著者
春木 有亮 Haruki Tomoaki
雑誌
人間科学研究 = Studies of human science (ISSN:13495526)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1-30, 2017-03

The Japanese word Kakkoii, used mostly by children and teenagers,was a buzzword in the 1960s and then became a common word duringthe 1990s. This word, as well as Kawaii, has created its own field ofculture and of aesthetics. However, there is no analytic argument whichshows the connotation of Kakkoii culture. This article treats theJapanese notion of Kakkoii as an “aesthetic quality”.Kakkou, a part of the origins of the word Kakkoii, was imported fromChina and used as an adjective verb and as a verb, at the latest, in the15th century and as a noun in the 16th century. With such a syntacticchange, the meaning of the word Kakkou varied from “to suit” itself to thestate of a thing which is suited to another thing, or to the normative stateof a thing. From the end of the 16th century to the 18th century, Kakkoucame to mean the appearance of a thing which vaguely implies suitability,or of a thing no longer suitable. After the 18th century, the expression“Kakkou ga yoi/warui(Kakkou is good/bad)” frequently appeared inwriting.In the newer senses of the word Kakkou, the suitability which itsignifies has been internalized for a thing, especially for the appearanceof a thing. The suitability has become independent of Kakkou with itsalternative, the positivity/the negativity and has been transferred to (thesubject of) the judgement: “yoi/warui”. This author proposes that thisvisualization and this subjectificaiton of the suitability in the history fromKakkou to Kakkou ga yoi are the “aestheticization” of the suitability.Kakkoii, an adjectification of the phrase: “Kakkou ga yoi” became aneducational issue in the 1960s. It was “a physical, sensual and visualvalue” in perceiving “sensitively” the “form” and the “figure” as“appearance” of a thing in the context of the time when the “visualcultures” as “photo, manga, television and advertisement” weredeveloping(Tadao SATO,1964, and others). The use of the word Kakkoiiwas guilty of giving priority to the “appearance” and of decreasing thevalue of the “substance”. However that is a way of life where “theyconstruct the reality by imagination, going against the modern way ofcognition, which attaches importance to the essence abstracted from thereality”(Jiro SAITO,1979). When “Kakko ( カッコ) is notKakkou(appearance)(格好) itself but the whole object including theessence expressed in the appearance of a thing”, we can start with ajudgement of Kakkoii and create the “reality” from the “appearance”(SAITO,1979) to get the suitability of a thing.If this “paradoxical” structure makes the situation where the norm ofthe suitability which exists on the side of (the subject of) the judgment isbrought back again by imagination to the side of the thing, we can addKakkoii to the same line of “aestheticization” of the suitability fromKakkou to “Kakkou ga yoi”.
著者
鈴木 優実 松村 敦 宇陀 則彦
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2018-CE-143, no.6, pp.1-7, 2018-02-10

2020 年から初等 ・ 中等教育でのプログラミング必修化が決定され,プログラミング初学者への教育の重要性が増している.プログラミング教育では,文法,アルゴリズムなど様々な要素を学習する必要があるが,初学者はプログラムの構成段階で行き詰まってしまう問題を抱えている.これに対処するため,プログラムの構成を考える手法のひとつであるアルゴリズム的思考法を用いた学習システムを提案した.大学生 10 名を対象とした評価実験を行い,一定の支援効果がみられた.
著者
内田 早紀子 松村 敦
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2018-CE-143, no.5, pp.1-7, 2018-02-10

2020 年度から小学校でプログラミング教育が必修化される.しかしながら,ICT 環境整備,カリキュラム選定,サポートするメンターの育成など様々な課題に直面している.そこで本研究では,小学校でのプログラミング教育が必修化されているオーストラリアにおいて調査を行い,日本のプログラミング教育の課題解決の方策について検討することを目的とする.本研究では,まず日本のプログラミング教育における課題を整理し,アンケートの質問項目を作成した.次に現地調査を行ってアンケートを実施した.その結果,授業で使用する機器不足に対しては,生徒自身のタブレットを持参し学習をサポートしていた.カリキュラムに関しては,様々な教科でプログラミング教育を行う授業横断制度を採用しており,普及に向けて課題に対処していることがわかった.

