巻号頁・発行日
vol.第104冊, 1000
著者
小丸 達也 加藤 浩 高橋 務子 佐治 賢哉 三浦 元彦
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.665-671, 2017-07-15 (Released:2018-07-15)
参考文献数
28

冠動脈に狭窄病変を有する患者では慢性閉塞性肺疾患(COPD)の併存が古典的冠危険因子と独立して急性冠症候群の発症のリスクとなるか検討した.冠動脈造影にて有意狭窄病変を認めた連続353例(年齢:71.2±9.9歳,男性/女性:259例/94例)を研究対象とし,COPDの診断の有無,急性冠症候群の既往の有無,古典的冠危険因子(高血圧,脂質異常症,糖尿病,喫煙)を調査,検討した.全対象者のうち34名(9.6%)が臨床的にCOPDと診断されていた.単変量解析では,COPD併存の有無は,急性冠症候群発症既往の有無と有意に相関していた(13.7% vs 6.5%,p<0.05).ロジスティック回帰分析による多変量解析では,COPDの併存は,年齢,性,古典的冠危険因子を補正しても,急性冠症候群発症の既往と有意に相関していた(オッズ比:2.33,95%CI:1.07-5.08,p<0.05).COPD併存患者は男性に多く(p<0.01),より高齢で(p<0.05),喫煙者が多く(p<0.0001),BMIが小さく(p<0.01),脂質異常症が少なかった(p<0.005).また,スタチンやACE阻害薬,β遮断薬などの心保護薬の処方がより少なかった(p<0.03).以上より,冠狭窄を有する患者においては,COPD併存は年齢,性,古典的冠危険因子から独立して急性冠症候群の発症リスクを高める.冠疾患患者の診療にあたっては,COPDの合併の有無に十分に注意を払う必要がある.
著者
淡野 寧彦
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.382-394, 2007
被引用文献数
2

本稿は, 茨城県旭村における養豚業の存立形態を示すとともに, 銘柄豚事業による農産物のブランド化が, 養豚業の存続にもたらす有効性と課題にっいて検討した. 旭村では, 1970年代以降, 養豚専業経営農家が現れ, 養豚団地の整備や糞尿処理設備の導入によつて, 養豚業の基盤が整えられた. 産地全体での生産・出荷体制は構築されず, 個々の農家による経営規模拡大や生産性の効率化によって, 茨城県最大の養豚産地となっている. しかし現在, 環境問題対策への負担増や肉豚取引価格の下落が課題となっており, その対策として銘柄豚事業が取り組まれつつある. 銘柄豚事業への着手は, 生産部門にとって, 肉豚取引価格の向上や安定, 流通・販売部門との結びつきの強化, 豚肉の販売状況に関する情報の入手といった利点を生み出している. 一方, 販売部門からは, 質的・量的安定性やトレーサビリテイの実現可能性が, 銘柄豚事業の利点として評価されている. しかし, 銘柄豚の流通範囲が限定的であることや, 小売業者によって銘柄豚の取扱いに差異があるといった課題が生じている.
著者
海老原 五郎
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.191-196, 1988

1 0 0 0 直島町史

著者
直島町史編纂委員会編集
出版者
直島町役場
巻号頁・発行日
1990
著者
三浦
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
林學會雑誌
巻号頁・発行日
no.20, 1923-07-31
著者
金子 有子
出版者
東洋大学国際哲学研究センター(「エコ・フィロソフィ」学際研究イニシアティブ)事務局
雑誌
「エコ・フィロソフィ」研究 = Eco-Philosophy (ISSN:18846904)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.101-112, 2017-03

The clonal diversities of Potamogeton pectinatus L. (Potamogetonaceae) and Vallisneria asiatica var. biwaensis (Hydrocharitaceae) were evaluated for conservation of genetic diversity of these species. Potamogeton pectinatus is a rare submerged macrophyte in Japan. Protection of the genetic variability of these rare and endemic species is required from a viewpoint of conservation genetic. According to microsatellite analysis, the clonal diversities (Shannon’s index) of P. pectinatus populations varied widely among 11 sampled populations, with ranging from 0.000 to 0.990. The low clonal diversities were found in some populations in Kinki districts. These populations were affected by the anthropogenic disturbances because of cutting these areas before flowering. Vallisneria asiatica var. biwaensis is an endemic submerged macrophyte in the Lake Biwa-Yodo River system. Local populations of V. asiatica var. biwaensis have decreased in the south basin of Lake Biwa since the 1970s. Genetic variation of this species was evaluated by using allozyme analysis. The clonal diversities (Simpson’s D index) of 13 sampled populations were ranging from 0.782 to 0.972. These results would be useful information for development of conservation program.
著者
佐々木 玲子 石沢 順子
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.208_2-208_2, 2016

<p> 子どもの体力・運動能力の低下や身体活動量の減少が問題とされている中で、幼児期から適切な運動の量と質を確保することの重要性が指摘されている。日常的に身体活動量の多い子どもは運動能力も高いという傾向がこれまでの研究で示されてきたがその多くは横断的なデータによるものである。そこで本研究では、幼児を対象にしたこれらの関係を縦断的な視点から検討することを目的とした。対象は、東京都内の公立幼稚園に通う男女45名であり、年少クラス在籍時および1年後同時期の年長クラス在籍時に同一の測定を行った。運動能力は25m走、立幅跳、ソフトボール投げ、体支持持続時間、連続両足跳越しの5種目を、身体活動量は3軸加速度計式活動量計を用いた8日間の連続測定により1日あたりの歩数と中高強度活動時間を指標とした。それらから運動能力や身体活動量の経年変化および各項目の関係性について検討した。全般に運動能力は各種目とも1年間で統計的に有意な向上を示した。身体活動量は、平日における中高強度活動時間のみ有意に増加した。運動能力、身体活動量、ならびに各項目間の関係性は、年少から年長かけてより明確にみられる傾向であった。</p>
著者
W. Schmidt-Kessen 森永 寛 花王 石鹸
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.193-203, 1985 (Released:2010-08-06)
参考文献数
56

