著者
鍛冶 博之 カジ ヒロユキ Kaji Hiroyuki
出版者
同志社大学人文科学研究所
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.75-104, 2014-08-29

論説(Article)本稿の目的は、レジャーの商品史的考察のひとつとして日本における代表的なレジャーであるパチンコを取り上げ、パチンコの出現と普及の経緯、日本社会で普及した背景(海外で普及していない背景)、日本社会にもたらした影響を考察し、ランドマーク商品としての可能性を模索することである。第1章では、戦前期に注目し遊技機の起源とパチンコが日本社会で誰によって、いつ頃、どこで登場したのかを考察する。第2章では、戦後期に注目しパチンコ産業史の動向を主要な出来事に注目して概観する。第3章では、なぜパチンコが日本社会で普及したのか(逆になぜ海外では普及していないのか)について考察する。第4章では、パチンコが日本社会に及ぼした影響を考察する。そして最後に、パチンコがランドマーク商品とみなせるのか否かについて検討する。Pachinko is one of Japanese leisure activities and is regarded as the typical Japanese culture. The market scale of Pachinko industry in Japan amounts to about twenty trillion yen. It occupies about thirty percent in Japanese leisure industry. The purpose of this paper is to clarfy the detail of Pachinko's appearance, the reason why Pachinko can spread in Japan (in other words ; the reason why it can't spread in foreign countries), and the influence which it has on Japanese society, and to study whether Pachinko can be regarded as the Landmark Commodity or not.
著者
小林 智也 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.12-21, 2012-01-15

近年,チャットやTwitter などの短いテキストを即時交換できるメディアを対面口頭での発表・質疑と並行させる試みが増えてきている.こうした試みは対面口頭対話のような制限がないチャットというメディアを聴衆に提供することで,より広い視点からの意見をより多く議論に取り込む目的で行われている.しかし,発表者が発表中や質疑応答中にもチャットに注意を払い続けることは困難であり,発表者が重要だと思うようなチャット発言を議論に取り上げることが難しいという問題があった.本論文では,チャットから対面口頭対話上での話題に対して返信することのできるクロスチャネル返信という概念を提案し,クロスチャネル返信を分析することによって,発表者が重要だと思うチャット発言を自動的に学習・推定することを試みた.クロスチャネル返信を実装したChatplexer システムを使用して実験したところ,チャット上の発言の過半数はクロスチャネル返信に対する返信とその子孫ノードであり,発表者が重要だと思う発言もそれらのチャット発言であることが多いことが分かった.また,クロスチャネル返信の情報を用いると,発表者が重要だと思う発言をJ4.8 で学習・推定させた場合に適合率が大きく改善されることが分かった. : Recently, there have been many attempts that use short-text-exchanging media like chat and twitter concurrently in a face-to-face meeting in order to obtain various opinions from wider viewpoints by more audience. Such media are free from some restricts of the face-to-face meeting, e.g. a rule of turn taking. However, it is actually difficult for a presenter to pay attention on the chat while he/she is presenting. He/she cannot discuss on important chat opinions in his/her presentation. In this paper, we propose a “cross-channel reply” (XCR) that allows the audience to reply the contents of the face-to-face meeting channel from the chat channel. By analyzing the XCRs, we attempt to automatically estimate the important chat opinions using J4.8 decision tree. We implement a novel chat system named “Chatplexer,” which is equipped with XCR function. We conducted user studies using Chatplexer. As a result, we found that more than half of the important chat opinions belong to trees whose root nodes are XCR messages, and that using XCR information the precision ratio is improved.
著者
上田浩 中村素典 古村隆明 神智也
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.97-104, 2015-04-15

筆者らは大学の情報系センターでの経験から,大学等における情報倫理教育には次の3つの問題:(1)標準化と可視化がなされていない,(2)留学生への教育が困難,(3)持続可能性が低い,があり,これらの問題に対処し,大学等における情報倫理教育を充実させるため「高等教育機関の情報セキュリティ対策のためのサンプル規程集」に準拠し日英中韓の4カ国語に対応した情報倫理eラーニングコンテンツ「倫倫姫」を開発し運用してきた.2012年11月より「倫倫姫」は,学認連携Moodleにおいて,学認参加機関であれば無償で利用できるようになっている.本稿では「倫倫姫」開発・運用を総括するとともに,複数の大学等に本コンテンツを提供している学認連携Moodleの構築・運用事例とそこから得た知見を報告する.
著者
岡登洋平 加藤佳司 山本 幹雄 板橋秀一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.469-478, 1999-02-15
被引用文献数
13

