著者
平島 崇男
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
岩石鉱物鉱床学会誌 (ISSN:00214825)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.77-83, 1983
被引用文献数
1 15

関東山地において,ひすい輝石+石英組合せを持つ岩石を新たに発見した。この岩石は第三紀の栃谷層と断層関係にある超塩基性岩とともに露出している。この岩石は,ひすい輝石+石英組合せが安定な変成作用(高圧条件)と,アルバイト+エジル輝石が安定な変成作用(中圧条件)の2回の温度圧力条件を記録している。
著者
上間 陽子
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.87-108, 2015
被引用文献数
2

本稿は,風俗業界で働く若年女性たちの生活・仕事の中で直面する種々のリスクへの対処の仕方,その対処において果たす彼女たちの人間関係ネットワークの機能,そのネットワークの形成の背景,特にネットワーク形成において学校体験のもつ意味を捉えることを課題とした。<BR> 本稿は,筆者らが取り組んでいる,沖縄の風俗業界とその界隈で働く若者への調査の対象者の中から特に2人の女性(真奈さん・京香さん)を取り上げ,それらの比較対照を通じて上記の課題を追究した。2人は,中学校卒業時点で学校社会のメインストリームから外れ,地元地域からも排除されていた点で共通する。だが,真奈さんは中学校時代不登校であり,同世代・同性集団に所属した経験をもたず,多少とも継続的な人間関係は恋人とのそれに限られていたのに対して,京香さんは中学時代地元で有名なヤンキー女子グループに属し,その関係は卒業後も続き,困難を乗り切り情緒的安定を維持する上での支えとなってきた。そして京香さんが仕事場面でのリスクに対処する戦術も,そのグループに所属する中で身につけた非行女子文化の行動スタイルを流用するものだった。<BR> 2人のケースの比較検討から浮かび上がってきたのは,学校時代に保護された環境の下で人間関係を取り結ぶ機会としてその場を経験できることは,移行期に多くのリスクに直面せざるを得ない層の若者にとって,相対的な安全を確保する上で不可欠なネットワークを形成する基盤となりうるものであり,その意味は決して小さくないという点であった。
著者
松本 美鈴 阿部 芳子 坂口 奈央 柘植 光代 時友 裕紀子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.30, 2018

【目的】山梨県の郷土料理ほうとうは、塩を加えずに麺を作り、野菜などの副材料と一緒に汁の中で煮込んでつくる麺料理である。文献調査、聞き書調査およびアンケート調査により、ほうとうが時代とともにどのように変遷してきたかを明らかにするとともに、アンケート調査によりほうとうが現代の食生活に受け継がれてきた要因を考察する。<br>【方法】文献調査は、社団法人農山漁村文化協会刊行『日本の食生活全集』聞き書山梨の食事を主要資料とし、大正末期から昭和初期にほうとうがどのように食べられていたかを捉えた。聞き書調査は、日本調理科学会特別研究「次世代に伝え継ぐ家庭料理」のガイドラインに沿い、山梨県の生活環境と家庭料理について平成25~27年に実施した。アンケート調査は、山梨県在住の家事担当者および中学校・高等学校の生徒を対象とし、ほうとうに関する質問用紙を地域の協力者に郵送した。930部が回収された。<br>【結果】文献調査の結果、大正末期から昭和初期、地粉で打った自家製麺と手近にある野菜、いも、きのこ等の複数の食材を一緒に汁の中で煮込んでほうとうを作っていた。ほうとうは山梨県の日常の夕食として一年を通して食べられていた。聞き書調査から、昭和30年代もほうとうは日常の夕食として食べられていたが、副材料には、油揚げ・豚肉・鶏肉を用いる地域が出現したことが分かった。アンケート調査から、現在のほうとうは、秋から春の寒い時季の日常の夕食として食べられていること、ほうとうに入れる副材料は野菜・いも・きのこに加えて豚肉や鶏肉などの動物性食品が多用されていることが分かった。山梨県の郷土料理ほうとうが受け継がれてきた要因として、市販麺の利用など調理の簡便性が示唆された。
著者
堀 栄造
出版者
The Philosophical Association of Japan
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
no.50, pp.244-252, 1999

