著者
荻林 成章 徐 春暉 寺野 隆雄
出版者
千葉工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

消費者、生産者、銀行、政府、及び消費財市場、株式市場、労働市場からなる人工経済システムのエージェントベースモデルを構築し、価格の均衡、資金循環、景気循環、GDPと物価の関係、所得税及び法人税の減税乗数、などのマクロ経済基本挙動の再現に及ぼすモデル条件の影響を解析した。その結果、個人や法人の多様な行動とその相互作用からマクロ経済挙動が内生的に創発され、定性的に傾向が再現されること、及びマクロ経済挙動ごとにその再現に必要不可欠なモデル構造とその基本メカニズムが解明できた。また政府支出の非効率性を考慮した減税乗数式を導出した。これらは投稿論文4篇、学会発表12篇(内国際会議論文5篇)にまとめた。
著者
安東 俊之介 片寄 晴弘
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.150-152, 2018-09-06

悪戯とは,社会的に適切ではないが他人やものへの明確な敵意のない行動であり, 実施者に独特な快感や満足感をもたらすとされる.悪戯を題材としたコンテンツとしてはLinehan らによる「Shhh!」等があり,プレイヤが不適切な行動に対して快感や満足感を感じたことが報告されている.我々は,悪戯の中でも「落書き」に注目し,実空間と連携したAR コンテンツとして実装する. 落書きの書き手は, 誰かに見られるかもしれないという感情をもって「落書き」をAR空間上に残すことができる. これによって, 描く落書きの内容によるが, プレイヤは「背徳感」を味わうことができる. また閲覧者は現実の空間に出向くことで, その場所固有の「空気感」を感じつつ, 落書きを鑑賞することができる. 本報告では,Unreal Prank Painter の実装内容について報告し,その可能性について議論する.

1 0 0 0 OA 御触書集成

出版者
巻号頁・発行日
vol.[28],
著者
赤田 直輝 宗兼 将之 猪田 敬弘 神野 伸一郎 本村 信治 廣村 信 榎本 秀一
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.237-244, 2014 (Released:2014-10-31)
参考文献数
19

福島第一原子力発電所事故以来, 内部被ばくに対する放射線防護は喫緊の課題である。本研究では, 栄養補助食品のローヤルゼリーを投与したマウスの放射性セシウム, ヨウ素およびストロンチウムの体内動態の変化を, 複数分子同時イメージング装置 (GREI) および高純度ゲルマニウム半導体検出器を用いて評価した。事前に1週間ローヤルゼリーを経口投与したマウスに, 137Cs, 131Iおよび85Sr混合溶液を静脈注射投与した後, 組織分布を定量的に解析した結果, 甲状腺の131Iの蓄積が減少し, さらに全ての核種において尿中排泄量が増加する結果となった。GREI解析により得られた結果からも, 131Iの甲状腺への蓄積減少および全ての核種の膀胱への集積増加が観察された。これらの結果より, 内部被ばくの低減化が, ローヤルゼリーの持続的摂取で可能であり, GREIにより内部被ばく低減化をモニタリングできることが示唆された。
著者
MIRHADI Mohamad Javad 小林 喜男
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.115-124, 1981
被引用文献数
3

