著者
屋葺 素子
出版者
The Japanese Association for the Study of Popular Music
雑誌
ポピュラー音楽研究 (ISSN:13439251)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.17-34, 2004

本稿では、台湾で日本のポピュラー音楽が広まっている背景の一端を明らかにするために、カバー曲を取り上げ考察を行う。日本のメロディに中国語の歌詞がつけられたカバー曲は戦後より現在まで存在し続けている。しかし、時代時代に応じてカバー曲が持つ意味は変容しており、その特徴は次のようにまとめることができる。1)戦後から1960年代では、言語の政策などによって台湾語の楽曲が不足している代わりとしてカバー曲が制作された。2)1970年代から80年代ではとにかく楽曲を大量に必要としたため、「穴埋め」としてのカバー曲が求められた。日本のメロディであることを隠すということも行っていた。3)1990年代以降においては、日本・台湾の歌手の互いのプロモーションに使用されるなど、カバー曲が積極的な意味をもち、再び日本を意識したカバー曲が増加した。
著者
西川 開
巻号頁・発行日
2017

筑波大学修士(図書館情報学)学位論文 ・ 平成29年3月24日授与(37745号)
著者
金星 直樹
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.88-96, 2009 (Released:2017-02-06)

現在米国各州では,投票に際して身分証明書の提示を要求する法律を制定する傾向がある。本稿では,このような立法の背景を概観するとともに,この合憲性をめぐる最新の合衆国最高裁判決,クローフォード対マリオン郡(Crawford v. Marion County Election Board)の意見を分析する。
著者
Tomoya Suzuki Akira S. Hirao Masaki Takenaka Koki Yano Koji Tojo
出版者
The Genetics Society of Japan
雑誌
Genes & Genetic Systems (ISSN:13417568)
巻号頁・発行日
pp.20-00033, (Released:2021-01-24)
参考文献数
27
被引用文献数
3

We developed microsatellite markers for Appasus japonicus (Heteroptera: Belostomatidae). This belostomatid bug is distributed in East Asia (Japanese Archipelago, Korean Peninsula and mainland China) and often listed as an endangered species in the Red List or the Red Data Book at the national and local level in Japan. Here, we describe twenty novel polymorphic microsatellite loci developed for A. japonicus, and marker suitability was evaluated using 56 individuals from four A. japonicus populations (Nagano, Hiroshima and Yamaguchi prefectures, Japan, and Chungcheongnam-do, Korea). The number of alleles per locus ranged from 1 to 12 (mean = 2.5), and the average observed and expected heterozygosity and fixation index per locus were 0.270, 0.323 and 0.153, respectively. In addition, a population structure analysis was conducted using the software STRUCTURE, and its result suggested that the 20 markers described here will be useful for investigating the genetic structure of A. japonicus populations, which should contribute to population genetics studies of this species.
著者
福 典之 膳法 浩史 熊谷 仁 田村 好史 宮本 恵里
出版者
順天堂大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、m.1382A>C多型によるMOTS-cのアミノ酸配列の違い(K14Q)がインスリン作用に及ぼす機序を解明することを目的とした。雄マウスではMOTS-c 14K投与群はプラセボ群やMOTS-c 14Q投与群よりも耐糖能が良好であった。一方、MOTS-c 14Q投与群はプラセボ群と同様の血糖変動を示した。雌マウスでは雄マウスの様な結果は示されなかった。また、MOTS-cの血中動態も雄マウスとは異なっていた。以上の結果は、日本人を中心とした北方アジア人に特異的な多型m.1382A>Cの有無が男性の2型糖尿病と関連するというメカニズムを説明するものと考えている。
著者
住元 宗一朗 中川 博之 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.11, pp.1800-1811, 2011-11-01

近年増加したコンテンツ投稿型SNSでは日々膨大にコンテンツが増え続けるため,嗜好には合っているもののユーザが見逃してしまうようなコンテンツは少なくない.また,多くの推薦技術では精度を重視するあまり,その推薦結果に面白みがないという課題がある.本論文では,主に音楽,イラスト,詩等の創作者向けであるコンテンツ投稿型SNSにおける未知性,意外性を考慮した推薦手法について述べる.未知性に関しては,質の高いコンテンツを投稿する投稿者(有力投稿者)に注目し,コンテンツの質を確保しつつもロングテールのテール部分に属する,ユーザがまだ知らないコンテンツを推薦する.意外性に関しては,多くのコンテンツ投稿型SNSで利用されているFolksonomyを利用する.以上の二つの推薦部からなる推薦エージェントを提案し,イラスト投稿型SNSであるPixivの実データを用い,未知性,意外性に関する評価実験を実施した.その結果,推薦リストの6割に未知性,意外性のあるコンテンツが含まれ,本研究の有効性が確かめられた.
著者
図書寮 編
出版者
養徳社
巻号頁・発行日
vol.[第2] (続文学篇), 1950
著者
杉浦 芳夫
出版者
日本都市地理学会
雑誌
都市地理学 (ISSN:18809499)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-33, 2015 (Released:2019-04-07)
参考文献数
127
被引用文献数
2

本稿は,ナチ・ドイツによるポーランド西部の編入東部地域における中心集落再配置計画最終案と中心地理論との関係について考察した.1941 年頃,Christaller は,編入東部地域の中心集落再配置計画という課題に対し,オリジナルな中心地理論に変更を加えた混合中心地階層の考え方に基づいて計画案を作成したが,最終計画案に直接盛り込まれることはなかった.編入東部地域における中心集落再配置計画案策定の重責を担うドイツ民族性強化帝国委員会の都市建設部門・空間計画部門の統括責任者であったUmlauf によって作成されたものが,最終計画案となった.この最終計画案はChristaller の計画案とは中心集落の規模階層ならびに配置の点で全く異なるものであった.両者の違いは,農村的色彩を残し,一部はポーランド風の集落景観を呈する,規模の小さい都市集落の,中心集落ネットワークへの積極的組み込みの如何によるものであった.しかしながら,最終計画案における集落階層構成が入れ子構造をなしている点は,集落の勢力圏の形が円形と六角形という違いはあるとしても,Christaller の計画案の集落階層構成が入れ子構造をなしている点と共通しており,そこに最終計画案に対する中心地理論ないしは混合中心地階層の考え方の影響を観て取ることができるのである.
著者
田中 草大
出版者
臨川書店
雑誌
国語国文 (ISSN:09107509)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.1-14, 2018-12
著者
小口 好昭
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
中央大学経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
no.49, pp.75-110, 2017

マクロ会計は,1940年から41年にかけてイギリスのケンブリッジ学派によって形成されたことを明らかにした。本稿は,これを会計学におけるケインズ革命と呼んでいる。同学派は,ケインズに始まりストーンに継承されて,マクロ会計の国際基準化に大きな貢献を果たした。ケンブリッジ学派については,ティリー(Tily, 2009)によるマクロ会計発展3 段階説と,アメリカ・ケインジアンであるパティンキン(Patinkin, 1976)の統計革命先行説を取り上げる。他方,フリッシュからオークルストに継承されたオスロ学派については,Aukrust(1994)のスカンジナビアにおけるマクロ会計発展5 段階説に依拠しながら,マクロ会計の公理化という独自の理論を生みだしたことを強調した。最後に,現代会計学は,両学派からミクロ会計とマクロ会計の同型性論という視点を継承し,さまざまな会計イノベーションを起こしつつあることを指摘した。

7 0 0 0 OA 国勢調査報告

著者
内閣統計局 編
出版者
内閣統計局
巻号頁・発行日
vol.昭和5年 第1巻, 1935