著者
吉沢 優子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.30, no.7, pp.596-602, 1979

道明寺粉のもどし方法について, 主としてテクスチュアーの面から実験を行い次のような結論を得た.<BR>1) 水浸時にたっぷりの水 (試料重量の3倍) を用いる場合は, 「常温水に10分間水浸」の条件が, 餅のテクスチュアーに好ましい影響を与える.<BR>2) 蒸すことはでんぷん粒の膨潤を早めるため, 付着性, 凝集性, ガム性を大きくし, 食味を向上させることに役立っ.<BR>3) 水浸時の水量が増し, 水浸時間が長いほど硬さ, ガム性, 弾性率および粘性率は小さくなる.<BR>4) 好ましい食味の餅を得るには, 道明寺粉を約1.5倍 (重量倍率) の常温水に20分間以内水浸させ, 20分間強火で蒸すのが適当な方法と考えられる.<BR>終わりに, レオメーター使用にあたりご助言をいただきましたサン科学斉藤裕昭氏ならびに, 官能検査に協力して下さった方々に厚くお礼申し上げます.
著者
樫野 悦子 藤井 富美子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.533-539, 2005-08-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
24

3種類のシクロデキストリン(α-, β-, γ-CD)を用い, 油性物質として, コレステロール, トリオレイン, アルキル鎖長の異なる飽和脂肪酸のラウリン酸, ミリスチン酸, パルミチン酸, ステアリン酸, 及び不飽和脂肪酸のオレイン酸の7種類を用いて, CDによる油性物質の包接について検討した.CDを水に溶解し, 油性物質をエタノールに溶解した後, 両者を混合して包接し, 包接された油性物質を溶媒に溶解してTLG-FID法により, それぞれの油脂成分を定量した.α-CDは, オレイン酸を包接するがコレステロール, トリオレインを包接しなかった.β-CDは, コレステロールを包接した.γ-CDは, オレイン酸, コレステロール, トリオレインを包接した.これらの結果よりCDは油性物質を選択的に包接することがわかった.α-CDによる脂肪酸の飽和包接量及び結合定数は, 脂肪酸の鎖長の増加につれて増大し, 鎖長が長いほど安定な包接化合物となった.一方, β-CDとコレステロールの系での飽和包接量は, β-CDの水に対する溶解度が低いため少ないが, 結合定数は大きく, コレステロールはβ-CDに安定に包接された.しかし, γ-CDと油性物質の系では, γ-CDの断面積が大きすぎるため, その包接量は全体に少ないことがわかった.
著者
長谷 博子 野浪 亨 中村 利治
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.118, 2012 (Released:2013-09-18)

<目的> 花粉症の原因である花粉を除去するために,アパタイトと二酸化チタンの粉末を用いてマツ花粉の吸着・分解能の評価を行った. <方法> マツ花粉0.1gとアパタイト粉末0.1g,マツ花粉0.1gと二酸化チタン粉末0.1gをそれぞれ乳鉢で混合した後,走査型電子顕微鏡で観察した.さらに,マツ花粉と二酸化チタン粉末を混合した試料には,ブラックライトを照射した後にも顕微鏡観察を行った. 応用例の実験として,アパタイト被覆二酸化チタンを塗布した網目約1mmのポリエステル製ネットと不織布についても評価を行った.試験片1×1cmとマツ花粉0.1gをバイアルに入れて振とうした後に試験片を取り出し,未処理の試験片と比較して観察した. <結果および考察> マツ花粉の大きさは,球形で直径が30~50μmであり,スギ花粉と同程度の大きさであることが分かった.アパタイト粉末と二酸化チタン粉末は,いずれもマツ花粉の表面に吸着している様子が観察できたが,アパタイト粉末の方が明らかに多く吸着していた.アパタイト被覆二酸化チタンを塗布したポリエステル製のネットは,未処理のネットと比べて明らかに多くのマツ花粉を吸着していた.このことから,ポリエステル製のネットにアパタイト被覆二酸化チタンを塗布することでマツ花粉の侵入を低減できる可能性があることが分かった.なお,ポリエステルネットは蚊帳用として,不織布はマスク用として利用されているものである.
著者
泉谷 秀子 大野 庸子 島田 裕子 志水 暎子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.808-813, 1985