5月1日から7月1日まで,15日おきにグレインソルガム(H-726)を名大農学部附属農場の圃場で栽培し,週2回定期的にかん水する区と無かん水区を設け,生育収量やたんぱく含量を調査した. 1. いずれの播種期でもかん水区で,草丈,葉数,穂長,1穂粒数,茎葉や穀実のたんぱく含量が無かん水区より優れていて, この植物が乾燥に強いと考えられているにもかかわらず,栽培にあたってかんがいの必要性が高いと考えられた. 2. 6月1日および15日播きではかん水, 無かん水両区とも他の播種期の区に比べ,生育収量やたんぱく含量が全体的に低下していた. この減少は生育初期に降雨が多く日照が少なく, これに伴う気温の一時的な低下によるものと思われる. 3. 全植物中で茎葉や穂の占める乾物量の比率をみると,5月1日播きでは穂が最も高いが,5月15日播きでは葉の変化はなく,穂が減少して茎が高くなり, 6月1日播でほ茎も葉も増加した. さらに晩い播種期では葉の増加が最も高くなっている. これらから早期の播種では同化生産物の穂への転流が良好であり,晩期になるにつれて茎葉に残り,穂への転流が粒数の少ないこともあって減じ,穀実収量が減ずるといえる. 4. 全体的にかん水の有無で比較すれば,生育収量やたんぱく含量はどの播種期でも同様の傾向を示した. 穀実の粗たんぱく,粗でんぷんの比率に有意な差ほないが, 6月1日播きでは収量が低いので粗たんぱくは高い値を示し,その反面粗でんぷんの割合が減じている. 5.作期の早晩で比較すると,早播きがかん水の有無にかかわらず高収をもたらした. グレインソルガムの高収量を得るには栄養生長期は低温で長期間,登熟は高温で短期間経過するのが望ましいものと考えられる.
出版者
選択出版
雑誌
選択
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.110-113, 2010-11
著者
宋王應麟撰
出版者
慶元路儒學刊
巻号頁・発行日
vol.[59], 1340
著者
甲本 達也
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
Rural and Environment Engineering (ISSN:03872335)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.146, pp.95-100,a2, 1990
被引用文献数
2

粘土の液性・塑性両限界決定のためのフォールコーンテストの適用性について検討した。テストは種々の粘土について, 60°, 0.6Nコーンおよび直径100mm, 深さ50mmの容器を用いて行った。テストによれば, いずれの粘土の場合も貫入量~含水比関係は幅広い含水比の範囲においては両対数紙上で直線で表されることがわかった。この貫入量~含水比直線関係を用い, 貫入量が12.0mmおよび1.3mmに対する含水比を読取ると, それらはカサグランデ法による液性限界および塑性限界に相当することが明らかとなった。
著者
上原 伸一
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:18847374)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.89-99, 1996

The distributions of five species of freshwater goby, <I>Rhinogobius</I> spp.(<I>Rhinogobius</I> sp.CB, OR, LD, DA and CO, according to recent morphological definitions) and R. <I>fiumineus</I> were surveyed at 264 points in 114 streams and rivers on the coastal area of Ise Bay, Japan. <I>Rhinogobius</I> sp.CB (cross-band type) was found in most of the rivers investigated, with <I>R</I>. sp.OR (orange type) occurring in many rivers on the Atsumi and Chita Peninsulas. The possibility of separate origins for the latter populations was discussed. <I>Rhinogobius</I> sp.LD (large-dark type) was found longer rivers flowing across the plains. <I>Rhinogobius</I> sp.DA (dark type) inhabited only a few rivers on the Shima Peninsula. In those rivers habitat segregation was observed between the former and <I>R. flumineus</I>. <I>Rhinogobius</I> sp.CO (cobalt type) occurred in rivers on the Kii Peninsula.
著者
崎濱 秀行
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.105-115, 2003
参考文献数
28
被引用文献数
3

本研究では,大学生・専門学校生を対象として,文章産出活動に対して持つメタ認知的知識の構造を検討した(研究1).その結果,「伝わりやすさ」,「読み手の興味・関心」,「簡潔性」の3因子を見出した.次に,文章産出スキルの高さにより,メタ認知的知識の重視度合い(メタ認知重視度)に違いが見られるのかどうか,などについて検討を加えた(研究2).各文章を得点化し,上位25%を熟達群,下位25%を非熟達群としてメタ認知重視度に関する群間比較を行った.その結果,熟達群は,「伝わりやすさ」という文章全体に関わる側面を重視していたのに対し,非熟達群は,「簡潔性」という文章の細部に関わる側面を重視していた.ところが,文章産出の際にメタ認知的活動をどの程度行ったと思うかについて自己評価させたところ,いずれの下位尺度においても群間の有意差が見られなかった.一方で,書き手がどの程度メタ認知的活動を行ったと思うか,読み手に評定を求めたところ,全ての下位尺度において,熟達群に対する評定の方が非熟達群よりも高くなった.以上の結果から,文章産出スキル育成の際,書き手に「伝わりやすさ」というメタ認知的知識を重視させるだけではなく,そうしたメタ認知的知識を上手く活用させるためのトレーニングを課す必要があることが示された.
著者
伊豆 裕一 佐藤 浩一郎 加藤 健郎 氏家 良樹 松岡 由幸
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.4_61-4_70, 2012 (Released:2013-01-17)
参考文献数
14

