著者
今野耿介著
出版者
原書房
巻号頁・発行日
2000
著者
石津 宏 下地 紀靖 與古田 孝夫 宇良 俊二 与那嶺 尚子 下地 敏洋 柳田 信彦 仲本 政雄 比嘉 盛吉 秋坂 真史 名嘉 幸一 吉田 延
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.347-355, 2000-06-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
25

ICUに入室した患者でも, ICU症候群を発症する者としない者である.ICUに3日以上在室し, 安静I度を強いられた患者のうち, せん妄, 不穏, 失見当, 幻覚, 独語などのICU症候群をきたした患者30名(男性22名, 女性8名)とICU症候群をきたさなかった患者30名(男性21名, 女性9名)の両群について, ICU症候群の発症に関わると思われる諸要因について比較検討した.その結果, 原疾患, 既往歴, 職業, 喫煙, 飲酒歴, 入室状況, 栄養状態などでは, 両群に有意な差はみられなかったが, ICU症候群では, 睡眠状態の不良(p<0.01), 6本以上の接続ライン(p<0.01), 家庭における同居数が多い患者(p<0.001)において有意差がみられた.これらを説明変数とし, ICU症候群発症者を目的変数として重回帰分析を行ったところ, 「同居家族数」「睡眠状態」の2項目に有意な関連がみられた.精研式INVでは, Z因子に有意な関連がみられ(p<0.05), エゴグラムでは, 有意ではないがM型にやや多い傾向がみられた(p<0.10).虚血性心疾患とタイプAとの関連は従来述べられているが, ICU症候群発症者とINVとZ因子との関連も注目すべきである.また同居家族の多い者は孤独になった時のコーピング能力になんらかの弱さがあるのではないかと推測され, 前もって家族の面会を多くするなど孤独を防ぐ対策は, 発症予防に役立つことが示唆される.
著者
佐野 哲文 立花 太陽 小出 明子 渡邊 淳一 龍田 恒康 佐野 正之 嶋田 淳
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.487-492, 2014-11-25 (Released:2015-11-25)
参考文献数
30
被引用文献数
2

上顎前歯部埋伏過剰歯は比較的遭遇する機会の多い疾患で,多様な障害を引き起こすことが知られている。一方で,適切な抜歯時期などについては明確な見解が得られていない。今回著者らは,2005 年1 月から2012 年12 月までの7 年間に小児歯科専門医院である当院を受診し,抜歯が必要と診断され外科処置を施行した132 例を対象として臨床的検討を行った。その結果,当院で扱った上顎前歯部過剰歯は男女比は2 対1 で男児に多く,部位は上顎前歯部正中が10.9%,上顎前歯部右側が44.9%,上顎前歯部左側が44.2%であった。また,萌出方向は順生が23.1%,逆生が71.4%,水平が5.5%であった。埋伏過剰歯数は1 歯が82.5%,2 歯が16.7%であり,3 歯は0.8%であった。さらに,パノラマエックス線写真上の埋伏過剰歯の位置については,鼻腔底下縁から歯槽骨頂までの距離に基づいて鼻腔底からそれぞれTypeⅠ~Ⅲとして垂直的深度を評価した。過剰歯の深度分類と手術時の平均年齢を比較すると,TypeⅠは全体における19.9%で平均年齢は7 歳7 か月,TypeⅡは全体における49.4%で平均年齢は6 歳3 か月,TypeⅢは全体の30.7%で平均年齢は6 歳5 か月であり,全過剰歯数の約80%がTypeⅡとTypeⅢに位置していた。これらの結果より,低年齢ほど浅い深度にある傾向が認められることが分かった。
著者
矢内 桂三 野田 賢 Byambaa C. Borchuluun D. Munkhbat T. Baljinnjam L.
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.22, 2003

