著者
澤田 秀夫
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第56回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.65, 2007 (Released:2007-07-18)

矢の飛翔に直接関与する空力特性を知るため、JAXA 60cm磁力支持天秤装置を用いて、直径10mm長さ750mmと極めて細長く、頭部のみが異なる2種類の軸対称物体の抗力、揚力、ピッチングモーメントを、風速7m/sから40m/sまでの範囲で測定した。その結果、円錐頭部を持つ極長物体では境界層遷移に伴う抵抗係数の急増、総流翼型に観られる低抵抗状態も観測できた。また、鈍頭円柱の場合には直径を基準長にしたレイノルズ数で5000から25000までの抗力係数は単調な依存性を示すことが確認された。計測データの合理性から、磁力支持天秤装置を用いることで、矢の様な極めて細長い物体の空力測定が可能であることが判った。
著者
藤野 健
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.23, pp.117, 2007

【はじめに】立位を安定的に取り得る哺乳類が知られるが、殆どは極く短時間を除き自発的な歩行はしない。ヒトの祖先が如何に二足歩行を開始したのか、どの様なlocomotor habitat 或いはpositional behavior がその前適応として必要だったのかを考察する場では、この様な「立つ」と「歩く」の違いは何か、そしてこの違いをもたらす形態・機能的要因は何かを解明する事は有意義と考えられるが、この視点での研究は進んでいない。今回、シロテテナガザル及びレッサーパンダの動作をビデオ撮影し、骨格形状と併せ、ヒトの二足歩行能獲得に関するブラキエーション仮説を再検討したので報告する。<br>【材料と方法】高知県下の或る動物園にて2種をハイビジョン撮影し、レッサーの立位及び懸垂動作についてはTV放映された映像を参考にした。また2種の全身骨格像を参考にした。<br>【結果】テナガザルは活発なブラキエーション(腕渡り)の合間、時々地面に降り立って二足歩行を行う。ロープ渡りでは、姿勢を立てて前肢を交互に進めて上のロープをたぐり、後肢で二足歩行をして下のロープを渡る。一方レッサーは滑らかな動作で木登りを頻繁に行い、自発的に立位を取るが歩かない。懸垂(静的ぶら下がり)も行い、前肢の伸展度は高いが腕渡りは観察されない。<br>【考察】2つの動物の樹上並びに平坦地での動作性状の比較から、腕渡りvs.懸垂姿勢、二足歩行vs. 静止立位なる対位的、動静の組み合わせで1つの理解が可能である。この対比概念と骨格像の比較から、ヒト型 bipedalism がそもそも「前肢の歩行」であるまさに腕渡りに同期しての「下半身」の運動様式に由来することが強く示唆され、腕渡りに伴う胸郭並びに骨盤の、他に類例のない、体長軸周囲に関する左右交互の回転運動、並びに胸郭と骨盤の横幅の拡大こそがヒト型「歩く」の前適応条件であると考えた。

1 0 0 0 OA 市中取締類集

出版者
巻号頁・発行日
vol.[85] 書物錦絵之部,

1 0 0 0 OA 御仕置例類集

出版者
巻号頁・発行日
vol.[27] 〔第三輯〕 十五 中 盗物怪敷品取扱候部 盗物并不正之品と不存買取又者売払遣し候類,
著者
渡辺 千晶 浅本 紀子 桑名 杏奈
雑誌
研究報告アクセシビリティ(AAC) (ISSN:24322431)
巻号頁・発行日
vol.2017-AAC-3, no.15, pp.1-5, 2017-03-03

現在,日本には 393 万 7 千人もの多くの身体障害者がいる.しかし求職中の身体障害者数と実際の被雇用者数には不釣り合いが生じている.身体障害者の就労をもっと増やすためには,彼らの享受する教育をより良いものにすることが必要である.身体障害者の学習には,障害の特性に応じた機能を使用できる教材があれば良いと考える.本研究ではオンライン学習は身体障害者の中でも視覚障害者に対して特に有効であると考え,視覚障害者の学習を保障するアプリケーションを作成したいと考えた.そこで視覚障害者のスクリーンリーダーを利用した数式のオンライン学習を支援するため,数式の TeX コードをコンテンツ形式 MathML に変換するアプリケーションを考案した.

1 0 0 0 OA [源氏物語]

著者
[紫式部] [著]
巻号頁・発行日
vol.[27], 1600
著者
Hiroto Takenaka Mitsuhiro Kamiya Junya Suzuki Kasuri Nishihama Atsuki Ito Kunihiro Furuta Keita Yokochi Shuntaro Hanamura Hirokatsu Hanamura
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
The Journal of Physical Fitness and Sports Medicine (ISSN:21868131)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.349-354, 2017-09-25 (Released:2017-09-29)
参考文献数
16

The purpose of this study was to compare the lumbar lordotic angle (LL) and pelvic tilt angle (PT) in the simple modified Thomas test (SMTT) position with LL and PT in the Thomas test (TT) position. Participants (n = 20) were between the ages of 23 and 39 and had no history of trauma. LL and PT were measured by X-ray radiographs under three conditions: the SMTT position, TT position, and supine position. At the same time, the distance between the examination table and the popliteal fossa was measured with a ruler. These measurements were compared by one-way analysis of variance. LL (14.6 ± 6.7 degrees [°]) in the SMTT position was significantly lower than in the TT position (18.6 ± 6.6 °) (p < 0.01). PT (33.5 ± 7.6 °) in the SMTT position was significantly higher than in the TT position (31.3 ± 6.9 °) (p < 0.05). The distance between the examination table and the popliteal fossa in the SMTT position (100 ± 37.7 mm) was significantly higher than in the TT position (73.5 ± 27.4 mm) (p < 0.01). These results suggest that LL and PT in the SMTT position are easier to assess than those in the TT position.
著者
岡田 詩門
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.74, pp.11-18, 1989-08-05 (Released:2017-07-25)

商品企画書は,商品の全てを記述する為のものであり,共同主観性に基づくストーリー性が必要である。その為にストーリー性がわかると言う人間の認知プロセスをモデル化すると,視座と時間性が重要であると言う仮設が成り立つ。この仮設を検証する為に,新規開発する情報機器を対象に,ストーリー性ある商品企画書を作成し,商品化した。その結果,取扱説明書を商品開発の開発初期の段階で作成することが,<わかりやすい>商品の実現にとって必要であることが検証できた。つまり開発初期の段階で取扱説明書を作成することによって<わかりやすい>操作手順と画面表示が可能になり,企画者と使用者は,共同主観的インターフェイスに基づく対話を獲得する。
著者
飯塚 恵理人
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.44-52, 2007-07-10 (Released:2017-08-01)

能は「幽玄の風体」で「言葉優しき」ことを最上とし、恐ろしいはずの「修羅道」や「地獄」を恐ろしい感じを持たせないよう工夫した。例えば、「地獄」の記述では肉体的な苦痛の表現を最小限に留めた。また、修羅道は仏教では修羅王の眷属として帝釈天と戦う場所だが、現世での敵同士が戦い続ける場所として描いた。このような「来世」観は仏教書の説くところとは異なるが、「劇」の「方法」として、能に共通する「来世」の描き方となった。