その規則に基づいた韻律で音声合成を行い,その有効性を評価した.また,百人一首の韻律やホーミーについても研究した.(5)物理量としての音のどのパラメタが韻律知覚に関与し,脳内のどのような処理によって,韻律知覚が生成されているかを,劣化音声を用いて聴覚神経科学の立場から追究し,韻律知覚生成機構の解明を試みた.(6)一般言語学の立場から,ピッチアクセント言語である日本語の韻律をストレスアクセント言語における韻律と比較することによって,音声におけるアクセント付与の普遍性について考察した.
著者
武田 博清 東 純一
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

熱帯季節林における3年間の調査により得られた、熱帯季節林での細根の現存量、組成と土壌動物群集の構造(グループの構成)から、細根の組成は、土壌動物の種類構成に影響していることが明らかとなった。細根の現存量と土壌動物の個体数には高い相関性が見いだされた。さらに、細根と土壌動物の現存量の間にも相関性が認められた。土壌動物群集の維持における細根の重要性が明らかとなった
著者
山路 龍天
出版者
同志社大学
雑誌
同志社外国文学研究 (ISSN:02862832)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.16-39, 1989-03-15

論文(Article)
著者
岩見 憲一
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.175-198, 2011-05

1955年,電化と日本の米食文化の接点で生まれた自動式電気釜は,当時,家事の面で最も影響が大きいといわれた「白物御三家」の内,唯一日本独自の発明品である。本稿では「竈と羽釜」に代わり,「生活の前提」を支える「ランドマーク商品」になった自動炊飯器の創造力と破壊力を検証する。誰でも失敗せずにご飯が炊け,釜についた煤や噴きこぼれや竈周りの後始末の手間もなく,特に,寝ている間にご飯が炊ける便利さは,女性のライフスタイルを一変させた。さらに,コンセントさえあればどこでも炊飯できることは,台所の風景を一変させた。反面,伝統的な竈炊きのおいしいご飯の味や炊く技が失われ,子供の手伝から学ぶことや躾を失なわれるという,見えざる負性を持っている。近年,自動炊飯器は,米食文化を有する国々で普及しつつある。自動炊飯器を使用するようになった香港の事例についても触れる。
著者
村上 征勝 古瀬 順一
出版者
同志社大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

本研究の目的は、精神的活動の変化を文体の変化として数量的に把握し、それによって精神的疾患や痴呆症の早期発見など、精神医学に役立てることが目的である。そのため、精神的疾患が原因で自殺したと考えられる作家、川端康成(S46.4.16,ガス自殺)、芥川龍之介(S2,7.24,睡眠薬服用)、三島由紀夫(S45.6.4,割腹)の3人の文章のデータベース化を試みた。特に、データベース化がある程度進んでいた川端康成に関し、彼の執筆活動の全時期にわたる文章の経年変化を調べることが必要と考え、「ちよ」(1919)、「篝火」(1924)、「浅草紅団」(1929),「名人」(1942),「古都」(1959)「隅田川」(1965)の6作品を新たに入力し、計量分析に必要となる単語認定、品詞認定等の作業を行った。この作業は16年度末までに終了できる見通しが立たなかったため、・読点の直前の文字の出現率・平均文長・会話文平均文長・全文に対する会話文の比率・ひらがな、カタカナの出現率の情報を用い、昨年までに入力済みの「伊豆の踊り子」(1926)などの7作品とあわせ、計13作品で分析を試みた。その結果、読点の直前の文字の出現率には、比較的早い時期の「篝火」,「浅草紅団」,「伊豆の踊り子」の3作品と、その後の作品にある程度違いが見られたものの、文章の変化を確認するには品詞情報などのほかの情報の分析が必要であることが判明した。そのため、本研究の研究期間内には行えなかったが、川端康成の13作品の品詞認定等の作業が終了次第、再分析を試みる。また、芥川龍之介、三島由紀夫の作品についてもデータベース化の作業を続け、川端康成と同様に計量分析する予定。
著者
柏原 清江
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.33-46, 2008-07