ジャルナシ(Jalanash,モンゴル名Nuzhgen)隕石はモンゴル国(モンゴル人民共和国,Mongolian Peopleユs Republic)に近年落下した隕石で,同国で回収された隕石6個のうちの1個である.ジャルナシ隕石は1990年8月15日14:00頃西モンゴルのウルゲイ(Olgiy, 49°N, 90°E)に落下したもので,落下直後同地の遊牧民により回収された.当時1個以上が落下したと言われているが回収した隕石の総重量は約1kgで,現在はその本体約700gが研究されることなく,West Mongolian Museumに保管されている.1994年11月にジャルナシ隕石の一部を入手できたので,本隕石の種類,鉱物組み合わせと組織,及び全化学組成等について概要を報告する.ジャルナシ隕石は粗粒,塊状で非常に脆いが落下直後に回収されたためきわめて新鮮である.構成鉱物は主に粗粒カンラン石とピジョン輝石からなり,鉱物粒子間を炭素質物質が埋める典型的なユレイライトである.Fe-Ni金属鉄も粒間に多量に生じている.金属鉄は珪酸塩鉱物のFe成分が炭素により還元され生じたものであろう.鉱物組成は非常に均質でカンラン石(平均Fo80.6, 最大値Fo79-80の間,組成巾 Fo91.8-78.6),ピジョン輝石(平均En75.1Fs17.2Wo7.7; 組成巾 En75.8-74.3Fs17.9-16.6Wo8.3-7.1).主化学組成はSiO2 39%,TiO2 0.08%,Al2O3 0.9%,FeO 16.2%,MnO 0.5%,MgO 38.3%,CaO 0.82%,Na2O 0.09%,Cr2O3 0.7%,FeS 0.8%, Fe 2.1%,Ni 0.1%,Co<30ppmである.南極産ユレイライト12個と比較検討したと結果,組織はいずれのものとも異なっているが,鉱物組成はALH-78019及びALH-78262ユレーライト隕石に類似していることが明らかになった.
出版者
日経BP社
雑誌
日経network (ISSN:1345482X)
巻号頁・発行日
no.21, pp.120-125, 2002-01

後半は実用書を紹介しよう。現役エンジニアに話を聞き,彼らが普段,実務に役立てている本を集めた。リファレンス代わりにパラパラ見たり,得意分野ではない技術の概要をつかむために便利な本の類である。 また定番書ではちょっと難しくて,読破しようという意欲がわかなかった人のために,エンジニアや本誌寄稿者が薦める入門書もいくつか紹介しよう。
著者
井上 スミ
出版者
京都大学
雑誌
京都大學結核研究所紀要 (ISSN:04529820)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.263-273, 1959-03

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
小林 初夫 安部 清哉
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.12, pp.173-225, 2014-03-01

本研究は、2011 年3 月11 日の東日本大震災で、避難生活を強いられた小学校児童・中学校生徒が受けたであろう言語面への影響についてアンケート調査を実施し、言語形成期にあたる児童生徒が受けた言語の面での有形無形の影響を、部分的にでも記録しようとするものである。児童生徒が、避難生活前後において、各自の言語や周囲の言語の変化について、どのように受け止め、どのように感じたのか、主にその言語意識の側面に関する質問への選択回答形式と自由記載形式によってアンケート形式で調査した。調査対象は、福島県南相馬市の小学校3 校、中学校1 校で、2012 年2 ~ 3 月の間に学校別に実施し、小学生計57 名、中学生計91 名、合計148 名の回答を得た。それを、小・中別、中学の学年別、男女別、避難先の遠近別ほかの観点から分類して集計し、それぞれについて若干の分析と考察を行った。調査ということそのものの“ 難しさ” もあったが、幸い児童生徒の皆さんおよび関連諸方面のご理解とご協力をいただき、小さな調査ではあるが、前例のほぼない言語意識の記録を残すことができた。回答からは、避難生活後、友達の言葉が変化したと感じた児童生徒は、小学生で29%、中学生で41%、平均で39%あり、言語形成期にある児童生徒の5 分の2 以上が、何らかのかたちで言葉への影響を被ったであろうことが推定された。また、複数選択回答式質問への避難先別平均回答率の相違からは、言葉がより異なる県外への避難を経験した児童生徒の方が、福島県内避難の児童生徒の場合よりも、より強く言葉(地域言語)を意識するようになった様子が読み取れた。\ 本研究は、「震災原発等による避難生活が言語形成期の児童生徒に及ぼす影響に関する調査研究」(学習院大学人文科学研究所の平成24 年度特別共同研究プロジェクト、代表:安部清哉)の研究成果の一部である。\This research was based on a survey about the impact on the language of elementary and junior high school students who were forced to live as refugees in local or di erent prefectures after the earthquake on March 11, 2011. Th e survey was conducted in a questionnaire form that asked students, who were in a the formative period for personal language, about how they felt there had been changes in their or other peopleʼs language since living as evacuees. Three elementary schools and one junior high school in Odaka, Minamisoma City in Fukushima were surveyed. The total response was one-hundred forty-eight including fty-seven elementary school students and ninety-one junior high school students. Th e period of survey was from February 2012 to March 2012. Th e response was aggregated for the study by lementary/junior high school, school year, gender, and the distance of their relocation. is is an unprecedented record as a language survey of elementary and junior high school students in uenced by the Great East Japan Earthquake. From the survey responses, students noticed that their friendʼs personal language had changed after living as evacuees: 29% of students noticed in elementary school, 41% in junior high school, and the average proportion is 39%. It appears that two fths of students in the formative period of personal language development had their language a ected in some way by their lives as evacuees.

1 0 0 0 OA 市中取締書留

出版者
巻号頁・発行日
vol.[16] 天保,