機械とユーザの対話において 機械が人間と同様に相槌を打つことが可能であれば ユーザの話しやすさの改善につながる. 本研究では 話し手の発話間にポーズの出現とほぼ同時に相槌が打たれる場合を対象として システムによる相槌挿入を試みた. システムが適切なタイミングで相槌を打つにはポーズを検出するよりも早く相槌の挿入判定を行う必要がある. そこで本稿では話し手の発話から抽出した韻律情報を用いて 予測的に相槌の挿入判定を行う手法について検討した. まず対象としたテレフォンショッピングをタスクとした対話について音声を分析し 聞き手の相槌が韻律的に特徴のある話し手の発話箇所で打たれていることを示した. 次に相槌音声を消去した対話を聞かせ 相槌の箇所を人間が判定する実験を行ったところ 実際に出現した相槌の76%は実験でも検出され 発話長が長い場合に相槌を打つと判定した被験者が多いことが明らかになった. さらに相槌を打つタイミングについて 対話の分析と知覚実験を行った. この結果 相槌は発話中のポーズ開始から0.3秒以内に打つ必要があることが明らかになった. そこでテンプレートを用いた韻律パターンの認識による相槌タイミングの検出方法を提案し 相槌判定のための予測時間を変えて相槌挿入判定とタイミングの検出実験を行ったところ 予測時間0.1秒のとき84% 予測時間0.4秒のとき72%のタイミング正解率を得た. また予測時間0.1秒のとき得られたシステムの応答を人間が評価したところ 抽出箇所の74%は自然な発声箇所であると判定された.A user's degree of comfort in a man-machine spoken dialog environment is likely to improve, if spoken dialog systems can provide correct 'Aizuchi' responses to the use's utterances. This hypothesis was evaluated using a dialog corpus that relates to telephone shopping tasks, and contains 'Aizuchi' responses near the end of a speaker's utterance. The evaluation also requires a dialog system capable of detecting 'Aizuchi' timing before the end of the utterance. To this end, therefore, a method is proposed which uses prosodic information to guide correct 'Aizuchi' responses. A preliminary prosodic analysis of our utterances confirmed that an 'Aizuchi' indeed relates to the duration, speaking rate and minimum F0 of an utterance. Next, using dialogs from which 'Aizuchi' responses were previously removed, an experiment was carried out to spontaneously prompt such responses from human subjects. Results show that subjects were able to match about 80% of the 'Aizuchi' responses contained in the original dialogs, and that many subjects tended to do so during long utterances. Then, a dialog analysis was performed to investigate 'Aizuchi' timing, Results of which indicate that the system should give an 'Aizuchi' within 0.3 seconds of the end of the speaker's utterance. By comparison, in an 'Aizuchi'-prompting experiment based on prosodeic pattern recognition, the system achieved 84% with no 0.1-second prediction of end of utterance and 72% with 0.4-second prediction. Finally, human perceptual evaluation of the timing of system detection, yielded an accuracy of 74% which lends support to the naturalness of 'Aizuchi' response given by system.
著者
池村 進
出版者
高田短期大学
雑誌
高田短期大学紀要 (ISSN:09143769)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.123-132, 2010-03

米国ではノースカロライナ州だけでなく他の州も公立幼稚園は、公立小学校に併設されており一年保育である。私は今夏8月の一週間、ノースカロライナの州立幼稚園で教育実習の機会を得た。この州ではここ数年来、新学期は8月上旬の月曜日となっている。ここでのクラスの定員は16人で、しかも各クラスに常時一人以上のアシスタントティーチャーと専科の教員がついており、園として恵まれた人的環境となっている。学年初めということもあってか、シャイな子どもたちが多かったが、実習が進むうちにだんだんと打ち解けてきた。特に日本の文化には興味を示し、日本の歌や手遊びを嬉々としてまねをしたり、落語に出てくる面白い言い回しを日本語で楽しそうに繰り返したりしていた。しかし、アメリカ人でありながら、英語があまり話せない子どもが少なからずいたのには驚いた。
著者
吉井 啓子
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.3311-3350, 2009-02

論説(article)
著者
知久政太郎 著
出版者
文盛館
巻号頁・発行日
1912

2 0 0 0 OA 表紙・目次

雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, 2015-04-15
著者
大藪 加奈
出版者
金沢大学外国語教育研究センター = Foreign Language Institute Kanazawa University
雑誌
言語文化論叢 (ISSN:13427172)
巻号頁・発行日
no.14, pp.121-143, 2010-03

