著者
塩沢 孝之
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物鉱床学会誌
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.75-84, 1970
被引用文献数
3

筆者は石母狩湾堆積物中の粘土鉱物組成を調べ,その分布を規刷している主な要因が分凝作用であろうと推論した(塩沢,投稿中)。その推論を確めるべく,湾の主要構成粘土鉱物のモンモリロナイト・クローライト・イライト(代りにセリサイト)からなる分散系で分凝作用に関するある種の実験を行なった。<br> それによると,モンモリロナイトは懸濁液攪拌放置後の時間経過に伴って,懸濁液中で相対的に濃集し,クローライト(セリサイトもほぼ同じ)は逆に減少することが明かになった。この分凝作用は一般に塩分濃度と分散系中の粘土鉱物濃度の増加にともなって顕著になる。この結果は, Whitehouseら(1960) の単一鉱物の分散系で行なった実験結果からほぼ説明される。今回の実験結果は,石狩湾に関する筆者の推論が正しいであろうことを裏づけた。
著者
青木 三郎 生沼 郁
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.35-39, 1973

日本海山陰沖大陸棚上33地点から得たドレッヂ試料中に含まれている粘土鉱物をX線回折法によって調べた.2μ以下の部分に含まれている粘土鉱物は,モンモリロナイト,クロライト,イライトおよびカオリナイトである.イライトはすべての試料中でもっとも優勢な鉱物であり,その平均含有量は54%である,クロライト,カオリナイト,モンモリロナイトの平均含有量は,各々24, 12, 11%である.研究海域の粘土鉱物組成は,東シナ海堆積物のそれによく似ている.このことは,東シナ海から当海域を通って日本海北部へ流れる対馬暖流が運搬する細粒物質が,当海域の堆積物中の粘土鉱物組成に反映していることを暗示している.モンモリロナイトの含有量が相対的に少いのは,おそらく当海域への火山物質の供給が少いためと思われる.
出版者
巻号頁・発行日
vol.[3],
著者
淡路 英夫 佐藤 千之助
出版者
炭素材料学会
雑誌
炭素 (ISSN:03715345)
巻号頁・発行日
vol.1981, no.105, pp.52-59, 1981-04-25 (Released:2010-06-28)
参考文献数
37
著者
岩佐 安
出版者
日本ペドロジー学会
雑誌
ペドロジスト (ISSN:00314064)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.14-24, 2018-06-30

本土壌はカンボディアに広くみられる砂質沖積土壌と呼ばれる地域内にみられるものである。土壌母材は中生代の砂岩に由来しており,主に石英砂からなっている。本土壌の分布している地域の気候はカンボディアでもっとも高温で雨量の少ない地域に属している。本土壌は黄橙色をしめす砂質な腐植集積のきわめて少ない土壌で断面全体に斑紋およびpisolite concretions ("buck-shot")がみられ,下層にはplinthiteがみられる。pH(水)はB_<2g>, B_3C_g層を除き低い値をしめし,塩基状態も劣悪である。Al_2O_3やFe_2O_3の表層から下層への移動も弱度ではあるがみられる。一次鉱物は,主として石英からなり,有色鉱物はほとんどみられない。粘土鉱物は,カオリン鉱物が主なものであり,それにバーミキュライト,雲母鉱物,バーミキュライト/雲母鉱物,モンモリロナイト,クロライト(?)からなっている。本土壌はpolygenetic soilsであり,地下水ラテライト性土壌とRed-yellow podzolic soilsの諸特徴を兼ねそなえたregosolicな土壌である。なお,本報告をまとめるに当って,論議・検討に応じて下さった農林省農業技術研究所三土正則・渡辺裕両博士に感謝の意を表しておきたい。〔本土壌の現地調査は1969年8月農林省東北農業試験場山下鏡一氏とともに実施したものである。同氏に対しここに感謝の意を表しておきたい〕。

1 0 0 0 OA 蒲室集1卷

著者
元釋大〓撰
巻号頁・発行日
1771

1 0 0 0 IR 編集後記

著者
福嶋 亮大
雑誌
境界を越えて : 比較文明学の現在
巻号頁・発行日
vol.18, 2018-02
著者
新谷 和文 古川 裕子 大川 久美子 宮下 亜衣 本郷 富 瓦林 啓介 古島 悦子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.G0954, 2006

