著者
岡崎 毅久
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.71(1996-SE-110), pp.25-30, 1996-07-25

システム・テストとは、システム自身が製品目標との間に不一致があるかどうかを発見するプロセスである。したがって、システムとしての機能、性能、操作性などについて、特にユーザー視点を意識しながら、その妥当性確認(alidatio)の立場からテストを行い、評価を行うことが基本となる。しかし、システム・テストが最も困難なテスト過程である理由は、その主要目的に対して、テスト設計手法が知られていないことである。今回、システム・テストを計画するに当たって、その主要目的をできるかぎり達成させるために、ソフトウェアを評価するための品質モデルの応用を検討し、その外部的な品質特性に基づいてシステム・テストを設計し、実施した。本稿では、その品質特性を利用した設計方法を紹介するとともに、その効用および課題についての考察を述べるものである。
著者
Motoyuki Ohmori Masayuki Higashino Toshiya Kawato
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-42, no.6, pp.1-5, 2018-06-21

In order to appropriately and quickly handle a security incident, ones may need Incident Tracking System (ITS) that records facts: what happens, when happens, who handles and how. It may be, however, difficult for a person in charge of incident handling to input all detailed information to ITS, and ITS should have minimal but enough information for further incident handling. In addition, a person in charge should be able to operate ITS intuitively since an incident does not happen so often. It is, however, unclear what information ITS should hold and how ITS navigates a person in charge to complete incident handling. This paper discusses these issues, and introduces our implementation and usage of ITS using Redmine within Computer Security Incident Response Team (CSIRT).
著者
村上 順也 山之上 卓
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-42, no.4, pp.1-8, 2018-06-21

現在開発中の悪性 Botnet 包囲網で Domain Generate Algorithm (DGA) を利用する Bot の DGA 利用を検知する試みについてのべる.悪性 Botnet 包囲網は NAT ルータやルータとその配下の LAN の間に設置する Agent Bot と,Agent Bot によって獲得されたデータを解析する Analyzing Bot によって構成されている.Agent Bot も Analyzing Bot も Wiki ページに書かれた script によって制御されている.Analyzing Bot は統計計算パッケージ R を備えており,それを操作するスクリプトに R 言語で解析処理を書くことができる.Agent Bot で,担当する LAN 内のホストの DNS へのアクセス状況を獲得し,それを Analyzing Bot の R で解析することで,DGA 利用の特定ができるのではないかと仮定し,その可能性の検証を行う.
著者
山之上 卓
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-42, no.3, pp.1-8, 2018-06-21

悪性 botnet の P2P 通信を検知しようとする悪性 botnet 包囲網 (良性 botnet) について述べる.P2P 通信のような botnet の技術に対応するため,以前から開発している我々の良性 bot を利用して,悪性 botnet 包囲網 (良性 botnet) を開発している.良性 botnet は Agent bot と Analyzing bot の 2 種類の良性 bot のグループである.悪性 botnet の P2P 通信を 1 台の IDS で検知することは難しいが,我々の良性 botnet は複数の良性 bot を協調動作させることにより,P2P 通信を検知する能力を持つ.この良性 botnet により,悪性 botnet の通信を真似する偽 botnet の通信を検知することができた.
著者
向原 康平 サクリアニ サクティ 吉野 幸一郎 グラム ニュービッグ 中村 哲
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2015-SLP-109, no.15, pp.1-6, 2015-11-25

話者感情の揺らぎは音声へ影響を与え,音声認識システムにおいてモデルとのミスマッチを発生させ認識精度を悪化させる.本研究では,DNN ボトルネック特徴量および CNN ボトルネック特徴量を用いることを提案し,感情音声認識精度の改善を図る.ボトルネック構造のニューラルネットワークによって特徴量変換を施したボトルネック特徴量は,入力音声の変動に対して頑健な音響特徴量を抽出できることが示されている.ボトルネック特徴量とは,中間層のユニット数を少なくしたボトルネック構造の多層ニューラルネットワークから抽出する特徴量である.ボトルネック特徴量は特徴量強調が行われ,感情音声のゆらぎに左右されない音素の本質的な成分を抽出されていることが期待されている.本実験では感情音声に対してボトルネック特徴量変換を行い,それぞれの特徴量で GMM-HMM 音響モデルを再学習する.この時のボトルネック音響モデルの感情音声に対する精度向上を確認する.また他の特徴量変換手法と組み合わせることで認識精度の向上を図る.DNN,CNN ボトルネック特徴量を用いた認識精度はそれぞれのベースラインと比較し,認識精度の改善が確認できた.また他の特徴量変換手法の組み合わせにより認識精度の向上を確認できた.
著者
茨田 将史 渡辺 大地 柿本 正憲
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:21888949)
巻号頁・発行日
vol.2015-CG-161, no.23, pp.1-6, 2015-10-30

近年,漫画本の販売数は上昇傾向にある.図書館で書籍整理を行うロボットの開発が盛んに行われてきたが,図書館等の限定した環境下でしか行えず,背表紙に認識用のマーカやバーコードを貼る等の手間がかかる.また漫画本の背表紙は決まったフォントがなく,OCR 等での認識は難しい.本研究では SIFT 等の画像認識を用いて漫画本の背表紙を認識する.これにより認識用のマーカやバーコードを後付する必要をなくし,書籍整理機への応用を念頭に置いた認識を行うことでユーザの手間を削減した.
著者
横山 博信
雑誌
朝日大学留学生別科紀要 = Review of Asahi University Japanese Language & Culture Course
巻号頁・発行日
vol.15, pp.3-16, 2018-03-31