論説(Articles)本稿での「企業再生」は、再建型法的手続を適用した企業を過去のしがらみから脱却させ、再出発させることを重点に早期再建を検証する。筆者は、再建型法的手続の企業を中心に、適用した企業に買収監査(Due Diligence)を行い、管財人および経営者、従業員の事情聴取を行ってきたなかで、従業員が再生に対しての管財人並びに旧経営陣の経営続投に対する不安感が多くあった。一方では、経営者たちも後継者難の悩みを抱え、再生に対して、不安を募らせていた。また、経営者たちのなかでは「現状の再建型法的手続は、未だネガティブなイメージがあり、申し立てに躊躇してしまう。再建型法的手続による成功事例(企業再生)が少なく、どのようなスキームで再建できるのかを知りたい。むしろ、中途半端な再建をしなければならない状態では申し立てした意味がない。これでは、敗者復活(再生)ができるのか不安で、再建型法的手続の意味がわからない。」といった意見も多く耳にした。本稿の目的は、以上の調査から再建型法的手続の倒産処理において「企業再生」に何が必要なのか。再建型法的手続の主旨である「企業再生」を有効にかつ早期実現できるように、人的・制度枠組みを提言する。"Revival of enterprises" in this text verifies that the enterprise that applies the rebuilding type legal procedure is gotten rid of from past bonds, and it is made to start afresh and rebuilding at the early stage is verified to the emphasis. The author audited purchase (Due Diligence), existed to the enterprise that applied mainly the enterprise of the rebuilding type legal procedure by the employee on the inside where the administrator, the manager, and the employee had been questioned, and there were a lot of anxieties to management the consecutive pitching of the administrator and former executives to the reproduction. On the other hand, managers also held the worry about the difficulty of finding successors, and uneasiness was felt increasing for the reproduction. Moreover, managers. "The rebuilding type legal procedure of the current state is still a negative image, and hesitates in the statement. I want to know can the success case (revival of enterprises) by the rebuilding type legal procedure able to be few, and in what scheme to rebuild it. There is no stated meaning in the state to have to do a halfway rebuilding. With this, it is uneasy, and doesn't understand the meaning of the rebuilding type legal procedure. whether it can be a consolation (reproduction)" It heard of a lot of opinions. What of the purpose of this text is necessary for "Revival of enterprises" in the bankruptcy processing of the rebuilding type legal procedure from the above-mentioned investigation?"Revival of enterprises" that is the purport of the rebuilding type legal procedure does, and it is effective and to achieve it at the early stage, proposes the human system frame.
著者
井ヶ田 良治 山岡 高志
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.29-69, 2005-09

本日誌は、山岡金蔵陸軍中尉の日清戦争従軍日誌の全文である。山岡中尉は、当時、山県有朋が軍司令官をつとめた第一軍に属する名古屋の第三師団(師団長桂太郎中将)の第六聯隊、第一大隊、第三中隊の第二小隊長として従軍している。明治27(1894)年8月4日に起筆し、明治28(1895)年5月26日に擱筆されているこの日誌は、数年後の明治30年夏になって、かつて戦陣にあって書かれた日記に、連日のように書かれた父君宛ての書簡を挿入し、あらためて清書されたものである。今回は、その中の明治27年10月21日分までを掲載した。はじめて外地に出征したことでもあり、かつ、陸軍士官学校出の若い専門軍人としての自負と誇りに満ちた山岡中尉は、見るもの聞くものすべてに好奇の目を向け、その日誌は豊かで詳細な記述にあふれ、その多方面からの情報収拾と合わせて、まれに見るほど内容豊かな日誌となっている。単なる事実記録にとどまらず、はじめて本格的な戦争を開始した当時の日本の国民感情を知る好個の素材を提供するものといえよう。史料紹介
著者
松久 玲子
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

1920年代から30年代の広義のメキシコ革命期における公教育制度の形成過程で、女性の教育についても議論が行われた。職業教育として家庭学校が設立され、農村教育において、家庭科カリキュラムが策定された。フェミニスト教育官僚エレナ・トーレスの活動に沿って、主婦役割がカリキュラムにおいて定式化された過程を明らかにし、学校教育におけるジェンダー規範の形成を考察した。女性が家庭での再生産活動を通じ国家に接合されるとともに、一方で女性の自立的身体管理を含意する性教育が社会的反発により学校教育から排除された。
著者
植田 宏文 藤原 秀夫 丸茂 俊彦 五百旗頭 真吾 林田 秀樹
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、資産の証券化を通じた市場型間接金融の拡大等に代表される金融システムの変革が、どのような経路を通じて経済の成長に資するのか、さらにその問題点は何かについて理論・実証的に明らかにすることを目的として分析を継続してきた。これらの分析は、現在における経済諸問題の背景を明確化させ、混迷を深める今日において将来のあるべき方向性を示す上でたいへん意義があるものと言える。
著者
水谷 智 平野 千果子 有満 保江 三ツ井 崇 永渕 康之 松久 玲子 板垣 竜太
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本共同研究では、日本(朝鮮、台湾、沖縄等)とヨーロッパ(イギリス、フランス、オランダ、スペイン、ドイツ等)の植民地史を、「医療」「官僚制」「人種主義」といった<近代性>の問題系に属する主題を軸に再検討した。植民地主義をグローバルな文脈で共同研究するにあたっての<比較>の必要性と危険性の両方に十分に注意を払いながら、様々な支配経験に関する実証研究を突き合わせ、相互参照を可能にする枠組および概念の創出を目指した。その結果、近年の植民地研究の鍵となっている「植民地近代性」(colonial modernity)の概念の可能性と限界が明らかになった。また共同討議の過程で、議論の対象とした植民地帝国のそれぞれが、他国との<比較>によって自国の支配を正当化し統治政策を策定していた歴史像が浮かび上がってきた。<比較>それ自体を歴史研究の対象として主題化し、植民地主義の一部としてそれを根底的に検証し直す必要性が理解されるに至ったのことも、本研究の重要な成果の一つである。
著者
北澤 安紀 林 貴美 林 貴美 中西 康 横溝 大 北澤 安紀
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、同性婚や、生殖補助医療により生まれた子の親子関係など、最近の各国において導入されてきている新たな身分法制への対応が国際私法方法論に及ぼすインパクトについて検討した。その結果、国際私法の伝統的な双方主義的方法論がそれらの法制度を規律するのに最適な方法であるとは言い切れず、国際私法方法論自体の再検討が求められていることが明らかとなる。この点、EU法において最近拡大傾向にある、いわゆる相互承認原則が国際私法の分野に及ぼしつつある影響も看過しえない。法廷地国は、双方主義的な抵触規則、あるいは、外国判決承認ルールを通じて、渉外的法律関係を規律し尽くそうとしているが、新たな身分法制についての国際私法側の対応としては、たとえばEU法の相互承認原則のような従来とは異なる例外的な救済方法を用いる可能性についても、今後議論してゆく必要があろう。
著者
谷山 勇太
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.23-55, 2007

