著者
吉田寛著
出版者
春秋社
巻号頁・発行日
2019
著者
正躰 朝香
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 社会科学系列 (ISSN:02879719)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.71-85, 2018-03

国際関係論におけるアイデンティティ概念を概観した上で,地域統合とアイデンティティの関係性,特にヨーロッパ統合の深化においてアイデンティティの構築や強化が果たす役割を考察する。経済統合から政治統合へと射程を広げるにつれて,EUにおけるアイデンティティについての施策は,文化的多様性の尊重と同時に,共通のヨーロッパ文化を意識させることが「ヨーロッパ・アイデンティティ」を醸成するものとされ,統合への支持を高めるための政治プロジェクトとして進められてきた。 しかし,ユーロ危機,移民・難民の大量流入,英の離脱決定という困難な状況下,EUへの不満や極右勢力の躍進が著しい。現状で必要とされるのは,EUという地域統合体への帰属がもたらす恩恵の確認と,そのための義務や負荷を負うことへの意思の共有としての「EUアイデンティティ」の強化である。
著者
角田 由佳
出版者
医学書院
雑誌
看護管理 (ISSN:09171355)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.370-374, 2019-04-10

本連載は経済学の視点から,看護サービスの特性や取引の規模,看護師の生産性や雇用環境,診療報酬や介護報酬が及ぼす影響などさまざまなデータを活用しながら解説します。 第4回では,経済学の視点から,「生産性」が「看護サービス」と「看護師のサービス」とでは異なること,そしてその違いを念頭に看護サービスを提供することの重要性について考察します。

1 0 0 0 名画への旅

著者
木村重信 高階秀爾 樺山紘一監修
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1992
著者
小杉 智 上原 宏 神成 淳司
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J103-B, no.1, pp.1-10, 2020-01-01

本論文では,土壌,農地,気象など農業関連のデータをクラウドデータベースに集約した農業データプラットホーム'農業データ連携基盤(WAGRI)'のサービス,及びアーキテクチャを述べる.耕作放棄地の増大,担い手不足に直面する日本の農業では,農家の経験を代替するデータ農業への期待が高まっているが,始まって間もないこれらの取組みにおいて,サービス要件は極めて流動的である.こうした背景から農業データ連携基盤では,今後発生する様々なデータサービス要件に対して,ソフトウェアの追加開発を極力抑えてサービス実装できるアーキテクチャ'Dynamic API'を考案した.Dynamic APIによれば,ユーザ自身が新たなサービスを実装することも可能である.本論文では,Dynamic APIアーキテクチャによって実現した各種のデータサービスを述べるとともに,このアーキテクチャが新たに発生するサービス要件に対してプログラム開発を伴わずにサービスを提供する仕組みについて,事例を交えて述べる.
著者
大槻 美佳 相馬 芳明 青木 賢樹 飯塚 統 吉村 菜穂子 佐原 正起 小山 晃 小島 直之 辻 省次
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.243-248, 1998-03-01

目的:左前頭葉内側而損傷群と背外側面損傷群の視覚性呼称能力と語列挙能力を比較検討した。対象・方法:11例の超皮質性運動失語を呈する右利き脳梗塞または出血患者。病巣はCTまたはMRIにて同定した。視覚性呼称能力としてWAB失語症検査V-Aの20物品の呼称課題を,語列挙能力として同V-Bの語想起課題を用いた。結果・考察:左前頭葉内側面損傷群は視覚性呼称が良好であるのに対し語列挙が不良であった。外側面損傷群では視覚性呼称,語列挙いずれも不良であった。この結果から左前頭葉内側面は語列挙に,背外側面は視覚性呼称に重要であることが推測される。サルの実験において,前頭葉背外側面にある前頭前野は視覚誘導性の動作に,内側面にある補足運動野は記憶依存性の動作に関与することが知られている。 言語においては視覚性呼称は視覚誘導性の動作に,語列挙は記憶依存性の動作に対応すると考えられる。したがって,本結果は行為における前頭葉背外側面と内側面の機能的相違が言語機能においても当てはまることを示唆する。
著者
久保田 直行 福田 敏男
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.408-414, 1998-05-31 (Released:2009-03-27)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

This paper deals with virus evolutionary genetic algorithm. The genetic algorithms (GAs) have been demonstrated its effectiveness in optimization problems in these days. In general, the GAs simulate the survival of fittest by natural selection and the heredity of the Darwin's theory of evolution. However, some types of evolutionary hypotheses such as neutral theory of molecular evolution, Imanishi's evolutionary theory, serial symbiosis theory, and virus theory of evolution, have been proposed in addition to the Darwinism. Virus theory of evolution is based on the view that the virus transduction is a key mechanism for transporting segments of DNA across species. This paper proposes genetic algorithm based on the virus theory of evolution (VE-GA), which has two types of populations: host population and virus population. The VE-GA is composed of genetic operators and virus operators such as reverse transcription and incorporation. The reverse transcription operator transcribes virus genes on the chromosome of host individual and the incorporation operator creates new genotype of virus from host individual. These operators by virus population make it possible to transmit segment of DNA between individuals in the host population. Therefore, the VE-GA realizes not only vertical but also horizontal propagation of genetic information. Further, the VE-GA is applied to the traveling salesman problem in order to show the effectiveness.
著者
岸本 充生
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.214-219, 2014-08-15 (Released:2016-07-30)
参考文献数
7
被引用文献数
4

自然災害起因の産業事故はNatech と呼ばれ,自然災害と産業事故の間をつなぐ新しい分野として研究が進められている.本稿ではNatech 概念を紹介するとともに,前半において,Natech 文脈における,リスクとレジリエンスの概念を整理するとともに,Natech リスク評価のプロセスやスコープの拡大について概説した.後半では,重要な事故を起点として,主に専門家の認知が変化し,法規制ギャップの調査が実施され,その結果に基づき,法規制が更新される,というサイクル・モデルを紹介するとともに,戦後のNatech 規制の更新の歴史的経緯を,このモデルを念頭に置きながら,屋外石油タンク,高圧ガス施設,石油コンビナートを対象に整理した.