著者
吉田 朗 原田 昇
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.542, pp.19-31, 1996-07-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
17
被引用文献数
6 3

本研究では, 都市圏における自動車と公共交通機関の複合的利用施策を評価するために, 鉄道に結節する交通行動を考慮した, より広範囲な交通手段の選択モデルを提案する. 多次元に及ぶ選択構造を単純化するため、鉄道の路線, 乗車駅, 降車駅, 駅アクセス交通手段, 駅イグレス交通手段がすべて選択可能な状況で, 一般性の高い「鉄道経路」選択肢の生成とラベリングの方法を考案するとともに, 駅アクセス交通手段と駅イグレス交通手段の選択構造の共通性に配慮している. 実証分析の結果, 様々な交通目的のトリップに対して, 代表交通手段から, 鉄道経路, 駅アクセス・イグレス交通手段に至る Nested Logit モデルの有意性が認められた.
著者
青木 博通
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.471-479, 2019-10-01 (Released:2019-10-01)

世界の商標制度の基本構造,欧州連合商標制度,中国商標制度,米国商標制度,商標の国際登録制度(マドリッド協定議定書),各国の特異な制度に分けて,世界の商標制度の現状について解説する。
著者
山崎 理恵 森 有希
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.465-470, 2019-10-01 (Released:2019-10-01)

世界的にデザインへの注目が高まる中,2015年以降,米国や日本,ロシアが次々に意匠の国際登録出願制度(ハーグ協定のジュネーブ改正協定)に加盟し,また我が国では,100年に一度といわれる意匠法の大改正が行われ(2020年施行予定),意匠制度の活用方法を見直す好機を迎えている。本稿では,日本を中心に,中国,欧州共同体(EU),米国の意匠制度について紹介するとともに,画像,空間,部品の分野別の登録例を紹介する。また,日本の意匠法改正のポイントについても言及する。
著者
野仲 松男
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.459-464, 2019-10-01 (Released:2019-10-01)

本稿では,世界の特許制度の動きについて概観したのち,主要特許庁の出願動向や国際協力について解説し,実用新案制度についても簡単に触れる。各国・各地域の特許制度は独立であるが,制度調和の取組が続けられており,特許制度の基本的枠組みは共通化されている。特許協力条約(PCT: Patent Cooperation Treaty)に基づく国際出願の利用は年々伸びており,欧州では,Brexitによる先行きの不透明さはあるものの,統一特許制度の実現が目前に迫っている。特許出願動向では中国の台頭が著しく,国際協力の中心は日米欧の三極特許庁から日米欧中韓の五大特許庁に移り,様々な協力プロジェクトが積極的に推進されている。
著者
山口 和弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.453-458, 2019-10-01 (Released:2019-10-01)

国際的なビジネスの展開には,日本だけでなく外国においても特許権,実用新案権,意匠権及び商標権からなる産業財産権を取得することが重要となる。しかしながら,産業財産権の分野において「国際特許」や「世界特許」と呼べる形で国際的に単一の権利が付与されて活用できる制度は存在せず,日本で出願し取得した権利は日本でのみ効力を有するものとなっている。そのため,産業財産権が必要な国々で別々に出願することで権利を取得し,活用することが原則となっているが,その過程で生じる負担や諸問題を緩和するために様々な国際条約が締結されている。そこで,本稿では,初学者が知っておきたい条約を中心に概要を紹介する。
著者
青山 高美
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.446-452, 2019-10-01 (Released:2019-10-01)

今では居ながらにして世界中の人と動画を見ながら話ができる。この豊かな生活を可能にしたのは,他ならぬ人の知恵や工夫など人の知的創作物のお蔭である。こうした人の知的創作物を総称して知的財産と呼ぶ。企業はその存続とさらなる発展のためにより優れた商品・サービスの開発にしのぎを削っており,その源泉である知的財産は企業の重要な財産であると同時に,知的財産権は競争の武器でもある。従って,画期的な知的財産の創出と有効な保護,効果的活用は企業の重要な戦略でもある。企業の盛衰は,国家の経済にとっても重要な要素であるので,近年,知的財産が国家戦略としても話題になることが多い。
著者
炭山 宜也
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.445, 2019-10-01 (Released:2019-10-01)

