著者
金山 弘昌
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.45-69, 1995-01

I. はじめにII. ルーブル建築史におけるベルニーニと諸計画案III. ルーブル第一計画案の研究史と問題点IV. ベルニーニにおけるデコールムの概念V. 第一計画案の諸特徴とデコールムVI. 第一計画案とパラッツォ・バルベリーニVII. 第一計画案におけるベルニーニの矛盾Bernini's first project for the Louvre of Louis XIV (1664) is one of the most extraordinary palace designs in the history of Roman Baroque architecture. The unusual features in the tradition of Roman palaces include: the convex-concave curve, 'the dome without a drum,' the arcade, and the U shaped plan. Many scholars have already clarified the] visual sources and iconographic programs of these features, however the problem of why Bernini abondoned the traditional Roman palace facade and adopted these unusual features has yet to be sufficiently explained. In this paper, I have addressed this problem, focusing on Bernini's concept of decorum (decor), a classical theory concerned with form and content. I hypothesize that the unusual facade design of the first project is a result of Bernini's theory that decorum is indispensable for the expression of the grandeur of the Sun King. In the first project the east facade design is characterized by an arcade and a U shaped plan which is more similar to a villa facade or a palace court yard than to a typical palace facade. According to the theory of decorum and Roman architectural tradition, villa facade or court yard decoration was applied more freely than the principal fagade of a palace. For Bernini, who wished to give the Louvre symbolic and theatrical features which had never exsisted before, the traditional decorum for a palace fagade was insufficient, therefore he adopted another decorum program.
著者
有働 勤吉
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.105-133, 1991-04

文学部創設百周年記念論文集II(1) 問題の所在(2) 究極目的と至福(3) 倫理的行為と情念(4) 適性と徳(5) 徳の分類と秩序(6) 人間的徳から対神徳へI have tried in this paper to clarify Thomas Aquinas' concept of virtues by dealing with the internal relations between his theological and human virtues. His idea lies in that God infuses us with theological virtues in His favour, while we are obliged to acquire human virtues for ourselves. It seems to me that Aquinas' notion still keeps its great significance in the history of Christian ethics.
著者
井端 啓二
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

小脳の顆粒細胞は軸索である上行線維を伸ばし、分子層でその軸索が分岐して平行線維となる。上行線維と平行線維はプルキンエ細胞とシナプス結合を形成しているが、シナプスの活性、シナプス形成に関わる分子の動態を明らかにする事は、顆粒細胞とプルキンエ細胞の小脳神経回路における役割を理解するために重要である。そこで、本研究では、神経伝達物質放出の様子を効率良くイメージングするための、発光型シナプス小胞融合モニタータンパク質の開発を行い、小脳顆粒細胞で発現させ、プレシナプスの活性をイメージングした。その結果、プレシナプス活性を測定するための発光型モニタータンパク質が機能する事が判明した。
著者
藪下 聡 岩田 末廣
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

原子や分子の光イオン化過程を理解するには、通常の電子束縛状態だけでなく連続状態も定量的に記述する必要がある。この目的のために、解析的微分法で最適化した複素数軌道指数を持つスレーター型(cSTO)基底関数を数個用いることでクーロン関数を表現する計算手法を開発し、同時に最適化された軌道指数が、複素平面上で円弧上に分布するという面白い特徴を分析した。分子への応用を目的に、cSTO基底関数をN項のガウス型基底関数で展開する方法(cSTO-NG基底関数)を開発し、He原子の自動イオン化過程や水素分子の2電子励起状態自動イオン化状態の複素エネルギーの計算に応用し高精度な結果を得た。
著者
バティ アーロン スチュワート ジェフリー
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

研究者たちは新しく「スピーキング伝達能力客観テスト(OCST)」を開発した。OCSTはタブレットPCを用いた計時情報ギャップ型テストである。伝統的な口頭運用能力テストの構成要素がテスト所要時間の原因になる事を前提に、発話者が評定者に新しい情報を述べる時間を計る。英語が第一(L1)及び第二言語(L2)である86名を対象にテストを行い、L2タスク完了時間にL1基準のスコアを当て、データは多相ラッシュ・モデルで解析された。仮説通りテストの客観的デザインは評定者の影響を弱め、評定者をモデルから除外できた。受験者の信頼性係数として0.88が観測され、多くの主観的なスピーキング能力テストの数値を上回った。
著者
千葉 恵
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.25-55, 1985-05

