1 0 0 0 栗田文庫

出版者
北海道立図書館
巻号頁・発行日
1972
著者
桜井 明子 上月 清司 山本 喜三郎
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.243-250, 2017 (Released:2017-03-01)
参考文献数
4

被災地の自治体は, 災害直後から長期にわたって被災者を多方面から支援する重要な役割を担っており, 被災しながら災害関連業務を行う自治体職員のストレス状況には計り知れないものがある. 阪神・淡路大震災でも, 神戸市職員の心身への影響は多大であり長期に及んだ. 災害の受け止め方は個人や集団によって異なり, その回復過程において, さらに状況が多様化していた. その後, 神戸市は, 東日本大震災などの国内外の被災地で支援活動を行ってきたが, 災害のタイプや規模, 地域の環境, 文化・社会的背景などによって異なる様相を呈しており, 救援者側も, 支援の時期やかかわり方によってさまざまな影響を受けていた. 災害時の心身のケアは, 被災者と救援者相互にとって重要であり, 変化していく個別の状況と全体状況を理解しながら, 被災地の実情に即した幅広い心身医学的ケアを行うことが望まれる.
著者
笹川 慶子
出版者
關西大學文學會
雑誌
關西大學文學論集 (ISSN:04214706)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.1-27, 2019-07-30
著者
高橋 重美
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.27-37, 1998

明治二十年代、習作期の樋口一葉は師である半井桃水から「女装文体」(関礼子)の習得を求められた。それは明確にジェンダーを反映した「虚構のコード」であり、一葉はそのコードによって<読まれる>ことを意識した上で、自らの言語表現を組み立てていかねばならなかった。一方明治末期から大正にかけて、平塚らいてうは『青鞜』誌上で、自身を<読む>主体と位置付け、あらかじめコードを共有する読者のみに語りかける言語表現を展開してゆく。その営みは新たなコードによる共同体を形成したが、同時に異なるコード=他者を不可避的に排除するものでもあった。本論では、この一葉とらいてうを繋ぐ言説変化を仮説として設定し、それを補助線に「煤煙」の朋子の発話及び手紙の言説を分析する。そこには<読まれる>ことに発する戦略と、<読む>主体性との錯綜した関係が凝縮されている。
著者
飯塚 直貴 加藤 仁志 高橋 宙来 松澤 正
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第31回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.210, 2012 (Released:2012-11-07)

【目的】我々は,マッサージ側と非マッサージ側の筋硬度を比較し,マッサージ側の筋硬度が有意に低下したことを報告した(松澤ら,2011).しかし,マッサージの効果の男女差を明らかにした報告は見当たらない.本研究ではマッサージ施行直前,直後の筋硬度の変化量の男女比較を行うことで,マッサージによる筋硬度の変化に男女差があるか検討した.【方法】対象者は健常成人20名(男性10名, BMI22.1±3.0,年齢22±2.1歳.女性10名, BMI19.9±1.8,年齢20.7±0.5歳)とした.対象候補者に対して,予め十分に説明し,書面による同意を得た上で本研究の対象者とした.対象者は,下腿を露出し治療ベッド上に背臥位で10分間安静にした.その後,腹臥位になり左腓腹筋のマッサージを,軽擦法1分間,揉捏法5分間,軽擦法1分間の順で施行した.筋硬度はマッサージ直前,直後,15分後に測定した.測定部位は両側の腓腹筋内側頭最大膨隆部とし,その部位をマークし筋硬度を5回測定しその平均値を採用した.統計学的解析は,マッサージ側と非マッサージ側の変化量を比較するために対応のないt検定を用いて検討した.また,マッサージ前後の筋硬度の変化量の男女差を比較するために対応のないt検定を用いて検討した.【結果】筋硬度の変化量は,マッサージ側が有意に大きかった.また,男性のマッサージ側の筋硬度は直前13.1±3.8N,直後10.9±3.1Nであり,女性のマッサージ側の筋硬度は直前9.7±1.9N,直後8.5±1.5Nであった.男女のマッサージ側の筋硬度の変化量を比較した結果,男性が有意に大きかった.【考察】結果より,マッサージによって筋硬度が低下することが明らかとなり,これは我々の先行研究と同様の結果であった.さらにマッサージを実施した筋の筋硬度の変化の男女差を検討した結果,マッサージの効果は女性と比較して男性の方が大きいことが明らかとなった.生体における標準体脂肪は,男性が15%であり,女性は26%であることが知られている(小澤ら,2009).揉捏法の手技は指掌を皮膚に密着し,筋肉をつかみ圧し搾るようにして動かす手技(網本,2008)であるため,マッサージの効果を得るには筋組織に圧が伝わらないといけないが,女性は筋組織にマッサージの圧が加わる前に脂肪組織に圧がより多く伝わってしまいマッサージの効果が得られにくかったと考えられた. 【まとめ】本研究の結果は,マッサージの効果としては女性と比較して男性の方がより効果が高いことが示唆され,女性に対してマッサージを施行する際には男性と同様の結果が得られない可能性を考える必要がある.
著者
Hazuki Hasegawa Tatsuhiro Tsurumaki Ikki Kobayashi Sousuke Imamura Kan Tanaka
出版者
Applied Microbiology, Molecular and Cellular Biosciences Research Foundation
雑誌
The Journal of General and Applied Microbiology (ISSN:00221260)
巻号頁・発行日
pp.2019.05.002, (Released:2019-09-10)
参考文献数
34
被引用文献数
5

