著者
斯日古楞
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
vol.275, pp.49-78, 2014-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 第275集 『モンゴル高原における文化資源の生成と保全に関する研究』小谷 真吾 編"Studies on the Origin and Conservation of Cultural Resources in Monglia Plateau", Chiba University Graduate School of Humanities and Social Sciences Research Project Reports No.275
著者
河合 直樹 永田 素彦
出版者
公益財団法人 集団力学研究所
雑誌
集団力学
巻号頁・発行日
vol.33, pp.25-48, 2016

<p><tt> 本研究は,東日本大震災(</tt>2011 <tt>年)の被災地で開催している「書道教室」が,被災住民の内発的復興を促す可能性を,アクションリサーチを通じて検討したものである。書道教室は、被災地の一つである岩手県野田村において,</tt>2012 <tt>年</tt>10 <tt>月からほぼ毎月開催してきた。この実践の大きな特徴は,活動のなかで「復興」という目的を明示しないという点にある。第一著者は,講師役としてこの書道教室を主宰し,参加者および関係者の言動を参与観察した。</tt> <tt><br> 書道教室は,これまで交流のなかった多様な住民が集う新たな共同体となった。すなわち,参加者は,主体的に書道を楽しむだけでなく,それをとおして新たな人間関係を構築した。このことは,書道教室が,生活の立て直しに追われるばかりだった住民にとっての貴重な機会となったことを示唆している。</tt> <tt><br> そのうえで,正統的周辺参加論(レイヴ&ウェンガー</tt>, 1993/1991<tt>)の観点から,書道教室が「復興といわない復興支援」として被災地の内発的復興を促す可能性を論じた。具体的には,次の</tt>3 <tt>点を考察した。(</tt>1<tt>)既存の復興支援活動は,復興を強調することによって「受援者」という受動的な役割を被災者に獲得させてしまう傾向があった;(</tt>2<tt>)それに対して書道教室は,被災者が主体性を取り戻すための新たな共同体として機能した;(</tt>3<tt>)その共同体では,「復興」や「受援者」を強調する支配的な言説に対して,住民が主体的に物事に取り組む姿勢を喚起する新たな言説が創出された。</tt></p>
著者
細田 充主 高橋 將人 高橋 弘昌 藤堂 省
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.645-649, 2009 (Released:2009-09-05)
参考文献数
11

乳房超音波エラストグラフィは非侵襲的診断方法として徐々に普及が進んでいるが,その診断的位置づけは未だ明らかにされていない.2006年11月から2007年11月に当科にてエラストグラフィを施行した72乳腺腫瘤(良性31腫瘤,悪性41腫瘤)を対象にその診断的意義を検討した.機器は日立メディコ製のEUB-7500を使用し,判定にはTsukuba elastography scoreを用いた.平均スコアは,良性腫瘤1.8±0.9,悪性腫瘤3.7±1.3(p
著者
長谷 和徳 梶 大介 松山 幸弘
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 = The Japanese journal of ergonomics (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.61-67, 2010-02-15
参考文献数
7
被引用文献数
2

我々は,草鞋の機能を模擬したとされる足部装具が歩行運動や立位姿勢に与える影響を明らかにするため,光学式運動計測装置,床反力計などを用いた運動力学計測を以前において行った.本研究ではさらに,足部装具の装着方法を変化させ,筋骨格モデルや足圧分布計などを用いて,より詳細に足部装具,足指の運動,歩行の関係を明らかにすることを目的とする.実験では被験者10名に対して,第1・2指間刺激,第2-5指拘束,全指拘束の3種類の装着法にて足部装具を装着させ,歩行動作と立位姿勢の運動力学計測を行った.また別途,足圧分布計上での歩行実験を行った.第1・2指間刺激の方法では足指の屈曲位,足指間距離の増大などが見られ,足関節まわりの筋活動が増大した.他の装着法でもそれに応じた足部形状の変化,歩容の変化が見られ,これらの結果に基づき本装具が身体動作に与える効果について議論した.
著者
齋藤 玲 多羅尾 史明
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
日本化学療法学会雑誌 (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.44, no.Supplement1, pp.221-228, 1996-03-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
13

新規プロドラッグ型キノロン系抗菌剤NM441の吸収に及ぼす牛乳の影響について, 健常成人男性志願者6名を対象に検討した。NM441 200mg (活性本体NM394として200mg含有) 空腹単回投与時のNM394血清中濃度は, 水200mlでの服薬時および牛乳200mlでの服薬時で, それぞれCmaxが1.43±0.27μg/mlから1.00±0.26μg/mlに, AUC0~∞が7.60±1.47μg・h/mlから5.19±1.72μg・h/ml (平均値±SD) に, 約30%有意に低下した。24時間までの累積尿中排泄率も43.9±5.8%から30.8±5.4%と約30%低下した。Tmax, T1/2については大きな差は認められなかった。以上の結果より, 牛乳での服薬はNM441の吸収を低下させることが確認された。