We take issue with Shorey's thesis that the closest analogy to the Aristotelian syllogistic can be found in the causal reasoning of the Phaedo 100ff and that his "first idea" comes from this doctrine of Idea's causality. In our assesment, Shorey ignores the basic difference in the problem situation which lies between the causality discussed in AP_0 and the logical necessity in APr. We argue that the origin of the "first idea" should be traced back to Aristotle's practical interest in winning the argument, which in turn has led Aristotle to a theory of valid inference. First, he develops it as the Topos theory in Top II-VII 2. The aim of this theory is to offer the lists of argument-forms or rules concerning the validity of propositions. This prefigures some moments of his syllogistic, such as rules of logical necessity or propositional implications, the theory of the square of oppositions. Based on this Topos theory, the dialectical syllogism is theorized to a certain extent in Top I, VII 3-VIII, SE. Finally, Aristotle moves from the dialectical syllogism to the formal system of the syllogistic theory in APr by utilizing some aspects of the proportional theory of Pythagorean mathematics especially Book V of Euclid's Elementa by Eudoxos. Eudoxos supplies Aristotle with most of terminologies and technical procedures. Thus, Logic told the dawn.
著者
千葉 恵
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.21-48, 1984

There are four ideas about the origin .of the syllogistic. Our aim is to trace the making of Aristotle's Logic, critically examining these ideas. We assume that APr presupposes Top SE and that Top II-VII 2 comes earlier than Top I, VII 3-VIII, SE. In the latter, "συλλογισμοs" (=syllogism) comes: to be used technically and theorized as dialectical syllogism. We examine first Plato's theory of division. Le Blond and others derive the ground of their idea about the origin of the Syllogistic,entirely from the sentence that the division is a weak syllogism. They interpret that Aristotle has established his syllogistic by his critical consideration of this weak syllogism. APr I 31 and APo II 5 where he criticizes Plato's division theory are different from one another in the aspect 'of argument. In APr I 31, he simply takes issue with all those who insist that the division has a power of the demonstration, and shows by trying, to syllogize the division that it cannot demonstrate anything. So he has no hesitation to say that the division is a syllogism. In APo II 5, while evaluating highly division's peculiar function, he clearly says that the division is not a syllogism. So "a weak syllogism" is mere irony. The syllogistic is not dans le prolongement of the division. But the division might be able to be arranged in the theory of the origin only in the sense of affecting the making of the dialectical syllogism in Top and SE.
著者
尾上 弘晃
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は,センチメートルスケールの複雑な3次元組織を構築するためのビルディングユニットである「細胞ファイバー」を開発し,組織構築のための方法論を確立することである.細胞ファイバーは,二重同軸マイクロ流体デバイスにより連続的に形成するこに成功した.その際,コア部に細胞と一緒に封入するECMの選択が,細胞ファイバ形成に重要であることを見いだした.形成した細胞ファイバを用い,培養液の中で機械織りして3次元構造を構築すること,また束ねることでバンドル様の構造を構築することに成功した.構築した3次元組織は細胞の活性を維持しており,移植医療に適用することが可能であることをマウスへの移植で確認した.
著者
安達 香織
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

