著者
成瀬 翔 NARUSE Sho
出版者
名古屋大学人文学研究科
雑誌
名古屋大学人文学研究論集 (ISSN:2433233X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.153-166, 2018-03-31

This paper discusses concepts of 'political theology' and 'the political' of Carl Schmitt. Schmitt was a conservative German legal, constitutional, and political theorist. Schmitt is often considered to be one of the most important critics of liberalism. But the significance of Schmitt's political concepts is subject to controversy, mainly due to his intellectual support for The Third Reich. In particular, 'the political' seems to approve the war and confrontation. But this paper argues that political theory and concepts of 'political theology' and 'the political' of Schmitt make an important contribution in modern democracy and political philosophy. The contents of this paper are as follows. First, in section 1, I will reconstruct the discussion of 'state of exception', 'decision' and 'sovereign' in Political Theology. Schmitt argues that the essence of a law will become apparent in its state of exception. I think Schmitt's idea was influenced by Thomas Hobbes and Juan Donoso Cortés. Next, in section 2, I discuss 'the political' in The Concept of the Political. Schmitt regarded 'the political' as 'friend-enemy distinction'. I take it that 'the political' or 'friend-enemy distinction' is limited to Just War. In section 3, I discuss that Schmidt criticized liberalism. Finally, I will clarify the relationship between the order and the state on Schmitt's theory.
著者
西山 由加李 泉田 久美子 木下 美佐栄 古屋 伴子 吉浦 洋子 川島 博信 松永 彰 井手口 裕 田久保 智子 迫田 岩根 友成 洋子 佐藤 博行 清川 博之 田中 光信 高橋 順子 谷 慶彦
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.267-273, 2011 (Released:2011-09-09)
参考文献数
29
被引用文献数
1

58歳男性.脳出血のため当院救命救急センターを受診した.入院時,AutoVue Innova®のカラム遠心凝集法によるRh血液型検査で抗Dの反応が(3+)と通常より弱く,weak Dまたはpartial Dが疑われた.各種市販抗D試薬およびエピトープ特異的抗Dモノクローナル抗体を用いた精査では,partial DのカテゴリーDBTとほぼ同様の反応パターンを示した.Polymerase chain reaction-sequence specific primers法によるRHD遺伝子解析ではexon 5,6および7の増幅が認められず,更にcDNAのRHD遺伝子領域を直接シーケンス法にて分析したところ,RHD遺伝子のexon 5,6および7がRHCE遺伝子のexon 5,6および7に置換していることが確認された.以上より,本例は本邦でも珍しいpartial DのDBT-1(RHD-CE(5-7)-D)と同定された. カラム遠心凝集法での抗Dの反応は,試験管法に比べ強く反応することが多いので,カラム遠心凝集法で(3+)以下の凝集を示す場合は,weak Dやpartial Dの可能性を念頭におく必要がある.
著者
曾 文莉
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.86, pp.165-189, 2017

台湾社会の発展と変化を論じる時,台湾ニューシネマが重要な研究対象になる理由は,台湾意識が見えるからである。台湾ニューシネマに台湾意識が現れる理由は,1977年の郷土文学論戦の影響だと思われる。本稿は台湾の文学思潮の流れに沿って,台湾人のアイデンティティーの変化を観察する。アイデンティティーによって映画に登場する日本の表象も違ってくるので,ニューシネマにおける日本の表象をまとめ,ニューシネマ以前および以降の映画と比較する資料にしたい。 台湾ニューシネマの日本の表象は七つの類型に分けられる:日本人,日本語が話せる台湾人,日本に行く設定,日本式建築,日本語の歌,文化面での日本の表象,そして日本と関係がある話題の登場である。 これらの表象をポストニューシネマと比べて見ると,いくつかのことに気付く。一,日本人役の人物設定。二,言語の使用状況。三,日本語が話せる台湾人の役割。四,「台湾人が日本に行く」目的の変化。五,時間を超えた文化面での日本の表象の登場である。最後に,もう一つ注目すべきことは,映画を撮る視点が中国中心史観から台湾中心史観に変わった点である。
著者
前間孝則著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
2004
著者
野宮 謙吾 西田 麻希子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.61, 2014

