著者
種村 正美
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.p148-150, 1983-04

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
村上 正志 平尾 聡秀 久保 拓弥
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集 第52回日本生態学会大会 大阪大会
巻号頁・発行日
pp.362, 2005 (Released:2005-03-17)

植食性昆虫の群集構造を制限するメカニズムとして、捕食者や寄生者を介した植食者間の見かけの競争が重要である可能性が示唆されている。しかし、これまでのほとんどの研究は実験条件下での検証であり、野外においてはわずかに一例が報告されているにすぎない。森林生態系において、ジェネラリスト寄生者である寄生蜂は被食者である潜葉性昆虫間に見かけの競争を引き起こす可能性があるが、これは空間構造をもつ生息場所を舞台として生じており、空間構造が見かけの競争の有無に影響を及ぼしていると考えられる。寄生者の分布様式に空間的な集中が見られるならば、近接する樹木個体上に生息している潜葉性昆虫個体群の間に見かけの競争が生じていることになる。本研究では、森林生態系において潜葉性昆虫_-_寄生蜂群集を対象として、空間スケールに依存した生物間相互作用の定式化を試みる。調査は北海道大学苫小牧研究林で行った。30m四方の調査プロットを5つ設定し、樹木7種の位置を計測した。また、すべての樹木個体から潜葉性昆虫を定量的にサンプリングし、潜葉性昆虫を飼育することによって樹木パッチあたりの寄生率を調べた。生物間相互作用の空間パターンの解析に際しては、寄生の空間相関モデルを検討した。モデルでは正の空間相関が検出されたときに見かけの競争があることを仮定している。寄生蜂の空間分布パターンは潜葉性昆虫種や寄生蜂種、モデルで仮定する近傍情報に依存して様々な変動を示したが、近傍までの距離が比較的近い場合,寄生の空間パターンとして正の空間相関が見いだされる傾向があった。これらの結果から,森林内で寄生蜂は空間的に集中し、潜葉性昆虫の間に見かけの競争が生じていることが明らかになった。
著者
浅井 潔
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.271-276, 2005-03-15

バクテリアに始まりヒトを含む多くの真核生物のゲノム配列が決定されたが,もとよりゲノム配列の決定はその解読ではなく,ゲノム配列情報の意味を解明するためには多くの課題が残されている.その第一は遺伝子発見と機能アノテーションである.多くのゲノム配列が遺伝子位置,機能が注釈付けされた形で公表されているが,その作業は熟練した研究者の人手によるところが多く,自動化された技術としては確立していない.遺伝子制御ネットワーク,代謝パスウェイ,シグナル伝達パスウェイなどを解明し,データベース化することはより高次の課題であるが,ゲノムに存在する遺伝子セットの機能アノテーションが前提となっている.今後は,DNA マイクロアレイによる発現解析,タンパク質相互作用の解析,タンパク質立体構造などの多元的な情報と配列情報を統合した取り組みが主流となっていくであろう多くのゲノムが決定されたことにより可能になった「比較ゲノム」の研究により,共通の保存領域の中には,タンパク質コード領域ではない部分(非コード領域)の方が多いことが明らかになった.このうち相当部分が機能を持つRNA ではないかと考えられている.RNA 干渉とmiRNA の発見によっても注目を浴びているRNA ではあるが,実はRNA 配列の情報解析技術は確立された技術とは言いがたい.二次構造と配列相同性の両方を考慮した実用的な配列の比較・検索手法はまだ存在しないが,近年カーネル法や共通二次構造予測など,新しい手法が提案されている.
著者
青木 克之
出版者
The Crystallographic Society of Japan
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.309-327, 1981-11-30 (Released:2010-09-30)
参考文献数
29
被引用文献数
12 20

Divalent metal ions are required virtually in every stage of genetic information transfer, and have profound effects on the structures and functions of nucleic acids. This article reviews the current developments of X-ray diffraction studies of metal ion interactions with nucleic acid constituents. The following important findings and topics are briefly presented ; metal binding sites, metal binding effects on the structural dimensions and conformations of nucleic acid constituents, molecular structures of metalnucleotide complexes, metal binding mode in ternary metal ion-nucleotide complexes containing aromatic heterocyclic ligands, which have been studied as a simple model for nucleic acid-metalion-enzyme system, and binding modes of anti-tumor agents, cisammine platinum (II) complexes with nucleic acids.
著者
森貞 真太郎 村西 健嗣 新戸 浩幸 東谷 公
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.295-300, 2005
被引用文献数
1 1

