著者
有馬 豪 小林 尚美 内海 俊明 松永 佳世子
出版者
The Japanese Skin Cancer Society
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.68-74, 2014
被引用文献数
4

近年,手術困難な悪性腫瘍に対する患者のquality of life(QOL)向上という緩和治療目的でMohsの変法が施行されている。しかし,Mohsの変法のデメリットとしてpasteによる疼痛と,正常皮膚へ付着すると潰瘍を形成することがあげられる。2010年より我々はMohs pasteの塗布時間を1時間以内に短縮し,乳癌皮膚浸潤の2症例に対しMohsの変法を施行した。2症例ともに疼痛に耐えることができ患者のQOLを改善できた。また,2012年より亜鉛華デンプン外用療法を乳癌皮膚浸潤の3症例に施行した。3症例ともに疼痛がなく,正常皮膚にも障害を起こすことなく患者のQOLを改善できた。Mohsの変法だけでなく,亜鉛華デンプン外用療法も患者のQOL改善に寄与しうると考えた。
著者
Hee Tae Yu Tae-Hoon Kim Jae-Sun Uhm Jong-Youn Kim Hui-Nam Pak Moon-Hyoung Lee Boyoung Joung
出版者
日本循環器学会
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
pp.CJ-16-0917, (Released:2016-12-08)
参考文献数
33
被引用文献数
1 26

Background:Hematuria is a common and important complication in atrial fibrillation (AF) patients on oral anticoagulation therapy (OAT). This study evaluated the clinical significance of hematuria and its relationship with genitourinary disease in AF patients receiving OAT.Methods and Results:Among 20,456 consecutive AF patients who visited a tertiary hospital from January 2005 to April 2015, 5,833 had hematuria. Of these 5,833 patients, 3,798 were on OAT (OAT(+) group) and 2,035 were not (OAT(–) group). A total of 1,785 patients from each group were then matched on propensity score analysis. The prevalence of cancer and other diseases in the genitourinary tract was evaluated. While there was no difference in the prevalence of genitourinary stones or urinary tract infection, genitourinary cancer was significantly more common in the OAT(+) group than in the OAT(–) group (1.6% vs. 0.7%, P=0.011). Bladder cancer was the most common genitourinary malignancy, and it was significantly more common in the OAT(+) group (1.2% vs. 0.5%, P=0.019). Subjects on warfarin were more likely to have bladder cancers of lower pathologic grade (63.6% vs. 33.3%, P=0.124).Conclusions:OAT was associated with a higher prevalence and early detection of genitourinary cancer in AF patients with hematuria. Meticulous evaluation of the cause of hematuria is necessary in AF patients with hematuria receiving OAT.
著者
須田 知樹 森田 淳一
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.231-241, 2014 (Released:2015-01-30)
参考文献数
27

本研究は,アカネズミ(Apodemus speciosus),ヒメネズミ(Apodemus argenteus),ハタネズミ(Microtus montebelli)の3種が混在する環境下において,正準判別分析を用いた足跡法による種の識別可否を検討した.捕獲した野生個体を飼育して得た足跡では,アカネズミは前足,後足どちらの足跡を用いても95%前後の識別精度が得られ,ハタネズミにおいては前足では85%,後足では90%以上の識別精度が得られた.しかし,ヒメネズミにおいては前足では20%,後足を用いても60%程度の識別精度しか得られず,前足では65%弱,後足では40%弱がハタネズミに誤判別された.さらに,2009年に栃木県奥日光地域において,アカネズミ,ヒメネズミ,ハタネズミの3種に関して,足跡法により得た足跡をこの正準判別分析を用いて種を識別して算出した足跡数と,捕獲法により得た結果を比較したところ,足跡法と捕獲法の結果の間にハタネズミにおいては有意な相関関係が見られたが,アカネズミとヒメネズミにおいては,有意な相関関係は見られなかった.足跡法は直接的に密度指標に用いることはできないが,費用対効果を考えれば,価値ある手法と言えるだろう.
著者
氷上 克之
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
日本鑛業會誌 (ISSN:03694194)
巻号頁・発行日
vol.58, no.687, pp.458-459, 1942-07-22 (Released:2011-07-13)

墨洋丸沈没後直ちに北米合衆國の保險業者は各荷主に對して保險金を仕拂ひたる處なれども、一方當保險業者は引續き日本郵船會社を相手取り北米合衆國の法廷に損害賠償の訴訟を提出せり。即ち自然發火の危險性ある銅精鑛と共に棉花其の他の貨物を積載し、銅精鑛の自然發熟の爲本船を沈没に至らしめ、從つて他の貨物をも損失せしめたるは、船會社其の責を負ふべきなりとの理由に基くものなり。其の要求する賠償金額は邦貨にして約110萬圓にして、國家非常の時に際し外貨にてかゝる多額の金を仕拂ふことは實に大なる損失なるを深く憂ひ、郵船本社の外、關係者に於て有利に導かんと苦心努力したれども、當初に於ては殆ど勝算なく深く焦慮したる處なり。然るに時偶々、筆者等の銅精鑛の發熱性及び其の防止法の研究もやうやく進捗したるを以て、其の研究報告と本文に示す墨洋丸沈没原因に關する考察を、參考として、北米合衆國法廷に提出したる處、状態は急に我に有利に好轉し、遂に多額の外貨の流失なく、無事決着を見たるは誠に欣快の至りなり。即ち本文に示す如く、墨洋丸乗組員の當時取りたる應急處置(漲水)は麻袋等の有機物が燻り居たるを消火せんとして行ひたるものにて保險法規上何等の手落なく、然るに結果より見てそれが適當ならざりしに依り沈没にまで至りたるものにて、全く從來銅精鑛の發熟に對する研究もなく、其の知識も不明なりしに基因するものにて、其の責任を會社が負ふべき要なきを強調せしものなり。此處に當時の報文を其儘示し、參考に供さんとす。
著者
溝渕 翔平 西村 竜一 入野 俊夫 河原 英紀
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014-MUS-103, no.55, pp.1-6, 2014-05-17