本研究は, 名古屋市内の民間企業の供給するマンションの管理の実態と居住者の意識を調査し, よりよい管理のあり方を確立するための基礎資料とするために調査を行い, 管理形態や業務の実態は, マンションのカ所数を単位とし, 意識については, 居住者個人を単位として集計し, 次の結果を得た.<BR>1) 管理形態は, 自主管理2割, 会社管理8割弱であり, 101戸以上の大規模では, 8割強が会社管理である.<BR>2) 実働管理希望は, 3.5割で, 年収が高くなるにつれて低くなる.<BR>3) 管理人のいるマンションは7.5割.管理費が高くなるにつれて, 管理人への不満が高くなる.<BR>4) 修繕積立金は, 8.5割がしており, 1戸あたり月額500円前後と, 1,000円前後が多い.積立金については, いまのままでよいとする者が多く, 転居希望者は積立金についての意識が低い.<BR>5) 個々のマンションの規模, 居住者の社会的属性などによって, 管理方式の最適化はさまざまであろうが, よりよい管理とは何かについての最大公約数は, まず居住者による管理組合を結成し, 維持管理について自分たちで可能な仕事と, 専門業者に委託すべき, あるいは委託したほうがよい仕事を明確にし, 業者を選定して委託し, その分担範囲によって, 適正管理費を算定することと考えられる.大修繕および将来の建替えまでも見通した計画的な資金づくりのため, 積立ての実行, またこれらの話合いを積み重ねることによって, おのずとコミュニティが醸成され, 共同生活のルールもつくられていくことであろう.<BR>しかし, 居住者レベルでは, 方向を見いだしにくい問題もあるので, 必要に応じて正確な情報が入手できるように, 行政や第三者機関など専門の相談窓口を設けることも必要である.
著者
石松 成子 石橋 源次
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.719-722, 1994

イシクラゲを調理の食材料として利用することを目的として, 川茸と比較しその特性を調べた.イシクラゲの特性として吸水性がよいことで, これは保存食料としての一つの特色とみることができる.また, 主成分は食物繊維であり, このほか各種ミネラル類やタンパク質の含有量も多く, このような食品は, 健康を志向する人々への新しい食品素材すなわち健康食品として, また医療用食品としての開発も可能である.<BR>一方, 食糧不足を救う新しい食糧として注目されている, 藍藻類のスピルリナについて, その食品素材として応用が試みられるなど, 藍藻類はこれから期待できる食品素材であると考えられる.
著者
伊東 きぬゑ
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.229-232, 1962-08-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
3

各種調理形態に於ける基本調理を施した塩魚の消化率が最低で著しく低かったところから食塩がどの様に魚肉蛋白の消化率に影響を及ぼすかを検討するために、塩分濃度0、1、2、4、8、16%の食塩で処理した魚肉(鮒)を用いて、Pepsin及びPancreatinによる人工消化試験を行った。その結果A Pepsin消化について1) 全消化時間通じて、塩魚は生魚に比して、消化率が著しく、低く其の消化順位は、生魚1、2、4、8、16%塩魚の順で16%塩魚が最低であった。2) 生魚と1%塩魚間の消化率の低下度が他の濃度別間の低下に比して、著しく大であった。3) 塩魚に於ける各濃度別間の差はほぼ同様であった。B Pancreatin消化について1) 消化率の順位は全消化時間を通じて、生魚、1、2、4、8、16%塩魚の順で、生魚が最高で、食濃塩濃度の大なもの程消化率は劣っていた。2) 可溶性窒素とアミノ態窒素の生成率に於いて、生魚に比して、塩魚は著しく劣っていた。特に生魚と1%塩魚の間の著しい差は注目すべきものがあった。其他の各濃度別の個々の差は生魚と1%塩魚の差に比しては比較的小であった。3) ペプトン態窒素の生成量は、Pepsin消化の場合と異り食塩濃度の大なもの程大であった。このことからPancreatin消化に於いては、食塩がペプトン態窒素からアミノ態窒素への分解に大きい影響を与えるという事が考えられる。これは注目すべき現象である。
著者
花田 美和子 芦澤 昌子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.250-250, 2004 (Released:2005-04-02)

