著者
市橋 康佑 上田 雄也 松野 凌馬 中村 瑠美 神崎 至幸 林 申也 橋本 慎吾 丸山 孝樹 酒井 良忠
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0014, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】近年,人工足関節全置換術(TAA)は,重度な変形性足関節症や関節リウマチにより高度に破壊された足関節に対する治療法として,選択施行されている。TAAの長期予後として,優れた除痛効果と関節可動域(ROM)の温存ならび改善に優れると報告されている。しかし,TAA術前から術後早期に身体機能変化について検討したものは見当たらない。また,術後の最大歩行速度(MWS)の低下は,手段的日常生活動作の低下や転倒のリスク因子であると報告されている。しかし,TAA術後のMWSに関連する因子についての報告はない。そこで,本研究の目的は,TAA術前と術後3ヶ月の身体機能の変化を比較検討するとともに,術後のMWSに関連する因子について検討することとした。【方法】対象は,2014年4月~2015年7月の期間に当院整形外科にて,TAAを施行された13名13足(男性3名,女性10名,年齢75.6±6.0歳)とした。13足のうち,変形性足関節症が12足,関節リウマチが1足であった。測定項目として,以下の項目を術前と術後3ヶ月で測定した。(1)他動ROM:足関節背屈および底屈のROMを測定した。(2)疼痛:歩行時の足関節の痛みについてVisual analog scale(以下VAS)を用いて数値化した。(3)歩行速度:10m歩行路の歩行時間を測定し,MWS(m/分)を算出した。統計解析として,術前と術後3ヶ月の各測定項目についてPaired t-testを用いて比較した。また術後3ヶ月において,MWSと背屈ROM,底屈ROM,VASの関連についてPearsonの相関分析を用いて検討した。すべての統計解析にはJMPver11.0を用い,有意水準は5%とした。【結果】背屈ROMは術前3.5±4.3°から術後7.3±3.9と有意に改善したが,底屈ROMは31.5±8.3から30.7±10.0°と有意な変化を示さなかった。また,VASは69.8±18.6から37.0.±20.7,MWSは54.4±20.0m/分から69.6±18.4m/分と有意な改善を認めた。術後3ヶ月において,MWSと背屈ROM(r=0.71),底屈ROM(r=0.56),VAS(r=0.56)とそれぞれ有意な相関関係が認められた。【結論】TAA術後3ヶ月では,術前に比べ背屈ROM,歩行時のVAS,MWSに有意な改善を認めた。術後3ヶ月におけるMWSに関連する因子として,背屈ROM,底屈ROM,VASに関連があることが示唆された。
著者
棚橋 佳子 褚 冲 澤谷 弾
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第17回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.49-53, 2020 (Released:2020-06-19)

本研究では、基本特許数、成功率、グローバル率、影響度の4つの指標に基づいて、9年間にわたり世界のトップ100機関を毎年特定しているDerwent Top 100 Global Innovatorの各年の結果をまとめ、2014年―2020年の7年の経年変化を調査した。Top 100に入るには、出願者全体の中で、4つの指標がどの指標においてもバランスよく良い位置を占めることが要求される。9年間のTop100の総合点は上昇続け、特許数とグローバル性で抜きんでていた大企業も、出願すべき特許を厳選し、影響力を与える特許を出すこと、特許のエコシステムを牽引することが要求されるつつある。9年間における100社選出は日米の企業が拮抗する中、2国で70%を占めてきた。しかしながら、出願者数や特許数そのものが増加し続ける中、4つの指標の重みが変わってきた。トップの情勢が変わりつつあることを2020年のレポートで考察する。
著者
大田原 菜々 稲子 明里 塚原 裕史 小林 一郎
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.722-736, 2020-06-15 (Released:2020-06-15)
参考文献数
26
被引用文献数
1

近年,車の自動運転の実用化に向けた活動が急速に進展している.今後,自動運転車の操作を容易に行うために,自然言語による対話的な操作を可能にすることが必要であると考えられる.そこで,本研究では,自然言語で表現される駐車指示から空間的意味内容を抽出し,その空間的意味内容と,車に備え付けられたセンサーによって認識される実世界を対応付け(グラウンディング)ることで,駐車指示内容に含まれる行動や物体などを表す言葉と,実世界上での行動や物体を結びつける手法を提案する.本研究では,駐車指示から空間意味内容を抽出する手法と,得られた空間意味内容と環境表現の対応付けを行う手法の2つを考えている.空間意味内容の抽出には,制約を組み込んだ特別な組み合わせ範疇文法(CCG)により与えられる構文木を中間情報として用いている.この際,未知語が現れた場合はCRFにより推定を行う.また,得られた構文木をリランキングすることで,精度を改善している.この構文木を,特定の変換規則によりSpatial Description Clause(SDC)と呼ばれる木構造による階層的空間意味記述に変換する.我々はKollarらにより提案されたSDCを拡張し,新たなタイプを追加している.グラウンディングを行う手法では,グラウンディンググラフと言う確率的グラフィカルモデルを生成し,グラフ全体の確率を計算することにより,それぞれの言語に対応したグラウンディングを出力している.構文解析が成功した文に対するグラウンディングの精度は全体で79.2%となった.
著者
家森 俊彦 MORI James Jiro 大志方 直人 神田 径
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

