著者
網中 昭世
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
アフリカレポート (ISSN:09115552)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.56-66, 2016-04-27 (Released:2020-03-12)
参考文献数
23

モザンビーク社会は2000年代を通じて高いマクロ経済成長率を記録する一方で、2008年、2010年、2012年には経済的困窮に対する都市部住民の不満が暴動という形で表出した。モザンビーク人の雇用が促進されず、貧困率の悪化を伴うような経済成長は「雇用なき成長」と非難されてきた。近年の暴動の主体は、経済成長を実感できぬ貧困層であった。彼らは野党の支持者となりうるだけに、FRELIMO政権は、貧困層に対して、いかに雇用を提供するかという課題を抱えている。本稿では、FRELIMO政権による雇用政策について次の3つの観点から考察を加える。第1に、近年の経済成長をもたらすことになった経済政策を振り返る。第2に、経済成長にも関わらず、雇用を通じた貧困状況の改善がなされない要因を探るため、経済活動人口の教育水準を確認し、低就学歴者層を対象とした政府の雇用政策に焦点をあてる。第3に、低就学歴者に対する雇用政策の実績と意義について検討する。

1 0 0 0 OA 三重県史料

著者
小野茂吉 編
出版者
三重県史料保存会
巻号頁・発行日
vol.中古第5,6巻, 1907
著者
SOS-KANTO Committee
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.1157-1162, 2005 (Released:2005-09-25)
参考文献数
30
被引用文献数
31 31

Background Although there is a close connection between emergency medical services (EMS) system and the outcome of out-of-hospital ventricular fibrillation (VF), few data are available regarding the situation in Japan. Methods and Results A prospective multicenter study of out-of-hospital cardiac arrest was conducted according to the Utstein guidelines. A total of 4,383 patients who were given cardiopulmonary resuscitation (CPR) by EMS personnel for out-of-hospital cardiac arrest were enrolled. The proportion of VF or pulseless ventricular tachycardia (VT) as the first cardiac rhythm after cardiac arrest was 16.2% with a mean call-to-initial-recorded-electrocardiogram (ECG) interval of 11.1 min. In a subgroup of patients with witnessed collapse, the predicted incidence of VF or pulseless VT was 62.7% at the time of cardiac arrest, and the decline accelerated with every minute that the collapse-to-initial ECG interval was delayed. Multivariate analysis showed that the odds ratio for VF or pulseless VT after collapse-to-initial ECG interval was 0.91 (95% confidence interval (CI), 0.89-0.94, p<0.001), and 1.54 (95%CI, 1.24-1.97, p<0.001) after bystander CPR. Conclusions In Japan, VF occurred in 63% of cases at the time of cardiac arrest and the performance of bystander CPR appeared to prolong VF. (Circ J 2005; 69: 1157 - 1162)

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1911年02月09日, 1911-02-09
著者
花田 文男 ハナダ フミオ Fumio HANADA
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.17-38, 2004-12-31

殺害者がいると死体は血を流す,血を流して殺害者を告発することは中世人にとってはあり得べきことであった。古くから受け継がれた伝承,信仰であると同時に事実の認識であった。中世の歴史家はたびたびその事実を報告している。おそらく死者にも意思が存在するという信仰の名残りであろう。とりわけ非業の死をとげた者ほど強い意思,うらみが残った。このモチーフを文芸作品の中ではじめて用いたのは12世紀後半のクレチアン・ド・トロワである。『イヴァン(獅子の騎士)』では,イヴァンは致命傷を負わせた騎士を追ってかえって城の中に閉じこめられる。魔法の指輪によって姿の見えなくなったイヴァンの前を騎士の遺体が通ると,遺体から血が噴き出す。遺体から血が流れているのに,犯人が見当らないことに周囲の者は不思議に思う。作者がどこからこの想を得たかは不明にしても,殺害者が自ら殺した者の葬列の場に居合わせざるをえないという状況がこのモチーフを用いさせた動機となったのではなかろうか。彼の追随者たちは好んでこの主題を取り上げるが,師ほどの成功を収めることはなかったようだ。
著者
藤田 尚
出版者
日本比較法研究所
雑誌
比較法雑誌 (ISSN:00104116)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.97-122, 2018-03-30

本稿は,従来から福祉の分野で用いられている「社会的養護」の定義に疑問を呈し,諸外国の定義と比較して,「社会的養護」には,児童だけでなく,高齢者,障害者,ホームレス等まで含まれるとの新たな解釈を示したものである。そして,その解釈に基づき,近年,様々な政策が打ち出されている司法と福祉の連携を再犯防止の観点のみではなく,「犯罪予防」の観点から,まずは,児童虐待と少年非行の関係及びこれから問題になるであろう介護犯罪に焦点を当て,アメリカの現状を参考に,司法と福祉の立役者であるソーシャルワーカーのアウトリーチを活用した早期介入やソーシャルワーカー同士の情報ネットワークの構築を提言している論文である。
著者
鳥越 皓之
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.87, pp.35-51, 2001-03-30

民俗学において,「常民」という概念は,この学問のキー概念であるにもかかわらず,その概念自体が揺れ動くという奇妙な性格を備えた概念である。しかしながら考え直せば,逆にキー概念であるからこそ,民俗学の動向に合わせてこの概念が変わりつづけてきたのだと解釈できるのかもしれない。もしそうならば,このキー概念の変遷を検討することによって,民俗学の特質と将来のあり方について理解できるよいヒントが得られるかもしれない。そのような関心のもとに,本稿において,次の二つの課題を対象とする。一つが「常民」についての学説史的検討であり,もう一つが学説史をふまえてどのような創造的な常民概念があり得るのかという点である。後者の課題は私自身の小さな試みに過ぎないためにそれ自体は一つの主張以上の評価をもつものではない。だが,機会あるごとにこのような方法論レベルの試みを行うことが,民俗学の可能性を広げるものであると信じている。前者の学説史においては,柳田国男の常民の使用例は三つの段階に区切れること,また,神島二郎,竹田聴洲の常民についての卓越した見解の位置づけを本稿でおこなっている。後者の課題については,学説史をふまえて「自然人としての常民」とはなにかという点を検討している。そして常民概念は,集合主体レベル,文化レベルでのみとらえるのではなくて,個別の生存主体としてのワレからはじまり,それが私的世界を越えて公的世界に開かれたときにはじめて集合主体や文化主体として現象すると理解した方がよいのではないかと提案している。つまり民俗学は,一個一個の人間の個別な生存主体を大切にしてきたし,今後もそれを大切なものとみなしていくことが民俗学の方法論的特性だから,常民概念の基本にそれを設定すべきだと指摘しているのである。

1 0 0 0 OA SDS-PAGE

著者
井上 名津子 菓子野 康浩
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.359-371, 2009-03-31

調製した生体試料のタンパク質組成を解析する際などに,最初に行われる最も基礎的な実験のひとつがSDS-PAGEであろう.近年のプロテオミクス解析に於いて広く用いられる等電点二次元電気泳動でも,二次元目にはSDS-PAGEが行われるのが一般的である.比較的容易に行うことができるSDS-PAGEであるが,手元の生体試料に含まれているタンパク質群の中にある重要なタンパク質を見落とさないために留意しておくと良いことがある.本稿では,4種類のSDS-PAGE系を比較しながら,それぞれの実験方法を簡単に記述する.
著者
全国解放教育研究会 編
出版者
明治図書出版
巻号頁・発行日
vol.第10巻 (部落解放運動と教育の発展 2), 1980