宝永7年(1710)から万延元年(1860)まで約150年の間書き継がれた天龍寺の寺務日誌『年中記録』。そのなかには、嵐山の麓の河原に営まれた日切茶店の出店記録が書き留められた。本稿では、嵐山を花見に訪れる人びとを目当てに商いした日切茶店の営みを通して、近世という時間のなかで生まれた花の名所嵐山の成熟を追う。
著者
宮崎 亮 石井 好二郎 米井 嘉一
出版者
同志社大学
雑誌
同志社大学理工学研究報告 (ISSN:00368172)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.37-44, 2010-10

本研究では,若年長距離陸上選手を対象とし乾式遠赤外線低温サウナ浴を用い,陸上競技大会からの筋肉痛回復を検討した.対象者はよく鍛えられた男子陸上選手4名であった.大会後,サウナ浴群(n=2,20.0±1.4歳)またはシャワー浴群(n=2,20.0±0.0歳)は,大会直後(0時間後),そして24,48,72,96,124時間後の計6回,指定されたどちらかの入浴を行った.期間中の測定項目は,身体計測値,採血,MVC,VAS,POMSであった.その結果,高感度C-反応性蛋白(CRP),アルドラーゼ(ALD)が,サウナ群において低値を示す傾向であった.サウナ群において,急性の炎症マーカーが良好な傾向を示したことから,サウナ浴において炎症が抑えられたといえるのかもしれない.This pilot study aimed to examine the effects of far-infrared radiation low temperature sauna bathing on recovery from muscle damage following the race among long-distance runners. The subjects were 4 well-trained male runners. After the running race, the subjects were allocated either the sauna bath group (n=2, aged 20.0±1.4 years) or the shower bath group (n=2, aged 20.0±0.0 years) and bathed 6 times (right after the race, 24, 48, 72, 96 and 120 hours later). The measurements were anthropometrics, blood sampling, maximal voluntary contraction (MVC), visual analogue scale (VAS) concerning muscle soreness and profile of mood states (POMS). In the sauna bath group, C-reactive protein (CRP) and aldolase (ALD) levels tended to be lower compared to the shower bath group. Better results of acute inflammatory markers in the sauna bath group may explain the sauna bathing can suppress the inflammation.
著者
キャンベル ミルドレッド 今関 恒夫
出版者
同志社大学
雑誌
同志社アメリカ研究 (ISSN:04200918)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.20-41, 1974-03-25

翻訳, TRANSLATION訳:今関恒夫
著者
森永 長壹郎
出版者
同志社大学
雑誌
新島研究 (ISSN:02875020)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.82-98, 2008-02

小崎が社長に選ばれた時、彼は「宣教師たちからも完全な承認を得たのに何故、アメリカン・ボードと手を切らねばならなかったのか。「古い関係」を切って「新しい関係」を築きたかったからである。アメリカン・ボードの代表団が来日し、話し合いがあったが、分裂に終わった。同志社は外国人の管理から独立と自由を獲得し、宣教師は正統主義キリスト教の道から逸脱したと思われる学校と完全に手を切った。困難な経営と聖書削除の問題で小崎は辞任した。When Kozaki was elected, missionaries "heartily welcome" him as principal. They, however, could not have good relationships. American Board sent deligation to Japan to talk about three items. One of them was religion of Doshisha. The deligation asked Kozaki to make declaration of faith but he rejected it. The talk was not successful and separation came. Doshisha was independent of American Board but the management was hard and Kozaki resigned.