下層大気の気圧変動が重力音波モートで上空に伝搬し、電離層高度で反射され発生する約3分-4分周期の共鳴振動の存在が推測されている。当研究では、日食時の総合的観測から、重力音波共鳴の特性とそれが電離層や固体地球におよぼす効果を定量的に解明することを目的とした。微気圧観測システムをトカラ列島(諏訪瀬島、中之島)、桜島、および屋久島の京都大学防災研究所の関係施設4ケ所、沖縄・琉球大学瀬底実験所、および奄美大島北高等学校、上海近郊2ケ所の計8ケ所に皆既日食前に設置、観測を開始した。諏訪瀬島、中之島、および沖縄にはフラックスゲート磁力計、諏訪瀬島および中之島にはGPS受信機も設置した。また、沖縄および阿蘇火山研究センターにはHFドップラー観測用アンテナおよび受信装置を設置した。上海近郊で得られた微気圧観測データおよびHF-Doppler観測データには、明瞭な音波共鳴周期に対応するスヘクトルビークが検出された。また、上海近郊の地磁気観測所で得られた磁場観測データにも音波共鳴に対応する周期にピークが見られた。ただし、地上の微気圧データに見られたピークは基本共鳴周期(fundamental made=約265秒)であるのに対し、電離層高度の震動を見ていると考えられるHF-Doppler観測データや地磁気観測データには、第一高調波(first overtone=約225秒)にピークが現れた。これは、微気圧震動が、電離層高度での電磁気的震動と比較して、局在化しているためか、あるいは振幅の高度変化と電離周電気伝導度の高度変化との位置関係によるものではないかと推測される。トカラ諸島や沖縄、屋久島等で行った観測では、上記共鳴周期付近にスヘクトルピークが現れる傾向が見られたが、必ずしも明瞭ではなかった。また、広帯域地震計のデータには、皆既口食に対応すると考えられる振動は検出できなかった。
著者
松本 由記子 若桑 基博 行弘 文子 蟻川 謙太郎 野田 博明
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.111-118, 2014-05-25 (Released:2014-11-15)
参考文献数
19
被引用文献数
4 11

イネ害虫トビイロウンカの光応答とそれに関連する分子に関する基礎的な知見を得るために,フォトン数を合わせられるLEDを用いての誘引実験,オプシン遺伝子同定および複眼の構造解析を行った.暗箱内での粘着板を用いた実験では,一方向からの光照射の場合は365–735 nmの広い波長範囲でトビイロウンカの誘引が見られた.また,両方向から等フォトンの光を照射した場合,選好性は 365 nm=385 nm>470 nm=525 nm>白色LED=590 nm>660 nm>735 nm>850 nm の順に有意に高かった.トビイロウンカ複眼の分光感度は520 nmに高いピークと360 nm にそれより低いピークが見られ,660 nm以上の長波長に対しての光受容感度は非常に低かった.トビイロウンカの光受容遺伝子は,長波長オプシン1種とUVオプシン遺伝子2種が見つかった.長波長オプシンは複眼の全体と単眼で,UVオプシン1は触角周縁部の下側で,UVオプシン2は複眼の全体で発現していた.ウンカ複眼の個眼は少なくとも8個の視細胞からなっていた.
出版者
鶴声社
巻号頁・発行日
vol.(第4集) 10編-12編, 1886
著者
田尻 智紀 高田 洋吾 川合 忠雄
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.175-180, 2013-05-01 (Released:2014-12-03)
参考文献数
9

本論文では,車輪型移動機構を持つロボットが移動できるような出発地点から目的地点までを結ぶ移動経路の作成を試みた。車輪型機構を持つ農作業用ロボットは,その機構的な要因から段差に進入することができない。そこで,地面の勾配を考慮した経路作成を行った。Q 学習は経路作成によく利用される手法のひとつである。Q 学習を用いて,ロボットに勾配の小さい最適な経路を学習させる。実際のロボットを用いて,段差やスロープのある実環境下で実験を行い,本手法の有効性を調べた。実験結果から,本手法の有効性が確認できた。
著者
神本 秀爾
出版者
大阪物療大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

スキン・ブリーチングは肌のメラニン色素の量を減らすことで肌を明るくするために、化学薬品を用いる行為である。カリブ海地域、アフリカ大陸、北米大陸等の旧植民地や奴隷制度のあった各地に多くの実践者がいる。本研究では、ジャマイカの現代の黒人性という観点からスキン・ブリーチングを理解することを試みた。本研究では、旧来のスキン・ブリーチングがヨーロッパ中心主義的思考にもとづいた、「標準化」を志向するものである一方、現在広がりつつあるスキン・ブリーチングは、グローバリゼーションの進展にともなう、個人主義や消費主義に方向付けられた、「個性化」を志向するものであることを明らかにした。
著者
廣川 洋一
出版者
岩波書店
雑誌
思想 (ISSN:03862755)
巻号頁・発行日
no.1034, pp.195-225, 2010-06
著者
廣川 洋一
出版者
岩波書店
雑誌
思想 (ISSN:03862755)
巻号頁・発行日
no.1032, pp.7-33, 2010-04