- 著者
-
田中 政彦
小俣 浩
鈴木 輝彦
大野 修嗣
土肥 豊
- 出版者
- The Japan Society for Oriental Medicine
- 雑誌
- 日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
- 巻号頁・発行日
- vol.45, no.2, pp.351-357, 1994-10-20 (Released:2010-03-12)
- 参考文献数
- 12
MCTD症例における人参養栄湯の有用性について, 特にレイノー現象 (レ現象) を中心に検討を加えた。対象はMCTD 19例, 男女比2:17, 平均年齢38歳, 平均罹病期間57.6ヵ月である。方法は人参養栄湯エキス顆粒 (医療用) 9.0gを3分服とし, 4週間の連続投与とした。試験期間はレ現象が多発する11月1日より翌年の3月30日までとした。投与前後において, レ現象を含む臨床症状, 種々の検査データを比較検討し, またサーモビュアーを用いて投与前後の皮膚温も測定した。比較検討のため関心領域を設定し, その平均値を統計処理した。レ現象改善率は, やや改善以上が74%で, 悪化例は認めなかった。サーモグラフィーでは, ほぼ全関心領域において皮膚温は上昇傾向で, 特に左第I指関心領域では有意な皮膚温の上昇が認められた (P<0.05)。