著者
Jenkins A.P. ジェンキンズ アントニー P.
出版者
琉球大学教養部
雑誌
言語文化研究紀要 : Scripsimus (ISSN:09194215)
巻号頁・発行日
no.2, pp.27-49, 1993-07

オックスフォード大学の歴史教授F.F.Urquhart(皇太子妃雅子様が学ばれたカレッジの教授)が1981年夏、教授所有のフランスアルプスの山小屋へ約20人の学生を招き、読書、ディスカッション、討論を通して専門及び専門外の分野における学生の知識を深めることを目的として始めた。今世紀に入り、オックスフォードの他の2つのカレッジにも読書会は広まった。夏休みにそれぞれのカレッジの学生をフランスアルプスの山小屋へ招き同じ主旨の下に読書会は実施されている。計画・運営された教授には著名なSir Roger MynorsやSir Christopher Cox等もふくまれている。参加した学生の中には後日の英国首相二人、カンタベリー大聖堂の大司教、更にLord Clarkのような著名な学者の卵も大勢いた。1989年以来、琉球大学においても英語専攻の学生を対象に、語学学習を目的とする読書会が実施されている。同会では秋の休暇を利用して、最高15名の学生が自主参加の形式で6日間大学の『奥の山荘』で寝食を共にする。毎年参加者は事前に課題小説を読むことを義務づけられており、短編や戯曲、詩等も課題の対象である。詩の朗読、フィルム・ビデオ観賞、種々の言葉ゲーム、野外活動等も読書会のプログラムに含まれてる。一日を朝・昼・夜のセッションに分割しプログラムを実施する。オーガナイザーや外国人教師は全日程、学生と共に過ごし随時トピックに詳しい日本人ゲストや外国大学からの参加者を交えてのディスカッションも実施する。参加者は全日程を通じてイングリッシュ・オンリーの原則を厳守することが義務づけられてる。読書会は正式なプログラムとして計画実施されたわけではないため、学生の読解力・聴く力・話す力の評価はその目的ではない。しかし、参加者の読書会への高い評価と共に1992年に出版した英語俳句集等は読書会の意義と価値を実証するものである。読書会を今後も継続させたいとする要望があり、これまでに得られた経験と学生の反応を考慮しつつ修正を加え更に、この読書会を他の大学へのモデルとして提示したい。
著者
桑水流 理 寺西 正輝 小林 正和 戸田 裕之
出版者
公益財団法人 高輝度光科学研究センター
雑誌
SPring-8/SACLA利用研究成果集 (ISSN:21876886)
巻号頁・発行日
vol.9, no.6, pp.383-390, 2021-11-29 (Released:2021-10-29)
参考文献数
16

板状の介在物粒子を含むアルミニウム鋳造合金の疲労破壊挙動を放射光 CT および大規模有限要素解析により検証した。疲労亀裂は主として介在物と母相の界面剥離から生じた。界面剥離と介在物粒子の破損はほぼ同時に多数発生し、多数の空隙を生じさせた。単一の亀裂の進展速度は遅く、多数の空隙が合体することで、亀裂は進展した。材料表面では Al 母相の塑性ひずみが蓄積し易く、Al 母相のひずみ硬化による応力増加が、材料表面近傍での介在物の破損を生じさせた。
著者
宮本 覚 下坂 陽男
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会関東支部総会講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.45-46, 2010
被引用文献数
1

The effect of music on driver's mental stress and driver's operation was researched with a simulator. Subjects were 3 healthy males. The heartbeat was measured for about 5 minutes without any stimulation, then for about three minutes simulated while listening to music with driving simulator, and finally, for a few times until observer was settling down. LF/HF and Reactive value, and Standard deviation of horizontal displacement, and Standard deviation of vehicle speed is used for the analysis (LF and HF denote the low frequency component and the high frequency component of the power spectra of heartbeat fluctuations, respectively). Under the speed of 60km/h music influence on driving is not so large. The influence is larger when vehicle speed becomes faster. It may be understood that subjects were similarly influenced by music when standard deviation of the fluctuation of vehicle speed is paid attention. As a result, a high relation between speed control and steering wheel control was read from the graph. It is revealed that the best music on driver's mental stress is usual tempo music.
著者
山崎 康一郎 水藤 昌彦 我藤 諭 脇田 康夫 益子 千枝 池 愼太郎 菅原 美穂
出版者
大阪人間科学大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