本研究では通常歌唱をグロウル系統の歌唱音声の印象をもつ音声に変換するシステムの検討を行っている.先行研究では簡単な信号処理で歌唱音声にグロウルらしさを付与する方法が提案された.本報告では提案手法で用いる特徴付与のパラメタを対話的に操作し,歌唱音声にグロウルらしさを付与する GUI について紹介する.提案手法は時間変調による基本周波数の高速な時間振動の付与,FIR フィルタによる処理範囲に共通した帯域強調処理,及び近似時変フィルタによる第 3 フォルマント周辺の高速な時間変調の付与の 3 つより構成されている.提案手法は変換処理に分析・合成を必要としないためリアルタイム処理を可能とし,ライブで一種のエフェクターとして用いることが出来る.GUI の開発は主にデモやポスターセッションの場で本手法による処理内容と処理の影響について直感的理解を促すことを目的としている.開発した GUI は実際にポスターセッションの場で操作し,操作性やデザイン性についてコメントを頂きたい.
著者
根本 昌実 杉沢 勇人 西村 理明 田嶼 尚子 宇都宮 一典
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.98-102, 2011-02-28
被引用文献数
1

日本人成人1型糖尿病患者におけるハネムーン期発現に関与する臨床的因子を明らかにする目的で検討を行った.新規発症後のインスリン量が0.5単位/kg体重/日未満をハネムーン期と定義し,30症例(18~76歳,男:女=13:17)を,ハネムーン期を示す1型糖尿病(H群)と示さない1型糖尿病(NH群)に分類し,身体的及び検査所見を検討した.H群は19症例(63.3%)を占め,NH群と比較して尿中CPR高値(p=0.0022),LDL-コレステロール高値(p=0.01),自己免疫性甲状腺疾患の合併が多い(p=0.0002),退院時のインスリン必要量が少ない(p=0.004)特徴を認めた.発現までの期間は1.9±2.0ヶ月,持続期間は16.0±4.9ヶ月であった.ハネムーン期発現には残存膵インスリン分泌能,脂質代謝,自己免疫疾患合併の関与が示唆された.<br>
著者
出口 拓彦
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.219-229, 2001-06-30

本研究は, グループ学習に対する指導を独立変数, グループ学習の効果および問題点に対する児童の認知を従属変数として, 複数の指導の組み合わせの効果について検討することを目的とした。16名の小学校高学年の教師にはグループ学習に対する指導について尋ね, 495名の児童にはグループ学習の効果および問題点に対する認知について尋ねた。グループ学習に対する指導をクラスター分析により「討議に関する指導」と「参加・協力に関する指導」に分類し, 各指導の効果を分散分析によって検討した。その結果, (a)「討議に関する指導」と「参加・協力に関する指導」を共に行っている学級において, 最も肯定的な認知がなされていること, (b)「討議に関する指導」のみを多く行い「参加・協力に関する指導」はあまり行わなかった学級において, 最も否定的な認知がなされていること, などが示された。このことから, グループ学習の指導の際には, 「討議に関する指導」と「参加・協力に関する指導」を共に行うことの重要性と, 「討議に関する指導」のみを行うことの問題が示唆された。
著者
田辺 理
巻号頁・発行日
pp.1-474, 2015

早大学位記番号:新6993
著者
鎌谷 直之 川本 学 北村 豊 針谷 正祥 奥本 武城 隅野 靖弘
出版者
日本組織培養学会
雑誌
組織培養研究 (ISSN:09123636)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.71-80, 2004

日本のヒト遺伝子解析研究に関する倫理指針を遵守して、研究計画について倫理審査委員会の事前承認を得た後、日本人ボランティアに十分な説明をし、自由意志による同意を得て末梢血液試料を収集した。血液試料は細胞株化研究に使用する前に新しく開発した匿名化プログラムを用いて連結不可能匿名化した後、Epstein-Barr virus処理して996人のB細胞株を樹立した。樹立した全細胞株を公的な国立医薬品食品衛生研究所と(財)ヒューマンサイエンス振興財団の細胞バンクに寄託し、2003年に細胞株の分譲が開始された。ヒト遺伝子解析研究に利用できるこれらの細胞株の分譲は、ヒト遺伝子解析研究の進展に貢献すると期待される。
著者
久保田 誠司 佐藤 正彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会年次大会講演予稿集 (ISSN:09191879)
巻号頁・発行日
no.27, pp.393-394, 1991-07-28

Idetification signal is inserted vertical branking of video, and the signal is decoded by the recive side, and displayd LED display and superimpose Characters on CRT monitors. This system has any aplicatins that is an input method of the ID, and how to use the decode signals.