1 0 0 0 OA 自牧宗湛(上)

著者
綿田 稔
雑誌
美術研究 = The bijutsu kenkiu : the journal of art studies
巻号頁・発行日
no.393, pp.30-60, 2008-01-28

1 0 0 0 OA 自牧宗湛(下)

著者
綿田 稔
雑誌
美術研究 = The bijutsu kenkiu : the journal of art studies
巻号頁・発行日
no.395, pp.20-56, 2008-08-28
著者
石井 晃 志築 文太郎
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.657-669, 2018-02-15

スマートウォッチのような超小型タッチスクリーン端末(以降,超小型端末)に搭載されるタッチスクリーンは,身に付けるという特性上,小型で軽量であることが要求されるため超小型である.そのため,Fat finger problemやオクルージョンの問題が発生し,ユーザは小さなターゲットを選択しにくい.この問題は,ふきだし表示を用いて操作している指によって遮蔽されている領域を遮蔽されていない領域へ表示することにより解決することができる.しかしながら,超小型端末向けのふきだし表示のデザインについてはこれまで深く調査されてこなかった.本論文では,3つのデザイン要素(それぞれの要素には2つの水準を設けた)を選び,そして超小型端末上の選択タスクにおいて8つのふきだし表示の性能を実験的に調査した.実験の結果,先行研究における結果と一部一致したが,超小型端末ならではの結果も得ることができた.ふきだし表示内の表示はなめらかに変化させたほうが選択速度が速く,エラー率も減少し,また精神的負荷も減少した.また,ふきだし表示内に正確なタッチ位置を示すポインタを表示したほうがエラー率が減少した.デザイン要素としてのふきだし表示の位置は選択タスクにおける性能に影響を与えなかった.
著者
石見 豊
出版者
国士舘大学政経学会
雑誌
國士舘大學政經論叢 (ISSN:05869749)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, 2013
著者
江戸 英雄
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = The Bulletin of The National Institure of Japanese Literature (ISSN:18802230)
巻号頁・発行日
no.43, pp.57-84, 2017-03-16

表題の「嵯峨院の六十の賀」ほか、うつほ物語とその年立を考えるうえで重要な事柄を論じ、物語の方法の一端も明らかにしてみた。The Use of chronological table is proposed for resolving the dissonance of some past annotation studies on the tale of cavern. This paper's title "The Celebration of the 60th Former Emperor Saga's birthday" is one of the most important matters on it.
著者
丹地 実子 渡遺 千里 松村 優花 代野 あやめ 木村 美智子
出版者
ヒューマンケア研究学会
雑誌
ヒューマンケア研究学会学術集会 プログラム/抄録集 (ISSN:2187283X)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.18, 2016-10

看護学生にとって臨地実習とは、学内での学習した看護の知識・技術を実践する能力を習得する重要な場であるとともに、身についている生活習慣が崩れることにより、様々なストレス反応が現れる。我々も、実際に臨地実習を経験したなかで、体調を崩などの身体的変化が現れる者、憂欝な気持ちになるといった心理的変化が生じる者などストレスの感じ方や、ストレス反応が個々で異なると感じた。
著者
鈴岡 節 木村 和広 伊藤 悦雄 天野 真家
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第40回, no.人工知能及び認知科学, pp.105-106, 1990-03-14

ワードプロセッサのかな漢字変換において,多くの同音異義語に対してユーザが正しい漢字を選択する必要がある.この作業を軽減するための手段として,現在は短期学習(同音語内で最も最近選択された語が優先される)と共起テーブルの利用とが一般に用いられている.しかし,短期学習の場合,前とは違った分野の文章を入力するしかな漢字変換の質が下がる.また共起テーブルは予め作成することが非常に困難である上に,共起テーブルでは対処できない場合がある.これらの問題を克服するために,かな漢字変換に神経回路網技術を導入した.神経回路網を用いたかな漢字変換では,入力されている文章の文脈を把握する.そして文脈に応じて同音語内の語の優先順位を変え,今までに出現していない語であっても,現在の文脈と関連する語であれば,選択され易くする.
著者
Takeshi Miura Takaaki Kaiga Takeshi Shibata Madoka Uemura Katsubumi Tajima Hideo Tamamoto
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, 2018-02-15