目的装うこと、おしゃれをすることの心理的効果が注目されている。実際に、高齢施設において積極的に化粧を行う試みがなされ、その効果が報告されている。そこで、おしゃれが人の心に与えるよい効果について検討することを目的として、アンケート調査を行い、装いに関する意識とおしゃれが人の心理に及ぼす影響について検討した。さらに結果を年代別に見ることによって高齢者にとってのおしゃれの意味についても考察した。方法都内の大学の通信教育部に在籍する10歳代から60歳代までの女性106名を対象とし、「装い」・「おしゃれ」・「化粧」に関するアンケート調査をおこなった。結果『おしゃれが好きか』との問に対して、全体の8割が「まあまあ好き」または「とても好き」と回答した。また、「いつでもおしゃれにしていることは良いことである」の回答が全体の8割以上を占め、日常のおしゃれに関して肯定的であった。その理由については、「気持ちにハリがでる」、「心が豊かになり、気持ちが良い」、「見ていても楽しくなるので、周囲の人のため」などが挙がった。これらの結果を年齢別に見ると、『装いの目的』についてはすべての年代において「マナーとして」が最も多く、特に50歳代以上において最も割合が高かった。また、「自己満足」という回答は20歳代が最も多く、「自己表現」、「美しく見せるため」は50歳代以上が最も多かった。どの年代においても「いつでもおしゃれにしていることはよいことである」の割合が最も高く、日常のおしゃれについては年代を問わず肯定的であることが明らかになった。これらのことから、おしゃれ感には年代を超えた共通の感覚と、年代によって異なる感覚があることがわかった。
著者
中澤 弥子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.231, 2014 (Released:2014-07-10)

【目的】本研究の目的は、戦後、導入された学校給食の牛乳について、文化的・社会的な影響等を検証し、今後の学校給食における牛乳利用について検討することである。【方法】学校給食と牛乳導入の歴史については、乳業関係会社の社史、学校給食に関する史誌や統計資料、調査資料等を広く収集して調べた。学校給食と牛乳摂取に関する意識、実態については、学校給食と牛乳摂取に関するアンケート調査を、学校給食の経験者である長野市内のN短期大学学生と3小学校の保護者を対象に実施した。 【結果】危機的な食料不足と学童の深刻な栄養失調を背景に、旧日本軍の保管食料やララからの救援食料をもとに再開した学校給食では、脱脂粉乳のミルクが導入された。「学校給食法」にも、脱脂粉乳のミルクは、学校給食の基本的メニューとして奨励され、小児の栄養改善のため最も費用効果的な方法の1つと考えられ継続されてきた。昭和32年度より、国策として国産牛乳が学校給食で使用されるようになった。アンケート調査の回収率は、小学校85.4%、短期大学100%であった。米飯給食のとき、牛乳を「全く抵抗なく飲んでいる」という設問に小学生78.9%、短期大学生64.5%、「少し抵抗はあるが飲んでいる」に小学生15.8%、短期大学学生25.6%の回答が得られた。その他、牛乳飲用の時期等、今後の学校給食での牛乳利用に関する資料が得られた。
著者
Hideo MOROOKA Mariko UEMATSU
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
Journal of Home Economics of Japan (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.104-110, 1981-02-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
3

This paper aims to clarify the properties of some factors relating to Shari Hand Value of woven fabrics which is one of good feelings for summer wear in Japan.The results are obtained as follows : 1) The rustring sound of high Shari Hand Value (8-10) have special frequency response, that is, the sound pressure within 1 kHz have about 70-90 dB, among from 1 kHz to about 6 kHz do below about 50 dB and among from about 6 kHz to 10 kHz do 50-60 dB, and it is experimentally clarified that the high sound pressure within 1 kHz results chiefly from the yarn (high twisted one) and the one over 1 kHz results from the fabric's construction.2) In this experiments of the frictional property of fabric-to-fabric, the mean frictional coefficient μ and the variation of frictional coefficient μcv, could not be recognized to be closely correlated to Shari Hand Value.3) Fabrics of high Shari Hand Value (6-10) have special constructions, that is, high twisted yarn such as 13-35 turn/cm in warp and 13-27 turn/cm in weft, yarn density such as 35-60 picks/cm and 35-50 ends/cm, and the crimp ratio such as 8-16% in warp and 6-18% in weft are used.
著者
Sumiko KUYAMA Toshiko FUJII
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
Journal of Home Economics of Japan (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.195-200, 1989-03-05 (Released:2010-03-10)
参考文献数
12

