著者
サコ ウスビ 結城 幸司 加藤 博文
出版者
北海道大学ダイバーシティ・インクルージョン推進本部
巻号頁・発行日
pp.5-20, 2022-05

(2022). 北海道大学ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言制定記念講演会記録集 北海道大学ダイバーシティ・インクルージョン推進本部
著者
中沢 志保
出版者
文化女子大学
雑誌
文化女子大学紀要. 人文・社会科学研究 (ISSN:09197796)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.51-63, 2007-01-31

原爆投下をめぐる問題は,戦後60年余りが経過した現在においてもなお,歴史家や国際政治学者などの重要な研究対象となっている。また,アメリカ国内の状況に注目すると,この問題の理解において,アメリカ政府および一般世論と研究者との間に大きな隔たりが存在することが分かる。アメリカの政府や国民の多くは「原爆投下は戦争を早期に終結させるために導入された正当な手段だった」と主張する。これがいわゆる公式解釈と称される立場である。これに対して,それぞれの研究視点からこの公式解釈を批判し再検討するのが研究者の立場である。本稿は,公式解釈の形成に多大な貢献を果たしたと言われるヘンリー・スティムソン(原爆投下時の陸軍長官)の論文と回顧録の内容を考察するものである。公式解釈に対する批判から出発したはずの原爆投下決定に関するこれまでの研究を吟味すると,これらの先行研究がスティムソンの論文ないし回顧録を十分に考察しきれていないことに気づくからである。この論文と回顧録を再検討することにより,公式解釈の前提,およびその後の諸研究の基盤を検証しなおすことができると考える。
著者
大久保 響 吉村 珠美 山内 大樹 星野 仏方
出版者
酪農学園大学
雑誌
酪農学園大学紀要. 自然科学編 (ISSN:21870500)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.25-39, 2022-10

On northern Japanʼs Hokkaido Island, wolves (Canis lupus) have been extinct for 100 years. As a result, the sika deer (Cervus nippon) population has increased in recent years, causing damage to agriculture and to the forestry and fisheries industries and leading to an increase in train and automobile traffic accidents. On the other hand, wolves live in Mongolia where stock-farming is the main livelihood. Yet nomadic livestock herders have coexisted with wolves for centuries. The main reason for this successful coexistence in the Mongolian steppes can be attributed to the nomadsʼ understanding of wolf ecology. This understanding has led to the development of ways for humans and apex predators to interact with one another in this ecosystem. We also discovered that livestock damage caused by wolves in Mongolia is minimal because there is sufficient prey (e.g., red deer) and because the wolves and their prey do not live in proximity to humans. We note there has never been a documented attack by a wolf on a human in Mongolia. Our investigation of the habitat of wolves in Hustai National Park (HNP) in Mongolia gave us a base of information to assess the challenges that might occur if wolves are reintroduced into Hokkaido. Based on our habitat assessment of the island, we were able to estimate the carrying capacity of wolves on Hokkaido. We concluded that Hokkaido Island can successfully support approximately 1300 wolves with a prey base of up to 100,000 sika deer.
著者
伊藤 聖子 葛西 麻紀子 加藤 陽治
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.110, pp.93-100, 2013-10-18

フィリピン産の高地栽培種(スウィーティオバナナ)および従来の低地栽培バナナ(レギュラーバナナ)を用い追熟過程および加熱(焼く、蒸す)調理過程それぞれでの糖度および糖組成の変化を調べた。高地栽培種、低地栽培種の可溶性糖質含有量は高地栽培種の方が多いことが確認された。また、両者ともその主成分はスクロース、グルコース、フルクトースであるが、追熟とともにスクロースが減少し、グルコースとフルクトースが増加することがわかった。また、微量に含まれるソルビトールは減少し、オリゴ糖は増加する傾向にあった。加熱調理(焼く:180℃のオーブンで20分、30分、40分処理、および蒸す:蒸し器で10分、20分、30分処理)では、いずれも、焼き調理より蒸し調理後の糖度が高くなる傾向がみられた。焼きは30分で最も高く40分では減少していた。また、蒸し調理では10~20分で最も高く、それ以上になると、かなり減少することがわかった。
著者
小林 卓也
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 人文科学系列 (ISSN:02879727)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.181-194, 2013-03

本稿の課題は,フランスの哲学者ジル・ドゥルーズと,精神分析を専門とするフェリックス・ガタリとの共著『千のプラトー』(1980)に見いだされる言語観の内実とその射程を明らかにすることである。彼らが端的に述べているように,「あらゆる言語(langue)は本質的に非等質的な,混合した現実である」。しかし,チョムスキーによる生成文法を念頭に置きながら,言語学はこうした言語現象の多様性に目を向けようとせず,文法規則や言語の等質的体系性を抽出することだけに終始しており,そこには,われわれの多様な言語活動を均質化し規格化することで,自らの科学性を担保する政治的関心しかないと彼らは批判する。ここには,言語を異質な要素からなる多様体とし,その多様性をいかに捉えるのかという彼らの企図が明瞭 に現れている。本稿は,こうした彼らの言語観がどのような問題意識と結びついているのかを 以下の手順で明らかにする。 まず,『千のプラトー』において彼らがジョン・L・オースティンの発話内行為に見出した論点を確認し(第一章),それが60年代のドゥルーズ哲学の延長上にあることを指摘する(第二章)。というのもドゥルーズこそ,言語の本質を,身体や行為といった物理的なものと,それによって表現される意味や出来事といった非物体的なものの二元性という論点から考察していたのであり,『千のプラトー』の主眼は,その言語の二元性の連接をいかに捉えるのかということにあるからだ。こうした論点からすると,注目されるべきは『千のプラトー』において ルイ・イェルムスレウが占める役割である。イェルムスレウ言語学における表現と内容の連帯性,および形式と実質という概念の導入は,言語における二元性への問いに一定の回答を与えている(第三章)。最後に,彼らの議論がいわゆる言語理論の枠内に留まることなく,とりわ け彼らがミシェル・フーコーと共有するある歴史認識と結びついていることを確認し,その理論的射程を特定したい。
著者
渡辺 良夫
出版者
明治大學商學研究所
雑誌
明大商學論叢 (ISSN:03895955)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3-4, pp.361-379, 1998-02-25