著者
江原 つむぎ
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.218-222, 2014-06-01

本稿では,米国での図書館情報学大学院留学が帰国後の業務にどのような影響をおよぼしているのか,留学で得られたものとあわせて筆者の経験をもとに述べる。前半は,学位取得までの課題への具体的な取り組み姿勢と図書館員として働く原動力となる意識,また,留学と研修の違いについて述べ,留学によって筆者がどのように成長したかを得た知見と共に記す。後半では,業務全般での英語の使用状況と学習支援業務における提案型の働き方について,筆者の留学経験が業務にどのように活かされているのか,あるいは今後どのように活かす方向性で考えているのか抱負を交えて紹介する。
著者
有川 節夫 渡邊 由紀子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.200-206, 2014-06-01

科学技術・学術審議会の学術情報基盤作業部会(2010年)及び学術情報委員会(2013年)による「審議のまとめ」をふまえ,主に大学図書館を対象に,図書館員の変わりゆく役割について考察する。現在の日本における大学や大学図書館が置かれている状況を整理したうえで,今後の図書館に起こり得る変革も視野に入れて,大学図書館員に求められる新たな期待と役割について説明する。また,九州大学が2O11年に開設した「教材開発センター」や大学院「ライブラリーサイエンス専攻」等の活動を紹介しながら,図書館員の人材育成・確保のための仕組みを構築する方法について述べ,最後に,図書館員の未来について展望する。
出版者
スポーツマンホテル
巻号頁・発行日
vol.第1号, 1941
著者
前田 博 石飛 康浩
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.108-119, 1991-02-15
被引用文献数
6

本論文は, ファジィ表現を許容した自然言語によるデータベースのファジィ検索について述べたものである.これを実現するためには, 3種類のあいまいさに対処しなければならない.第1は, 「給料の良い会社」といった検索条件のあいまいさ, 第2,第3は, 自然言語処理に関するあいまいさであり, 前者は問い合わせ文の解釈に関するあいまいさ, 後者は, 例えば, 給料, 賃金, 給与, といった同一検索項目に対する表現の多様性に依存するあいまいさである.第1については, ファジィ集合理論を適用する.第2については, 問い合わせ文中の平仮名のみを検索する平仮名検索辞書と, 0-1計画法という最適モデルを組み合わせた自然言語問い合わせ文解析手法を提案する.これは, 平仮名検索のみから問い合わせ文の意味解釈を幾通りか推定し, 最適モデルによって一つを確定するという方式である.第3については, すでに提案したシソーラス, 語の部分マッチング, ファジィ推論を総合した未登録語の推定手法を適用する.
著者
菅井 光浩 大坪 知樹
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.585, pp.60-73, 2009-09-14

「音楽に興味はあるけど、楽器は持ってないし、あっても弾けない」─。そんなあなたにお薦めしたいのが「デスクトップミュージック」。パソコンと専用ソフトがあれば、初心者でも簡単に曲作りや演奏が楽しめる。本特集では、専用ソフトの体験版でオリジナル曲を作成、アレンジする手順を分かりやすく紹介する。
著者
田中 均
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.1-14, 2007

In this paper, I investigate the relationship between love and art in the novel Lucinde. First, I analyse two cases of disappointments in love experienced by the young painter-and protagonist-Julius, which are symbolised by certain aesthetic defects:Lisette could not respond to Julius' love because of her life as a prostitute, which corresponds to her sensualistic tastes. Likewise, Julius' fruitless love for a married woman gave rise to a strained style to his painting. Second, I focus on his relationship with Lucinde, in which they completely affirmed each other's individuality. The reconciliation with his own life through love brought grace and maturity to his art. This should be interpreted as the realisation of 'the romantic', which is defined in Schlegel's essay 'Dialogue on Poetry' as a combination of 'the sentimental' and 'the fantastic'. Third, I turn my attention to the distinction by Julius between male and female love. He believes that, in contrast to female love which is concentrated only towards one object, a man can develop friendships between multiplicities of mature spirits and thus complement his own individuality. From this, I draw the conclusion that, in this novel, a female artist is excluded from the artistic cooperation.
著者
福永 由佳
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.33-50, 2014-11

在日パキスタン人は人口規模こそ小さいものの,中古車輸出業をはじめとするエスニック・ビジネスの展開,宗教施設の設立など,自立的な社会活動を展開する活力の高いエスニック集団である。また,彼らは生活のなかで複数の言語を使用する多言語使用者でもある。彼らの多言語使用の実態と言語使用に関わる社会文化的要因をEthnolinguistic Vitality Theoryにもとづき明らかにすることを目指して,本稿では(1)多言語使用に関する諸理論を検討するとともに,(2)参与観察と言語意識調査で得られた定性的データを用いて,Ethnolinguistic Vitality Theoryの適応可能性を検討した。分析の結果,彼らは母国の言語事情や社会構造および日本における社会文化的文脈から形成された言語意識をもとに,複数の言語(日本語,英語,ウルドゥー語,アラビア語,民族語)を使い分けている様相が明らかになった。また,データに見られた言語意識はEthnolinguistic Vitality Theoryの枠組みで説明しうることが示唆された。
著者
角田 宏子 Hiroko SUMIDA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2014
巻号頁・発行日
2014-11-25