縄紋土器型式の設定と編年には、土器の形態や装飾だけでなく、技法の分析も有効である。本研究では、東北地方北部中期後半の土器型式編年の再構築を目的に、基礎資料の技法に着目した分析を行ない、以下の成果を得た。最花貝塚遺跡A地点出土土器のうち主体を占める、胴部に屈曲のない深鉢形土器(I類土器)は、形態・装飾だけでなく、技法に明確な特徴がある。I類土器には、平縁深鉢形の器体を成形後、「胴部(器面)縄紋」、「口縁部段」、「胴部沈線文」の全てあるいは一部が加えられている。各装飾の組み合わせ及び加飾の順序により、I類土器は、1「胴部縄紋」、2「口縁部段」、3「胴部沈線文」の工程となるI A類、1「胴部縄紋」、2「口縁部段」の工程となるIB類、1「器面縄紋」の工程となるI C類にわけられる。器体のサイズや縄紋原体の種類は、I A、I B、I C類の順でまとまりがある。つまり、最花貝塚遺跡A地点出土土器は、胴部に屈曲のある深鉢形土器(II類土器)とあわせて四とおりの土器を作りわける特徴的な製作システムで作られたと考えられる。一方、従来「最花式」と同一の型式とされることの多かった東津軽郡外ヶ浜町中の平遺跡出土第III群土器についても形態・装飾、技法の分析を行なった。その結果、最花貝塚遺跡A地点出土土器とは区別できる形態・装飾、技法の特徴をもっていることが明らかになった。この一群は、最花貝塚遺跡A地点出土土器とは異なる製作システムで作られている。前者を基準とする型式を最花A式、後者を基準とする型式を中の平III式と仮に呼ぶことにした。製作工程を含めた技法、形態・装飾の特徴が異なるだけでなく、文様の系譜も異なり、分布にも違いが認められることから、最花A式と中の平III式とは、従来のように同一系統に連続するものとしてではなく、概ね並行期の、それぞれ下北半島と津軽半島とを中心に分布する二つの型式として理解するほうが妥当である。
著者
佐々木 史織
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では,Web上に日々公開される国際問題に関するドキュメントデータから意味的なメタデータと時間的・空間的情報を自動的に抽出し,高度な知識発見を可能とする情報分析システムを設計,実現した.利用者は,本システムに各自の関心・視点に基づくキーワードを入力するだけで,専門的な文書内容の時系列的変化や地域別差異,問題領域別・情報源別の分析結果を多角的・定量的に獲得し,視覚的に把握することが可能となった.
著者
宇沢 美子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は20世紀前半のアメリカ演劇・文学における東洋人表象の変遷を扱い、従来はハリウッド映画との関係のみで論じられてきたイエローフェイスの営みを広くアメリカ文化全般に開くことを目的とする。舞台からラジオ、映像へと多ジャンルへ展開したイエローフェイスは異人種装による社会批評、実験演劇、政治プロパガンダと同時にそれに対するパロディをも準備する手法としてアメリカ文化の主要な文化作用を担った。
著者
永井 玉藻
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-26

本研究「フランシス・プーランクのオペラ作品におけるドラマトゥルギー」は、20世紀フランの作曲家、フランシス・プーランクのオペラ《カルメル会修道女の対話》を題材に、作品の資料調査とその分析を行うことで、作品のドラマトゥルギーの変遷とその意義を考察するものである。当該作品は、これまで多くの研究が行われてきた一方で、最も基礎的な資料研究が完全に欠落していた。そのため、作品の一次資料に関する情報が正確でないだけでなく、作曲中に繰り返し行われた変更や、改訂の詳細が、全く明らかになっていなかった。にもかかわらず、先行研究では繰り返し、作品の書法研究などが行われてきたのである。こうした状況に基づき、平成26年度には、2014年5月に資料調査(イタリア・ミラノのブライデンセ国立図書館リコルディ・アーカイブにおける調査)を行った。これにより、作品の一次資料に関するほぼ完全なデータを収集することができた。これらの結果は、2014年11月に行われた日本音楽学会第65回全国大会にて発表し、作曲家の自筆楽譜資料に基づいた分析を発展させた実証的な論を展開することができた。発表では、これまで公開されていなかったプーランクの自筆譜を、日本で初めて紹介することができ、その資料的価値を改めて検証することができた。一方、昨年度に複数行った海外での研究発表で出会った海外の研究者とは、年度を通してさらに密な関係を築くことができた。こうした活動を元に、博士論文の本格的な執筆が順調に進み、執筆の大筋が終了した。現在は、フランス語の訂正と本文の見直しを行い、また審査員の先生がたにもアドバイスをいただくなどしている。
著者
千代 浩之
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

今年度は, リアルタイムLinuxであるLITMus^RTに最適なマルチプロセッサ向けリアルタイムスケジューリングであるRUNを実装する研究を行った. また, LITMUS^RTに実装されているリアルタイムスケジューリングの実行を追跡・可視化するツールであるsched_traceをインプリサイス計算モデル向けに拡張した. これにより, インプリサイス計算モデル向けリアルタイムスケジューリングの開発効率を向上させることが可能になった.インプリサイス計算モデルに3つ以上の必須部分を持つタスクを扱うことを可能にするリアルタイムスケジューリングを提案した. この手法により, より複雑なインプリサイス計算モデルにリアルタイムスケジューリングを適用可能になった. また, インプリサイス計算モデル向け最適なマルチプロセッサ向けリアルタイムスケジューリングであるRUN-RMWPを提案した. RUN-RMWPはRUNを基調としたインプリサイス計算モデル向けの最適なリアルタイムスケジューリングである. シミュレーション結果では, 従来のインプリサイス計算モデル向けリアルタイムスケジューリングであるG-RMWPやP-RMWPよりプリエンプションやマイグレーションの回数が少ない結果を示した. さらに, タスクの品質の評価結果では, G-RMWPやP-RMWPと比較して少なくとも同等もしくは高い評価結果となった. 従って, RUN-RMWPは従来のインプリサイス計算モデル向けリアルタイムスケジューリングよりオーバヘッドを減らしつつ, タスクの品質を改善することが可能になった.上記の研究は, 分散制御型ロボット向けリアルタイムオペレーティングシステムを研究開発する上で非常に重要であり, これらを研究する意義は十分にあると言える.
著者
泰岡 顕治
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

