1 0 0 0 OA 郷土読本

著者
信濃教育会 編
出版者
大日方利雄
巻号頁・発行日
1928

1 0 0 0 OA 教授法

著者
ヂッテス 著
出版者
大日本図書
巻号頁・発行日
1902
著者
内藤 準
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.15-35, 2015

本稿の目的は,ジェンダーによる就職時の統計的差別において予言の自己成就を生み出す単純な社会的メカニズムを理解することである.分析の結果,仕事と家庭が両立できず共稼ぎ世帯の方が片稼ぎ世帯よりも家族生活全体の利得が低くなる低ワーク・ライフ・バランス社会において,求人数が求職者数を下回っているとき,企業が「女性は男性よりも離職しやすい」という予測(予言)に基づいて男性優先の統計的差別をおこなうと,その差別的採用自体が,実際に女性が離職しやすい状況を作り出してしまうことが示される.次に,男女平等な採用が企業にもたらすメリットに関する先行研究の指摘をふまえたうえで,企業が差別的な採用から男女平等な採用へ切り替えることが合理的になる条件を明らかにする.その条件の解釈を通じて,ワーク・ライフ・バランスの改善,雇用拡大やワークシェアリング,ポジティブアクションの促進,労働の質の変化といった社会経済的・政策的要因が,統計的差別の予言の自己成就のサイクルを断ちきる効果をもつことを明快に理解することができる.
著者
岩宮 眞一郎 関 学 吉川 景子 高田 正幸
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.292-299, 2003-12-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

テレビ番組や映画などで, ある映像シーンから別の映像シーンへ場面を転換するとき, 様々な切り替えパターンが用いられる. 本研究では, 効果音が各種の切り替えパターンの印象に与える影響を, 印象評定実験によって明らかにした. 一般に,「明るい」印象の連続的なスケール状の効果音が, 各種の切り替えパターンと調和する. とりわけ, 上昇系列の音列と拡大系の切り替えパターン, 下降系列の音列と縮小系の切り替えパターンの調和度が高い. 本研究で認められた音と映像の調和感は, 音と映像の変化パターンの一致に基づく構造的調和によるものと考えられる. さらに, 音と映像の調和度が高い視聴覚刺激は映像作品としての評価も高い. これは, 音と映像が一体となって互いの効果を高め合う協合現象によるものと考えられる. 音と映像の構造的な変化パターンの一致が調和感をもたらし, 視聴覚情報が一体のものとして理解されることで, 評価が高まるのであろう.
著者
東野 充成 Mitsunari Higashino
巻号頁・発行日
vol.22, pp.157-169, 2006-01-01

本研究の目的は、いわゆる「出会い系サイト規制法」の立法過程に見られる子ども観を明らかにすることである。自明とされた「子ども」という存在が疑問に付されるにつれて、子どもとはいかなる存在で、人々はそれをどのように認識しているのか、いわゆる「子ども観」を明らかにする研究も盛んに行なわれている。しかし、メディア上に表れた子ども像や子ども観の歴史的な変遷を明らかにした研究は多々あるが、子どもをめぐる法律を分析した研究は少ない。そこで、本研究では、比較的近年に志向され、きわめて強い強制力を持った「出会い系サイト規制法」を事例として、その立法過程に表れた子ども観を明らかにする。その結果、「出会い系サイト規制法」は、青少年育成という極めて常識的な価値に裏付けられる形で成立されていくが、その過程においては、「加害者としての子ども」と「被害者としての子ども」や「性の対象としての子ども」と「性的主体としての子ども」という葛藤する子ども観が内包されていることが明らかとなった。また、性的客体として少女が一元的に措定されるなど、子どものセクシュアリティをめぐるジェンダー間の不均衡も浮かび上がった。
著者
増渕 隆史
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

平成30年度は研究の基礎固めとして、関連文献・資料の収集・分析および関連学会等における情報収集を行った。関連資料としては、金融分野における法的責務の分析のための金融商品取引法関連の研究書や、金融業における人工知能の利用に関する書籍を15冊(うち洋書3冊)を購入し、先行研究及び現状の把握を行った。関連学会での情報収集としては、平成30年6月開催の日本経営倫理学会および平成30年10月開催の日本倫理学会に参加して、関連情報の収集を行った。また、上記の活動を基に得られた研究成果について、平成30年12月22日開催の北海道大学哲学会研究発表会にて発表を行った(発表題目:契約行為における人工知能の地位 -「道具」からの脱却は可能か)。また、平成31年3月7日に開催された北海道大学大学院文学研究科応用倫理・応用哲学研究教育センター主催の平成30年度 第9回 応用倫理・応用哲学研究会においても研究発表を行った(研究題目:AIトレードと金融市場の倫理 ―AIがもたらす市場の混乱とモラル・ディレンマ―)本研究の意義であるが、まず研究発表「契約行為における人工知能の地位 -「道具」からの脱却は可能か」においては、ビジネスにおける基本的行為である契約における人工知能の行為主体性に関する法学分野に議論を分析し、人工知能に「代理人」として道具以上の人間類似の行使主体としての地位を認めうることを示した点にある。また「AIトレードと金融市場の倫理 ―AIがもたらす市場の混乱とモラル・ディレンマ―」においては、人工知能を活用した金融取引が金融市場の不安定化を引き起こす原因と、それが金融市場関係者の倫理に与える影響を分析し、人工知能を利用した金融取引の普及が金融市場の倫理的ディレンマを惹起していることを示し、そのディレンマの克服の方向性を示した点に意義があると考える。
著者
武田 知也
出版者
京都工芸繊維大学
巻号頁・発行日
2017