小麦粉48g, ショ糖28g, ショートニング 14g, 水10gを基本組成とするいわゆるシュガースナップクッキーを調製した.この配合中のショ糖の全量を乳糖や海砂におきかえたモデル組成のドウについて, ドウの性状とそれらの焼成過程における変化との関連性について研究した.乳糖を用いたドウ (B), 海砂を用いたドウ (C) は, それらのハードネスがショ糖を用いたドウ (A) のハードネスとほぼ同一の1,200gになるように水を調節した.1) B, Cのドウをミキソグラフによって測定すると, 一定の値を示す硬粘度が測定されたが, Aのドウは, ほとんどの値が低い値にとどまった.2) 焼成中のAのドウは焼成開始3分で最大膨脹したが, ドウ表面に生じたクラックより水蒸気がさかんに抜け出し収縮した.B, Cのドウは焼成開始4.5分間まで膨脹のみを続け, 内部に空洞を作りそのまま固定化した.3) 真空処理による膨脹率はAのドウでは, 焼成開始すぐに最大値 (250%) に達し, およそ60秒間その値を持続した.B, Cのドウは, 同様に最大値を示したがその値はすぐに低下した.以上のモデル実験により, クッキードウに用いられているショ糖は高い溶解度により, まずショ糖の溶解が先行し, これによって小麦粉の水和をさまたげ, シュガースナップクッキーの焼成のさいの特徴ある膨脹と収縮に関与し, 表面のクラックを支配することが明らかとなった.これに反し, Bのドウの乳糖は溶解性が低く, Cの海砂はまったく溶解しないために, 小麦粉の水和が先行すると考えられる.
著者
Keiko SHIBATA Yasuyo YASUHARA
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
Journal of Home Economics of Japan (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.213-220, 1996-03-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
20
被引用文献数
1

凍結牛肉の解凍後の熟成が食味に及ぼす影響とその有用性を検討するため, 試料に牛胸最長筋を用いて物理・化学的測定並びに官能評価を行った.試料は解凍後, 0℃で0, 2, 5, 10日間熟成したもので, 以下のような結果が得られた.(1) 解凍後の熟成は保水性を向上させ, 調理損失を減少させ, 多汁性を向上させた.(2) 熟成により遊離アミノ酸は増加した.(3) 勇断値・圧縮値は熟成により明らかに減少した.さらに筋繊維構造の脆弱化の傾向がみられた.(4) 官能検査は解凍後の熟成によりテクスチャーや総合評価が向上する事を示した.しかし, 解凍後の熟成5日と10日に有意差は見られなかった.結果は, 調理前に解凍後の熟成を行うことは牛肉の食味を向上させ, その熟成期間は最低5日でよいことを示した.解凍後の熟成は, 遊離アミノ酸・勇断値・圧縮値にみられるように標準試料 (凍結させず, 0℃で熟成したもの) よりも熟成が速い傾向がみられた.
著者
Teruko OHCHI
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
Journal of Home Economics of Japan (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.167-175, 1983-03-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
7