17年度,18年度に引き続き液晶の粗子化分子動力学シミュレーションおよび原始レベルでの分子動力学シミュレーションを行った.粗子化分子動力学シミュレーションについては,平板間に挟まれた液晶の振る舞い,拡散係数などについてシステムサイズ依存性について大規模計算を行った.また,粗子化シミュレーションとの対応を見るために,昨年度からの続きで原始レベルでの分子動力学シミュレーションを行った.特に今年度は,5CBを用いて,当方相と液晶相の間の相転移現象について計算を行った.既存の研究では,分子数が少なく,また長時間シミュレーションが行われていなかったため,粗子化シミュレーションとの比較も難しかった.本研究では,分子動力学専用計算機MDGPAPE-3を用い,500分子程度の系において, 0. lMPaにおける様々な温度で,約100nsほどのシミュレーションを行い,相転移現象を計算した.計算に汎用機を用いた場合には数十年かかることが予想されるが,本研究ではMDGRAPE-3を用いることで1年弱で計算を行うことができた.分子モデルとしてOPLS-UAモデルを用いたが,計算系を大きくし,計算時間を長く取ったことで,周期境界条件の影響が少なくなり,相転移の際のヒステリシスが小さくなったことで,転移点をより正確に見積もることが可能となった.転移点は実験結果より3%ほど小さくなった.また粗子化シミュレーションで得られた値とほぼ一致した.
著者
家島 彦一
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.493-512, 1967-11

松本信廣先生古稀記念
著者
猶木 克彦 副島 研造 池村 辰之助 浜本 純子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

EGFR変異陽性肺癌にはEGFR阻害剤が著効するが、多くは1年以内に増悪(耐性化)するため、その克服が重要である。細胞株を用いた検討により、これまで報告されていない繊維芽細胞増殖因子(FGF)および受容体(FGFR)が、EGFR阻害剤耐性に関与することを明らかにした。臨床検体では、FGF9高発現が肺癌患者の予後に関係することを見出した。FGFを肺上皮細胞に導入すると形質転換し、免疫不全マウスでの腫瘍形成が促進し、FGF阻害剤によりそれが抑制された。FGF/FGFR経路が肺癌の予後・腫瘍形成・耐性化に関与しており、治療標的となることを、細胞株から臨床検体レベルまでにおいて系統的に明らかにした。
著者
薮下 聡 森田 将人
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

複素座標法は、量子力学的準安定状態である共鳴状態の位置と寿命を、非エルミートな固有値問題を解くことで直接決定する理論的手法であるが、実際の応用に際して、基底関数の選択など技術的に困難な側面を持つ。本研究は、複素数軌道指数を含む基底関数を用いてそれをエネルギー勾配法で最適化するなど、いくつかの計算科学的な技法の開発によってその問題点を解決するとともに、具体的な系に応用するものである。
著者
林 香
出版者
慶應義塾大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

転写因子 KLF4 は腎臓糸球体上皮細胞(ポドサイト)に発現しており、糸球体障害モデルでは発現が低下した。Tet-on システムを用いたポドサイト特異的 KLF4 トランスジェニックマウスや KLF4 発現プラスミド投与による遺伝子導入により、アドリアマイシン腎症モデルにおいて低下した KLF4 を再誘導すると、ポドサイトの形質が改善しアルブミン尿が減少した。更にその機序には KLF4 のポドサイト形質における Epigenetic 調節が関与していることが示唆された。
著者
加藤 貴昭
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究の主題は、主に野球の打撃動作に注目し、競技者の知覚スキルについて実験的検討を行うとともに、熟達化についてdeliberate practiceに関する調査を行うことにより、熟練したスキルを支えるメカニズムを検証することである。具体的には、蔽技術を用いた視覚刺激に対する打者の知覚スキル、打撃動作における知覚-行為カップリング、スキルの熟練度と練習の微細構造の関係について検討を行った。