日本人は挨拶・感謝・謝罪の場面などで頻繁にお辞儀をする。本論文においてお辞儀を取り上げる理由は多くあるが、まず、日本人はビジネスをするうえでコミュニケーションの第一歩として挨拶を重んじ、挨拶儀式の中心にお辞儀を位置づけていることが挙げられる。その他にもビジネス界で謝罪のお辞儀の仕方が年々重要になってきていることや、訪日外国人の急増により「おもてなし」が注目されていることなどもお辞儀を研究対象とした理由として挙げられる。 日本人ほど頻繁にお辞儀をする国民は世界で他にないが、お辞儀の動作は頭頂を見せることで相手に服従の心を示すことであるから、世界でもお辞儀は古代から変遷がありながらも現代まで残存している。第1章では地域・宗教別にお辞儀を紹介し、我が国の古代から現代までのお辞儀の変遷について述べる。さらに小笠原流礼法や茶道裏千家、神道礼法、本論文のベースとなるビジネスマナー教育におけるお辞儀について述べる。 第2章では動作解析によって熟練者のお辞儀(立礼)の特徴を捉えることができた。一般に敬礼は腰を30度に曲げるものというが、熟練者の腰の角度の変化量は実際に熟練者が置かれている指導の状況が角度の変化量に影響しており、敬礼といえども指導テキストにある「30度」という一定したものではないことが示された。また、首の角度の変化量が屈曲で負の値をとることが多いことは相手への視線をすぐに外さないことを示していることの現れであり、時間と角度速度について、屈曲と伸展時間が同等あるいは伸展のほう時間が長く、角度速度は同等か伸展がゆっくりした速度となるのは、「お辞儀が終わっても相手への感謝などの心を残す」ということの実践の結果、丁寧な動画となって伸展がゆっくりと表現されるためであることが分かった。 第2章の結果は第3章で明らかになった非熟練者の特徴と照らし合わせると意義深い結論とすることができる。自己流においては個人間のバラつきが大きい非熟練者のお辞儀であるが、熟練者のお辞儀を撮影した動画による自己学習によると、首の角度と腰の角度の同調が解消される効果が認められ、角速度はゆっくりとなり、さらに指導を加えると角速度をさらにゆっくりとすることができるが、第2章で明らかになった「首の角度の変化量が屈曲で負の値をとる」「屈曲と伸展時間が同等あるいは伸展のほう時間が長い、角速度は同等か伸展がゆっくりした速度となる」という点は習得できないことが分かった。 第4章では非熟練者のお辞儀動画から得られた動作指標と熟練者による評価評点との相関を調べた。熟練者の評価の視点は一様でなく、時間、首・腰の角度、角速度などの中で熟練者の評価に特色が現れることが分かった。またクラスター分析において非熟練者のおじぎの類型を5つに分類できた。 第5章では、接客サービスという場面設定で非熟練者が陥りやすいお辞儀の特徴の印象評価への影響について明らかにすることができた。60度と30度のお辞儀の比較では30度のお辞儀の評価が高く、接客サービスの場面に適しているという点が分かった。同様に手の位置については横や後ろよりも手を前に組むほうが場面に適していること、速すぎるお辞儀をするよりは深いお辞儀をするほうが場面に適していることが分かった。さらにエキストラがいない場合に最も高い評価であった敬礼の印象評価がエキストラの存在によって低下し、深すぎるお辞儀と有意な差がみられないことが分かった。 第6章では座礼における印象を動画とアンケートによって調査したところ、角度の深さが丁寧な印象に関係していることが分かった。一方静止時間との関係をみると静止時間がない場合は丁寧さの評価は低いが、1秒以上の静止時間をとると丁寧さの評価は向上することが分かった。また静止時間0秒から1秒にすると自然な印象を与えるが、1秒以降静止時間が長くなると、その印象が急激に低下する。 第7章では、本論文のまとめを述べた。