著者
横手 逸男 ヨコテ イツオ Itsuo Yokote
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.46, pp.115-131, 2012-02

1941年12月の日米開戦後まもなく米国では、戦後対外政策諮問委員会(ACPER)が創設され、その下に領土委員会や特別調査部の極東班などにおいて、戦後の天皇制度に関する話し合いが行われた。日本占領にあたり天皇をどう扱うか、当時の国務省内では、活発な論議がなされている。戦局も押し迫り、新たに発足した戦後計画委員会や部局間極東地域委員会では、「天皇制存置・利用論」と「天皇制廃止論」との激しいやりとりがなされている。1944年末には国務省の機構改革により幹部会が発足した。また、その頃、戦争終結をみすえ、国務・陸軍・海軍三省委員会(SWNCC)が創設され、ここで決定されたSWNCC文書は米国政府の基本文書となった。国務省の知日派のグルーらは、「天皇制存置・利用論」の立場をとったが、1945年6月に示された「SWNNCC150」や7月に発せられた「ポツダム宣言」ではこの点については特に明示されず、同宣言を受諾し降伏するかの判断も、原爆投下、ソ連対日参戦後の御前会議における天皇の「ご聖断」を待たねばならなかった。
著者
金丸 直義 西関 隆夫 浅野 哲夫
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.27(1991-AL-026), pp.25-32, 1992-03-23

本報告では,与えられた凸m角形内部のすべての整数格子点を列挙するO(+m+log )時間のアルゴリズムを与える.ここでKは列挙された格子点の個数であり,nは凸m角形の大きさ,すなわちm角形を包含する軸平行な長方形の垂直,水平な辺のうち短い方の長さである.さらに,m個の制約式を持つ2変数整数計画問題を解くO( log m+log )時間のアルゴリズムを与える.ここでnは計画問題の許容解空間である凸多角形の大きさを表す.このアルゴリズムは従来知られているアルゴリズムより単純であり,時間計算量も改善している.
著者
山本 紀生 ヤマモト ノリオ Norio Yamamoto
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.211-216, 2003-10-30

This paper is a translation of the 4th chapter of Histoire et Doctrines de la Comptabilit・by J.H. Vlaemminck, published in 1956. No accounting documents remain from ancient Rome, however literary works show debit and credit accounting methods. Ancient Rome did not use the double entry system.
著者
山本 紀生[訳] ヤマモト ノリオ Norio Yamamoto
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.289, 2003-03-31

This paper is a translation of the 3rd chapter of the fist section of Histoire et Doctrines de la comptabilite by J.H.Vlaemminck, published in 1956.In Ancient Greek, the fist banks were temples. We can discover traces of Hellenic accounting in them. However Athenian banks were established as private enterprises, and as such shared many of the features of modern Financial institutions.
雑誌
札幌法学
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.139-154, 1996-03-31
著者
町田 史門 梶山 朋子 嶋田 茂 越前 功
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.2092-2103, 2014-09-15

SNS(Social Networking Service)が幅広い年齢層に急速に普及し,SNSに投稿されるライフログにより,多くの人々がコミュニケーションを活発化している一方,SNS投稿に起因したプライバシ侵害のトラブルが多く発生している.その原因の1つとして,SNSユーザによる,個人に関する情報の漏洩がある.本論文では,SNSユーザの不用意な投稿による個人に関する情報の漏洩が,実際に発生していることを確認するために,Twitterアーカイブにおけるこのような情報漏洩の存在率の試算評価を行った.次に,本試算評価を受け,SNS投稿時に発生する情報漏洩を自動検知する第一歩として,非公開とすべき情報の内容分類と開示レベルを対応付けた,SNSにおけるプライバシ侵害情報分類表の提案とその評価を行った.さらに本分類表の特性を活かし,センシティブデータの漏洩有無の通知と,SNS投稿者を中心としたネットワーク内における公開対象者の自動設定を提供するシステムを提案した.
著者
奥村 香保里 毛利 公美 白石 善明 岩田 彰
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.2159-2167, 2014-09-15