非行・犯罪行為のあった障害者への司法と福祉の連携による対応が必要であることが指摘されているが、性犯罪・性加害行為のある知的障害者については日本には支援状況や支援方法に関する十分な知見がない。そこで、支援の状況について明らかにし、今後の支援における示唆を得ることを目的として、障害福祉事業所職員への質問紙調査および面接調査を実施した。その結果、性加害行為の要因や支援方法に関する見立てが十分になく、また多機関連携が不十分な状況が示された。今後の支援では、支援の必要性は広く認識されているが、専門的な知識や支援方法がないなど支援者が困難を感じている状況が示唆された。

1 0 0 0 OA 日記

著者
〔大山巌〕
巻号頁・発行日
1898
著者
松田 晋哉 村松 圭司 藤本 賢治 峰 悠子 高木 邦彰 得津 慶 大谷 誠 藤野 善久
出版者
日本ヘルスサポート学会
雑誌
日本ヘルスサポート学会年報 (ISSN:21882924)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.15-29, 2021 (Released:2021-04-15)
参考文献数
7

【目的】介護保険制度の目的は、高齢者が要介護状態になっても、できうる限り自立した生活を送ることが出来るよう支援することである。この目的には在宅介護の可能性を高めることが当然含まれる。そこで本研究においては、東日本の一自治体における介護保険の認定調査データおよび介護レセプトと医科レセプトとを用いて、在宅の中重度要介護高齢者の特別養護老人ホーム入所に関連する要因を分析し、在宅介護を進めるための条件について検討した。【資料及び方法】東日本の一自治体における介護保険の認定調査データと介護レセプト、医科レセプトを個人単位で連結したデータベースを作成した。このデータベースから2014年度の要介護認定で要介護3以上と認定された在宅の対象者6,540人を抽出し、2018年3月まで月単位で追跡し、その後の特養入所の有無を介護レセプトから把握した(特養入所のイベント発生を1)。そして、分析期間中の最初の認定審査時における傷病の状況及び医療・介護サービスの利用状況を医科レセプトと介護レセプトから把握し、特養入所に関連する要因についてCoxの比例ハザードモデルによって検討した。【結果】特養入所に関しては女性であること、年齢が高くなること、認知症があること、口腔清潔・洗顔・洗髪で介助が必要なこと、通所介護の利用者であることが有意にハザード比を高めていた。いずれも認知症との関連が深い項目である。他方、寝返りや起き上がり、座位保持、立位、移乗、移動といった筋力に関わる項目で自立度が低いことは特養入所のハザード比を有意に下げる結果となった。また、通所介護の利用を除くと、他の医療介護サービスの利用は、いずれも特養入所のハザード比を有意に下げていた。【考察及び結論】本分析の結果、中重度の在宅要介護高齢者が特別養護老人ホームに入所する要因としては高齢、認知症及びそれに関連した生活障害があること、女性が有意のものであることが示唆された。他方で、医療ニーズの高い高齢者は入所リスクが低くなっていた。こうした特性を持つ中重度要介護高齢者は特別養護老人ホームよりは医療系施設に入院している可能性が示唆された。
著者
廣瀬 通孝
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.71-74, 2007
被引用文献数
4 2

「五感情報通信技術」とは,これまで視覚や聴覚に限定されていたコンピュータ・インタフェースをそれ以外の感覚にも拡大すること,五感の感じた情報をコンピュータが取得,処理,表示すること,などを目指した技術である.感覚というキーワードをコンピュータ技術に取り込み,さらに新しい領域を発展させていこうという目的を持つ,新世紀の技術であるといってよいだろう.本稿では VR技術を中心に,五感情報技術の現状とその周辺の話題について紹介する.

1 0 0 0 OA 日本大蔵経

著者
日本大蔵経編纂会 編
出版者
日本大蔵経編纂会
巻号頁・発行日
vol.第30巻 経蔵部 法華部章疏 3, 1920
著者
清家正著
出版者
パワー社出版部
巻号頁・発行日
1943
著者
森 貞彦
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.45-50, 1997-03-01
参考文献数
15
著者
小玉 正弘
出版者
山梨医科大学
雑誌
山梨医科大学紀要 = 山梨医科大学紀要 (ISSN:09105069)
巻号頁・発行日
no.3, pp.50-56, 1986

宇宙線によって大気中で生成された二次宇宙線中性子つまり大気中性子が土壌中を伝搬するとき、土壌成分だけでなく、土壌中に含まれる水分による散乱と吸収の影響を大きく受けて減衰する。大気中性子と土壌水分量との定量的関係を地表からの深さの関数として実験的に求め、前者が後者のリモートセンシングに利用できる可能性を示す。地表面上下附近での大気中性子の振舞を考察しつつ、宇宙線の土壌科学的応用について述べる。