Proteins that bind to RNA polymerase (RNAP) sigma factors play important roles in various transcriptional regulations. In this study, we identified a candidate of the principal sigma factor interacting protein in cyanobacteria, named SinA, based on a previous comprehensive protein interaction study (Sato et al., 2007) and analyzed this in the cyanobacterium Synechococcus elongatus PCC 7942. SinA is highly conserved among cyanobacteria and a knock out mutant showed defective growth at a usually permissive high temperature (40°C). Because this observation suggested SinA involvement in heat-inducible transcriptional activation, we examined heat-inducible protein gene hspA expression after temperature upshifts. The second-step induction disappeared after 15 min in the sinA mutant. In vivo pull-down experiments demonstrated the interaction between SinA and the principal sigma factor RpoD1. This SinA-RpoD1 complex was associated with an RNAP core enzyme under growth temperatures, but was dissociated after a temperature upshift. Based on these results, we propose a function of SinA to facilitate the substitution of the principal sigma factor with alternative sigma factors under heat-stressed conditions.
著者
田村善藏
出版者
田村善藏
巻号頁・発行日
2002
著者
小川 佳宏
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

申請者らは既に、肥満マウスにSodium-glucose cotransporter 2(SGLT2)阻害薬を投与することにより、代償性の摂餌量増加により体重は減少しないが、脂肪細胞の肥大化を伴う精巣周囲脂肪組織重量の増加とともに肝重量の低下と脂肪肝の改善が認められることを報告し、脂肪細胞のエネルギー貯蔵力の増加が肝臓における異所性脂肪蓄積を抑制に関連する可能性を提案した。本研究では、ヒトの病態を再現する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)マウスにSGLT2阻害薬カナグリフロジンを投与すると代償性に摂餌量が増加し、むしろ体重増加の傾向が認められるが、血糖値は低下してインスリン抵抗性は改善すること、精巣周囲脂肪組織重量の増加と脂肪細胞の肥大化が認められるが、炎症所見の増悪はなく、肝臓では新規脂肪合成酵素あるいは炎症関連遺伝子や線維化関連遺伝子の発現の減少とともに肝臓の炎症所見と線維化が抑制されることを見出した。このNASHマウスでは長期間の飼育によりほぼ全例が肝細胞癌を発症するが、1年間のSGLT2阻害薬投与により肝腫瘍数の減少と腫瘍の最大径は低下傾向が認められた。以上により、脂肪組織のHealthy Expansionに伴って肝臓異所性脂肪蓄積が抑制され、脂肪肝と炎症所見・線維化に伴うNASH肝癌の発症の遅延することが示唆された。又、SGLT2阻害薬を投与したNASHマウスより得られる精巣周囲脂肪組織では、還元型グルタチオン(GSH)の増加と酸化型グルタチオン(GSSG)の減少が認められ、脂肪組織のHealthy Expansionには脂肪組織における還元力の増加が関連する可能性が示唆された(Sci. Rep. 8: e2362, 2018)。