村上天皇は、文学活動を盛んに行なった平安時代前期の天皇であり、現存する「村上天皇御集」には、後宮の女御や更衣たちと詠み交わした歌が収録される。村上天皇の妻室は、十人以上知られるが、この歌集の半数以上を占めるのは、斎宮女御徽子女王との贈答歌である。徽子女王には別に、複数の本で伝わる「斎宮女御集」があり、「村上天皇御集」の歌とも重複している。特別に寵愛されたとは言えない徽子女王の歌が大量に収録された要因は、外在的事情のみならず、編纂者の意図に拠る。天皇と徽子女王との、調和的とは言えない贈答歌は、逆にうちとけた関係を示すものであると考える。編纂者は、村上天皇の私的な記録を残すにあたり、徽子との贈答歌がふさわしいと考え収録を容認した。同集第6番目の歌について、先行する論考は何れも、天皇が徽子の入内を心待ちにする歌だと見なしてきたが、これは女御述子の歌群に分類すべき歌である。編纂者は、人間村上天皇の生涯を記録するにあたり、天皇にとって重要な女性を、同集の冒頭部分に順に配置した。述子の歌群は、天皇の真情を反映させようとする編纂者の意図の表われであったと推測する。Murakami Emperor is the emperor of Heian era. He did a lot of literary activities. Murakami Emperor Gyosyu(村上天皇御集)is an anthology of his poemstanka. The worksof literature written by him and his wives are included in this book. Emperor and his wives exchanged tankas using letters. He has 10or more people wives. Saigu Nyogo Yoshiko Joou(斎宮女御徽子女王)is one of the wives. Half of the book are works of Emperor and 徽子. Their gift-giving tanka shave a dissonance, and are inharmonious. But their many tankas were recorded in this book. This is because their relationship was close and they were able to show openly their sentiment. An anonymous author was intended to record the Emperor's private life. The No.6tankain this book expresses his private sentiment. An earlier literature construed it as his hope. ItconstruedNo.6tankaas the expression of the feeling he was looking forward to marry 徽子. I think it is different. It expresses the affection for another wife Nyogo Nobuko(女御述子). At the beginning of this book, the tankas of 述子are placed. And also by this arrangement, an author could be recorded Emperor's personal sentiment.
著者
吉田 信明 田中 正之 和田 晴太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.8, pp.1-8, 2014-12-01

動物園では,その業務における中心的な情報システムとして,日々の飼育活動や診療経過を記録・蓄積する飼育日誌システムが用いられている.このシステムには,飼育員や獣医師によって日々観察される出来事や飼育状況が記録され,そのデータを飼育管理や治療,繁殖などに活用している.著者らは,動物園の活動における情報通信技術の活用に向け,飼育日誌システムに,動物舎に設置したセンサーのデータをネットワーク経由で統合した "飼育管理システム" を構築し,京都市動物園で運用を開始している.本稿では,このシステムについて,その概要を述べた上で,このシステムを踏まえ,動物園での情報通信技術の活用手法について検討する.In a zoo, an "animal husbandry management system" is used for keeping records of animal individuals and incidents in husbandry activities. Veterinaries and keepers record incidents and medical treatment in this system every day. These recorded informations are used on breeding and treatment of animals. In this paper, we describe the zoo animal husbandry management system we developed and are operating in the Kyoto City Zoo. This system can store and display measurement data of sensors installed in a zoo, in addition to incident and medical records. Measurement data are gathered to the system through the wireless mesh network, which covers almost the whole area of Kyoto City Zoo. Based on this system, we also discuss about directions and problems for utilization of information and communication technologies in a zoo.
著者
飯万島竜水 稿
出版者
其中堂
巻号頁・発行日
vol.坤, 1894
著者
飯万島竜水 稿
出版者
其中堂
巻号頁・発行日
vol.乾, 1894

2 0 0 0 OA 将棋名家手合

著者
伊藤宗印 著
出版者
大倉書店
巻号頁・発行日
vol.下, 1893

2 0 0 0 OA 将棋名家手合

著者
伊藤宗印 著
出版者
大倉書店
巻号頁・発行日
vol.上, 1893
著者
植田 恭代
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学紀要 (ISSN:03899543)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.73-93, 2002-03-15

『源氏物語』には多くの催馬楽がとりこまれることについては、すでに諸先学の指摘があり、論者じしんもかつて検討を試みたことがある。なかでも第三部の物語では催馬楽が巻名にもなっており、とりわけ浮舟の物語との関わりは深い。ここでは、この浮舟の物語と催馬楽「道の口」をとりあげて考察を試みる。『源氏物語』で、明らかに「道の口」がみられる部分は浮舟巻にあり、手習巻にもそうではないかと指摘されてきた部分がある。それらの叙述をいま一度たどり、検討し直してみれば、やはり、両巻の当該場面は催馬楽の詞章をふまえた描写であると確認される。歌謡としての「道の口」の詞章を、時代背景をも視野に入れつつたどりみるならば、それは遊女を謡ったものであると考えられる。その遊女性が浮舟の物語に掬いあげられているのではないか。浮舟の造型には遊女性が付与され、場面にもそれが及んでいるのではないかという試案を提示するのが、本稿の目的である。