和文書体の制作は、文字数の多さからかなりの労力が必要となる。そのため、時間及び経費の問題により中小規模の組織・団体におけるVI指定書体を策定するにあたり、新規制作が困難な現状がある。また、近年コンピュータの利用により制作の労力は軽減されてきているはいえ、そのプロセスは複雑であり品質の高いものをデザインしようとした場合、少人数かつ短時間での制作には限界がある。そこで本学VI指定書体を新規制作することを最終目的とし、和文書体における効率的な制作手法を探る。予備実験段階では、異なるタイプのオリジナル書体を2種設定し、分担制作した場合に形状の統一が図れるかどうか検証した。その結果、漢字部分については実験制作の手法及びプロセスにより、設定した造形ルールにほぼ近い形状の字形を制作できることが確認できた。しかし、実施した実験手法では細部の微妙な形状の再現が困難であり、完成形に至るためには数回のチェックと修正作業を要した。効率的に書体制作を行うためには、素材内容やガイダンス内容を見直し、書体の造形ルールをさらに正確に伝達、共有する必要がある。本研究ではこれらについて検討し、実験制作により検証を行った。
著者
工藤 昭夫
出版者
応用統計学会
雑誌
応用統計学
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.59-66, 1980

遺伝学の基礎概念である,表現型,遺伝子型,遺伝子頻度,任意交配,近親交配,などについて述べた後,著者の工夫による,系図の二進法的表現を用いた方法で,近交係数を定義する.方眼紙に長方形を描き,近親交配の共通祖先に相当する部分に影をつけると影の部分の面積と全体の面積との比が近交係数に等しくなる.この計算方法は,性染色体上の遺伝子についての近交係にも利用できる.また,自殖が可能な生物,さらには,父親候補が複数あってその確率が既知な場合にまで適用できる.
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1023, pp.94-97, 2010-02-08

Tandy RadioShackの内海信二(当時はタンディー・エレクトロニクス・ジャパン 代表取締役社長)は1985年の夏,フィンランド最大級の複合企業であるNokia Corp.のプライベート・ジェット機に乗っていた。行く先はSavonlinna(サボンリンナ)─。 フィンランド首都のヘルシンキから,北東約300kmに位置するこの町は,湖に囲まれた風光明媚な保養地だ。
著者
野宮 謙吾 渡辺 静香
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.11-18, 2004
参考文献数
15

本研究は、和文書体を見ることにより想起される視覚イメージと、読むことにより想起される音声イメージの関係について明らかにすることを目的としている。本調査では、語感の音声イメージ及び和文カタカナ書体の視覚イメー-ジそれぞれについてアンケートを行い、共通に選択されたイメージ(形容詞)を抽出した。さらに、和文カタカナ書体の特徴的なエレメントのみによる視覚イメージ調査を行い、特定のイメージを想起させる要素の絞り込みを試みた。分析の結果、和文カタカナ書体の視覚イメージと語感からの音声イメージの間には、共通のイメージ(形容詞)が存在することが確認できた。細いウェイトの書体についても、特定の音声とイメージの一致傾向がみられることから、本文組みの文字においても、書体の違いによって意図的に音声イメージを感じさせることができる可能性もあると考察した。
著者
柏山 礼興 坂本 啓 田中 宏明 大熊 政明 石村 康生
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.863, pp.17-00566, 2018 (Released:2018-07-25)
参考文献数
15

This study aims to develop an actively deformable space antenna system for radio astronomy around 100GHz. In order to reduce the thermal deformation in active control mechanisms composed of multiple materials, a method to cancel the mismatch of the coefficients of thermal expansion (CTE) is proposed and tested. The CTE mismatch between piezoelements and Super Invar structures is cancelled by adding another metallic part. For effective CTE cancellation, this study clarifies the cause of thermal deformation induced by the preloading mechanisms for a piezoelectric stack actuator. In addition, it shows the effect of the dimension tolerance of the piezoelements is significant, but still manageable by the proposed CTE cancellation method. The effectiveness of proposed method is validated by the use of finite-element analysis, prototyping models, and thermal deformation measurement experiments.

1 0 0 0 OA 世話尽 5巻

著者
皆虚 編
出版者
西田庄兵衛
巻号頁・発行日
vol.[4], 1656
著者
村岡正明著
出版者
東京書籍
巻号頁・発行日
1992