This study proposes a method to systematically visualize the motion-characteristic distribution of Japanese folk dances passed down in a certain area. This is accomplished by adopting an approach that involves analyzing motion-capture data collected from the dances. The visualization process in the proposed method consists of three stages. The first stage is the modeling of the relationship among motion-capture data, folk dances, and the settlements in which folk dances have been passed down. This relationship is modeled as a hierarchical-structure model. The second stage is the extraction of motion characteristics from motion-capture data streams. The motion characteristics of each data stream are summarized as a fourteen-dimensional feature vector. The third stage is the visualization of the motion-characteristic distribution of the dances investigated. Each of the dances is mapped on a two-dimensional scatter plot in accordance with the feature quantities obtained in the second stage. Information on the hierarchical-structure model constructed in the first stage is also displayed. The analysis results for the distribution of Bon Odori dances showed that the proposed method could have almost completely visualized the motion-characteristic distribution of sample folk dances, while also demonstrating consistency with the knowledge of the dances acquired in the previous studies.------------------------------This is a preprint of an article intended for publication Journal ofInformation Processing(JIP). This preprint should not be cited. Thisarticle should be cited as: Journal of Information Processing Vol.26(2018) (online)DOI http://dx.doi.org/10.2197/ipsjjip.26.74------------------------------
著者
加藤 常員
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.341-350, 2018-02-15

地理情報システム(GIS:Geographic Information System)は歴史研究の場で有効な研究ツールとして認識されつつある.歴史研究分野でのGISの利活用では旧国境,旧郡境,旧村境などの歴史的境界の空間データが不可欠である.歴史的境界は,時期や研究者の見解により異なる箇所やもともと判然としない箇所も多い.そのため近世以前の歴史的境界の空間データ化は進んでいない.歴史的境界線は地方史誌などに掲載されているが,それら地図の作成にあたっては現行の境界線や地形が参照されたと考えられ,現行の地勢図などが下図に使用されたと推定できる.本稿では,判然としない箇所を含む歴史的境界の空間データ化の手法を提案する.提案する手法は,求める境界にかかわる複数の領域(たとえば村)のおおよその形状データを与え,面を核とするボロノイ分割を活用して分割線を求める.求めた分割線に地勢図を参照して緯度・経度情報を付与し,空間データに仕立てる.提案手法は細密な境界線空間データの生成をめざすものではない.歴史的境界の特性をふまえた,大まかな境界線のデータ化をめざすものである.提案手法に従った歴史的境界線生成システムを試作し,境界線データの生成実験を行った結果を示す.
著者
堤 智昭 田島 孝治 小助川 貞次 高田 智和
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.278-287, 2018-02-15

本研究では,訓点の一種であるヲコト点を対象とし,計算機を用いて解析することを目的としたヲコト点の構造化記述方式を提案する.提案方式に基づいてヲコト点図の電子化を支援する入力支援ツールを開発し,主要ヲコト点26種を電子化する.さらにそれを用いてヲコト点の基礎計量を行う.基礎計量では,ヲコト点を構成する要素である「読み」・「位置」・「形状」を対象とした.その結果,最も多く登場する「読み」は「ス」「ナル」「ナリ」「タリ」であり,形状は「・」であることや,漢字の四隅に多くのヲコト点が付与されることなどを定量的に示した.また,主要ヲコト点26種の電子化処理と基礎計量の結果を受けて,提案する構造化記述方式の有効性を確認した.
著者
西 和彦
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.220-221, 2018-02-15
著者
田中 勝 村川 猛彦 宇都宮 啓吾
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.288-298, 2018-02-15

現在,古写経を中心とした文書の電子化が進められている.しかしながら漢文に送り仮名やヲコト点が付与された,訓点資料においては,文書の翻刻(テキスト化)やそれを管理するシステムの提供が十分ではなかった.本研究では,訓点資料における解読支援環境の確立を目指し,訓点資料を対象とした翻刻支援システムの構築を行ってきた.システム構築にあたり,訓点資料が手書き文書であることや,訓点資料に含まれる多様な記述情報に対応することを考慮して,訓点資料の記述情報を文字領域や点座標としてデータベースに格納し,情報間の関連付けを行うことで解決を図った.また,HTML5 Canvasを用いた画像ベースのインタフェースにより,直感的な操作で資料画像上に入力する仕組みを実現し,行・列番号や読みの自動推定機能をサーバ側で実装することで,ユーザによる入力の手間を省く試みを行った.評価実験により,システムの操作性に問題がないこと,1件ごとの平均入力時間は約3秒で十分に実用的であること,および自動取得したデータの誤り数は少なく手動修正が可能な範囲であることを確認した.