【はじめに】病院等の施設におけるインシデント・アクシデントレポートは、転倒・転落事故が最も多いことが報告されている。<BR>転倒・転落には身体機能・薬物・認知・環境など多様な要因があるといわれている。また、抑制廃止や活動向上などの対策は、リハビリテーションの効果を上げる要因ではあるが、転倒のリスクは向上するといえる。そこで転倒・転落事故減少を目的とした多職種によるチームを作り、会議とカンファレンスを開催したのでその内容を紹介する。<BR>【転倒・転落事故の実態】当院での平成15年10月から平成16年9月の1年間のインシデント・アクシデントレポートは385件で、うち転倒・転落に関するものは134件(34.8%)と最も多く、月別の発生件数件数では新入職員や部署異動の4月が21件と最も多かった。また、リハビリテーション科の転倒・転落事故は55件で、うち担当以外の患者様を受け持った時の事故は12件(21.8%)であった。当院のセラピストが担当以外の患者様を受け持つのは1~2週間に1度でありこの発生率は高率といえる。これらは転倒・転落事故は患者様を正確に把握していないことが大きな原因と考えられた。<BR>【会議・カンファレンスの開催】転倒・転落事故防止を目的とした会議、カンファレンスを平成17年6月より開始した。<BR>会議・カンファレンスとも月に一度行っている。転倒・転落防止会議は看護師およびリハスタッフで行っている。主な議題は、転倒・転落に関する事故報告・環境面の改善策・危険者のスタッフへの周知・予防のための知識についての教育などである。<BR>また、転倒防止カンファレンスは会議のスタッフに薬剤師・管理栄養士を追加した多職種で開催している。主な内容は転倒危険者の正確な把握とその対策である。まず、病棟看護師から転倒危険者をリストアップしてもらい、各部署が評価を行っている。具体的には看護師が転倒スコアのチェックおよび病棟での危険行為状況、理学療法で身体機能(ファンクショナルリーチテスト)および自己管理能力、作業療法・言語聴覚士による認知機能(HDS-R)、薬剤師による転倒関連の薬剤チェック、管理栄養士による栄養面のチェックなどを行い、カンファレンスを開催している。これにより多方面での転倒リスク把握に努めている。また、これらの評価をもとに対策を立てスタッフに周知している。<BR>【考察】転倒防止のための会議・カンファレンスを開催し、センサーマット購入、ベッドのキャスターの固定性向上、ポータブルトイレの正しい使い方の徹底など転倒防止のための成果が徐々に見られてきている。また、各部署による転倒の評価を行うことにより、転倒危険者の正確な把握が向上してきており、転倒発生状況は減少傾向のように思える。今後は、この会議・カンファレンスが転倒・転落事故防止に成果をあげているかどうかを検討する予定である。<BR><BR>

1 0 0 0 OA 年録

出版者
巻号頁・発行日
vol.[493],
著者
石野 泰輝 木嶋 恭一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2002年度春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.1, 2002 (Released:2003-09-19)

本稿の目的は、伝統的なマネジメント手法であるPDCA (Plan, Do, Check, Act) サイクルより効果的に問題状況変革を支援する手法を経営コンサルティングの領域において提案することである。PDCAサイクルは, 問題状況の定義を所与とするハード思考の手法であるため、問題状況の設定を十分に扱えない。ここで, ソフトシステムズ方法論を踏まえたPMDA (Picture, Model, Debate, Act) サイクルを提案する。このPMDAサイクルは, 問題状況の改善に有効な点で、ナレッジマネジメントの知識変換プロセスに実践的含意を与える。
著者
喜田 昌樹
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2002年度春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.2, 2002 (Released:2003-09-19)

組織的知識構造に関する理論的な研究は認知的組織科学を中心に、ナレッジマネジメント論や組織学習論などにおいても進んでいる。しかし、知識構造を測定するという問題は残されている。本稿では、組織的知識構造を測定し、分析するための枠組みを構築する。その中心となるのが、認知マップと呼ばれる研究方法である。今回の発表では、認知マップの概要、代表的な種類、作業手順などについて説明する。最後に、この分析方法の位置付けについて議論し、組織的知識構造研究における実証研究の方向性を示す。それは、ケース分析と本稿で取り上げた認知マップによる分析を統合して用いることである。 (著者抄録)