本稿は、一九〇六年のフッサールの未公開の遺稿AVIlと一九〇七年のフッサールのホフマンスタール宛ての書簡に基づいて、一九〇六年頃のフッサールの美学がどのようなものであったのかを、そして、その美学がフッサールの現象学的方法とどのように密接に関連していたのかを、解明しようとするものである。<BR>一九〇六年から一九〇七年にかけてのフッサールは、信奉者たちやホフマンスタールとの交流を通じて、美学的問題に大きな関心を寄せている。例えば、一九〇六年四月一七日には、ダウベルトとフィッシャー博士がゲッチンゲンのフッサールを訪問し、「美的客観性」をめぐって会談しているが、その会談は、取るに足りないとは言えぬ深化と先鋭化を生み出したのだった。また、一九〇六年一二月六日には、ホフマンスタールがゲッチンゲンのフッサールを訪問し、一九〇七年一月一二日には、フッサールは、「現象学的観取と美学的観取」に関するホフマンスタール宛ての書簡を書いている。<BR>それでは、その当時のフッサールにとって、何が問題だったのか。それは、「主観的体験の中でのみ遂行されるにもかかわらず、即自的に存在する客観性を把握する認識、の可能性という、底知れぬ問題」だったのである。われわれの認識は、主観的体験の中で遂行されるにもかかわらず、認識対象は、主観的体験の外にある「即自的に存在する客観性」であり、それは、主観的体験には到達しえない「超越的な現存[transzendenteExistenzen]」である。それは、通常われわれが認識していると素朴に思い込んでいる「現実」であるが、フッサールが前掲の「底知れぬ問題」に気づくやいなや、それは、「僣称された現実[prätendierte Wirklichkeit]」へ一変する。われわれが素朴に信じている「現実」は、フッサールにとって、もはや「真の現実」ではなくなるのである。<BR>「底知れぬ問題」と苦闘していたフッサールは、一九〇七年一月一二日付けのホフマンスタール宛ての書簡の中で、次のように述べている。すなわち、長い間求められていた諸々の思想的総合が、天から降って来たように、突然、私に与えられた。私は、それらを、即座に、書き留めなければならなかった、と。ここで言われている「諸々の思想的総合」とは、「現象学的方法」のことに違いない。そして、「現象学的方法」つまり「現象学的還元」は、「僣称された現実」に代わる「真の現実」を、「即自的に存在する客観性」に代わる「現象学的な本質的客観性」を、捉えるのである。<BR>「現象学的還元」という「現象学的方法」を着想するこの頃のフッサールが、美学的問題に大きな関心を寄せたのも、実は、「即自的に存在する客観性」としての「実在的客観性」と、「本質的客観性」としての「美的客観性」との問題を、めぐってのことである。そこで、さっそく、次の第一節において、「像芸術」と「純粋空想芸術」とのフッサールによる対比を通して、この問題を究明しなければならない。
著者
麻生 二郎 亀井 裕
出版者
日経BP社 ; 1999-
雑誌
日経Linux : Nikkei Linux (ISSN:13450182)
巻号頁・発行日
vol.14, no.11, pp.42-49, 2012-11

Nexus 7もUltrabookも、Linuxを搭載していれば、簡単に"改造"できる。便利度を高めたり、クロックアップをしてスピード競争で楽しんだりできる。Nexus 7とUltrabookを改造していこう。
著者
北田 暁大
出版者
日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
no.1590, 2009-05-20
著者
山本 かおり 坪田 敏男 喜多 功
出版者
THE SOCIETY FOR REPRODUCTION AND DEVELOPMENT
雑誌
The Journal of reproduction and development (ISSN:09168818)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.j13-j18, 1998-06-01
参考文献数
21
被引用文献数
3 25

秋田県阿仁クマ牧場において1996年6月22日から7月31日まで,ニホンツキノワグマ <i>Ursus thibetanus japonicus</i>(成獣雄22頭, 雌17頭)の性行動を観察した.本観察場所でのニホンツキノワグマの交尾期は6月中旬から8月上旬であると考えられた.乗駕行動は不特定多数の雌雄間で見られ,交尾形態としては乱交型であった.雌はある一定の期間に集中して雄の乗駕を許容(これを発情とみなした)し,発情期間は12~35日間と大きな個体差がみられた.また,発情期間と非発情期間が不規則に繰り返される傾向があり,発情様式にも大きな個体差がみられた.雄の性行動は,雌の発情に同調して発現すると推測された.乗駕が観察された総日数は,4歳および5歳の雄において有意に少なく(p<0.05),6歳以上の雄に関しては体重の重い雄(80kg以上)において多い傾向があった(p<0.1).このことから,本観察場所のような高密度な飼育条件下においては,年齢や体重による優劣関係の社会構造が発達し,生理的に性成熟に達した後も,社会的要因によって交尾の機会を持たない雄が存在することが推測された.<br>