著者
高橋 応明
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.7, pp.7_51-7_58, 2008-11-25 (Released:2011-06-03)
参考文献数
30
被引用文献数
1 2

近年のRFID(Radio Frequency Identification)システムの急速な普及には目覚ましいものがある.使用されているアンテナは,システム全体の中で最も設計が難しいといっても過言ではない.これはアンテナの設計パラメータが,形状,材質,ICとのインピーダンス整合,通信エリアや各種規制等の遵守等々と非常に多岐にわたるためである.RFIDシステム(以下RFID)には使用する周波数帯がいくつか用意されており,13.56MHz帯とUHF帯(860~960MHz),2.45GHz帯等では,動作原理が異なるため,使用するアンテナの種類が異なる.また,RFIDタグを貼り付ける物質(金属や高誘電体等)によっても,アンテナ特性が大きく変化する.本論文では,RFIDタグ用アンテナの設計について述べる.
著者
五郎丸 仁美
出版者
国際基督教大学キリスト教と文化研究所
雑誌
人文科学研究 : キリスト教と文化 : Christianity and culture (ISSN:00733938)
巻号頁・発行日
no.43, pp.77-108, 2012-03

ニーチェ哲学における自由─必然の問題は、超人思想と永遠回帰説の矛盾として最も先鋭化するとされてきたが、一方でツァラトゥストラは自由と必然の一致を歌いあげてもいる。この事態をどのように解釈すべきだろうか。 そこで中期まで遡って、上記の矛盾の前形態と思われる「自由精神」と「自由意志の否定」の共存に関する叙述を追うと、自由─必然が寧ろ常に逆説的相関関係にあることが分かる。まず価値創造の自由へと向かう必然的な衝動というものが存在し、それが覚醒する選ばれし者が自由精神である。自由精神はかの衝動に従ってあらゆる幻想、殊に自由意志という幻想の破壊者となり、一切は必然であると認識するが、それによって新たに罪や後悔、疾しい良心からの自由が拓け、無垢なる軽やかさが近づく。また必然性のうちでも、生命感情の高揚においては自由の感情を享受することが可能であり、この場合の自由は力とほぼ同義で、生を活性化する。必然性の内なる自由の感情は、カオス的世界の必然性を美として肯定しようとする運命愛へと昇華する。 以上の相関性を超人─永遠回帰に置き移すと以下のように解釈できる。即ち、自由精神の子孫として価値創造の自由を獲得する超人へと向かう必然性が永遠回帰の内に組み込まれており、また超人は自由精神による必然性の認識が準備した永遠回帰思想を血肉化していて、その暗黒面に脅かされることがない。超人は罪悪感や自責の念のみならず徒労感からも完全に自由な子供のような遊戯者だからである。最後に、必然性の内で享受される自由の感情は、超人が永遠回帰の内で、その運命を愛することによって生命感情を高揚させ、自由ないし力の感情を存分に満喫する、ということを意味するだろう。 従って超人思想と永遠回帰説は自由と必然として切り結ぶわけではない。 超人が到来してもいつかは再び現在の卑小な人間の時代が回帰するという徒労感が問題なのだ。このため自らの思想である永遠回帰説に躓いてしまうツァラトゥストラは、この教説が孕むこの虚無を克服して一切を差し引きなしで肯定しつつ必然性における自由を謳歌するという超人の境地を、知的憧憬によって先取し、生成の必然性を戯れとして美化した仮象世界のうちではあれ、自由と必然の一致をリアルに感得していたと考えられるのである。
著者
長塚 美樹 松嵜 正實 片方 直人 佐久間 威之 二瓶 光博 野水 整
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.499-502, 2019 (Released:2019-09-30)
参考文献数
15

BRCA2関連乳癌3症例にリスク低減卵管卵巣切除術を施行した,遺伝性乳癌卵巣癌症候群(hereditary breast and ovarian cancer syndrome:HBOC)家系を経験したので報告する.発端者を含めた3姉妹中2名に乳癌,1名に大腸癌,父方いとこにも異時性両側乳癌が発症した.両側乳癌のいとこの父(父方おじ)は前立腺癌,その妹(父方おば)は卵巣癌であった.発端者が乳癌を発症した時に,既にHBOCを疑わせる濃厚な家族歴があったためBRCA遺伝学的検査を行い,BRCA2に病的胚細胞変異を認めた.乳癌患者である妹といとこにも同じ変異を確認した.3症例ともluminal typeで,乳房全切除後,ホルモン療法を受けていた.3症例は遺伝学的にHBOCの診断がついており,子宮良性病変に対する外科療法や外科的内分泌療法としてリスク低減手術を念頭に置き,両側卵管卵巣切除を施行した.

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1896年09月15日, 1896-09-15
著者
毛利 好孝 三村 令児 森本 康路
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.520-525, 2020-07-01

●たつの市民病院は,平成25(2013)年4月に現地建て替えによって新病院が竣工したが,大幅な病床減によっても病床稼働率は回復せず,平成26(2014)年度の病床稼働率は53.1%,経常収支は7億1千8百万円を繰り入れながら8千5百万円の赤字であった.●平成27(2015)年度から地域の医療ニーズに合わせる形で医療機能が大幅に転換され,平成30(2018)年度の病床稼働率は84.5%,基準内繰入後の経常収支は1億1千3百万円の黒字となり経営再建が達成された.●令和2(2020)年4月からは地方独立行政法人化され,新たなスタートを切っている.

1 0 0 0 OA 百園雑纂

著者
敷田年治 著
出版者
百園塾
巻号頁・発行日
vol.巻之1, 1899
著者
田中 東子
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.51-61, 2016

<p> 本論では、フェミニズムの理論とスポーツ文化はどのように関わり合っているのか、今日の女性アスリートの表象はどのような意味を示しているのか、1990年代に登場した第三波フェミニズムの諸理論を参照しながら考察している。まず、アメリカにおける女性スポーツ環境の変化に注目し、そのような変化を導いたのがフェミニズム運動の成果であったことを説明する。ところが、スポーツ文化への女性の参画が進むにつれて、徐々に女性アスリートやスポーツをする若い女性のイメージは、商品の購買を促すコマーシャルの「優れた」アイコンに成り下がってしまった。そこで、女性アスリートやスポーツをする若い女性が登場する広告を事例に、女性たちが現在ではコマーシャリズムと商品化の餌食となり、美と健康と消費への欲望を喚起させられていること、そして、今日の女性とスポーツ文化との関係が複雑なものになったことを示す。最後に、複雑な関係になったとはいえ、スポーツ文化は今日においても「密やかなフェミニズム(Stealth feminism)」の現れる重要な現場であるということを、ストリート・スポーツの例を紹介しながら説明する。</p>