著者
宮本 佳明 中村 勇大 長坂 大 長田 直之 杉山 敦彦
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究年報 (ISSN:09161864)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.85-96, 2003 (Released:2018-05-01)

本研究は,都市計画上一般に障害物あるいは異物とみなされ,近代都市計画の中心的理念であるゾーニング制が志向,誘導する景観に「雑音」や「ほころぴ」をもたらしていると考えられる空間エレメントを,肯定的に「環境ノイズエレメント」と名付けて,住宅地の環境形成におけるその有効性について検証したものである。
著者
多田 啓也
出版者
医学書院
雑誌
medicina (ISSN:00257699)
巻号頁・発行日
vol.25, no.10, pp.1996-1997, 1988-09-30

■疾患概念 ビタミン依存症とは,十分量のビタミンを食品から摂取しており生理的意味でのビタミン欠乏はないにもかかわらず,ビタミンの多量(生理的需要量をはるかに越えた量)の投与により臨床症状の改善がみられ,投与を中止すると再び悪化するという一連の疾患の存在が知られ,ビタミン依存症Vitamin dependencyという概念が提示された. 現在までに知られているビタミン依存症を病因論的に分類すると, 1)アポ酵素の構造異常によるもの 酵素の質的変異によって補酵素との親和性が低下し,通常の濃度では反応せず多量のビタミンの存在を必要とするもの. 例えば,ビタミンB6依存症.
著者
田邊 優貴子 工藤 栄
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.191-199, 2009 (Released:2011-02-16)
参考文献数
23
被引用文献数
4

湖沼研究において湖盆図作成は重要な情報であるにも関わらず、南極昭和基地周辺の湖沼において湖盆形態に関する調査はほとんど実施されてこなかった。一年のほとんどが氷で覆われ、また調査湖沼へのアクセスが不便であるために、船舶や機材の搬送が困難であるというような様々な要因が湖盆図作成までに至らなかった原因である。本研究では2007年~2008年にかけて、南極昭和基地周辺露岩域の長池とスカーレン大池の2湖沼で調査を実施した。小型のGPSと音響測深器もしくは測鉛を用いて位置と水深データを取得し、これまで明らかにされることが無かった東南極宗谷海岸露岩域湖沼の湖盆図を作成した。位置決定のための測量機材や測深器を搭載した船舶等を利用することなく、効率的かつ簡便に湖沼研究にとって十分な湖盆図を作成することが可能となった。本研究で明らかになった湖盆形態とその水質や水生生物との関わりについて考察した。
著者
木内 亜紀
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.183-191, 1997-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
16
被引用文献数
1

The purpose of the present study was to investigate the independent and interdependent construal of the self, their correlates and conflicts in female college students and their mothers. Female college students and their mothers (99 pairs) responded to a questionnaire. As for the affected factors, the results suggested that the students were influenced by ‘past school life’, by contrast with the mothers influenced by ‘family’. On conflicts for the demand from the situation, in both the students and the mothers, it was found that subjects, giving priority to interdependent construal of the self, tended to feel conflicts when the situation demanded them to act independently, on the other hand, subjects who gave priority to independent construal of the self, tended to feel conflicts when the situation demanded them to act interdependently. The implication of these results were discussed in terms of generation.
著者
多久和 良亮 岡田 恭司 若狭 正彦 齊藤 明 木元 稔 鎌田 哲彰
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.93-96, 2017 (Released:2017-02-28)
参考文献数
18
被引用文献数
1

〔目的〕頭頸部伸展位が片脚着地動作に及ぼす影響を明らかにすること.〔対象と方法〕対象は,健常成人女性31名(平均20.1歳)とした.高さ30 cm台からの片脚着地動作を,頭頸部屈曲伸展中間位と,頭頸部伸展位の2条件で行った.片脚着地時の最大の膝関節屈曲と外反角度,体幹前後屈,側屈角度,および着地位置を測定し,条件間で比較した.〔結果〕頭頸部伸展位での着地では頭頸部屈曲伸展中間位の着地に比べて最大膝関節外反角度が有意に大きかった.最大膝屈曲角度と体幹前後屈,側屈角度,着地位置には有意差はみられなかった.〔結語〕頭頸部伸展位での片脚着地動作は膝関節外反角度を増大させ,非接触型前十字靭帯損傷の一要因となると推察された.
著者
山田 直人 加藤 幸恵 木村 丘 松井 秀明
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.46-49, 2015 (Released:2015-03-07)
参考文献数
9

難治性の疾患である間質性膀胱炎の下腹部痛に上下腹神経叢ブロックが有効であった3症例を経験した.3症例はいずれも薬物療法,膀胱水圧拡張療法などでは鎮痛困難であった.最初の症例に硬膜外ブロックが有効であったため,より効果期間の長いアルコールを用いた上下腹神経叢ブロックを行った.合併症がなく,痛みは著明に改善した.その経験より連続した他の2症例にも行い,同様に痛みが改善した.今回の経験から間質性膀胱炎に対して上下腹神経叢ブロックの有効性が示唆された.
著者
大瀧保広 野口宏 山本一幸 外岡秀行 鎌田賢
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-8, 2019-09-17 (Released:2019-09-17)
参考文献数
8

