著者
越後 宏紀 小林 稔 五十嵐 悠紀
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.2-10, 2022-01-15

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により,国内会議および国際会議においてオンラインによる学会発表が急増している.オンラインによる学会発表が定着したことで,感染症の感染が収束した後も,オンラインによる学会発表は1つの選択肢として残っていくと考える.オンラインによる学会発表の課題として,身振り手振りや目線,表情といったノンバーバル情報が伝わりにくいことがあげられる.本論文では,発表者の腰から上を投影した発表手法と2D CGのアバタを用いた発表手法を提案し,発表者のノンバーバル情報の有無が,聴講者にとってどれほど影響があるのかを調査した.比較実験を行い,発表者の腰から上を投影した発表手法が聴講者にとって印象が良い発表手法であることを確認した.
著者
細田 千尋
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.1120-1125, 2020-10-15

2020年,プログラミング的思考を育成するための一手法としてプログラミング教育が開始された.ここで目指しているのは,コーディングなどプログラミング能力自体の育成ではなく,学習の場で直面するさまざまな事象において,自分の意図する行動を実現するための論理的思考(プログラミング的思考)を養い,深い学びを実現することである.果たして,プログラミングを通じて学べることは何か?実際にプログラミングを学ばせることで,論理的思考力や,創造性が高まり,多くの科目(数学や英語,音楽など)における深い学びが実現するのか?この疑問に対し,これまでの認知科学,脳科学的知見から考えていく.
著者
上田 亜樹 奥村 沙緒里 工藤 佳苗 田辺 亜梨沙 永井 沙織 吉田 訓子 三田村 理恵子 Aki UEDA OKUMURA Saori KUDO Kanae TANABE Arisa NAGAI Saori YOSHIDA Kuniko MITAMURA Rieko 藤女子大学大学院人間生活学研究科食物栄養学専攻 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科・藤女子大学大学院人間生活学研究科食物栄養学専攻) Division of Food Science and Human Nutrition Graduate School of Human Life Science Fuji Women's University Department of Food Science and Human Nutrition Faculty of Human Life Sciences Fuji Women's University Department of Food Science and Human Nutrition Faculty of Human Life Sciences Fuji Women's University Department of Food Science and Human Nutrition Faculty of Human Life Sciences Fuji Women's University Department of Food Science and Human Nutrition Faculty of Human Life Sciences Fuji Women's University Department of Food Science and Human Nutrition Faculty of Human Life Sciences Fuji Women's University Department of Food Science and Human Nutrition Faculty of Human Life Sciences and Division of Food Science and Human Nutrition Graduate School of Human Life Science Fuji Women's University
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.53-57, 2014-03-31

現代社会における食生活の変化、特に動物性脂肪摂取量の増加は、メタボリックシンドロームをはじめとする、脂質異常症の一要因になっていると思われる。そこで本研究では、植物性脂肪である大豆油を対照として、カカオ豆の脂肪分であるが、飽和脂肪酸を多く含み常温では固体であるカカオバターと、豚の脂肪組織から精製される食用油脂ラードを用いて高脂肪食を作製し、ラットにおける高脂肪食の摂取が、脂質代謝に及ぼす影響を検討した。3週齢SD系雄性ラットを精製飼料であるAIN-93M で予備飼育後、1群6匹になるようControl群、Cacao群、Lard群の3群に分け28日間試験飼育を行った。Cacao群とLard群は20%の高脂肪食になるよう、カカオバターとラードをそれぞれの精製飼料に添加した。試験期間中26-28日目に採糞を行った。解剖後、肝臓重量、腹部大動脈血中総コレステロールおよびトリグリセリドを測定した。またFolchらの方法に従い肝臓と糞から総脂質を抽出し、肝総コレステロールおよびトリグリセリドを測定した。飼育期間全般で体重に有意差は認められなかった。しかしながら、Lard群ではControl群と比較して肝臓中の総脂質含量、総コレステロールおよびトリグリセリドが有意に増加した。同じ高脂肪食のCacao群では、これらの増加は認められなかった。糞中総脂質含量は、Cacao群が他の2群に比べ最も多かった。以上の結果より、カカオバターは高脂肪食ラットの、肝臓中総脂質含量や、総コレステロールおよびトリグリセリドの増加を、抑制する可能性が示された。Cacao群では糞中総脂質含量が増加することから、カカオバターは吸収されにくい脂質であることが示唆される。
著者
柴田 博仁 高野 健太郎 田野 俊一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.2131-2141, 2016-09-15

本稿では,タッチ操作可能なタブレット端末での読みの評価をとおして,テキストをポインティングしたりなぞったりする行為(テキストタッチと呼ぶ)が,読みに与える影響を分析する.特に,文書内容を批判的に考察するアクティブリーディングにおけるテキストタッチの効果を検討する.最初の実験では,紙文書とタブレット端末での校正読みのパフォーマンスを比較する.結果として,タブレット端末よりも紙文書で読むほうが多くの誤りが検出された.ビデオ分析の結果,参加者は紙で読む際に頻繁にテキストタッチを行っており,テキストタッチの頻度と誤り検出率に正の相関が観察された.このことから,テキストタッチは校正読みを効果的に支援しており,タブレット端末ではテキストタッチが促進されないために誤り検出率が低下したことが考えられる.この仮説を検証するため,第2の実験では,紙文書へのインタラクションを制限して文書校正を行う実験を行った.結果として,文書に自由に触りながら読むことが許される条件に比べて,文書に触らずに読む条件で有意に誤り検出率が低下し,テキストタッチは読みのパフォーマンスに影響を与える重要な要因であることが分かった.この結果をふまえ,タッチ操作可能なタブレット端末でのアクティブリーディングの支援方法を議論する.
著者
張 志雲 姜 水謡
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho (ISSN:03869067)
巻号頁・発行日
vol.103, no.1, pp.01-028, 2021-06-30

The Inspector-General (IG) of the Wang Jingwei government’s Maritime Customs Service, Kishimoto Hirokichi 岸本廣吉, was one of the most outstanding employees in the history of the Chinese Maritime Customs Service. He had the third longest years of service after Robert Hart and Frederick Maze among all the IGs and held the post of Chief Secretary for more than nine years, the longest term in history. His career demonstrated that an East Asian could be as successful as a Westerner in the Chinese maritime customs even before the Second Sino-Japanese War. During the ‘Solitary Island’ period of Shanghai, Kishimoto collaborated with Frederick Maze, the British IG at that time, for securing the integrity of the customs service. Having taken office as IG, Kishimoto initiated a series of reforms to the Wang Jingwei government’s custom houses in the middle and lower Yangtze plains. The biggest challenges he had to stand up to were brought by the Northern Political Council in North China and the Japanese army in South China, both of which acted virtually independently. He managed, however, to maintain the status quo of the Wang Jingwei government’s customs service until the end of the Second World War by using his best endeavours. Kishimoto paid off 1001 Japanese employees during the final days but failed to do same for the other nationals. The present article will illustrate how Kishimoto, as the Japanese head of the British dominated Chinese institution, displayed his political flair in balancing the power of employees from the three countries and how he combined his own national identity and his sympathy to China.
著者
上嶋章宏 安藤立紀
雑誌
平成21年度情報処理学会関西支部支部大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, 2009-09-29

論理関数の安全な計算を実現するマルチパーティプロトコルに関して,トランプや15パズルなどの身近なものを題材とした研究がある.本研究では,麻雀を用いて安全な計算を実現するプロトコル設計を行う.