平均力ポテンシャルに基づく陰溶媒モデルを用いた分子動力学シミュレーションにより,0.1 Mおよび0.001 MのNaCl水溶液中における帯電コロイド粒子間の相互作用力を算出した.また,Poisson–Boltzmann方程式に基づく粒子間力の理論計算を適切な近似を用いて行った.その結果,粒子間力のシミュレーション結果は理論計算結果と一致し,我々の陰溶媒モデルを用いたシミュレーションは電解質水溶液中における粒子間力を適切に表現できることが示された.さらに,理論的には取り扱いが困難な,コロイド粒子の接近に伴う電気二重層の重なりの様子を可視化することにも成功した.
著者
臼井 進之助
出版者
一般社団法人 粉体工学会
雑誌
粉体工学会誌 (ISSN:03866157)
巻号頁・発行日
vol.24, no.12, pp.798-804, 1987-12-10 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1
著者
森貞 真太郎 村西 健嗣 新戸 浩幸 東谷 公
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.295-300, 2005 (Released:2005-10-20)
参考文献数
23
被引用文献数
1

平均力ポテンシャルに基づく陰溶媒モデルを用いた分子動力学シミュレーションにより,0.1 Mおよび0.001 MのNaCl水溶液中における帯電コロイド粒子間の相互作用力を算出した.また,Poisson–Boltzmann方程式に基づく粒子間力の理論計算を適切な近似を用いて行った.その結果,粒子間力のシミュレーション結果は理論計算結果と一致し,我々の陰溶媒モデルを用いたシミュレーションは電解質水溶液中における粒子間力を適切に表現できることが示された.さらに,理論的には取り扱いが困難な,コロイド粒子の接近に伴う電気二重層の重なりの様子を可視化することにも成功した.

1 0 0 0 OA 佐藤正伝

著者
佐藤清勝 著
出版者
佐藤清勝
巻号頁・発行日
1936
著者
中根,俊成
出版者
日本アフェレシス学会
雑誌
日本アフェレシス学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, 2013-10-31

Autoimmune autonomic ganglionopathy (AAG) is a disorder of isolated autonomic failure associated with antibodies to the nitotinic acetylcholine receptor of the autonomic ganglia resulting in severe orthostatic intolerance, syncope, constipation, gastroparesis, urinary retention, dry mouth, dry eyes, blurred vision and anhidrosis. The disorder is associated with and most likely caused by antibodies to gAChR. Antibodies to the gAChR are found in the serum of 50% of patients with the acute or subacute form of AAG, correlate to disease severity, and have been shown to pathogenic. In this study, we attempted to develop a novel technique to detect antibodies that bind to gAChR. We established a simple in vitro system termed GLIP (gaussia luciferase-reporter immunoprecipitation), which can detect protein-protein interactions with high sensitivity without using radioisotopes. Using this new method, we extensively reviewed the case histories with current clinical and laboratory evaluations that include testing for antibodies to a3 and b4 subunits of gAChR in serum available from the time of symptom onset. Here, we describe 7 patients with gAChR autoantibody and autonomic dysfunction. Our observations also suggest that autoimmune-mediated impairment of autonomic function may be partially reversible. Six of the 7 patients, except for case 6, improved in response to immunotherapy (e.g. PP, IVMP, IVIg, and immunosuppressant drugs) with symptomatic therapy. In our patients, improvement in neurological deficits occurred with treatment with considerable heterogeneity in the pattern of response. We interpreted the improvement in clinical symptoms correlated with the decrease in the levels of anti gAChR antibodies in each case. Some patients with seropositive AAG respond to treatment with IVMP, PP or IVIg, although when used as a single agent, subsequent treatments are required in patients to maintain the improvement. Previous anecdotal observations suggest that IVIg, PP, and a combined therapy might be efficacious in treating AAG. The more severely affect patients who did not respond to IVMP or PP monotherapy did benefit from combined therapy adding other first line therapy and immunosuppressant agents (prednisolone, tacrolimus, and azathioprine) and seemed to require prolonged immunotherapy for sustained clinical improvement in this study. These results suggest ongoing antibody production, not self-limited.
著者
前田 学 山崎 隆治 藤沢 智美 永井 美貴 周 圓
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.210-218, 2005-09-30 (Released:2010-08-05)
参考文献数
13