多くの大学では情報処理演習システムの一部として印刷環境を提供しており,学生のレポート作成等に供している.どのような印刷環境を提供するかは大学の方針により様々であるが,教育的観点から枚数制限や課金を行う大学が増えつつある.茨城大学では教育用電子計算機システムの一部として印刷環境を提供しており,学生はIT基盤センターが管理するPCから印刷できる.2011年度までは枚数制限もなく無料で印刷できたが,2012年度から印刷枚数制限を課すようになり,2017年度には完全従量課金制へと移行した.当センターでは,印刷状況を把握するために2010年10月から詳細な印刷履歴を記録しており,年度単位で揃ったものとしては2011年度から2018年度までの8年にわたるデータを収集した.本論文では印刷履歴のデータ等に基づいて,印刷環境の変化に伴って学生の印刷行動がどのように変化したのか考察する.
著者
大谷 拓郎
出版者
法政大学史学会
雑誌
法政史学 (ISSN:03868893)
巻号頁・発行日
no.55, pp.23-43, 2001-03
著者
松田隆智著
出版者
新人物往来社
巻号頁・発行日
1976
著者
増田 知之 呉羽 正昭
出版者
日本スキー学会
雑誌
スキー研究 (ISSN:1349449X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.12-35, 2018 (Released:2019-03-22)
参考文献数
44

Japan's skiing population has declined sharply over the last two decades, consequently the managements of ski fields have deteriorated and many ski fields have been temporarily or permanently closed. However, it is unclear what factors affect the closure of ski fields. In order to block the closure of ski fields and explore their survival methods, it is essential to clarify the tendency common to closed ski fields. In this study, we restricted the survey area to Nagano Prefecture, Japan and statistically compared open and closed ski fields with more than 10 factors. As a result, there were significant differences in 4 factors related to the size of ski fields. We also found that altitude differences and longest downhill distances have been correlated with skier's satisfaction for ski fields. These results suggest that the risk of closure of ski fields may be higher with smaller scale and therefore lower level of satisfaction of skiers. Interestingly, there were no significant differences in open and closed ski fields with respect to distances from interchanges and degrees of difficulty of ski slopes. These results also suggest that these two factors may be independent of the closure of ski fields. Taken together, our results may be useful for considering the survival of ski fields in Japan in the future.
著者
萩原,克幸
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌
巻号頁・発行日
vol.82, no.5, 2006-05-25

階層型ニューラルネットワークは,与えられた入出力データに基づき,そこに内在する規則性を学習により獲得することを目的とした数理モデルであり,画像・音声の処理・認識,制御,時系列解析・予測からデータ解析まで,その応用は多岐にわたる.本稿は,階層型ニューラルネットワークに関する基礎を関数近似・学習・汎化性の観点からまとめるとともに,最近の理論的な課題について特異モデルの観点から述べたものである.
著者
山内 邦男
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.240-245, 1960 (Released:2008-11-21)
参考文献数
25
被引用文献数
1

レンニンによる凝固の諸過程にある脱脂乳即ち, (1) レンニン無添加脱脂乳, (2) 2°でレンニン添加後未放置の脱脂乳, (3) 2°でレンニン添加後一昼夜放置した脱脂乳,及び(4) 35°でレンニン凝固させた脱脂乳を低温で超遠心分離し(78,000G, 60分),上澄液に残留するレンニン効力,窒素,カルシウム及び燐を定量した.同様の実験をカルシウムを添加した脱脂乳についても行った.上澄液のレンニン効力から求めると,添加したレンニンの約1/2が沈澱として除かれる計算となり,これはおそらくカゼインミセルとの会合によるものと推定された.上澄液に残るレンニン効力は(2), (3)及び(4)において差は認められなかった.カルシウム無添加脱脂乳では全カゼインの約10%がprimary reaction完結後の上澄液(3)にもなお残留した,レンニン作用により全カゼインの約1%の非蛋白態窒素及び約4%の非カゼイン態窒素が生成した.沈澱のカルシウム/窒素比及び燐/窒素比は(1), (2), (3)及び(4)においてそれぞれ有意な差はないようであった.更に凝固生成後のカードの硬化と収縮とはレンニンの継続的作用とは無関係に起る非酵素的変化であることを馬血清を用いた阻害実験で確認した.
著者
M. D. Chenu
出版者
Artheme Fayard
巻号頁・発行日
1957
著者
酒井 謙 長谷川 昭
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.85, no.10, pp.1723-1727, 1996-10-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
6

拒絶反応は早期治療により回復可能な急性拒絶反応と,治療法が確立していない慢性拒絶反応とに大きく分けられるが,近年提唱された移植腎病理診断基準(Banff原案)は従来の病期別分類を超え病理診断を中心に拒絶反応を捉える試みで注目されている.さらに原案では重症度ごとに治療指針が設けられており腎生着率改善に寄与することが期待されている.この新しい病理分類に加え,ステロイドパルス療法を中心に治療の概要を述べる.