Die Wirkungen des CO2-Bades beruhen auf der freien Diffusion des gelösten Gases und dessen teilweiser Hydration in der Haut. Die Empfindlichkeit cutaner nervöser Rezeptoren wird verändert, die Kaltafferenz gehemmt. Das cutane Pooling verändert die Reaktion auf den hydrostatischen Druck im Bade. Die vermehrte Hautdurchblutung verbessert die Bedingungen des konvektiven Wärmetransportes durch die Haut bei allen Badetemperaturen. Die verschiedenen Effekte sind vielfach therapeutisch nutzbar.
著者
佐々木 邦博 米林 由美子 平岡 直樹
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.419-422, 2001-03-30
参考文献数
7
被引用文献数
3 2

長野市松代町は城下町であり,水道網が発達していた。武家屋敷において庭園の水を隣家から隣家へと流す泉水路が存在し,現在でも一部ながら残されている。江戸時代における泉水路の形成過程,その範囲,その用途を明らかにするのが本研究の目的である。対象地は上級武家屋敷地であった殿町とした。真田家文書などの水道絵図から分析すると,次の結論が得られた。中水道が江戸時代中期頃に形成され始め,後期には泉水路として水系を形成する。殿町にはほとんどの家に泉水路が流れ,主に生活用水として,後期には部分的には養魚池の給水源としても用いられていた。その範囲はおそらく松代城下町全体に及んだのではないかと推測される。
著者
井手口 直子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.107, pp.PE5-7, 2006-09-10

高血圧のため、総合病院の内科に通院している50歳のJさん。β遮断剤のテノーミン(一般名:アテノロール)をずっと服用しており、処方の変更はないことから、症状は安定しているようである。 Jさんは病院に月1回通院しているが、この薬局には2〜3カ月に1度しか来局しない。
著者
山田 滋
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア : 医療・介護の経営情報 (ISSN:18815707)
巻号頁・発行日
no.348, pp.123-125, 2018-10

第16回(株)安全な介護 代表 山田 滋 軽度半身麻痺で要介護3のJさん(女性・85歳)は姪と同居しています。1年前から認知症を発症して短期入所生活介護(ショートステイ)を利用するようになりました。普段はとても物静かな方ですが、様々な場面で介護拒…
著者
渡辺 一尊 鈴木 悠人 原田 裕子 齋藤 雅樹 上野 真史 森本 仁 上田 敦史
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.141-147, 2018-05-05 (Released:2018-05-05)
参考文献数
4

きぼうロボットアームは,親アーム,子アームから構成され,現在は曝露ペイロードの移設などすべてのアーム運用を地上からの遠隔操作で行っている.2015年5月のExHAM 1号機による初回ミッションでは,ExHAMをきぼうエアロックから船外へ搬出し,JEM曝露部上の電気箱Survival Power distribution Box(SPB)のハンドレールに,子アーム特有の力覚制御を使用した押し付け動作により取り付けた.この半年後の2015年11月には,ExHAM 2号機を同様のシーケンスで船外搬出し,JEM曝露部上Exposed Facility System Controller a(ESC a)のハンドレールへの初の取り付けに成功している.本稿では,Ex-HAM 1, 2号機のJEM曝露部への設置,船内回収を定期的に行ってきたきぼうロボットアームの運用実績について述べる.
著者
藤原 宏子
出版者
日本女子大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究では、セキセイインコの雌雄を5週間つがわせた後に、行動(目的1)と脳(目的2)を調べ、配偶者コールの記憶に性差があるかを検討した。さらに、配偶者の声の記憶(聴覚記憶)に関する脳部位の研究に、非侵襲的な脳計測方法の導入を試みた(目的3)。1、行動実験(目的1)昨年度の音声呈示実験で得られた行動データについて、詳細な統計的解析を行った。その結果、配偶者コールの記憶を獲得・保持する能力には性差がないことを明らかにした。2、脳実験-侵襲的方法(目的2)鳥脳の大脳後部の二次聴覚領域は、音声知覚・記憶に関与すると考えられている。配偶者コールを呈示した時の、セキセイインコ・二次聴覚領域における神経活動を調べた。神経活性のマーカーであるimediate early geneの発現を免疫細胞化学的に調べた結果、配偶者コールの刺激によって、二次聴覚領域では雌雄共に同程度の発現がみられることを明らかにした。論文公表に向けての打ち合わせを、共同研究者のオランダ・ユトレヒト大Bolhuis教授と電子メールにより行った。3、非侵襲的方法による脳活動の解析(目的3)Tchernichovsky教授(米国、City University of New York)の研究室に短期滞在し、非侵襲的方法のfMRIを小鳥脳に適用する技術を習得した。日本国内では、鳥脳研究へのfMRI適用例はないが、青木伊知男博士(放射線医学総合研究所)の協力により、セキセイインコのfMRI実験の準備を開始した。以上の成果により、つがいの絆を脳機能の側面から理解していくための大きな手がかりが得られた。

1 0 0 0 OA 群書類従

出版者
巻号頁・発行日
vol.第448-450,