セキュリティ基盤技術やシステム構築・運用技術が高度化しているにもかかわらず,個人情報の悪用やプライバシーの侵害への利用者の懸念は高い.従来は安全な技術によって利用者は安心すると考えられていたが,システムが安全なだけでは安心して利用できるとは限らない.利用者の安心感の要因について検討することは,安心して利用できるシステムの開発,およびサービスの提供の助けになると期待できる.そこで,本研究では情報システムにプライバシー情報を登録する利用者の安心感の要因について,質問紙調査と因子分析を行った.その結果,“能力・知識因子”,“ユーザビリティ・プリファレンス因子”,“身近な他者因子”,“主観的な信用因子”,“安全性因子”の5因子が抽出された.抽出された因子は,先行研究の因子と異なり,対象の評判やうわさ,家族や友人などの身近な他者とともに登録することが安心感の要因になることが分かった.また,共分散構造分析の結果から,安心感の因子が“論理的要因”,“主観的要因”の2つに分かれるという構造が解釈できた.このことから,論理的要因と主観的要因の両方の内容を備えていることが安心感につながると考えられる.
著者
安藤 駿 猪瀬 裕介 増田 英孝 佐々木 良一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.2149-2158, 2014-09-15

近年,テレビ番組やWEB放送などでTwitterなどを用いて視聴者の意見を取得し反映するケースが多い.このような場合にはリアルタイムで有益な意見を抽出し,放送に活かすことが望ましい.著者らが開発中のITリスク問題に関する合意形成支援システムSocial-MRCにおいても,数千人規模の参加者の合意形成を支援するためにUSTREAMを用いて放送し,Twitterを改良したものを用いて意見の収集を図っている.しかし意見の数が膨大になり,人の力だけでリアルタイムに意見を分類することは困難である.そこで自動的に有益な意見を抽出する必要があるが,放送を見ながら実時間で意見を記入する場合は,Twitterに限らず投稿される意見は短い文章が多く自然言語処理だけでは満足な結果を得ることが難しい.一般的に機械学習の素性として名詞を用いることが多いが,名詞は議論の内容に依存することが多く,学習時には出てこなかった未知の話題を含む有益な意見が出てくることも多い.このような問題を解決するため,投稿者に選択してもらった意見の対象および意見の種類の項目を素性として用いるとともに未知の名詞の出現頻度を素性に用いるMAUOS方式を開発した.この方式をSocial-MRCを用いた「青少年への情報フィルタリング問題」の合意形成に適用することによって,短い文章において新しい傾向を持つ意見を高い精度で分類することができたので報告する.
著者
松山 旭 丸山 仁司 鈴木 康文
雑誌
名古屋市立大学看護学部紀要 = Bulletin of Nagoya City University School of Nursing (ISSN:13464132)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-7, 2008-03

本研究の目的は、要介護者への電気刺激による筋力増強効果と安全性を検討することである。要介護者8名に対して、両大腿四頭筋への電気刺激を4週間行い、筋力は膝伸展筋力で、安全性を循環反応、皮膚症状、疼痛で検討した。患肢においては有意差が認められ、筋力増強効果がみられた。また、筋力の低い症例についても増強効果の可能性が考えられた。安全面の検討においては、電気刺激前後で血圧、心拍数に有意な差はなく、皮膚状態の異常、疼痛もみられなかった。これらから、筋への電気刺激を安全に施行できる可能性が示唆された。今回の研究において、要介護者への電気筋力刺激による増強効果と、安全に行える可能性が示唆されたが、今後、疾患の検討や、刺激中のモニタリング等を含め、症例数を重ねていくことが課題として挙げられた。
著者
八木 宇気
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.137-141, 2014-09-12

近年,映像技術や SNS の発展により,web 上に存在する鑑賞者の写真や投稿した文章などの情報を映像内に反映させ た映像作品が多く存在する.それらの作品では映像内に自らの情報が反映されることで,鑑賞者は映像の物語に参加 しているように感じられる.本研究では映像に情報を反映させるだけでなく,SNS を通じた映像内の人物と鑑賞者と のコミュニケーションを実現させることで,その感覚をさらに増幅させる映像作品を制作した.
著者
廣瀬 雅治 杉浦 裕太 南澤 孝太 稲見 昌彦
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.142-145, 2014-09-12

本論文では,「ブクブカメラ」という,ダイビング中にユーザを三人称視点で記録し振り返ることができるシステムについて述べる.「ブクブカメラ」は,ダイバーに装着した紐の先端に浮きをつけ,この紐に平行になるようにカメラを取り付けることで常にユーザを視野中心に捉え続ける.この手法の特徴として,ダイビングの移動速度に従って視点が自然と前方になり,非制御で興味対象を捉えることができる.また,遊泳方向や潮の流れなどの影響により,環境のコンテキストを伴った映像を取得できる.ユーザの無意識的な行動や観察対象,周囲の環境とのインタラクションを記録ができ,ダイビングの振り返り体験を拡張することを目指した.
著者
坂本 季穂 伊藤 貴之
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.16-21, 2014-09-12

