著者
菱刈 晃夫
出版者
教育思想史学会
雑誌
近代教育フォーラム (ISSN:09196560)
巻号頁・発行日
no.12, pp.73-81, 2003-09-27

相馬伸一氏の「17世紀の教育思想-その再解釈のためのいくつかのアプローチ」という刺激的な論文から、とくに実質内容の中心と捉えられるコメニウスの「類似(アナロジー)」に着目し、その思想史的背景-地下水脈-の一端を、先行する時代・ルネサンスの自然観や「医学のルター」と当時よばれたパラケルススのなかに浮き彫りにしようとするラフな試論。結果、近代教育思想が再び活力源を汲み取るべき「大地」が示唆される。最後に、派生的に、教育思想史研究のあり方についても、簡単に言及した。
著者
樋口 聡
出版者
教育思想史学会
雑誌
近代教育フォーラム (ISSN:09196560)
巻号頁・発行日
no.21, pp.81-89, 2012-10-13

「美と教育」再論を見据えて、シュタイナーのシラー論を考察の対象とし、特にシュタイナーの『自由の哲学』における議論を、今日の教育や人間に関する通念的理解を異化する契機と見なすことを試みた西村拓生氏のフォーラム報告論文において、西村氏自身がその試みを「あえて」シュタイナーについて語ると規定していることが、本コメント論文では着目された。なぜ「あえて」なのか。シュタイナーをめぐるいくつかの文献とともに、筆者自身が経験したシュタイナー論との関わりも振り返えられ、シュタイナーを近代教育思想研究の中にこれまでの躊躇を越えて取り込む可能性が示唆された(「あえて」と言う必要は、もはやないだろう)。西村氏が異化の契機としてシュタイナーを捉えることもさることながら、むしろシュタイナー学校での教育実践を多角的に考察する中でシュタイナーの生き方や思想が参照され研究されることに、これからのシュタイナー教育思想研究のひとまずの方向性があるのではないかという見方が提示された。
著者
梅林 郁子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
お茶の水音楽論集 (ISSN:1344672X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.74-91, 2004-04

本研究は、ルドルフ・シュタイナーRudolf Steiner(1861〔クラリエヴェック〕-1925〔ドルナッハ〕)独自の音楽理論のうち、特に長・短調、及び音程における考察を目的とする。
著者
藤本 滋生
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.17-28, 1984-03-15

明治6-7年(1873-1874)に国立博物館から「葛粉一覧」および「澱粉一覧」(上, 下)が刊行された.これはわが国に産する澱粉性植物のうち, 地下に澱粉を貯える草本類45種を図解したものである.採録されている植物は, (a)昔から澱粉がとられてきた野生の植物, (b)栽培されている芋類, (c)救荒植物, (d)薬用植物, などから選ばれたものである.しかし実際には, 澱粉をまったく含んでいない植物が12種も混在している.本論文は, これら45種の植物につき, 現在の名称, 起源, 利用の方法, 澱粉の有無などについて述べたものである.
著者
城戸 佐登子 林谷 秀樹 岩崎 浩司 OKATANI Alexandre Tomomitsu 金子 賢一 小川 益男
出版者
The Japan Society of Veterinary Epidemiology
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.77-87, 2001
被引用文献数
1

1995年2月~1995年6月の5ヶ月間に, 関東地方1都6県の51動物病院で, ならびに1997年10月~1998年3月の6ケ月間に, 関西, 中国地方を中心にする1都2府10県の25動物病院で, カルテから選んだ15歳以上の犬および猫 (以下, 長寿犬または長寿猫とする) と, 1994年4月~1995年3月の1年間ならびに1997年12月~1998年10月の11ケ月間に, それぞれ上記の51と25動物病院に来院し, 5~9歳で死亡した犬および猫 (以下, 対照犬または対照猫) について, 性, 年齢などの宿主要因や食事や散歩などの飼育状況などについてアンケート調査を行い, 各項目についてオッズ比を算出し, 長寿に関連する要因の抽出を試み, 以下の成績を得た。<BR>1) 長寿群と対照群との間で, 犬では, 品種, 避妊の有無, 飼育の目的, 飼育場所, 散歩の頻度, 同居動物, 食事内容, 牛乳の給与および間食の項目で, 猫では, 性別, 避妊の有無, 飼育の目的, 飼育場所, 同居動物, 食事内容, 牛乳の給与および間食の項目で, 両群問に有意差が認められた。<BR>2) 各項目ごとに長寿に関与するオッズ比を算出すると, 犬では「雑種」, 「毎年予防接種をした」, 「毎日散歩をした」, 「同居動物がいた」, 「食事として手作り調理を与えた」および「牛乳を与えた」のオッズ比がそれぞれ3.36, 2.40, 3.21, 2.44, 2.46および3.75で有意に高く, 「室外で飼っていた」が0.25で有意に低かった。猫では「雌」, 「同居動物がいた」, 「食事として手作り調理を与えた」および「牛乳を与えた」のオッズ比がそれぞれ5.16, 2.32, 2.34および2.00で有意に高く, 「室内外で自由に飼っていた」が0.41で有意に低かった。<BR>3) 以上の結果より, 長寿に関与する項目として抽出されたものは, 犬猫ともに飼育者が飼育動物に対して行っている適切な健康管理や飼育管理の項目がほとんどであり, 長寿な動物は飼育者から飼育や健康管理に手をかけられたものであることが明らかとなった。得られた成績は, 今後のコンパニオンアニマルの飼育や健康管理を考える上で貴重な基礎知見になるものと考えられる。
著者
倪 志敏
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷大学経済学論集 (ISSN:09183418)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.35-58, 2003-03-15
著者
倪 志敏
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷大学経済学論集 (ISSN:09183418)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.35-66, 2005-12-15