スカートが歩行中に帯電のために足にまつわりつくことは不快を感ずるばかりでなく, 外観上も好ましくない.これを防止するための被服製作上の問題点を検討する目的で, 種々のスカートを製作して歩行中の帯電電位を測定し, 次の結論を得た.1) スカートの種類の影響歩行中のスカートの裾付近の表面の帯電電位は, 側面と前面が後面に比べて増え方が速く, 平衡帯電電位も高くなるが, 裾幅が狭いものや, ひだがあるものは, 裾幅が広いものや, 裾幅は狭くても歩行中に裾が割れるものよりも帯電電位の増え方が速く, 平衡帯電電位も高くなる.また, 裾回り寸法が同寸の場合, 前にひだがあるスカートは, 前面と側面において, 後にひだがあるスカー歩行時におけるスカート表面の帯電の傾向についてトよりも高くなる.2) 裏地の影響表地ポリエステルに, 裏地キュプラまたはポリエステルをつけたものは, 裏なしのものに比べて帯電電位の増え方が緩やかで, 平衡帯電電位が低い.また, ひだスカートに裏地をつける場合は, 表地と裏地とを重ね合わせて一緒にひだを折りたたむ方法が最も帯電が少ない.3) ナイロンストッキングの着用の影響ポリエステルのスカートは, ナイロンストッキング着用時には, 素足の場合に比べて帯電電位の増え方が速く, 平衡帯電電位も高くなる.4) まつわりつき状態の傾向まつわりつきが生ずる場合には, 次の傾向がある.まつわりつきは, 素足の場合には少なく, ナイロンストッキング着用時に多い。また, 前面や側面の帯電電位が高くなる種類のものは, まつわりつきが多い.裏地をつけるとまつわりつきが減少し, 裏地としては, ポリエステルよりキュプラのほうが効果的である.以上まとめると, スカートの帯電を少なくするためには, 表地と足との接触を少なくし, できるだけ摩擦を避けることが必要である, すなわち, 裾幅を広くし, ひだは後にとり, 裏地をつけたほうがよい.さらに裏地には親水性繊維を用い, ひだの部分は表地と一緒に折りたたむことがよいと考えられる.
著者
浅見 雅子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.24, no.7, pp.567-570, 1973-11-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
3

In the Heian era, all kinds of implements were called “chodo.” This paper is for showing pilologically how the meaning of implements changed in the Edo era.According to the dictionaries or the documents published in the period, we can know that the word implements involves two different kinds of the meaning in it; that is, we can call one “chodo” and the other “kizai” or “kiyo.” In the Edo era, “chodo” means the industrial art objects ornamented by gold or silver lacquer. On the other hand, “kizai” or “kiyo” means what we call functional implements.The most typical “chodo” of the Edo era is daimyo's “choddo” involving the wedding one for daimyo's daughters, which exists even now as a cultural inheritance. “Kizai” or “kiyo” as functional implements, which was made use of mainly by the common people, little exists for it was dealt with as expendable one.We can clearly distinguish between the meaning of “chodo” and that of “kizai” or “kiyo” in the Edo era. Nowadays the word “chodo” is used as a kind of pronoun given to luxurious furniture.
著者
中村 妙子 松本 敬子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.19-23, 1980-01-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
6

ラックダイはスズ化合物で媒染することにより, 鮮明な赤色に呈色するといわれているが, スズ化合物には 2価と4価のスズ化合物が存在し, また, 媒染方法にも, 先媒染, 後媒染, 同浴の3つの方法がある.そこで, どのスズ化合物を用い, どのような方法で媒染を行えば, 堅ろう度が良好で鮮明な色のラックダイ染色物が得られるか検討した.その結果, 堅ろう度が優れ, 彩度の高い色に呈色させるには, 無水塩化第1スズで先媒染すればよいことが確認された.この場合の最適使用濃度をラツクダイの染着量および無水塩化第1スズの染着量より調べると, ラックダイの染着量と無水塩化第1スズの染着量がほぼ同じ比率になるような使用濃度で染めれば最適であることが認められた.その条件を付記する.(i) 淡色無水塩化第1スズ0.5%ラックダイ 0.5 %(ii) 中色無水塩化第1スズ1%ラックダイ 1 %(iii) 濃色無水塩化第1スズ2%ラックダイ 2 %しかし, 染着量が同じ比率であればムラ染になりやすいため, ラツクダイを過剰に用いたほうが均一に染められる.天然染料はくり返し染色を行うことが多いが, この場合, 4回以上行っても染色物の色濃度 (K/S) の値はあまり変化しないことが確認された.
著者
渡辺 紀子 矢部 章彦
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.376-380, 1976-08-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
4