2019年10月号の特集は「世界の産業財産権のいま」です。産業財産権には特許権,実用新案権,意匠権及び商標権があります。以前は「工業所有権」とも呼ばれていましたが,2002年に策定された知的財産戦略大綱にて「産業財産権」に用語が統一されました。似たような言葉で「知的財産権」というものがありますが,産業財産権に馴染みのない方にとって,これらの言葉の関係は結構あいまいなものではないでしょうか。またサーチャーにとっては,調査対象として馴染みはあるものの,その歴史や制度に関してはそれほど詳しくないという方もいるのではないでしょうか。本特集では産業財産権の概要を理解する入門編的位置づけとして,その歴史や制度,最近のトピックスについて5人の方々から解説をいただきました。総論では株式会社ワイゼルの青山高美氏に特許の事例や知的財産権と産業財産権の関係を含め,広く知的財産制度について概説していただきました。山口和弘氏には,産業財産権と関わりの深い国際条約について,知的財産に関する条約の多くを管理する世界知的所有権機関(WIPO)を中心に解説をいただきました。特許庁の野仲松男氏には,世界の特許制度の動き,主要特許庁や国際出願による出願動向を中心に解説をいただきました。オンダ国際特許事務所の山崎理恵氏,森有希氏には,日中欧米の意匠制度の比較を中心に,日本の意匠法改正のポイントも含めて解説をいただきました。ユアサハラ法律特許事務所の青木博通氏には,世界の商標制度の基本構造や欧中米の比較,国際登録制度,及び各国の制度の特異性について解説をいただきました。いずれの方々からも分かりやすく解説をいただき,本特集記事を通読することで,産業財産権制度に馴染みのない方々にとって,広く知識を得ることができるものと考えています。また本特集が,産業財産権制度により深く興味を持つためのきっかけとなれば幸いです。(会誌編集担当委員:炭山宜也(主査),渋谷亮介,寺島久美子,南山泰之,野村紀匡)
著者
樋脇 治 上野 照剛
出版者
公益社団法人 日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:02850192)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.570-575, 1992-06-01 (Released:2013-01-11)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

This study focused on the properties of nerve excitation responding to pulsed electric fields induced by time-varying magnetic fields. We carried out magnetic stimulation of the human brachial plexus by localized and vectorial stimulation using a sequence of rectangular electric fields induced by trapezoidal magnetic fields. The results show that the nerve excitation is suppressed when plateau of trapezoid is shorter than a critical value. We introduced a model to explain this phenomenon. The nerve excitation elicited by magnetically induced electric fields was simulated. A computer simulation shows that the threshold for nerve excitation elicited by the trapezoidal magnetic field decreases with the increase of plateau of the trapezoidal magnetic field.
著者
Susu Zhang Ling Zhang Shujie Wang Yajun Zhou
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
Food Science and Technology Research (ISSN:13446606)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.529-538, 2019 (Released:2019-09-26)
参考文献数
40
被引用文献数
7

The objective of this study was to compare the effect of papain, bromelain, kiwifruit protease, ficin and ginger extract with different concentration (0, 20, 40, 60, 80, 100 U/g) for improving the quality properties of beef rump steaks. The pH, cooking loss, Warner–Bratzler shear force, texture, colour, myofibrillar fragmentation index (MFI), collagen heat solubility, content of soluble protein (CSP), electrophoresis and sensory evaluation are invested. The result showed that all of plant-origin proteases and ginger extract can improve quality characteristics of rump steaks, and ginger extract was found to be the most effective at reducing cooking loss and contributing to the desirable red color and sensory properties, while papain and bromelain were found to be the most effective at decreasing Warner–Bratzler shear force. Ginger extract can be applied in the industrial scale and household level as a convenient and effective method to improve meat qualities. Furthermore, high-quality rump beef steaks at a keen price would be more available for Chinese consumers.
著者
後藤 育知 山崎 諒介 大谷 智輝 岩井 孝樹 籾山 日出樹 松本 仁美 金子 純一郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101962, 2013

