著者
笠井 章次 唐崎 秀則 前本 篤男 古川 滋 伊藤 貴博 河野 透
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.91-96, 2018 (Released:2018-01-29)
参考文献数
15
被引用文献数
1

急性感染性電撃性紫斑病(acute infectious purpura fulminans:AIPF)は感染に惹起され急速に進行拡大する末梢の紫斑,皮膚壊死を特徴とする疾患である.死亡率は30%以上と高率で,救命し得た例でも最終的に四肢切断を要することが多い重篤な病態である.われわれはクローン病腸管切除手術後の重篤な麻痺性イレウス治療中にCitrobacter freundii菌血症からAIPFを発症したが,複数科の協力による集中治療で救命し得た40歳代女性の1例を経験したので報告する.クローン病患者は易感染状態であり,また血栓性イベントの高リスク状態でもあることから,AIPFを発症しやすい条件下にあるといえる.現時点で自験例以外にAIPFを合併した症例の報告はないが,クローン病の管理において知悉すべき病態であり,その治療においては複数科との協力の下,集学的に行うことが重要であると考えられた.
著者
木本 守 徳嶺 千秋 長田 智和 谷口 祐治 新田 保秀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.119, pp.65-70, 2002-12-13

我々は,平成12年度から教育現場における情報教育支援の一環として,教育用Webデータベースシステムの開発を行ってきた.本システムを適用した教材として.平成12年度に"植物図鑑"、平成13年度に"生き物図鑑"を作成し,琉球大学教育学部附属小学校の協力を得て、これらの教材を用いた実践授業を行った.その結果,我々が仮設した教材としての有効性を示せたが,その後の授業の中で,これらの教材を継続的に利用していく点で新たな問題が明らかになった。そこで、我々はこの問題に対処すべく,本システム上に新たな機能を追加した.本稿では,これまでの実践授業の報告を行い,児童や現場教師の意見などをふまえた新たな取り組みについて述べる.We have been developing educational webdatabase systems to support information education in the classroom since 2000. Until now, the systems were applied in two teaching materials named Plant Guide, made in 2000, and Creature Guide made in 2001. The validity of the systems were proved by practice in Ryukyu University primary school. However, some room for improvement in the system were found while using the system in real calsses. Therefore, we have been added new functions for further improvement of the systems. In this paper, we report how the system was used in real classes and evaluate the effectiveness and then, mention our new actions reflected the opinions of the student and the schoolteacher.
著者
吉村 卓
雑誌
秋田工業高等専門学校研究紀要
巻号頁・発行日
vol.25, pp.90-93, 1990-02-28
著者
竹内 昭士郎
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.14-19, 1972-02-01 (Released:2012-10-29)
参考文献数
12
被引用文献数
3

作期を変えて栽培した水稲(農林29号)の出穂期にイネ馬鹿苗病菌の分生胞子を噴霧接種し, 得られた種籾からのFusarium菌発生を指標として汚染率を調査した. その結果, 汚染率は接種日前後の気象条件, とくに日平均気温と関係が深く, 高温期の接種ほど汚染率が高い. しかし, 接種日ごろの日射量が極度に少ないことも汚染率を高めるようである.数種の有機水銀剤を用い, 種々の処理方法で汚染籾の種子消毒効果を試験した. その結果, 現在の有機水銀剤ではどのような処理方法によっても完全に本病を防除することはできなかったが, 浸種籾消毒は乾燥籾処理よりも効果が高く, 消毒後の浸種・催芽は発病を多くするようであった.

1 0 0 0 OA 鶯宿雑記

著者
[駒井乗邨] [編]
出版者
巻号頁・発行日
vol.巻195-196,
著者
高橋 慧智 伊達 進 Khureltulga Dashdavaa 木戸 善之 下條 真司
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2016-OS-137, no.13, pp.1-6, 2016-05-23

われわれは,ネットワーク内のパケットフローを動的に制御可能とする SDN に着眼し,並列分散プロセス間通信ライブラリ MPI の通信性能向上を目的とし,SDN-MPI の研究開発を推進してきた.SDN-MPI のプロトタイプ実装を通じて,本研究では,個別の MPI 関数を単独で実行した際の通信時間の短縮を実証した.しかし,これまでの実装は,MPI の個別の集団通信の高速化を実現するに留まっており,複数の集団通信が駆使された実際の MPI アプリケーションへの応用のためには,アプリケーションが呼び出す MPI 関数相互結合網の制御を連動・連携して行う仕組みが必要不可欠である.本稿では,そのような問題点に着眼し,われわれが開発してきた MPI 通信パターンに基づく SDN 制御を高速化するカーネルモジュールについて報告する.
著者
福山 佑樹 森田 裕介 松野 夢斗 浅見 智子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.177-180, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
9

反転授業の予習に用いるデジタル教材として,デジタルゲームを用いた場合の特性を検証するための試行を行った.実践の結果,ゲームを用いた予習教材は一定数の学習者にとって「エンタメとして楽しめる」ものであったが,応用問題や科学哲学的な問題の理解を深めるためには対面授業でのディスカッションを組み合わせることが重要になること,反転授業形式にすることでゲーム教材の「授業中に必要以上に時間がかかりやすい」という欠点を乗り越え,振り返りを充実化することで学習効果を高める特性がある可能性が示唆された.
著者
別所 秀夫
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.115-131, 2014 (Released:2014-06-13)
参考文献数
72
被引用文献数
1

This paper describes the transformation of the concept of tairyoku or physical fitness during the period 1872-1945, and analyzes it from the viewpoints of “discourse” and “the body.” The word tairyoku was first used in official documents as a translation of “bodily powers” in modern Japanese education. The word tairyoku appeared in the context of the discourse on physical education encompassing the whole picture of intellectual, moral, and physical education. This appears to have been the birth of the concept of tairyoku in the Japanese education system. Tairyoku was often used in discussions of taikaku or physique, from the Meiji (1868-1912) to Taisho (1912-1926) periods, but it was not a common concept for the population as a whole. Modern research into tairyoku in order to explore the full potentiality of the body accompanied the changes in social structure during the development of capitalism in Japan after the First World War, and with the development of research in medicine, hygiene, health and physiology. Thereafter, research on tairyoku became scientific, but leaned toward a concept that included the spirit during the Second World War.