デザイン発想におけるスケッチの活用には,多くの効果が確認されている.しかしながら,従来の研究では,それらの効果に対して,透視図法や陰影表現などのスケッチスキルがどのように影響するかは明らかにされていない.本稿では,プロダクトデザインにおけるデザイン発想に対するスケッチスキルの効果や役割の解明を目的に,スケッチスキルを構成する要因とその関係性を明確化した.具体的には,スケッチ教育におけるスケッチスキルの習得プロセスの観察を行い,同教育の受講生が描いたスケッチの評価を行った.その評価結果を,ISM,数量化III類,およびクラスター分析を用いて分析することで,スケッチスキルを構成する要因間の関係を明らかにし,スケッチスキルの構造モデルを提案した.これにより,スケッチスキルの合目的な活用・習得方法の解明が可能となり,スケッチスキルの効果や役割の明確化の一助とした.
著者
後藤 真孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.1737-2747, 2003-11-15
参考文献数
26
被引用文献数
10

本論文では,試聴のための新たな音楽再生インタフェースSmartMusicKIOSKを提案する.CD販売店の店頭で音楽を短時間試聴する際には,通常の音楽鑑賞における受動的な聴き方と異なり,試聴者は早送りを何度も繰り返しながらサビを探すことが多い.しかし,こうした聴き方に対する支援は従来なかった.本研究では,サビの区間や楽曲中で繰り返される区間の先頭へジャンプする機能と,それらの区間の楽曲中での配置を視覚化する機能を提供する.これにより,試聴者が手探りでサビを見つける煩わしい作業を不要にし,試聴者が能動的に聴きたい場所を探す作業を容易にする.このような,インタラクティブに楽曲中の再生位置を変更しながら所望の箇所を見つけられるインタフェースは,試聴に限らず,音楽を選んで利用する一般的な目的で有用である.上記の機能を実現するために自動サビ区間検出手法を提案し,試聴機として実装・運用した結果,検出手法と試聴機の両者の有効性を確認した.従来の音楽再生インタフェースでは,楽曲単位でしか興味のない音楽を飛ばせなかったのに対し,SmartMusicKIOSKによって初めて,楽曲内部の興味のない箇所も容易に飛ばすことが可能になったといえる.This paper describes SmartMusicKIOSK,a new music-playback interface for trial listening.In stores that sell music compact discs,short periods of trial listening of the CD music usually do not represent a passive appreciation of music --- customers often search out the chorus or ``hook'' of a song by repeatedly pressing the fast-forward button.Listening of this type, however,has not been traditionally supported.Through our research,we have developed a function for jumping to the chorus section and other key parts of a song,plus a function for visualizing the song structure.These functions eliminate the hassle of searching for the chorus and make it easier for a listener to find desired parts of a song,thereby facilitating an active listening experience.This interface,which enables a listener to look for a section of interest by interactively changing the playback position,is useful not only for trial listening but also for more general purposes in selecting and using music.The proposed functions are achieved through an automatic chorus-section detection method,and the results of implementing these functions in a listening station have demonstrated their usefulness.While entire songs of no interest to the listener can be skipped on conventional music-playback interfaces,SmartMusicKIOSK is the first interface that allows the user to easily skip sections of no interest even within a song.