家庭洗濯において, 海水を洗濯用水として用いた場合の洗浄性を人工汚染布および天然汚染布を用いて検討した. 主な結果は次の通りである.1) 非イオン活性剤を用いた海水洗浄は脱イオン水と同様の洗浄効果が認められた.2) SDSを用いた場合は, 脱イオン水より, 海水洗浄の方が洗浄効果が認められた.3) Na-LASを用いた場合は, 海水を20%含む洗濯用水において脱イオン水より洗浄効果が認められたが海水の濃度が高くなると洗浄効果は低下した.4) Na-LASを含む配合洗剤を用いての海水洗濯は5°DHの水よりやや洗浄力は低下したが, 利用可能であると考えられる.
著者
宮井 ふみ 石塚 盈代
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.413-417, 1968

1. 実験範囲内において酵素濃度の対数と肉の硬度はある範囲内において直線的な関係にあり、硬度4~5を与えるロース肉程度の軟化には肉片10gについて酵素量2,500 P. U./ 10mlが適当である。<BR>2. 室温 (16~28℃) における酵素作用時間の影響は、作用時間2時間までは急激に肉軟化が増大し、作用時間3時間以降変化がみられない。実際の調理にあたっては、30分~1時間が適当と考えられる。<BR>3. 酵素作用は溶液として浸漬する方法と、乳糖を賦形剤として粉体をまぶす方法との間に差異は認め難く、実用面では粉体の使用が有利と考える。<BR>4. 可溶性蛋白、ペプタイドの生成量値は、使用酵素量増加と共に増加し、官能検査で得られた測定値と一致するため、肉軟化は肉蛋白の分解によるものと考える。<BR>5. 調味料のみによる肉の硬度は、調理至適濃度範囲においていずれも7以上で硬く、充分でない。常用食塩量ではパパインの活性低下を起さない。他の調味料も酵素の肉軟化に殆んど影響を与えない。<BR>6. 煮物、スキヤキ調理において酵素量250 P. U./10ml作用後、調味料を用いることにより、良好な風味と、硬度4.5~5.0のロース肉と変らない軟らかい肉を得ることができた。<BR>本研究は第16回日本家政学会に報告したが、その後、別所のくもの巣かびの産出する酸性プロテアーゼの肉軟化作用および旨味生成作用が、植物酵素に比較して良いとの報告を知った。調味添加剤として有害作用をもつ物質の混入の危険性ならびに使用上の簡易化などを考慮しながら、日本食における肉調理に酵素剤を広く実用化する目的で、更に私共は研究を続けている。
著者
高尾 澄江
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.188-194, 1970

調和についての判定要約は下記の如くである。<BR>1. スタンディングカラーは長頸タイプと調和する。これは第2報で報告したが、短頸でも撫肩のタイプでは、衿を全体に深くつけ、頸の露出度を多くするとこのタイプと調和する。短頸怒肩タイプでは、スタンド巾を狭くし、肩の傾斜が少ないため頸の側面でくるより、前で深くした方がより効果が出て調和し易い。頸付根大のタイブは、衿で頸の側面を覆うようにすると付根大が目立たず調和する。<BR>2. テーラードカラーなどのオープンカラーは一般にどのタイプとも調和し易いが、しかし折返りが上がり、頸に詰ると若さは表現できても、短頸、顔面大のタイプでは短頸、顔面大が目立ち不調和になり易い。又、詰った打合せの多いダブル前も前項と同じ結果となり、肥満タイプでは肥満を目立たせる。<BR>3. シャツカラー類については第2報で一部報告したが、衿高と頸肩部形態の関係は、1.のスタンディングカラーと同じである。頸付根大のタイプでは横に広がったオフネックは、付根大が目立ち衿を頸に添わせた方がタイブと調和する。<BR>4. ノーカラーの各型 (頸に詰った丸衿剖については第2報で報告ずみ) は、一般に、長頸タイプは頸に詰ったものとかボートネックラインは調和するが、痩型鎖骨の出たタイプでは、大きいスクエアネックラィンを着用すると、鎖骨がネックラインと平行して目立ち不調和であり、又、V型も深くすると不調和になり易い。反対に短頸、顔面大のタイプは、Vネックラインとか大きい衿葱は調和し易いが、頸付根大のタイプは、付根を露出したり目立たせるネックラインは不調和である。<BR>本調査にあたり多くのデザイン例による資料を用意したが、結果としては基礎的なもの及びそのバリエーションにとどめた。実物では、はっきり調和度の差が認められたものでも、写真特に白黒写真となると、調和度の差がさして認められないものもあり、又、写真のとりなおしを行なったため、比較写真の一部に髪型が変わっているものがある。今後は更に髪形とか色、年令などの関係も併せて課題として残される。
著者
大森 和子 加藤 敏子 金原 ちゑ子 藤枝 悳子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.408-414, 1972