本稿は、留学生別科日本語研修課程における日本事情科目「日本の歴史」指導の在り方について2016年度・2017年度の2年間の実践を整理・考察したものである。 日本語能力の未習熟な入学直後の留学生に対して、日本事情科目「日本の歴史」は抵抗が大きい授業科目である。2016年度はDVD教材を中心とした「時代順カリキュラム」による指導を実践し、2017年度は新たに「テーマ別カリキュラム」による指導を実践した。2年間の「日本の歴史」授業の教育内容と教育方法の違いと留学生の学修の違いを比較し、「テーマ別カリキュラム」による指導の有効性を明らかにしようとした。
著者
青山 幹雄
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.1319-1324, 2002-12-15

オープンソースソフトウェアとは「ソースが公開された」ソフトウェアである.しかし,その意義は,ソフトウェア開発からシステムインテグレーション(SI)に至る広い範囲に及んでいる.オープンソースソフトウェアがこれらの現場で広く利用されるようになっていることから,その本質と効果やリスクを理解しておく必要がある.本稿では,オープンソースソフトウェアの現状を,その開発と利用の観点から概説する.
著者
寺島 哲平 名城 邦孝 関 敦央 宮崎 雅幸 石田 喜美
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.310-317, 2017-09-09

近年、SNSやアプリ等で、投稿された画像やテキストに対してユーザーがウィットに富んだコメントを行い、ユーザー同士でそれらを楽しむ「大喜利」型のゲームが人気を博している。発表者らの研究チームは、このような「大喜利」型のゲーム・システムを、大学図書館の利用者教育に活用するためのコンテンツ開発を行ってきた。本発表では、発表者らのチームが開発した、大学図書館の資源を用いて、大学生活で起きそうなトラブルを即興的なアイディアで解決する「大喜利」型カードゲーム・コンテンツについて報告する。
著者
梅村 宜生 田中 良昌 中野 慎也 南山 泰之 阿部 修司
巻号頁・発行日
2018-06-18

Japan Open Science Summit 2018(JOSS2018)2018年6月18日(月)・19日(火)学術総合センター主催:国立情報学研究所、科学技術振興機構、物質・材料研究機構、科学技術・学術政策研究所、情報通信研究機構、学術資源リポジトリ協議会
著者
藤澤 徹
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.31, 2018-06-26

動的型付き言語の高速化においては,型ごとに最適化したコードをいかに高速かつ効率的に生成するかが鍵となる.プロダクションコードの巨大化かつ抽象化にともないポリモーフィックな関数の最適化手法の重要度が増してきている.あるポリモーフィックな関数が,各コールサイトごとに見ればモノモーフィックとみなせる場合,コールサイトごとの型に特化した関数インライン展開を行うことで効率の良いコードが生成できることが広く知られている.しかし,従来から広く使用されている関数ごとの型フィードバックでは,関数をインライン展開する前の状態において複数のコールサイト由来の型情報を区別することができず,不要に汎用的なコードを生成してしまい,これを最適化するにはもう一段のJITコンパイル層が必要となる.本発表では,この問題を改善する既存実装に適用可能な最適化手法として,オブジェクト構造を意識したシグネチャごとの型フィードバックを提案する.これにより,複数のコールサイト由来の型情報を区別可能となり最初のインライン展開においてコールサイトに特化した型情報を用いることができ,さらなる最適化を可能とする.本手法をMozilla FirefoxのJavaScript処理系SpiderMonkeyに実装し,ポリモーフィックな関数のコールサイトごとの最適化への適用可能性を提示するとともに,各状況への最適化の可能性や性能向上,および手法の軽量さについて評価する.
著者
鶴木 恭子
雑誌
天使大学紀要 = Bulletin of Tenshi College
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.23-32, 2014-06-30

本研究の目的は、重曹を湯に溶解しその湯を用いて清拭(重曹清拭)を行った時の洗浄効果と皮膚機能への影響を明らかにすることである。健康な皮膚を持つ20代の11名を対象として、背部に1%の重曹清拭を行い、皮膚表面の油分、角層水分量、皮膚のpH、発赤の観察、主観的調査を行った。その結果、重曹を用いた清拭は、被験者の皮脂の約2/3を除去できた。角層水分量の減少率は1/5であり、皮膚のpHは弱酸性を示した。発赤・掻痒感の出現もなかった。重曹は清拭時の洗浄剤として効果があり、かつ低刺激性であることが示唆された。
著者
松原仁
雑誌
デジタルプラクティス
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.245-245, 2012-10-15
著者
石毛 弓 寺田 未来 西尾 信大 Yumi ISHIGE Miki TERADA Nobuhiro NISHIO
出版者
大手前大学CELL教育研究所
雑誌
大手前大学CELL教育論集 = Otemae University CELL journal of educational studies (ISSN:21855641)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.009-016, 2017-03-31

大手前大学の学習支援センターでは、webフォームを用いて学生がライティングを送り、ルーブリックのかたちでフィードバックを得る「ライティング・チェック・システム」を実施している。本論では当該システム導入の経緯からその運用、また使用しているルーブリックを紹介する。ライティングへの学習アドバイスは、対面で行うほうがより高い学習効果を得られるだろうことは了解している。しかし学生のなかには、さまざまな理由から学習支援センターへの来室が困難な者がいる。本システムは、対面アドバイスが難しい学生であっても受けることができる学習支援の一例として位置づけたい。