著者
上埜 剣吾 荒金 兆典 浅井 睦代 川田 暁 手塚 正
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.466-470, 2004

患者は38歳,女性。急性扁桃腺炎の診断により近医でクリンダマイシンの点滴と塩酸ミノサイクリンの内服を受けたところ,多型滲出性紅斑様の皮疹が出現したため当院紹介となった。発熱と軽度の肝機能異常を伴っていた。クリンダマイシン,ミノサイクリンの使用を中止し,ホスホマイシン内服に変更したうえで,プレドニゾロン30mg/日の内服を開始したところ皮疹は改善し,発熱,肝機能も正常化した。経過中HHV-6のIgM抗体価,IgG抗体価は軽度から中程度の亢進を認めた。貼付試験を行ったところクリンダマイシン(10%,1%,0.1%)の各濃度全てに陽性反応を示し,HHV-6に誘発されたクリンダマイシンによる薬剤過敏症であると診断した。
著者
和田 訓佳 大竹 浩靖 小泉 安郎
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.229-230, 2002

The onset nucleate boiling and the point net vapor generation on subcooled flow boiling, focusing on liquid subcooling and liquid velocity were investigated experimentally and analytically. Experiments were conducted using a copper thin-film (35μm) and subcooled water in a range of the liquid velocity from 0.27 to 4.6m/s at 0.10MPa. The liquid subcoolings were 20,30 and 40K, respectively. Temperatures at the onset nucleate boiling obtained in the experiments increased with the liquid subcoolings and the liquid velocities. The increase in the temperature o* ONB was represented with the classical stability theory of preexisted nuclei. The measured results of the net vapor generation agreed well with the results of correlation by Saha and Zuber in the range of the present experiments. The temperature at the ONB decreased with increasing the size of surface roughness. The NVG was independent on the surface roughness.
著者
服部 信彦
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.223-240, 1965

南九州すなわち鹿児島県の大部分と宮崎県の南部にかけて,その上部層の名によって「シラス」台地とよばれる広い台地がある.この台地においては住民は水の不足によって悩まされて来た。それは多分「白砂」を意味し,火山灰砂層である「シラス」は非常に透水性が大きく,その表面に降った雨はたちまち台地の下層に滲透するからである.このため住民は水を得るのに深い井戸から水を汲むか,または谷壁の湧水を用いるほかはない.水を得ることは住民にとって非常な労苦であった.<br> しかし最近において革命ともいえる変化が生じた。それは水道が台地一帯につくられるようになったからである.このため住民は以前には想像できない程容易に水を得ることができるようになった.そのような短期間に水道ができた理由は第一にそれらが甚だ安くつくられるようになったからである.水道建設技術が急速に進歩したのである.第二は政府が財政支出によって経費の補助をしたからである.最後に市町村の尽力が大きい。<br> 「シラス」台地は南九州の重要な特色をなす。従ってそれと住民との関係は地理学の興味ある対象である.しかしわれわれが忘れてならないのは自然は決定的要因ではなく,ただ一つの要因たるにすぎぬということである.即ち技術的,経済的,政治的要因も重要である.筆者はこの事実,ひいては南九州の特色を研究した.
著者
大矢野 栄次 Eiji Ohyano
出版者
久留米大学経済社会研究会
雑誌
経済社会研究 = The journal of the Society for Studies on Economies and Societies (ISSN:24332682)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.1-19, 2018-06-25

調所広郷(安永5年(1776)-嘉永元年(1849)) は、江戸時代後期に薩摩藩主重豪に抜擢された経済官僚であり、後に家老となって重豪の命令によって薩摩藩の財政改革に貢献した。重豪亡き後は、次の藩主斉興の指示と了解に基づいて藩の財政改革を実行した優秀な官僚である。調所広郷は藩主島津重豪の命令のもとで商人から金を借り、行政改革や農政改革を実施した。薩摩藩の財政は巨額の債務として累積していたために、商人に対して強引に、500万両の借金を無利子で250年の分割払いにしてしまった。さらに琉球を通じて清との密貿易を行なった。大島・喜界島・徳之島などの「道之島」から取れる砂糖の専売制を行って大坂の砂糖問屋の関与の排除を行ったり、商品作物の開発などを行ったりなどの薩摩藩の財政改革を行い、天保11年(1840)には薩摩藩の金蔵に250万両の蓄えが出来る程にまで財政を回復させた。嘉永元年(1848)、幕府老中阿部正弘は薩摩藩の密貿易を糾弾し、責任者の調所広郷は進退きわまり、同年12月、江戸の薩摩藩上屋敷芝藩邸にて急死した。享年73歳であった。密貿易の責任追及が藩主斉興に及ばないようにすべての責を負った服毒自殺といわれている。

1 0 0 0 OA 陶器全集

著者
小野賢一郎 編
出版者
陶器全集刊行会
巻号頁・発行日
vol.薩摩篇, 1934
著者
渡辺 芳郎
出版者
東洋陶磁学会
雑誌
東洋陶磁 (ISSN:09147764)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.67-77, 2013
著者
安田 和矢 伊藤 信治 中村 知倫 原田 真雄 肥後 芳樹
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.4_23-4_32, 2021-10-22 (Released:2021-12-22)

近年,ソースコードのデバッグ作業を効率化する自動プログラム修正が注目されている.従来の自動プログラム修正手法では,欠陥が含まれる命令を,ソースコード中の別の箇所に出現する式 (素材コード片) を用いて書き換えることで,欠陥を修正する.したがって,必要な素材コード片がソースコード中に存在しない場合,欠陥を修正できない.本研究では,修正対象システムで特定のコード記述パターンがよく用いられる,という開発者の知見を活用し,事前定義したコード記述パターンに基づき素材コード片を生成する手法を提案する.これにより,ソースコード中に素材コード片が存在しない場合でも,プログラムの自動修正が可能となる.実製品の開発中に検出・修正された欠陥48件に提案手法を適用した結果,既存手法では修正できた欠陥の数が9件だったところ,提案手法では2件増加し11件となった.
著者
近藤 行成
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.59-63, 2016-02-20 (Released:2016-05-20)
参考文献数
4
被引用文献数
1

界面活性剤の定義,基本的なはたらきおよび表面張力について概説する。また,界面活性剤の分類に基づき,アニオン,カチオン,非イオンならびに両性界面活性剤の特徴について紹介する。
著者
小椋 知子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 45 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.43-46, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
8

本稿の目的は,スペイン語文化圏の小学校乗法指導系統上における乗数・被乗数の順序の扱いにかかる営みを,コロンビアの事例において示すことにある.そのために,教育省基準および教科書の乗法指導系統における乗法式2表現(「乗数×被乗数」「被乗数×乗数」)の扱いを時系列で分析した.その結果,教育省基準の変遷に「2表現の文脈に応じた混在」→「乗数×被乗数」→「被乗数×乗数」の系統の出現が確認された.スペイン語由来の式表現(乗数×被乗数)では,導入時はよくとも上位学校における文字式で必要となる複合式は立式できず,乗数作用素(乗数×)を除数作用素(×除数)と揃えることで可能になる.教科書により異なる「被乗数×乗数」導入時期の検討が課題となる.日本の場合,指導系統の中で言語に準じた式表現を導入時から一貫して用いることができる.