高等学校における衣生活の指導はいかにあるべきかを考えるために, 高校生の家庭の衣生活管理について調査を行なった。家の職業や, 主婦が職業を持つか否かなどの要因が衣生活管理にどの程度影響を与えるかをみるために, 農家と, 主婦が職業を持たない非農家とに分けて, 調査結果を分析した。衣類の使いすて, 着すての傾向については, 主婦と高校生に分けて比較した。<BR>調査対象は, 高等学校生徒の家庭で, 高校は, 青森県, 栃木県, 東京都, 千葉県から1校ずつと, 愛知県から2校計6校を選んだ。各学校に質問紙を送付して, 生徒が家族と話しあって記入するよう依頼した。<BR>結果は, 農家, 非農家とも従来とくらべてクリーニング店の利用度も相当多くなってきており, 農家の方が変化が著しく, 非農家との差は少なくなってきている。<BR>新洗剤や布地などについての情報源は, 農家・非農家ともテレビによるというのが最も多く, 家庭生活におけるテレビの影響力の強さを物語っている。衣類をどこで廃品とするかということでは, 主婦と高校生を比較すると, 年齢のちがいによる生活態度のちがいがはっきりみられた。昔は破れるまで着ることの多かった肌着でさえも, 高校生は, 色があせたり, 布のはりがなくなったという状態で廃品とするものの割合がもっとも多く, スリップでは, 破れるまで着るのは高校生では23.1%程度である。上着類となると, 高校生はもちろん主婦も, 型が古くなったという原因で廃品とすることがふえている。<BR>靴下をのぞいては, 廃品とする原因のうち, 全体として多いのは, 色があせたり, 白いものは黄ばんだり, 布のはりがなくなったりしてという状態が最も多い。上着類ではそれとならんで型が古くなったという原因で廃品とするものが多くなっている。冬ものについては虫害やしみによって廃品とするという者も20%程度はあり, 衣類保管がゆきとどかない状態もあらわしている。<BR>また, 着られる衣類で不用品としたものの処理は非農家は親類や知人にあげるが多く, 仕立直して他の家族が用いたり, 他の物につくりかえるなどや, しまっておくがこれに次ぎ, 農家ではしまっておく, つくりかえるなどの更生による利用が, 親類・知人にあげるのと同程度で, 衣生活の面でも, 農家の方が手をかけることが多く, 非農家では手をかけることが農家より少なく, くずやに出すなどが多くなっている。人間の労力に関しての考え方の変化をあらわしているとみられる。不用品交換会に出す, 社会施設に寄付する, 災害地の見舞として出すなどがほとんどない。このようなことは, 市町村などによる公共的な対策がのぞまれるのである。<BR>以上のような高校生の家庭の衣生活管理の実状からみて, 衣生活指導では, 消費者教育との関連を考え, 次のようなことに注意すべきである。<BR>衣類の手入れ, 保管などは合理的に行ない, その使用価値を十分に利用すること, すなわち衣類をたいせつにすることの必要を認識させる。<BR>衣類の購入, 手入れの方法, 衣類をどの程度で不用とするかの決定などについては, それぞれの家庭の状況を考え, 適切な判断をして, 選択し, 決定しなければならないので, 自主的に適切な選択をすることのできる能力を養うことが必要である。<BR>廃品の処理方法などについては, 社会的な関心を養うことが必要である。