著者
伊藤 一成
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.897, 2015-08-15

世界最先端IT国家創造宣言が策定され,ますますプログラミング教育,ディジタル教科書,タブレット教育,アクティブラーニング,教育ビックデータ等々,教育関係のキーワードが乱舞し,騒がしくなっている.経済の先行きへの不透明性や,SNSの影響も相まって,なにか情報教育の「さりげなさ」が失われている.本会のコミュニティが長年にわたり培ってきた「さりげなさ」を吹き込むのは,筋の良い,妥当な方策であると考えられる.
著者
横山 和輝
雑誌
オイコノミカ (ISSN:03891364)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3-4, pp.25-41, 2011-03-01

律令制が形骸化し,荘園公領制が形成されるとともに貨幣経済が進展し,14世紀までには交換手段として貨幣が普及していた.この貨幣経済の初期段階において,米価ならびに地価は低下傾向にあった.貨幣経済が進展するなか,貨幣価値が上昇することで,貨幣保有者の交渉力が増大し,売り手の提示価格に対する引下げ効果が生じたのである.
著者
愛甲 雄一 Yuichi AIKO 清泉女子大学 SEISEN UNIVERSITY
雑誌
清泉女子大学人文科学研究所紀要 = BULLETIN OF SEISEN UNIVERSITY RESEARCH INSTITUTE FOR CULTURAL SCIENCE (ISSN:09109234)
巻号頁・発行日
pp.147-164, 2020-03-31

一般に国際政治学の中で多数派支配を意味する共和政は、平和と結び付けて語られることが多い。そうした語りを行なった人物の代表的事例がカントであるが、しかし『法の精神』の著者として知られるモンテスキューも、実は同様の指摘を行なっている。ただ国際政治学の中では長い間、このモンテスキューの議論はほとんど取り上げられないままに放置されてきた。そこで本稿では、この研究上の空白を埋めることを通じて、共和政の対外的関係というテーマを今後再考するための足掛かりを得ることを目指したい。 実はモンテスキューの主張は、カントのように、共和政それ自体を平和的と見なすものではない。この政体と対外的な好戦性とは本来矛盾する、というのが彼の見解であり、その理由として、共和政国家が論理的に小国でなくてはならないことが挙げられている。モンテスキューによれば、共和政が持続するためには、私益よりも公益を優先する「徳」が人びとの間に備わっていなければならない。だが徳の維持は大国であるほど難しく、ゆえに共和政は、領土拡大を旨とする好戦的姿勢と両立させることが困難である。こうして対外的な平和の追求が、共和政の維持にとっての必要条件になる。 ところが共和政の歴史は、この政体が好戦的になり得ることを示してきた。実際、マキャヴェリを始めとするモンテスキュー以前の共和主義者たちは、主にローマの事例から、共和政を好戦的あるいは膨張主義的な政体と位置付けていたのである。しかしモンテスキューからすれば、ローマの帝国化は「歴史の偶然」に過ぎず、それと共和政との間に必然的な関係は存在しない。ただ共和政が大国化し得ることは否定できない歴史上の事実であり、だからこそそれを防ぐために、幾つかの策を講じる必要がある。その防止策として彼が提示したのが、以下に挙げる3つの方策であった。すなわち、小国である共和国が連合してその防衛力を拡大させる「連合共和国」を結成すること、専制への防波堤としての自由な制限政体を保持すること、そして「商業の精神」の普及によって平等な社会状態を維持すること、の以上3点である。 今日、行き詰まりを見せる現代社会への処方箋として、「共和主義」の再興を唱える向きは少なくない。だが、共和政の対外的関係というテーマに関して言えば、この点をめぐる現代の共和主義者たちの関心は相対的に希薄なままに留まっている。本稿が示すモンテスキューの国際政治理論は、この文脈において、重要な示唆や知見を与えるものとなるのではあるまいか。
著者
田中 啓介 東 結香 上原 哲太郎
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-50, no.4, pp.1-6, 2020-07-03

本研究では,セキュリティ対策に十分な費用を割くことが難しい組織が,効果的な対策を選定できることを目的とし,各種セキュリティガイドライン内で提言されている対策項目が,実際に発生したセキュリティインシデントの事例で有効であるかどうかの評価を行った.評価は,当該対策が施されていればセキュリティインシデント発生を防げていたかどうか,及び当該対策を施す難易度を踏まえて実施した.
雑誌
調布日本文化 = The Chofu's Japanese culture
巻号頁・発行日
vol.10, pp.一五七-一六七, 2000-03-25
著者
田口 久美子
出版者
長崎外国語大学・長崎外国語短期大学
雑誌
長崎外大論叢 = The Journal of Nagasaki University of Foreign Studies (ISSN:13464981)
巻号頁・発行日
no.14, pp.97-111, 2010-12-30

Previous studies show that there is some acceleration of adolescent girls' menarche. The current study, while confirming this, furthermore examines an acceleration of adolescent girls' height and weight. A new perspective of adolescent girls these days is discussed.
著者
真鍋 義文
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.744-747, 2020-06-15

アルゴリズムに関する基礎からの解説の初回として,目標設定の重要性について解説を行う.アルゴリズムが達成するべき目標の設定が正しくない場合には,その目標のもとに考案したアルゴリズムの実行結果が望ましくない場合があることを,ケーキ分割問題を例として示す.ケーキ分割アルゴリズムの達成するべき目標として無羨望が考えられている.しかし無羨望だけでは真に公平な分割ができないことを例をあげて示す.真に公平な分割のためには,無羨望のほか,アルゴリズム内の役割に関する羨望もないことも目標に追加する必要があることを示す.目標が異なるとアルゴリズムも違ってくることを,2者の分割アルゴリズムで示す.
雑誌
大衆文化 = Popular culture
巻号頁・発行日
vol.3, pp.76-84, 2010-04-25