本論文ではフォトモザイクを写真ブラウザに活用する一手法を提案する.フォトモザイクは小さい写真をタイル状に並べて1枚の大きな画像を作る技法である.本手法はズーム操作型の写真ブラウザCATにこれを搭載し,ズームアウト時にはフォトモザイクを表示し,ズームイン時には個々の写真が閲覧できる仕組みを提供する.多くの場合において写真は時系列順に閲覧される.そこで本手法では一般的なフォトモザイクの生成手法ではなく,時系列順にタイル状に並べた写真群の色変換によってフォトモザイク風の画像生成を実現する.本論文ではフォトモザイク生成結果のユーザテストから,フォトモザイク化するのに適切な写真とはどういう写真であるかを議論する.
著者
関 恵美 杉山 希 須藤 敦仁 中野 亜希人 羽田 久一
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.214-217, 2014-09-12

家庭環境全体をネットワーク化するスマートハウスは次世代の住宅として注目を集めている.スマートハウスのコントロールでは,リラックスした状態に適したインターフェイスが必要となる.そこで本研究ではスマートハウス内での利用を想定したぬいぐるみ型インターフェイスを提案し,ぬいぐるみの手足を使った握りジェスチャと振りジェスチャによって家電製品をコントロールすることができるシステムの実装を行った.
著者
北原 美紗子 キタハラ ミサコ Misako Kitahara
雑誌
清泉女子大学紀要
巻号頁・発行日
vol.51, pp.17-34, 2003-12-25

Saussure was a pioneer who ventured to directly answer the question: 'What is language?' He established a linguistic theory of his own based entirely on sounds against all the foregoing theories based on writing systems. It was Motoki Tokieda who questioned the apparent infallibility of Saussure's theory of langue. The paper proposes a comparative study of the above-mentioned books by two linguistic theorists with a view to tracing the steps Tokieda took to develop his arguments against Saussure's sound-oriented theory.
著者
小川 真 矢崎 俊志 阿部 公輝
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2012-SLP-90, no.10, pp.1-7, 2012-01-27

VOCALOID 「初音ミク」 の発売以来,ユーザが自由に歌声ライブラリを制作できるフリーの歌声合成器 UTAU が開発されるなど,歌声合成への関心が高まっている.これら歌声合成器は主にアマチュアの音楽制作に使用されるが,ユーザが声色を任意時刻に混ぜて指定する機能がない.また,声色操作を行うことで処理時間やデータ量が大きくなる.本研究では音声合成分析系 WORLD を用い,メルケプストラムと Vorbis による励起信号からなるコーパスを声色別に収録し,各音素間を時間伸縮関数で接続することで,ユーザがモーフィング率を指定し声色を操作できる歌声合成器 v.Connect を開発した.提案手法を用いて歌声コーパス 「波音リツコネクト」 を制作した.このコーパスの容量は波形の 2 倍程度であった.合成速度は 1.7~2.2 倍と改善され,圧縮による劣化は主観的には感じられなかった.
著者
長谷川 公嗣 武野紘和 中津 悠斗 大宮 学
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.2829-2840, 2011-09-15

最近,無線LANシステムとして高出力かつ高速データ伝送を実現するIEEE802.11n規格に準拠した機器が流通している.この装置をアクセスポイントとして利用することで,屋内での同一フロア部屋間あるいは複数階での大容量情報伝送が可能である.本論文では,市販の2.4GHz帯無線LANシステムを利用して,屋内伝搬特性測定を行い,受信電界強度(RSSI)と平均スループットの関係を明らかにする.小規模および大規模オフィス環境,戸建住宅での測定と考察から,これら2つの特性には線形の関係があり,測定環境によらず同一の直線で近似できることを示す.このことは,市販製品がMIMO特性を実現していないことを意味し,動作周波数が2.4GHz帯であることおよび小型無線子機の構造上の制約が原因と考えられる.この場合,導出した関係式を利用することで,RSSI値からスループット値を推定できる.RSSIはスループットに比較して測定が容易で,数値シミュレーションでの評価にも適している.そこで,FDTD法によりRSSI分布を求め,その結果と測定結果を比較検討し,両者がよく一致することを確認した.以上のことから,数値解析で得られたRSSI分布と実験から導出したRSSIとスループットの関係を表す近似直線を組み合わせることで,任意の場所でのスループット値を推定することができる.したがって,導出した結論はアクセスポイントの設置位置や設置台数を見積もる際の有効な設計手法となる.
著者
池谷 和子
出版者
東洋大学法学会
雑誌
東洋法学 = Toyohogaku (ISSN:05640245)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.353-360, 2014-03-31