【はじめに、目的】肩回旋筋腱板の断裂は棘上筋に最も多く生じるとされている.通常保存及び手術療法ともに4 〜6 週間の肩関節自動運動が禁止されることで,その期間の廃用症候群が問題となる.棘上筋は僧帽筋上部線維より深層を走行するため視診や筋電図学的に機能や構造を検討するには困難な解剖学的特徴をもつ筋といえる.そこで本研究では超音波画像診断装置を用いて深層に存在する棘上筋の筋厚を複数箇所測定し自動運動による棘上筋への負荷の程度や構造的特性を解明する事と,棘上筋の構造的特性を踏まえた廃用症候群を予防する方法について検討する事を目的に研究を行った.【方法】1)対象:肩関節障害の既往のない健常成人男性12名(平均年齢21.6±1.61歳,平均身長173.4±5.5cm,平均体重63.4±5.9kg)を対象とし,利き腕において計測を行った.2)方法:(1)測定機器は計測機器超音波画像診断装置(L38/10-5ソノサイト社製)を用いた.(2)棘上筋筋厚の計測方法:棘上筋の測定肢位は椅子座位にて上肢下垂位,耳孔‐肩峰‐大転子が一直線上となる肢位で行った.測定部位は肩峰と棘三角を結ぶ線に上角から下した垂線(以下,上角ポイント),肩峰と棘三角を結ぶ線の中点(以下,中点ポイント)の2 点を棘上筋の走行に対して直角に超音波画像診断装置のプローブ面を全面接触させて測定した.測定する肩関節外転角度は安静下垂位(外転0°),外転10°,30°,90°の角度において無負荷で測定を行った.(3)統計処理:各ポイントにおける角度ごとの比較は一元配置分散分析にて多重比較検定を行い,異なるポイントの角度ごとの比較には,正規性の確認後,対応のあるt検定を用いた.いずれも有意水準は5%とした.【倫理的配慮、説明と同意】超音波による棘上筋厚の測定の実施に際し,本研究に関する説明を担当者から行い,研究で得られた結果は目的以外に使用しないことなどを十分に説明し文書にて同意を得た.【結果】上角ポイントでは棘上筋の筋厚は0°で0.9 ± 0.34cm,10°で1.02 ± 0.37cm,30°で1.15 ± 0.33,90°で1.65 ± 0.28cmで,90°において最も筋厚が厚くなり,0°,10°,30°と比較して統計学的に有意に厚くなったことが明らかとなった.また,0°,10°,30°において各々を比較した場合では統計学的に有意差を認められなかった.中点ポイントでの筋厚は0°,10°,30°,90°それぞれの角度間において棘上筋の筋厚に統計学的有意差は認めなかった.【考察】今回の研究において上角ポイントにおける筋厚は,肩関節外転0°〜30°において各々を比較した場合,棘上筋の筋厚に統計学的有意差は認められなかったが,0°,10°,30°での筋厚を90°と比較した場合では統計学的有意差が認められた.坂井らによると,肩関節外転における棘上筋は通常最初の10°までに働いているとされており,肩関節10°付近で筋厚が最大膨隆するという仮説が考えられた.また,棘上筋は30°まで作用するとされる説もあるため30°付近においても筋の膨隆はプラトーに達すると考えられた.しかし,得られた結果より肩関節外転0°〜30°における棘上筋の筋厚に統計学的有意差が見られなかったことから,0°〜30°までは負荷が増大しても筋厚が変化しないことが明らかとなった. 中点ポイントでは角度間において,統計学的に有意な差を認めなかったことから,測定部位が異なれば負荷の影響は同じであっても筋厚の変化は異なることを示している.これら2 ポイントの異なる筋厚の変化は羽状筋である棘上筋とその収縮様式,筋の起始部が関係しており,自動外転90°の最大負荷時に筋腹部が上角ポイントに滑走し,中点ポイントでは同じく90°で平均値が最も低値である事から筋腹部から筋腱移行部になったことで90°での筋厚が薄くなったと考えられる.つまり30°〜90°での筋の滑走が最も大きかったと推察される.【理学療法学研究としての意義】臨床における腱板断裂例では手術療法後の肩関節自動運動禁止による廃用症候群が早期ADL獲得に影響を与える.この問題に対し今回の結果から,0°〜30°の範囲内の肩関節外転自動運動は棘上筋に筋厚に変化がみられないことから,この角度範囲であれば筋厚を高めることなく収縮を促すことができ,肩関節自動運動禁止による棘上筋の廃用性筋萎縮を予防できる可能性があることが示唆された.
著者
名古屋 春満 武田 英孝 傳法 倫久 加藤 裕司 出口 一郎 福岡 卓也 丸山 元 堀内 陽介 棚橋 紀夫
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.59-66, 2011-01-25 (Released:2011-01-26)
参考文献数
23
被引用文献数
7 5

2002年8月から2009年10月までの間に埼玉医科大学国際医療センター・埼玉医科大学病院を受診した特発性頸部内頸動脈解離症例10例(年齢は36~70歳,男性8例,女性2例)について臨床的検討を行った.診断にはSASSY-Japan脳動脈解離ワーキンググループの「脳動脈解離の診断基準」をもとに,頭部MRI・MRA,3D-CTA,脳血管撮影,頸動脈超音波検査などの検査を用いて行った.脳虚血発症例は8例,頸部痛のみの症例が1例,無症候性が1例であった.発症時に頭痛または頸部痛を伴った症例は4例(40%)であった.10例中4例で発症後3カ月以内に画像上解離血管の改善が認められた.発症3カ月後のmodified Rankin Scale(mRS)は7例がmRS 1であり,3例がmRS 2と全例で転帰が良好であった.平均観察期間17.2カ月において,全例で脳卒中の再発を認めなかった.本邦においても特発性頸部内頸動脈解離症例は決して稀ではなく,内頸動脈の閉塞または狭窄を来した症例に遭遇した際には,常に本疾患を念頭においた複数の検査を可及的速やかに行う必要がある.
著者
岡田 実
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.179-200, 1968-04