本論は、英国のイスラム系児童文学作品に描かれている登場人物間の関係を論じたものである。イスラム家庭では、近年イスラム的なライフスタイルや価値観を反映した児童書やおもちゃが商業的成功をおさめている。そこで、これらの商品が代替品としての機能をどのように果たしているかを、主にThe Islamic Foundation 出版の本に焦点を当てて分析した。その結果、これらの作品には現代多文化社会であるイギリスの現状が取り上げられており、イスラム教徒と非イスラム教徒の関係がよく主題となっていることがわかった。しかし、イスラム・非イスラムという二項対立的概念は、聖典クルアーンや預言者ムハンマドの言葉に表れるイスラム的世界観とは相容れない。そこで、本論ではイスラム系児童書の登場人物の描き方を「関係の不在」「無知な者への対処」「対立」「中立」の4 つに分類して考察している。
著者
日本写真興業通信社 編
出版者
日本写真興業通信社
巻号頁・発行日
vol.1935年版, 1935
著者
岩崎 真紀
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.467-492, 2004-09-30

本稿は、イスラーム社会の女性の在り方を考える上で重要な対象である身分法についてエジプトを事例として検討した。一九世紀後半に始まったエジプト身分法改革運動は、改革案自体はイスラーム法から逸脱することはなかったが、運動は西洋化志向の改革者によってなされた。夫の一方的離婚権や複婚権を規制する初の法となった一九七九年法制定に尽力したジーハーン・サーダートの運動もまた西洋的なものであり、宗教復興により保守化した当時のエジプト社会において大きな議論を巻き起こした。その結果、一九七九年法は手続き違憲とされ、若干の修正を伴い一九八五年法として制定された。このことは、身分法改革が西洋化を志向する運動として行なわれることの限界を示しているということができるだろう。一方、一九八五年法に続く重要な身分法として制定された二〇〇〇年法は、聖典に基盤を置いた内容であることを前面に押し出した改革であった。これは社会が一層保守化する中で女性がより多くの法的権利を得るためには、イスラーム的価値規範に則った改革運動が必要であることを表わしているということができるだろう。
著者
キャンベル ニック プラック アラン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.96, no.39, pp.45-52, 1996-05-16
被引用文献数
65

本報告では、話者性や発話様式の特徴を失わずに任意の音声を合成するための方法として、予め録音された音声データベース中の音素単位の音声波形を、何らの信号処理も行なわずに接続し、連続音声として出力する方法について述べる。本方式は特徴抽出過程、最適重み決定過程、単位選択過程および波形読み出し過程からなり、言語および話者に依存しない。本方式では音声波形自身は生成せず、所望の合成音声の性質に最も近い音素単位の音声波形を、与えられた音声データベース中から取り出すためのインデックスを作成し、音声出力時にはインデックスに従って音声データベースに直接アクセスし、音声波形を取り出す。最適な音素波形の系列を得るために、前処理として、与えられた音声データについて音素記号と音響的および韻律的な特徴の一覧表を作ると共に、それぞれの特徴に対する最適の重み係数を求めておく必要がある。
著者
赤井 朋子
出版者
神戸薬科大学
雑誌
神戸薬科大学研究論集 : Libra (ISSN:13452568)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.13-32, 2002-03-25

イギリスでは1920年代に演劇検閲に対する関心が高まり,メディアによる検閲批判が目立つようになった。その批判の内容を検討すると,検閲の寛容な面を批判する言説と逆に検閲の厳格な面を批判する言説の両方が存在したことがわかる。演劇検閲は両極端の見解が交錯する中に存在していたわけであるが,その背後に,高級な演劇と低級な演劇を区別する当時の文化的状況(具体的に言えば商業演劇と小劇場への二極分化)を指摘することができる。そのような状況の中で検閲官は,両極端の見解の中間をとった民主的な検閲を行うと公言したが,実際にはそう公言することによって,検閲は中産階級の一般観客を演劇の影響力から巧妙に保護しようとしたのではないだろうか。
著者
田中 圭
巻号頁・発行日
2014

筑波大学修士 (情報学) 学位論文・平成26年3月25日授与 (32646号)
著者
椛島 有三
出版者
文芸春秋
雑誌
文芸春秋
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.p148-161, 1986-09