末期皮膚悪性腫瘍 (悪性黒色腫と有棘細胞癌) の2例に対してモーズ法と灸療法の併用を試みた。症例1; 77歳, 男性, 1996年夏より左足第I爪が黒色化し, 1997年5月, 外科で抜爪術施行。6月左鼠径部リンパ節腫脹出現, 悪性黒色腫のリンパ節転移の診断下, 8月18日に当科入院後DAV-feron療法3クール施行, 1998年1月22日に左第1趾切断, 6月より左鼠径部に転移巣数十個以上出現, 腫瘍巣36×30cmを拡大切除・植皮施行, 8月同部に再発, 切除。以後, 再燃・切除を4回施行。鼠径部転移巣に1999年10月よりモーズ法を施行・切除。2000年1月14日に再入院。骨盤内の腫瘍巣は小児頭大, 肺転移出現。1月24日, 鼠径部転移巣に灸3荘施行後, 黒色壊死・潰瘍化し, 同部の腫瘍細胞は消失。易出血のため計5回で中止, 3月9日, 黒色舌苔・カンジダ症併発し, 3月15日心不全で死亡。症例2; 63歳, 男性, 1999年11月右鼻孔部に丘疹を生じ, 2000年3月, 急速に増大, 耳鼻科の生検では良性と判断されたが, 以後増大し, 6月13日当科紹介。有棘細胞癌 (SCC) の診断後, 鼻中隔を含め広範切除。8月よりPM療法2クール施行。2001年4月25日下顎に腫脹出現, 5月25日同部の結節もSCCのため, 放射線60G照射, CF療法2クール施行, 一時的に腫瘍は縮小したが, 深部に癌浸潤し, 手術不可能と判断。3月25日モーズ法を試み, 隆起部は平坦化し, 4月10日に退院後もモーズ法継続。7月16日, 腫瘍巣周辺部の小結節に灸療法併用し, 自宅でも継続。8月6日には腫瘍巣は壊死・痂皮化し, 病理像で壊死化 (+) 。10月より急速に腫瘍巣は増大・易出血性となり, 12月3日再度入院。腫瘍巣は小児頭大壊死性潰瘍となり, 2002年2月23日, 多臓器不全で永眠。灸は文献的にも各種の不定愁訴の改善のみならず, 腫瘍増殖抑制効果も報告されているので, 末期で完治困難な癌症例に対してQOL向上面からモーズ法と灸療法の併用も積極的に考慮する必要がある。
著者
都築 誠一郎 植西 憲達
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
巻号頁・発行日
pp.869-889, 2016-10-01

ICUでは,自律神経障害を呈する疾患に遭遇することも多く,その診断や治療に難渋することもある。なかでもautonomic storm(自律神経の嵐)の対応に難渋することが多い。本稿では,ICUで比較的遭遇する頻度が高いautonomic stormを呈する疾患を中心に,その対応方法を解説する。さらに,多系統萎縮症やGuillain-Barré症候群,自己免疫性自律神経節障害autoimmune autonomic ganglionopathy(AAG)などの自律神経障害を呈する神経疾患の解説も行う。最後に自律神経障害診断のための検査や比較的よく認める症候である起立性低血圧や,腸蠕動障害に対する対応について述べる。Summary●ICUで問題となるautonomic stormを呈する疾患としてGuillain-Barré症候群,破傷風,アルコール離脱症候群,悪性症候群,脊髄損傷が,特に重要である。●autonomic stormに対する予防として交感神経刺激(膀胱拡張や腸管拡張,皮膚刺激)や副交感神経刺激(気管内吸引や頭部回旋のような迷走神経反射刺激)となるようなことは可能な限り避けるべきであり,副交感神経刺激を誘発する手技を行う場合はその前に十分な酸素化や,高度の徐脈を認める場合は事前のアトロピン投与を検討する。●autonomic stormに対する薬物治療として交感神経興奮時にはモニタリング下での即効性のあるβ遮断薬,αβ遮断薬の投与を行い,効果が現れるまで数日かかるがクロニジンも投与する。副交感神経興奮時には,鎮痛・鎮静薬やマグネシウム,β遮断薬,αβ遮断薬の使用があるなら減量しアトロピンの投与を行う。●ベッドサイドでも可能な自律神経障害を診断する検査は心拍変動検査であるが,ICUではさまざまな交絡因子があるため解釈には注意が必要である。それよりも,常日頃から血圧や脈拍の変動や分泌物の量,発汗量に注意を払うことが重要である。●起立性低血圧症に対する非薬物療法として,下肢/腹部圧迫やcountermaneuversなどがあり,薬物療法として短期間のドロキシドパの有用性は示されている。●腸蠕動改善薬としては,メトクロプラミド,ドンペリドン,エリスロマイシン,六君子湯の有効性が報告されている。